「ホテル・シャリニ」はとても清潔で設備もよく、スタッフの対応も非常に感じがよい。これで朝飯込み1800Rs（約2000円）とは素晴らしい。そして食堂はオープンテラスとなっていて吹き抜ける風が心地よい。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/8 sec, ISO0)
スリランカ・カリーと無限ライス
スリランカの夕食はカリーだ。8種類ものカリー、そして大盛りライスが運ばれてくる。カリーと言ってももちろん日本のカレーとは全く別種の食べ物である。簡単に言えば、肉や野菜などをそれぞれ何種類ものスパイスで煮込んだ様々な「おかず」でご飯を食べる感じである。中には佃煮のようなのもあれば野菜炒めのようなものもある。
ではインドのそれと似ているかと言うと、少なくとも北インドのそれとはやや風合いが異なる。北インドのそれより、心持ちさっぱりしているというか、油分が少なく感じられる。そういう意味ではミャンマーカリーに少し通じるものがあるかも知れない。
いずれにしても目の前には大量のインディカ米が「食べ切る」という事を想定しない量で盛り付けられ、万が一食べ切ってしまった場合には無言で補充が行われる。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/60 sec, ISO0)
アラックを飲みながらLION LAGARとSINGHA BEERの関係に思いを馳せる
スリランカを代表するビール、それが「LION LAGAR」である。何しろ1972年に国名を「スリランカ」に改称する前は「セイロン」＝「ライオンの島」という国名であったのだ。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/4, 1/60 sec, ISO0)
ところで、ライオンのビールと聞いて思い出すのはタイ代表「ビアシン（SINGHA BEER、日本では「シンハー」で通っている）」である。この「Singha」というのはサンスクリット語の「獅子」を表す言葉だ。ただしタイ語では「ha」は発音されず「Beer Singha＝ビア・シン」となる。
さて、この「シンハ」という言葉、スリランカにも縁のある、何か似た様な言葉がある事を思い出した。そう、「シンハラ族」「シンハラ語」だ。
「シンハラ」というのは「ライオンの子孫」という意味があるらしく、語源はサンスクリット語であるらしい。つまり「シンハラ」の「ラ」を「ビアー」に置き換えれば「シンハビアー」が出来上がるのだ。
すると、もしかすると「Singha Beer」はスリランカで生まれる可能性もあったのではないか？いや、あるいは本当はスリランカのビール会社はタイに「Singha Beer」の商標を先を使われてしまったため、やむなく「LION LAGAR」としたのではないか？
しかし調べてみるとどうもそれは無さそうである。Singha Beerが生まれたのが1933年であるのに対し、LION LAGARの誕生は1881年とずっと早く、しかもLION BEERの醸造所であるライオンブルワリーの前身であるセイロンブルワリーは1849年創業のアジアで最古の醸造所であるという。Singhaの商標が欲しかったのであればタイに先を越される道理が無い。
シンハラ族にゆかりのある「SINGHA」ではなく「LION」を用いた理由は分からないが、大英帝国による植民地政策の中で英語を用いる方が自然だったのか、などと想像するのもまた面白い。
「柳沢慎吾」にそっくりなボーイに頼んで「アラック」と呼ばれるヤシの実から醸造されたスリランカ風ウイスキーを調達してもらった。アラックと言うのは椰子の実から作ったウイスキーの様なもので、LION BEERと並んでスリランカでは是非押さえておきたいお酒である。
ウイスキーよりもやや甘い風味だが、度数はちゃっかり40度近くあるので油断してはならない。LION BEERとSINGHA BEERの関係について延々と考えながら飲むのは大変危険である。しかし、しばしば起こる停電の中、蝋燭やランタンの灯りの中で嗜むスリランカウイスキー、控えめに言って最の高である。
ホテル・シャリニの客室はとても綺麗なのだが、何やらメルヘンチックなのが妙な感じである。しかしアラックのおかげでそれすら素晴らしい事の様に思える夜であった。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (11.3mm, f/3.2, 1/8 sec, ISO0)
椰子の実ウイスキー「アラック」
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/13 sec, ISO0)
ホテル・シャリニの部屋
[2004.9.24]
スリランカ旅行記【”We are Asian!!”と言ってくれた島国】記事一覧
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