旅の終わりにはいつもこの騒々しい町に辿り着く。
しかし今回は少し様相が異なる。それは、眼鏡をスリランカに献上して来てしまったためだ。バンコクのドンムアン空港に到着すると、筆者はすぐにコンタクトレンズを外し、ベンチに横になった。少しでも目を休めて再びコンタクトを装着してバンコクの街にでなければならない。ああ、目が乾く。
二時間ほど仮眠をとり、エアポートバスで街へ出る。この旅の始まりと同様、今日も日本映画を観れるだけ観て時間をつぶすつもりである。ワールドトレードセンター(本当はセントラルワールドプラザなのだが、なぜかみんなこう呼ぶ)からサイアムまで歩き、早速映画館をおとずれ、まずは「クイール」、次に「誰も知らない」を見ることに。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/60 sec, ISO0)
盲導犬ネタの「クイール」は、予想に反せず感涙ものであった。筆者などは5回ほどに渡り滂沱のごとく落涙し、映画館に小川を形成してしまった程である。バンコクの市民もしきりに目頭を押さえていたものだ。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/100 sec, ISO0)
「誰も知らない」はカンヌだかカンヌキだかという賞を受賞しているだけあって、血気盛んな25歳男子にとってはかなりシュールかつ睡眠を誘う雰囲気であり、唯一最後の主題歌が流れるあたりでぐっとくるものがあったくらいなのだが、見終わってしばらくみると徐々に余韻が訪れる作品であった。非常に多くのことを考えさせられる。人が生きていく上での義務とか権利とか関心とか無関心とか。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/100 sec, ISO0)
映画館に設置されていたゴミ箱もなかなかシュールな絵柄である。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (9.2mm, f/3, 1/8 sec, ISO0)
映画館を出ると17:30。適当にぶらぶらして屋台で晩飯を食い、メータータクシーで空港へ。
例年通り、翌朝7:00発のUA成田行きまでの時間をつぶす作業に入る。従来は空港内のセブンイレブンで缶のシンハビアーを買ってきてロビーのベンチで夜を過ごしていたのだが、今宵はバーで小説を読みながらビールでも飲もうか。ベンチの長居はケツが痛くなるし、血気盛んな26歳とは言えそろそろワンランク上の時間の潰し方を覚えたいものである。
もっともバーの看板に「ビアー1本飲んだらもう一本はタダ」と書いてあった事が最大の誘因となった事はここだけの秘密である。
そして最後に、旅への想いを少しだけ綴ってみよう。何しろここはバンコク、ニゴンボのインターネットカフェとは異なり日本語での入力が可能なのだ。
[2004.10.3~4]
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