CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/60 sec, ISO0)
本日は曇り空の中、チャリンコを駆ってポロンナルワの遺跡巡りへと繰り出す。
ポロンナルワは、西暦1017-1255年までスリランカの首都であった町だ。先日のアヌラーダプラと同様、所謂古都というやつであり、やはり世界遺産に登録されている。古都というのは何だか響きが良い。かつての栄華、そして時代の中に静かに沈んでいく衰退を思うと人間の営みの儚さに気付かされる。
さて、アヌラーダプラが民家と遺跡の共存系の遺跡群だったのに対し、こちらは「ポロンナルワ保護区」とも呼ばれる通り、完全に公園化されており、住民の居住区が占める割合は低い。豊かな自然の中に遺跡や遺構が至る所に点在しており、遺跡で作られた一つの町といったような風情を醸し出してはいる。
個人的にはたまに道を逸れて民家の人々と戯れるというサプリメントがあった方が旅の醍醐味を味わえるのであるが、静寂の中で悠久の時に身を委ねてみるのもまた悪く無い。
宿のある市街地から遺跡群へ向かうとすぐにこのような保護区に入る。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (11.3mm, f/3.2, 1/200 sec, ISO0)
こちらはバス停である。無いよりはマシ、といった風情であるが、スコールの多いこの国では屋根は重宝するだろう。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/100 sec, ISO0)
イグアナ(by 米国人)もいる。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (28.4mm, f/4, 1/80 sec, ISO0)
さて、遺跡群が見えてきた。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/125 sec, ISO0)
宮殿跡
なんとこの宮殿、当時は7階建てだったという。こんなに森だらけで土地が余っているのだからそんなに高く積まなくとも良いだろうと思うのだが。今残っている下の写真は3階部分までだという。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/200 sec, ISO0)
こちらは閣議場跡。ここに王や大臣が集まってああでもないこうでもないと言っていたのだろう。写っているおじさんは別に大臣とかではないと思われる。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/3.2, 1/250 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (11.3mm, f/3.2, 1/80 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/60 sec, ISO0)
リス大臣がいた。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (28.4mm, f/4, 1/80 sec, ISO0)
クワドラングル内の遺跡
「クワドラングル」というのはその名の通り四角形に囲われたエリアで、地理的にも旧都の中心にあり、また仏歯寺などがある仏教の中心でもあったようだ。
ワタダーゲ(ワタダージュ)
クワドラングルに入ると最も目立つ半壊したドームのような遺跡。仏塔とのことなので、上半分は崩壊してしまったのだろう。入り口には美しいムーンストーンが残っている。参拝客はここで足を清めてから中に入ったという。アヌラーダプラの記事でも触れたとおり、ムーンストーンは煩悩を断ち切って悟りに境地へと入るための境界線だ。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/200 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/80 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/160 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.81mm, f/2.9, 1/160 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/160 sec, ISO0)
アタダーゲ(アタダージュ)
当時仏陀の歯を奉納していた、所謂仏歯寺である。数日後に訪れるキャンディという町に有名な仏歯寺があるが、ここから受け継いでいるのだろうか。「アタダーゲ」とは「8つの遺宝の家」ということらしい。歯以外の7つは何なのかは分からない。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/3.2, 1/250 sec, ISO0)
サトゥマハル・プラサーダ
タイにある「ワット・チャーマテーウィー」という寺と非常に似ているらしい。ポロンナルワが栄えていた頃はここが上座部仏教の重要な聖地とされており、タイやミャンマーからも僧侶が訪れていたようで、タイから来た僧侶が建築に関わったと言われている。そんな大昔にタイからどうやってここまで来たのだろう、ミャンマーからインド亜大陸を通って遥々きたのだろうか、などと興味が尽きない。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/200 sec, ISO0)
クワドラングル内のその他の遺跡
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/200 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/3.2, 1/250 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/200 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/200 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (9.2mm, f/3, 1/200 sec, ISO0)
ランコトゥ・ヴィハーラ – 金の尖塔
高さ55m、直径55mを誇るポロンナルワ最大のダーガバ(仏塔)。「金の尖塔」という名の通り、かつては最上部の尖塔の部分が金で覆われていたと言われている。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/4, 1/320 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/250 sec, ISO0)
綺麗に剥がされてしまっている。アプサラ(踊り子)の彫刻でもあったのだろうか。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/160 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/8 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/125 sec, ISO0)
パバル・ヴィハーラ
あまり見たことのない二段構えのダーガバ。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/160 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/200 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/160 sec, ISO0)
ランカティラカ
エジプト辺りの神殿のようなスケールの大きさを感じさせる建築。奥の正面には、やはりスケールの大きな仏像が立っている。ただし例によって首はない。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/4, 1/320 sec, ISO0)
高さ18メートル近い巨大な仏像の頭部だけを剥ぎ取るというのはかなり厄介な作業に思えるが、どうやったんだろうか。まあ、建てる技術があったのだから出来ないことはないのだろうけど。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/160 sec, ISO0)
ガル・ヴィハーラ
ガル・ヴィハーラは立像・涅槃像・座像の仏像3体セットになっている、何やらお得感のある場所である。
石材の文様と滑らかな丸みを帯びた形状がとても優雅である。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (9.2mm, f/3, 1/125 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.81mm, f/2.9, 1/200 sec, ISO0)
とても安らかな表情で涅槃に入っている。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (11.3mm, f/3.2, 1/100 sec, ISO0)
座像は撮り忘れてしまった。
シヴァ・デーワーラヤ
何だか可愛らしい寺である。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/250 sec, ISO0)
蓮の池
蓮を型どった池。僧侶の沐浴場だったらしい。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/4, 1/200 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/3.2, 1/250 sec, ISO0)
ティワンカ・ピリマゲ寺院
釈迦や仏教の教えが描かれた壁画がある。お姉さんがそれを写生していた。壁画よりも魅力的な笑顔を見せてくれた。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/8 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/8 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (14.2mm, f/3.4, 1/8 sec, ISO0)
その他
「井戸」とのことである。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/100 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/160 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (23.4mm, f/3.9, 1/80 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (21.3mm, f/3.8, 1/80 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/80 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/125 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/125 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/100 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/8 sec, ISO0)
さて、遺跡を回っているうちに、いつしか常に筆者と同じペースでチャリンコを駆り、常に同じ遺跡で顔を合わせる西洋人に気づいた。先方も気になっていたらしく、どちらからともなく話し掛ける。
彼は、むやみに写真を撮っていた筆者に対しこう尋ねてきたものである。
「たくさん写真を撮っているな。まさか君は古代建築のスペシャリストかい?」
いかにも欧米風のジョークである。「欧米風のジョーク」とはいささか大雑把すぎる気もするが、筆者は欧米風のジョークに直に触れたことはないので細かいことは気にしないこととする。
彼はドイツ出身の銀行員で、今はシンガポール在住だとか。その前はミャンマーでその前は香港で・・・。とんでもないグローバル人材である。
そこで悔し紛れに以下のように訪ねてみた。
筆者「じゃあ日本には来たことはあるのかい」
彼「ああ、20年くらい前に旅行したことがあるよ」
ちゃんとカバーしているのか。もうお手上げである。
宿に戻り、午後は郊外の秘境の遺跡、メディリーギリヤを目指す。
[2004.9.27]
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