昼に牛肉面を食した後、宿(チニワク賓館)のすぐ近くにあるというウイグル族の路上マーケットに紛れ込んでみることにした。細君は宿で休みたいと言うので単身で打って出ることにした。
午前中は郊外の集落で素朴なウイグル族の老若男女との出会いに胸を躍らせたものだが、午後のマーケットはさらにめくるめくスペクタクルであった。まさに中国の中にあって中国とは思えないイスラム風情に溢れており、自分が今何処に居るのかを忘れてしまうほどであった。
土壁が見えたらそこはウイグル族の町である。この町では、人口の7割を占めるウイグル族の居住地域と、漢民族の居住地域が明確に分かれている。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/4, 1/400 sec, ISO0)
完全にイスラム風情のウイグル族マーケット
一足ウイグル族のマーケットストリートに足を踏み入れると、もはやそこは完全にイスラムの町である。土色の建物が居並ぶ中、店先に何重にも広げられたペルシャ風の絨毯(この地域のものは特にカシュガル絨毯というらしい)、シシカバブを焼くオッサン、ブドウや野菜を道に並べるオッサン、ロバ車で瓜を売るオッサン、慎ましく頭にヒジャブを被って歩く女性達、その間を縫うように走り回る、褐色の髪とぱっちりとした目の子供達。
しかも、ウイグルの人々は本当に感じが良く、「ハロー」などと言いながらカメラを向けると皆笑顔で答えてくれる。ラオスやミャンマー、スリランカなど、東南アジア、南アジアの心温まる人々の国のことをついつい思い出してしまう。
それと同時に、マナーやホスピタリティの表し方が全く異なる中国の漢民族の人々のことを、頭では「これがここの人々にとって当たり前なんだ」と分かっていても心では中々馴染めない自分に気づかされる。(もっともそれは表面上のことであり、親しくなれば敦煌のシルクロードホテルの親切な小姉のような親切な振る舞いを見せてくれるのだが)
しばしウイグル族の人々が織りなす(中国から見て)異国情緒溢れるマーケットの風景をご覧頂きたい。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (23.4mm, f/3.9, 1/250 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (21.3mm, f/3.8, 1/125 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (28.4mm, f/4, 1/80 sec, ISO0)
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CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (9.2mm, f/4.2, 1/250 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (28.4mm, f/4, 1/100 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (23.4mm, f/5.3, 1/200 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (11.3mm, f/4.4, 1/250 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (16.33mm, f/3.5, 1/100 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (11.3mm, f/3.2, 1/40 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (23.4mm, f/3.9, 1/100 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (25.6mm, f/4, 1/125 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/160 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/4.5, 1/640 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (11.3mm, f/3.2, 1/100 sec, ISO0)
それほどに中国色の薄いウイグルの町を歩いていると、こんなことを考えてしまう。一体、このウイグル人達にこんな問いかけをしたらどんな答えが返ってくるのだろうか?
「あなたは何人ですか?」
これは良くない。「ウイグル人だ」と答えるに違いない。
「あなたの国籍はなんですか?」
果たして「中国です」という答えが帰ってくるのだろうか?
共産党政権とウイグル族との諍いがさほど表面化していない現状(注:2006年当時)ではあるが、実際はそのようなシンプルなものではないに違いない。
この路地があまりに素晴らしかったため、晩飯前に相方を連れて再度散策することに。路地を歩いていくとエイティガール寺院脇の土産物街に出たので、小型の絨毯(壁掛用?)(140元)やウイグルナイフ(10元)を購入。さらに、念願のシシカバブ@屋台を食する。そういえば、昼過ぎよりも夕方の方が人通りが多くて出ている店も多く、賑やかなようである。そして、何度通っても表情豊かで素晴らしい商店街である。
満足に満足を重ね、〆の晩餐は、厳選の結果、恒例の牛肉面の店に決定させていただいた。ただし、今夜は特別に焼きうどん風の麺も追加でいただいた。ビールも頼んだのだが、店内に在庫が無いらしく、隣の超市でぬるいのを買ってきてくれたのはご愛嬌。(ちなみにここは漢族の人がやっている店。基本的に無愛想だが、常連化するとこのように尽力してくれる一面も。この辺りに漢族攻略の糸口があるのかもしれない)
またしても自分の胃袋の容量を過信してしまい、若干オーバーフロー気味であったが、ド満足で宿へ戻ったのであった。帰りがてら、超市で怪しげなワインを購入。「和田石榴酒」。ワインの一種らしいが、ぶどう酒ではないようである。開けてみると、色は赤ワインの赤に茶色い渋みを加えたような色、味は若干ブランデー、そして香りはまるで紹興酒のようである。世にも珍しい酒に遭遇してしまった。帰国後調べてみよう。
現在時刻は北京標準時で22時。日没の遅い西域の夜はまだまだ喧騒の中にある。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (11.3mm, f/3.2, 1/8 sec, ISO0)
(2006年9月15日)
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