こんにちは。麺ズノンノからのオファーを日々待ち続けている麺ヘラ男子、10max(@10max)です。
ある日、筆者のローカルグルメ師匠である勤務先のベトナム人社長と麺談義をしていた時、彼はドヤ顔でこう言い放ったものです。
「いいか、ベトナムには100種類もの麺料理があるんだ」
・・・いや社長、まあ麺料理が沢山あるのは嬉しいんですけど、さすがに100種類は無理ですって。ベトナムに帰化しないとカバーし切れませんって。
という事で本記事では、いきなり100種類は無理ですが、ホーチミン在住の麺ヘラである筆者の拙い知見の限りにおいて、ベトナムの麺の種類と料理について知る限りを解説し、そしてそれらを提供する名店達をご紹介したいと思います。
しかし、「千里の道も一歩から」と申しますので、100種類に一歩近づくたびに本記事も段階的に更新していきたいと思います(100種類も載せたらスクロールし切れんがな・・・)。
なお、ホーチミン在住のため、知見が南部方面の麺に偏りがちな麺についてはご麺なさい。
※ホーチミンのローカル飯屋一覧はこちら↓
ベトナムの麺 – 主要8種類
ではまず、ベトナムの名声を高めてきたイケ麺達をご紹介しましょう。「料理」というより「麺」そのもので見た場合、概ね以下のような麺が存在します。多分網羅出来ていない麺もあると思いますがご了承下さい。
- ブン(Bún)
- フーティウ(Hủ Tiếu)
- ミー(Mì)
- フォー(Phở)
- ミエン(Miễn)
- バインカィン(Bánh Canh)
- バインダー(Bánh đa)
- カオラウ(Cao Lầu)
ベトナムの麺料理を体系的に理解するには、これらの麺をベースとして様々なバリエーションが展開されていると考えるのが近道です(何言ってんだこいつ)。
例えば一番目の「ブン」というやつは非常に多くの料理に登場します。「ブンチャー」「ブンリュウ」「ブンボーフエ」「ブンチャーカー」・・・と言った有様。日本のうどんが「讃岐うどん」「稲庭うどん」「カレーうどん」「鍋焼きうどん」など、ご当地うどんやバリエーションが豊富なのに似ています。
その意味では、実はあの有名な「フォー」は、ご当地性やバリエーションという意味では意外と幅広ではありません(麺の幅の話ではありません)。
また、上記の麺はさらに細かく種類が細分化されるものもあります。後で詳しく見ていきます。
なお、最後の「カオラウ」だけはちょっと特殊で、麺の種類と言うより、ほぼイコール料理名です。
では一つ一つ特徴を見ていきます。
ブン(Bún)
少なくとも南部に住んでいると最もよく登場するマルチプレイヤーが、このブンです。南部メコンデルタで生まれた米麺で、ところてんのように麺玉を押し出す「押し出し麺」と言う製法です。
断面が丸く、にゅうめんのようにツルっとしていてコシがあまりなく、スープ入りだと箸で切れる感じで、コシがある麺が好きな筆者的には、激烈に好きという訳ではないかも。
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フーティウ(Hủ Tiếu)
フーティウは中国発祥の「粿條」に由来する米麺で、17世紀頃に広東省辺りからベトナム南部に移住してきた華人によってもたらされました。タイには「クイティアオ」、カンボジアには「クイティウ」などと呼ばれる兄弟麺が存在します。
ベトナムのフーティウは、更に大きく2種類に分けられます。
- フーティウメム(Hủ Tiếu Mềm)
- フーティウダイ(Hủ Tiếu Dai)
前者の「mềm」は「柔らかい」という意味。下の写真のようにペロッとしたきしめんのような麺です。どうも、元々中国から伝来したフーティウというのはこちらに近いようです。
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一方後者の「dai」は「コシのある」という意味。 上の柔らかいフーティウをベトナム南部人の好みに合わせてコシのある麺に改造したのが、このフーティウダイであるようです。
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フォー(Phở)
言わずと知れたベトナム北部の雄、フォーです。ハノイもしくは近郊のナムディンで生まれたとされています。
本来フォーというのは米製の「生地」のことで、それを細くきしめん状に切ったのが麺料理としてのフォー。料理によってはライスペーパー的に具材を巻いて生春巻きのように食べられることもあります。触感としては柔らかい方のフーティウ、「Hu tieu mem」に似た感じ。
Apple iPhone 15 Pro (6.86mm, f/1.8, 1/50 sec, ISO100)
ミー(Mì)
ミーは黄色い小麦麺でです。ミーもベトナムでよく登場する汎用的な麺ですが、米麺の多いベトナム麺の中で、小麦麺のミーはやや尖った存在です。日本人が「麺」と言って想像するのはミーに近いでしょう。
起源は中国で、広東語で「麺」を「ミー」と発音するところから来ている様です。広東系華人の営むベトナム中華料理店でよく見かけますが、ベトナムの麺料理店でも、麺を選べるタイプの店では頻出です。マレーシアやインドネシアにも「ミー・ゴレン」があるように、アジアを股にかけるメジャー選手です。
なお、フーティウ同様、ベトナムのミーは更に大きく2種類に分けられます。
- ミートゥオイ(Mì Tươi)
- ミーゴイ(Mì Gói)
前者の「Mì Tươi」は生麵です。中細のやや縮れ麺で、小麦麺らしくコシがあり、見た感じHu tieu daiに似ていますが、玉子麺なので若干黄色がかっています。個人的に好きな麺の一つです。
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後者の「Mì Gói」は乾麺。食感は見た通りカップヌードルなんかと同じジャンキーな感じで、このジャンキーな縮れ感をこよなく愛する人も少なくないようです。筆者の職場の日本人にも約1名ミーゴイ野郎がいますし、我が家の中学生男子たちも大好きです。
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使用前のミーゴイは下の写真の左上の様に紙に包まれており、まさにインスタント麺と言った風情。
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なお、ベトナム中部には「ミークアン(Mì Quảng)」という麺料理があり、そちらは「ミー」と言ってもまた全然違う幅広きしめん的な感じなので説明が麺倒くさいのですが、後で料理のところでご紹介しますね。
ミエン(Miễn)
Mienはいわゆる春雨です。ミーの様に、スープに入っていることもあれば焼きそば的に炒めたり、色々なベトナム料理屋で汎用的に使われています。
SONY ILCE-7C (28mm, f/4.5, 1/30 sec, ISO2000)
バインカィン(Bánh Canh)
バインカィンはパッと見た感じ日本のうどん。しかし、小麦ではなく米粉とタピオカを原材料とした押し出し麺で、うどんのように打ったりしていないので、食感は結構違います。断面は真ん丸で、うどんのようなコシは無く、ツルッ、プルッとしており箸でも切れる感じ。ちょっと不思議ちゃんです。
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バインダー(Bánh đa)
麺界隈で「バインダー」と言えば、茶色いきしめんルックの麺。米麺なのに茶色いのはさとうきび由来なんだとか。そうした製法(原料)だからなのか、上のバインカィンとはまた違うしっかりした感じの食感。
実はBánh đaと呼ばれる食べ物は麺に限らず幅広くて(いや麺の幅じゃなくて)、煎餅のようなものやケーキ状のものを指したりすることもあります。
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各ベトナム麺を使った主な料理
ではここから、上で登場したイケ麺たちを使った主なベトナム料理達および、それらを堪能できる名店達をご紹介します。
ブン(Bún)を使った料理
ブンを使った料理は実に多彩です。南北問わずベトナムの町を歩いていて最も頻繁に目にする麺の名前は「Bún」なんじゃないか、と言う印象です。
ブンチャー(Bún chả)
ブンという麺は南部生まれですが、今や「ブン」と名の付く麺料理でトップクラスにメジャーな料理はハノイの「ブンチャー」かも知れません。
甘辛いスープと、炭火で焼かれた豚肉のハンバーグのようなものに、ブンが添えられて供されるハノイを代表する料理です。このグリルされた豚肉ハンバーグが実に香ばしく歯触りが良く、ブンが進む逸品です。
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実際ブンという麺は、このブンチャーの様に揚げ春巻きや肉料理などに添えて出され、つけ汁に浸けたりライスペーパーで巻いて食べたりする事も多いです。
ブンボーフエ(Bún bò Huế)
こちらもブン料理を代表するメジャー選手、ブンボーフエ。「bò」は「牛肉」、「Huế」はベトナム中部の古都フエということで、「Bún bò Huế」=「フエ風牛肉ブン」。
少しピリッとしたコクのあるスープがブンと牛肉によく絡んで、癖になる逸品です。
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ホーチミンにも多数店舗があるので、ブンボーフエを出す店を探すのに苦労はしないでしょう。ここでは本場フエの名店を一つご紹介しておきますね。
ブンリュウクア(Bún Riêu Cua)
「cua」はベトナム語で「蟹」。「Riêu」はスープという様な意味で、「Bún Riêu Cua」=「蟹ヌードルスープ」です。Bunを使った麺料理としては、これもそこそこ町なかで見かけます。元々はベトナム北部の紅河デルタ発祥です。
特徴は、蟹をベースとしつつトマトを加えた、少しサッパリしたスープ。爽やかな食感が魅力です。
Apple iPhone 12 Pro (4.2mm, f/1.6, 1/50 sec, ISO125)
ブンチャーカー(Bún chả cá)
ブンチャーカーは中部ダナンのご当地麺。「cá」は「魚」、「chả」は「練り物、すり身、ケーキ」的な意味合いで、魚のすり身や練り物をフィーチャーした、漁業も盛んなダナンらしい麺料理。
魚介出汁とカニペーストの深い味わいとトマトのさっぱりした酸味が融合した、暑い気候にぴったりの逸品。
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ダナンでブンチャーカーを親子3代に渡り提供し続けている名店をご紹介しておきます。
ブンクワイ(Bún Quậy)
このブンクワイ、筆者の中でトップクラスの推し麺です。
フーコック島のご当地麺で、とにかくスープが優しい・・・でも食べ進むほどにしっかり魚介の出汁の芯を感じる、深い味わいです。
魚介のすり身や練り物が入っており、これが出汁取りにも使われている変わった調理法。また麺もベトナム本土のブンとは少し違い、割としっかりした、フーティウに近い感じもあり、様々なブン料理の中でもちょっと異色な存在だと感じます。
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そのブンクワイの名店が、何とホーチミンの1区に支店を出しています。これはマストトライ!
フーティウ(Hủ Tiếu)を使った料理
フーティウという麺は、ブンのように様々な料理のメニューがあるというよりは、とにかく広く食べられている麺です(特に南部)。イカを入れたり魚を入れたり牛肉を入れたり・・・ベトナム南部の食生活の基盤のような麺なのかな、と勝手に思っています。
フーティウムック(Hủ tiếu mực)
と言う事で、「これがフーティウを使った有名な料理だぜ!」と言うのは中々難しいのですが、海鮮フーティウは頻出で美味しいですね。こちらは「mực」=「イカ」フーティウ。ホタテや魚のすり身、肉などもトッピングできます。海鮮出汁が優しく、毎日これを食べていたら間違いなく健康になれそうな一杯。
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そんな海鮮フーティウの絶品を出すホーチミン1区の中心部にある老舗がこちら。ベトナム戦争以前から残る怪しい路地裏に入って行くだけで大興奮です。
フーティウナンバン(Hủ Tiếu Nam Vang)
フーティウナンバンの「Nam Vang」はベトナム語でカンボジア方面の事を指すそうです。ということでこちら、カンボジア由来のフーティウ。南部らしい旨辛いスープとエビ、揚げ玉ねぎなどが特徴です。
スープ無しの混ぜそばタイプと、スープに入ったタイプのどちらかから選ぶのが一般的なスタイルです。
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ホーチミン1区のフーティウナンバンの名店はこちら。
でもやっぱりフーティウって、こんな風に郊外のお寺なんかに旅行した時に、地元の人しか食べないような食堂で130円くらいで出てくる何でもないフーティウが、いいんだよなあ。
SONY ILCE-7C (44mm, f/5.6, 1/50 sec, ISO1250)
フォー(Phở)を使った料理
そして満を持してフォー。フォーと言えばヌードルスープ的料理ですが、実はベトナムでは色々なフォーの調理法があります。
フォーボータイ(Phở Bò Tái)
とは言え、まずはヌードルスープ的なものを押さえない訳にはいきません。フォーには大まかに
- Pho bo(牛肉フォー)
- Pho ga(鶏肉フォー)
の2種類がありますが、個人的には牛出汁の香り深いPhở Bòが好み。Phở Bò Táiはそんな牛肉フォーの代表選手です。この手のヌードルスープ的フォーは、フランス人が工場で食べていた牛肉煮込み料理にベトナム人が麺を入れてアレンジしたのが起源という説。
「Tái」は「生焼けの」的な意味。少し赤みの残った牛肉をスープに浸して茹でながら食べます。ウェルダンが好みの人は「Pho chin」を選びましょう。
Apple iPhone 12 Pro (4.2mm, f/1.6, 1/100 sec, ISO80)
ホーチミンとハノイのおすすめのフォー屋をいくつか載せておきますね。
フォーサオ(Phở xào)
「xào」は漢字で「炒」。つまりフォーサオは炒めフォーもしくは焼きフォー的なものです。雑に言うなら「あんかけ焼うどんのきしめん版」みたいな感じ。ビールのつまみならこっちの方がよいかも?
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麺ではありませんが、フォーと言う生地素材を使った料理としては、フォー生地で春巻き的に具材を巻いたPhở cuốnや、フワッとサクッと揚げたPhở chiên phồngというような料理もあります。上でご紹介した「Pho Thin by SOL」ではこれらの変わり種フォーも出しています。
ミー(Mì)を使った料理
中華発祥の小麦麺「ミー(Mì)」は、ベトナムでも非常に汎用的に幅広く使われています。
ミーサオ(Mì xào)
「犬も当たればミーサオに当たる」という慣用句があるほど(いや無い)、どのベトナム料理店にも大体あって間違いなく美味い鉄板メニューが「ミーサオ」。所謂ベトナム風焼きそばで、広東語にすれば恐らく「麺炒」という事になるのでしょう。
不味くなりようのない食べ物なので、ベトナムの地方の町に行った時など、料理のバリエーションが極めて少ない時にも、ミーサオは安定して胃袋を満たしてくれます。
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ベトナム中華麺
上のミーサオはインスタント麺ですが、やはり美味い「Mì」=「中華麺」をちゃんとした料理として出してくれるのは、中華料理店です。特にホーチミンには、古くベトナム南部に移住した広東系の華人達によって、ベトナムの食文化を取り入れつつ受け継がれてきたベトナム中華料理店が多く、いずれも絶品麺料理を提供しています。
例えばこちらは屈指のダックヌードルを出す、ホーチミン5区の中華街「チョロン」にある名店です。
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その他、絶品中華麺を食べさせてくれるベトナム中華料理の名店をいくつかご紹介しておきます。正直なところ、筆者がこれまで食べてきた中において、「ベトナムで一番のイケ麺は誰か」と問われれば、これらのベトナム中華達が最右翼でしょう。
ミークアン(Mì Quảng)
ミーの最後はちょっと変化球。ベトナム中部、フエ・ホイアン辺りの名物麺、ミークアン。中華麺とは全く異なり、平打ちの米麺が特徴です。底の方の甘辛のタレを絡めつつ頂きます。
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ホーチミン1区の中心部で極上のミークアンを出す店をご紹介しておきます。下でも登場しますが、同じ中部のご当地麺「カオラウ」の名店でもあります。
バインカィン(Bánh Canh)を使った料理
バインカィンクア(Bánh Canh Cua)
うどんルックのバインカィンを使った料理として最も有名なのが、バインカィンクア(Bánh Canh Cua)。「cua」=「蟹」、つまり「蟹うどん」です(勝手に命名)。
蟹ベースのスープに、蟹肉や蟹みその濃厚な出汁と爽やかな酸味が同居しており、それに魚の練り物、そしてエビが豪勢に載った、風味満点の逸品です。
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ホーチミンの1区のど真ん中に、知る人ぞ知るバインカィンクアの名店があります。味はもちろん、怪しい路地の入口を進むだけで旅情溢れます。
バインダー(Bánh đa)を使った料理
バインダークア(Bánh đa cua)
きしめんルックのバインダー料理の代表選手はバインダークア(Bánh đa cua)、つまり「蟹きしめん」(これも勝手に命名)。このバインダーという麺は、ほぼほぼ「バインダークア」という蟹ベースのスープと具材の麺料理として供される事が殆どです。
北部の港町、ハイフォン発祥の料理で、しっかり感のある幅広麺、魚の練り物などに、蟹出汁のよく効いたスープが相まって満足度の高い逸品です。
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ただ、北部の料理という事もあり、ホーチミンでこのバインダークアを出す店に出会うことが中々無いのですが、7区フーミーフン地区で遭遇することが出来ました。
その他の主なベトナム麺料理
上の麺の分類の中で当てはめ切れなかった麺料理をご紹介します。
カオラウ(Cao Lầu)
カオラウは中部ホイアン方面のご当地料理であり、これを外してはベトナムの麺料理を語れません。
上の方でも触れた通り「カオラウ」は麺の種類と言うよりも料理名ですが、その麺はまさに「うどん」に近い食感で、割としっかりコシ的な歯ごたえがあります。麺の形状も、上のタピオカうどん「Banh Canh」の真ん丸い断面に対し、こちらは四角っぽい断面で、よりうどんを想起させ、かなり好みのイケ麺です。むっちりしたチャーシューとうどんを甘辛いタレに絡めた触感は絶品です。時折サクサクで味の染みた煎餅がアクセントになります。
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このカオラウをかなりのクオリティで出す店がホーチミンの1区の中心部にあります。上でも触れた、同じ中部名物ミークアンの名店でもあります。実にお薦めです。
ボーコー(Bò Kho)
ボーコーは「ベトナム風ビーフシチュー」とも呼ばれ、フランス統治下のサイゴンで生まれたと言われる料理です。
メインは麺と言うより、ホロホロになるまで煮込まれた牛肉と濃厚なスープで、これに様々な麺やフランスパンのようなバゲットを合わせて食べます。
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ホーチミン1区のボーコーの老舗「Bò Kho Cô Mai」では、バゲットに加え、フーティウやミーなど様々な麺から選んで濃厚なスープと牛肉を堪能する事が出来ます。
麺を制すればベトナムの理解が深まる!?
と言うことで(どういうことだ)、ベトナムの麺の種類や料理を、拙い知識の範囲でご紹介しました。
食を知ることはその国の文化を知ること、とよく言われますが、特にベトナムの人々は食をこよなく愛しています。その中核を成す麺料理を理解することは、ベトナム語の食材の名前や地域による違い、歴史など、様々な麺で・・・もとい、様々な面でベトナムを理解することに繋がるんじゃあないでしょうか。
さて、最後に筆者いち推しの麺屋をご紹介して〆たいと思います。ホーチミン1区にある麺屋で、筆者のグルメ師匠であるベトナム人社長が、赴任初期の頃に薦めてくれた最強麺屋です。フーティウやミー、フォー、ブンと言った代表的なベトナム麺を選ぶことが出来る上に、味も極上のどローカル麺屋です。
ではこの辺りでご麺下さいまし。
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