今年に入り、ベトナム駐在が単身貴族赴任に移行したこともあり、ベトナムの2つの「秘境」と呼ばれる場所に行ってきました。
4月にはベトナム最北の地、ハザン省。
8月末にはベトナムで最も美しい棚田が見られると言われる、イェンバイ省のムーカンチャイ。
「秘境」などという言葉を自分で言うのも何となくこしょばゆいですが、でもまあ控えめに言っても、スマホもなかった十数年前までは外国人旅行者がおいそれと訪れることは出来ない「秘境」と称されてきた場所であることは間違いありません。
これらの旅行記はまた追々記していきますが(何しろ2月のタイ~マレーシア旅行記がまだ終わってないので・・・)、今日はその「秘境」に関して思っていることを少々。
ここは知る人ぞ知るベトナムで最も美しい棚田🇻🇳なんだけど、それよりこのモン族のバイクドライバーさんがすごい可愛いから見て欲しい。 pic.twitter.com/DE2D55XIx6
— 10max🇻🇳 | 旅とベトナム (@10max) September 1, 2024
世の中がどんどん便利になるにつれて、「秘境」と呼ばれる場所がどんどん遠くに行ってしまいつつある様な感覚があるんです。
「ちょっと何言ってるのか分からん・・・むしろ逆では?」って感じですかね。
そう思ったきっかけは、数日前にムーカンチャイから帰ってきたばかりなのに、性懲りも無く次の旅先を妄想し始めた時の事です。
その時に、
「なんかもう、『ここに行って来ました!』って言っても驚かれるような場所ってどんどん無くなってるよな〜」
って思ったんですね。
別に人を驚かせるために旅行する訳じゃあないんですけど、元々観光客が集まる場所に興味がないというのと、愛車にしても何にしても、人とあまり被りたくない性分なんですw
さて、今回のハザンやムーカンチャイについては、割と無事かつ計画通りに満喫して帰って来られた訳ですが、それは
「筆者が秘境をも余裕で攻略出来るほど旅慣れているからなのか?」
と言われると決してそうではなく、やはり
「世の中がどんどん便利になっているから」
だと思うんですね。
スマホが登場して、Googleマップや翻訳が使える様になり、旅人達の色々な情報が飛び交って・・・かつて「秘境」と呼ばれた場所もどんどんハードルが下がってきました。
もちろんハザン省やムーカンチャイは、英語も殆ど通じなければ、手探りや行き当たりばったりの部分もまだ多く、今でもそれなりに旅慣れた人でないとお勧め出来ません。
しかしそれでも現地に行ってみると、外国人旅行者を見つけるには事欠かないのです。
つまり、
「秘境と呼ばれる場所に行きやすくなった」
という言い方も出来るかも知れませんが、むしろ、
「今まで秘境と言われていた場所がどんどん秘境ではなくなって来ている」
即ち「秘境の絶滅危惧種化」的なものが進んできているのでは、とも感じるのです。
もう一つ「秘境の秘境感が薄れて来ている」と感じる理由として思うのが、「SNSの普及」。
かつては、自分以外の誰が何処を訪れているのかなんて殆ど分かりませんでした。それがSNSの普及によって、「どこそこに誰々が行った」的な情報がどんどん流れ込むようになりました。
むしろ、「秘境」と呼ばれるような貴重な場所に訪れた投稿の方がバズって飛んできやすいくらいです(ちなみに筆者のTwitter(X)で今までで最も多くの「イイネ」が付いたのはハザン省のものでした)。
なんも言えねぇ・・・ただただ圧倒される。
ここは本当にベトナムなのか。 pic.twitter.com/fg6mAsZGVj— 10max🇻🇳 | 旅とベトナム (@10max) April 19, 2024
筆者が頻繁にバックパック旅をしていた2000年前後なんて、ミャンマーやスリランカ、新疆ウイグル自治区辺りだって、旅先としてはそこそこマイナーな感覚だったし、情報も少ないのでそれなりの緊張感と高揚感を伴う旅だったのです。
それが今では、便利になって行く事自体のハードルが下がったのに加え(政情不安などを除けば)、行っている旅人達をSNSでバンバン見かけるので、緊張感も高揚感も薄れて来てしまったんですよね。
そう、緊張感と高揚感。
それが極度に高まるような場所こそ「秘境」だと、仮に定義すると、そうした場所がどんどん減ってしまい、更にもっともっと辺境へ入って行かないと「秘境」に辿り着けない・・・
そんな感覚を最近持っているのです。
と言うことで、次の旅の行き先が悩ましいな〜。貴重な単身の今だからこそ「秘境」を攻めたいのですよ。
※本記事の主旨とは関係ないですが、家族を日本に置いて自分だけあまり遠くに旅するのもどうか・・・と、自分に課している制約もあったりするのも悩ましい^^;
と言いつつ実は先日、ちょっと良いかも知れないところ、見つけちゃったんです・・・ (ΦωΦ)フフフ
そんな旅先探しの時間も、もう少し悩みながら楽しみたいと思います。
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