世界遺産の仏教遺跡と野生動物の町、アヌラーダプラ。しかし一番出会えてよかったと思えるのはやはり地元の人々の笑顔と心癒される出会いだ。どんな町に来ようが旅の軸はブレない。
という事で本記事には遺跡は一つも登場しないが、勝手にアヌラーダプラのクライマックス編である。
※遺跡や野生動物をご紹介した記事については最後にリンクを置いてあるので御覧頂きたい。
さて、偶然道ばたの家でお兄ちゃんがヤシの実のような果物をナタで割っていたので、アホのごとく凝視していた時のことである。奥さんらしきお姉さんが奥から出てきて、「来い、来い」と手招きする。どうやら今まさに鋭意制作中のヤシの実ジュースをご馳走してくれるようだ。見も知らぬ旅人になんともありがたい話である。
ヤシの実にナタを入れる様子を引き続きガキんちょのように見守っていると、奥さんが何やら怪しげな果物風の丸くて小さい物体を手渡してくる。真ん中で半分に割られ、実が露出している。見た目は非常にグロテスクである。が、食べなければ日本男児の名がすたるので、豪快にかぶりついてみる。「甘い」ような気もするが明らかに「酸っぱい」の方が勝っている。堪らず筆者が日本男児の意地を捨てて「酸っぱそうな顔」をすると、奥さんがそれに砂糖をかけてくれる。これでだいぶいけるようになった。イチジクか何かの一種だったのだろうか。
そうこうしているうちに甘いココナッツ・ジュースが登場し、筆者は満足げに飲み干し、お礼代わりに記念写真を撮らせてもらい(お礼になってないか)、そこを後にしたのであった。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/125 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/60 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/100 sec, ISO0)
親切なご夫婦との触れ合いにすっかり気を良くした筆者は、その後も道すがらわざわざ不要な脇道に入り込み、子供やら家族やらに
「YO!YO!」
などと声を掛けてはカメラを向ける遊びを続ける。皆の笑顔が眩しい。初日のコロンボで直感した通り、ここはやはり「笑顔が光り輝く島」だ。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (14.2mm, f/3.4, 1/80 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/100 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/4, 1/250 sec, ISO0)
あちこちの野原でクリケットを楽しんでいる少年たちを見かけた。大英帝国の面影を感じる。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (21.3mm, f/3.8, 1/100 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/80 sec, ISO0)
さて、遺跡と野生動物の合間にこうして人々と触れ合いながら夢中で町をブラついているうちにあっという間に陽が落ちてきた。そしてついでにスコールまで落ちてきた。ついてない。さすがにこれでは前に進むこともできないため、地元の少年たちが雨宿りしている軒下に仲間入りさせてもらう。
しかしそれはむしろ幸運な出来事であった。その飛び入り雨宿りのお陰で、軒下にいた兄ちゃん達(二十歳くらいと言っていた)と非常に仲良くなることができた。そしてタバコまでもらっちゃった(普段は吸わないが、もちろん喜んで頂いておく。申し訳ないので10Rs こそっと払ったのであるが)。
そう、こうした予想外の出会いこそが旅の醍醐味である。日が暮れようが雨が降ろうが、旅の軸はブレない。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/20 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/80 sec, ISO0)
「シャリニ・ホテル」に戻り、ライオン・ビアーと共に秀逸なスリランカ飯をいただきながら、ドイツ人夫妻と単独の米国人男性と四人で談話を試みる。口頭ベースでの会話は3分の1程しか参加できなかったが、心の会話を通わせることに成功(言い訳だろうって?旅の醍醐味は心の会話です)。
明日は近郊のミヒンタレーを訪れる予定である。
[2004.9.25]
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