CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/4.5, 1/640 sec, ISO0)
China Airの小柄な機体が北京を発って2時間ほどすると窓外の風景は茶褐色の大地で占められる。ここからゴビ灘やタクラマカン砂漠、そしてシルクロードへと繋がっていくのだな、と思わせる。
敦煌の空港はこの上もなくシンプルなものであった。砂漠の一部であるかのようなだだっぴろい滑走路があり、「敦煌」という看板が掲げられた建物が一つたたずんでいる。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/5, 1/640 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/5.6, 1/1600 sec, ISO0)
シルクロード風景と英語を話さない人々
空港の玄関を出ると、タクシーやバスが何台か止まっているが、客引きに近寄ってくる気配もない。拍子抜けして仕方なくこちらからタクシーに近づき、地球の歩き方でお目当てのホテルを見せて乗せてもらう。このタクシーの運転手はまったく英語が通じなかったのだが、まさかこの町の人々の殆どが英語を話さないとはこの時点では想像もしていなかった。
空港から市内へ向かう道中の風景は、唐突にここがシルクロードの入り口である事を否が応にも伝えてくる。整然と立ち並ぶポプラ並木、リヤカー付きの自転車で瓜を運ぶ老人、そしてそれらの遥か向こうになだらかに横たわる砂の丘。脳内イメージ通りのシルクロードの田舎町の風景である。
とはいえ市街地に入ればそこそこ賑やかで、我々はそこそこ綺麗な「シルクロード・ホテル」に落ち着く。ホテルそのものはそこそこ快適そうなのだが、しかしここでも英語が殆ど通じない。「そこそこ」たりとも通じない。翌日の莫煌窟や、翌々日の郊外の名所めぐりの車の手配をしようと思ったのだが、ジェスチャーや筆談を交えながら30分くらい要してしまった。それどころか、「Breakfast」すら通じないのには面食らった。これは先が思いやられる。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/4, 1/500 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/125 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/8 sec, ISO0)
鳴砂山とラクダ
鳴砂山へ向かう。鳴砂山は、敦煌を囲む砂漠の中に緩やかにそびえる峰々のことで、シルクロードの隊商さながらラクダに乗って砂漠を巡ることが出来る。また、月牙泉とよばれる、砂漠の中に忽然と現れる湖(1000年以上も水が枯れたことが無いという)を見る事ができる。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (19.2mm, f/5.6, 1/640 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (23.4mm, f/4.7, 1/250 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (14.2mm, f/3.7, 1/250 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/4, 1/320 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/5.6, 1/640 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/5, 1/640 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (19.2mm, f/5.6, 1/640 sec, ISO0)
しかしラクダというのは実に優秀な動物である。重い荷物や重い人間を乗せながら、いやな顔一つせずに黙々と砂漠の熱い砂を踏みしめて進んでいくのである。鳴砂山の丘を登る登坂時でさえも、若干「ハァー、フゥー」などとため息のようなものを漏らすが、隊列を乱すこともない。筆者がこんなところを荷物を背負って歩かされたなら3分で発狂するに違いなく、愛嬌のある涼しいツラをして黙々と仕事をこなすラクダには敵わないと身に沁みて思い知った。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (28.4mm, f/5.5, 1/400 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (28.4mm, f/5.5, 1/400 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (28.4mm, f/5.5, 1/320 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (28.4mm, f/5.5, 1/400 sec, ISO0)
何ですかこの可愛らしい座り方は。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (28.4mm, f/5.5, 1/320 sec, ISO0)
鳴沙山から敦煌市内を望む。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/5, 1/800 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.81mm, f/4.6, 1/640 sec, ISO0)
月牙泉。三日月のような泉があり、その周りだけ緑が生い茂る。まさにオアシスである。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/4.5, 1/800 sec, ISO0)
商業街と麻辣麺
一旦町へ戻り、昼飯を食すべく繁華街を適当にブラついてみる。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/80 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/4, 1/200 sec, ISO0)
やがていい感じの食堂に遭遇する。カウンターだけの狭い店内で、数人の客が何やら美味そうな麺をすすっている。「麻辣面」(3.5元)というらしい。
基本的に辛い麺なのだが、辛いだけでなく、とてもコクがあるのである。日本ではあまり出会わないコク辛である。花椒と呼ばれる、麻婆豆腐などにも用いられる香辛料の若干痺れるような感覚も癖になりそうである。これは筆者も助手兼妻もかなりのヒットと評価。敦煌滞在中に必ず再訪することを決意する。
街中では青空卓球が盛んに行われていた。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (28.4mm, f/4, 1/160 sec, ISO0)
夕陽に染まる鳴砂山
宿へ戻り一休憩した後、19時頃に再び鳴砂山へ向かう。実は、昼の鳴砂山以上に夕暮れから夜にかけての鳴砂山はさらに魅力的だと言われているのである。
宿で人民らしくチャリンコを拝借してペダルを漕ぐこと約30分、真っ直ぐ続く道路の正面に再び偉容を現した鳴砂山を一目見て、その様に評される理由が分かった。日光が真上からではなくより低い角度で砂の峰に当たるため、光と影のコントラストと立体感が素晴らしい。また、より赤みを帯びた色合いも景観に深みを与えている。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (28.4mm, f/4, 1/200 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (16.33mm, f/3.5, 1/250 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (16.33mm, f/3.5, 1/125 sec, ISO0)
これだけで満足して帰ってもよかったのだが、望むらくはもう一つ見てみたいものがあった。「月の砂漠」である。砂の稜線の上に浮かぶ月を見てみたかったのである。
しかし、これには残念ながらお目にかかることはできなかった。予想では今日は満月の数日後なので、日没後ほどなく東の空から月が昇ると思っていたのだが、なかなか姿を見せなかった。というのも、ここは西域であるため日没自体が21時近くになる。それほどゆっくり待っている時間はなかったのである。
そのようなわけで満願叶ったりとはいかなかったが、昼間より美しい鳴砂山に実に満足し、闇夜のチャリンコにオドオドしながら帰途に就く。ホテルに帰り着いたら、昼間に超市(スーパーマーケット)で購入した「黄河啤酒」と「莫高赤ワイン」を賞味するのである。
明日は車をチャーターして郊外の遺跡、名所を蹂躙する。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (14.2mm, f/3.4, 1/8 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (9.2mm, f/3, 1/8 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/8 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/8 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/8 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/8 sec, ISO0)
(2006年9月10日)
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