こんにちは。主にソニーα7Cと共にベトナム生活を過ごしている10max(@10max)です。
海外赴任に当たり筆者にとって最大の悩みの一つが、α7Cに装着する眼として「どのレンズをベトナムに持っていくか(買うべきか)」でした。
他にもっと大事な事あるだろ!というツッコミはレンズを5本以上買ってからお願いします(笑)
で、結論から申し上げると、渡航前に購入してベトナム生活および旅の思い出を残すメインレンズとして使っているのがこちらの2本です。
- タムロン 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD (Model A071)
- タムロン 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 (Model F050)
SONY ILCE-7C (50mm, f/4, 1/125 sec, ISO4000)
この2本を携えてベトナム生活を始め、その後半年余りでベトナムの観光名所やベトナム国内旅行に何度も連れ出しましたが、狙い通りの大活躍で旅のシーンを余すところなく切り取ってくれました。
本記事では旅レンズとしてこの組合せを選んだ理由と実際に旅先で使って感じたレビューをご紹介します。
なおそれまではメインレンズとして「タムロン 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036)」を使っていました。A036も予備レンズとして保持していますが、下で触れる通りA071が優秀すぎて本当に「予備」として押入れの肥やしになっています(ベトナムに押入れはありませんが・・・)。
なお、本記事はA071とF050のセットが旅に向いている理由についての記事です。A071単体に関しての詳しいレビューは下記をご参照下さい。
※作例の下にEXIF情報が記載されています。焦点距離が20mmのものが単焦点のF050、それ以外のものが28-200mmズームのA071で撮影したものです。
※なお、本記事中の作例はLightroom Classicで現像しており、筆者の好みでビネット(周辺減光)効果を施している写真が多いですが、実際にはここまで周辺減光は発生しません。
旅にタムロン28-200mm F2.8-5.6と20mm F2.8がお薦めな理由
では早速ですが、この2本のタムロン(28−200mm F2.8-5.6と20mm F2.8)が旅レンズコンビとして非常に理想的だと考える理由をつらつらとご説明します。これは購入前に色々考え抜いた内容でもあり、実際にこの半年使ってみて実感した内容でもあります。
もちろん基本的な考え方としては、28−200mm F2.8で大半の撮影シーンをカバーし、超広角域を20mm F2.8で補う、というものです。
タムロン28−200mm F2.8-5.6は超旅レンズ
これはもう方々で言われている事ですし、当のタムロンが想定している主な利用シーンの一つでしょうから改めて言うまでも無いのですが、実際に半年間使ってみると実に旅に適したレンズであると実感しました。
最強のシャッターチャンス捕捉力
一眼カメラというのは被写体や状況に応じた最適なレンズに交換して撮影するのが基本的には理想的なのですが、旅の中ではそうは行きません。
被写体は突如現れ、そして待ってくれません。例えば望遠で捉えたい被写体のすぐ直後に、広角で収めたい風景が訪れます。
下の2枚はフエのドラゴンボートクルーズ中の作例です。タムロン28-200mm F2.8-5.6をボディに装着していなければ両方の写真を残すことは出来なかったでしょう。
望遠端は200mmでも足りない事はありますが、フルサイズなら多少トリミングしても通常は問題ありません。
広角端はどうしようもないので他の方法でカバーする必要がありますが、後述の通り9割方は28mmあれば十分です。
そんな心配より、レンズを付け替えたりする間にシャッターチャンスを逃してしまうデメリットの方が3倍速い・・・じゃない、3倍は大きいです(ついでに言うと赤い彗星はともかく通常のザクなら軽く捉えられそうなレベルでAFスピードは十分速いです)。
「いやいや!そりゃ所謂「高倍率ズーム」の長所そのものじゃないか!」
と言うツッコミが遠く日本の方から聞こえるような気がしますが、タムロン28−200mm F2.8−5.6はそれだけでなく、この後記す通り、高倍率ズームにありがちな「暗い」「寄れない」「低画質」といった妥協点をことごとく払拭しています。
寄れて、明るく、ボケる
旅行中に寄れないレンズは結構困ります。寄れなければ料理のテーブルフォトが撮れません。旅先のご当地グルメを美味しそうに盛りに盛って収めるテーブルフォトは旅先の撮影シーンの中でも最も重要なものの一つです。
正確には撮れないと言うより、寄れないレンズでは自由度が極端に狭まるのです。例えばテーブルから離れるために中腰にならないといけないとか、小さな料理のクローズアップが撮れないとか・・・。
タムロンA071は広角端で最短撮影距離0.19m、最大撮影倍率1:3.1ととレンズ先端が被写体にくっ付きそうな程に寄れるので、テーブルフォトで困ることはありません。
また、高倍率ズームの常識を覆すF2.8スタートの明るさを持つ事で、暗い夕食時のレストランなどでも安心です。F2.8はほぼ広角端だけですが、それでも全然違います。
また、「ボケる」というのも、旅の思い出を印象深く残す上で重要です。
被写体に寄って思いっ切りボカそうとすればもう少し暗いレンズでも(あるいはフルサイズより小さいフォーマットでも)十分以上にボケを得る事は出来ますが、差が出るのは被写体と距離がある場合。
タムロン28-200mm F2.8-5.6は広角側の28−31mmまでF2.8を保った後、70mmでもF4の明るさを維持するので、下の作例のような少しボケにくいストリートでの距離感でも大口径望遠レンズに近い感じで主題を浮かび上がらせた表現が可能です。
深い被写界深度で背景まで鮮明に写った記録写真も大事ではあるのですが、そればかりでは少々味気ないですからね^^;
(参考)タムロン28−200mm F2.8−5.6の焦点距離ごとのF値
以下、焦点距離ごとのF値を実測してみましたのでご参考まで。
焦点距離 | F値 |
28−31mm | F2.8 |
50mm | F3.5 |
70mm | F4 |
100mm | F4.5 |
135mm | F5 |
200mm | F5.6 |
画質も文句なし
タムロン28−200mm F2.8-5.6が高倍率ズームの常識を覆す光学性能を誇る事は既に方々でレビューされているので、今更本記事で詳しくご説明するまでもないと思います。
実はベトナムに来るまではメインレンズとして大三元のタムロン28−75mm F2.8(A036)を使っており、日常使い及び予備としてこちらもベトナムに持って来ました。
しかし、白状してしまうとタムロン28−200mm F2.8−5.6の吐き出す絵が普通に素晴らし過ぎて、28−75mm F2.8は一度も登場しないまま数年間のベトナム生活を終えてしまいそう・・・というか、帰国後も使わないんじゃないかと思ったりしてます(笑)
これ、まさにタムロン28−200mm F2.8−5.6を買う時に一番懸念していた事態なんですよね^^;
超広角をタムロン20mm F2.8で補えば完璧
さて、とは言えタムロン28−200mm F2.8−5.6に全く弱点が無い訳ではありません。それは上述の通り28mmより焦点距離の短い超広角域。
旅ではどうしても広大な風景や、建造物の室内装飾など、28mmよりも広角側が無いと撮れないシーンが少なからずあります。
そこで筆者は超広角域を単焦点のタムロン20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 (Model F050)で補う事にしました。
とは言え超広角が欲しいシーンはせいぜい1〜2割程度
もちろん選択肢としては、24mm始まりの標準ズームや、同じタムロンの17−28mm F2.8などの超広角ズームなどもありました。
しかし、実際には殆どのシーンは28mmでも十分であり、結局のところ28mm未満の超広角が必要なシーンというのはせいぜい全体の1〜2割程度です(余程広角フェチでない限り)。
それだけのために28-200mmではなく24mmスタートの標準ズームを選んでレンズ交換の手間を増やしたくはないですし(特に筆者のような家族連れの場合)、17-28mm F2.8などの超広角ズームに投資するほどでもない。
であればサイズ・重量的にも軽くて済む20mm単焦点が最適解です。
3万円台のバーゲンプライス
上記の通り、必要ではあるものの登場機会の少ない超広角ですから、余り大きな投資をしたくはありません。
その点、タムロン20mm F2.8は実勢価格で3万円台からと非常にお値打ちです。ポンと勢いで買ってしまえる値段ですよね(注意:沼の住人感覚)。
しかも広角ハーフマクロ!
そしてオマケと言っては控えめ過ぎるのが、最大撮影倍率1:2のハーフマクロ機能。こんなに寄れるので、場合によってはそのままテーブルフォトに持ち込めます。
臨機応変な撮影が出来るのは旅では非常にありがたい性能です。
SONY ILCE-7C (20mm, f/2.8, 1/2500 sec, ISO100)
組合せトータルで最安・最小・最軽量
そして旅と言えば忘れてはならないのが、カメラボディとレンズのトータルとしての軽量コンパクトさです。筆者は旅においては軽量コンパクトこそ最も重要な性能の一つだと考えています(過去の経験上)。
その点、タムロンの28−200mm F2.8−5.6と20mm F2.8の2本の組合せは控えめに言って最強です。
そもそも28−200mm F2.8−5.6自体がこの焦点距離レンジと明るさ、マクロ性能、画質を併せ持って、明るい標準レンズ並みのサイズ・重量を実現している事自体が奇跡的です。
そして単焦点の20mm F2.8はポケットにすっぽり隠し持てるサイズ。
これ程軽量コンパクトに旅の撮影を死角なくカバー出来る組み合わせは他に無いでしょう。
他の選択肢との重量・価格比較
では具体的にタムロン28−200mm F2.8−5.6&20mm F2.8のセットでの重量、価格を見てみます。下の表の通りです。
28−200/F2.8-5.6
(A071) |
20/F2.8
(F050) |
合計 | |
全長 | 117mm | 64mm | ー |
直径 | 74mm | 73mm | ー |
重量 | 575g | 220g | 795g |
実勢価格 | 77,220円 | 37,619円 | 約11万5千円 |
では同じように超広角〜望遠域をカバーできる代表的な組み合わせとして、下記の組み合わせでの重量と価格を見てみましょう。
- FE 24-70mm F2.8 GM II(SEL2470GM2)
- タムロン70−180mm F2.8(A056)
合計重量:886+810=1,696g
合計価格:189,309+115,689=約30万5千円
なんと重量も価格も倍以上になってしまいます・・・。
もちろん大三元の組合せなのでズーム全域をF2.8で通せるメリットはある一方、焦点距離レンジではこちらの方が劣る中で、この選択をするのは中々苦しいところ。
旅の思い出はプライスレスなので価格は頑張って清水の舞台を上下に何往復かしたとしても、個人的には重量が特に厳しいですね。
ということで、価格に加え、旅で最も重要な性能の一つである「軽量コンパクトさ」という点でも、タムロン28−200mm F2.8−5.6&20mm F2.8のセットが如何に優秀かが分かります。
タムロン28-200mm F2.8-5.6と20mm F2.8の作例
では他にも何枚かタムロン28−200mm F2.8および20mm F2.8で撮影した旅中の作例をご紹介しますね。
※再掲:筆者の好みでビネット(周辺減光)効果を施している写真が多いですが、実際にはここまで周辺減光は発生しません。
タムロン28-200mm F2.8-5.6 (Model A071)の作例
SONY ILCE-7C (32mm, f/4.5, 1/50 sec, ISO100)
SONY ILCE-7C (28mm, f/6.3, 1/320 sec, ISO100)
SONY ILCE-7C (101mm, f/4.5, 1/640 sec, ISO100)
SONY ILCE-7C (81mm, f/4.5, 1/640 sec, ISO100)
SONY ILCE-7C (28mm, f/2.8, 1/30 sec, ISO125)
SONY ILCE-7C (74mm, f/4, 1/200 sec, ISO10000)
SONY ILCE-7C (28mm, f/5, 1/30 sec, ISO2000)
SONY ILCE-7C (40mm, f/3.2, 1/40 sec, ISO1000)
タムロン20mm F2.8 (Model F050)の作例
SONY ILCE-7C (20mm, f/8, 1/200 sec, ISO100)
SONY ILCE-7C (20mm, f/2.8, 1/30 sec, ISO320)
SONY ILCE-7C (20mm, f/8, 1/500 sec, ISO100)
SONY ILCE-7C (20mm, f/4, 1/30 sec, ISO500)
まとめ:欲張りさんの旅レンズはこの2本で決まり
と言う感じで(どんな感じだ)このタムロン28−200mm F2.8−5.6(A071)&20mm F2.8(F050)の2本、出てくる絵にも妥協なく、シャッターチャンスにも強く、かつ軽量コンパクト性能にも優れており、旅レンズの組み合わせとして文句なしです。
超広角も標準も望遠もボケも明るさも画質も小型軽量も諦められない!と言う欲しがりさんなあなた(←筆者のこと)には、旅のレンズに迷ったらこちらをお薦めします。
以上、今日もどこかの誰かのお役に立てれば幸いです^^
関連記事
SONY ILCE-7C (200mm, f/5.6, 1/250 sec, ISO1600)
コメント