こんにちは。日々昼飯を米にしようか麺にしようか迷っている10max(@10max)です。
「米にしよう!」と思った時には、ベトナム庶民飯の代表選手「コムタム(Cơm tấm)が必ず頭に浮かびますよね。浮かびますよね?
本記事では、ホーチミン市内の地元っ子に愛されるドローカルなコムタムの名店を2軒ご紹介します。これらのお店は、最近ローカル店も値上がりが激しい中で、価格帯も100円台から(30,000ドン〜)と大変庶民的です。
※ホーチミン市内のローカル飯屋まとめ↓

※以下、価格やメニューなどは記事掲載時点のものです。
コムタム -「ベトナム料理屋」で出てこない庶民ベト飯代表
コムタム(Cơm Tấm)。
旅行者や出張者に、知っているベトナム料理の名を尋ねて、「コムタム」が出てくることは稀です。
しかし、「コムタム(Cơm tấm)」はベトナム南部では定番中の定番の定食メニューで、日本で言うところの生姜焼き定食的な感じ(適当)。街中では頻繁に「Cơm tấm」の看板を見かけます。
Cơm=お米
Tấm=細かく砕いたもの
つまり、「砕き米、Broken rice」を意味します。どうやらかつて米の品質が安定しなかった頃、B級米を活用するために生み出されたベトナム庶民の知恵の産物のようです。一般的にはこの砕き米の上に豚肉や目玉焼き、野菜などを乗せたプレート飯のことを、「コムタム」と呼びます。
という感じの出自につき、地元庶民にはメジャーでも、洗練されたベトナム料理屋ではまず出てくることは無いため、一般的な旅行者や出張者が遭遇することは少ないでしょうね。日本でも、外国人観光客が行くような店で「生姜焼き定食」はあまり出てこないでしょうから。
HCMC市内の50,000ドン以下のコムタムの名店たち
そんな庶民飯なので、Com Tamという看板はホーチミン市内の割と至る所にあり、どこで食べても大きくは外しません。「美味しいか、超美味しいか」の2択です。なので、星の数ほどあるコムタム屋の中で、特に美味い店を絞り込むのはややナンセンスです。
ただ、よく聞く有名店はやや高く、中には日本円にして千円近い値段のヘビー級の店も。また有名店以外のローカルコムタム店も最近値上がりしていて、50,000〜60,000ドンスタートくらいのお店が大半です。しかし元来は庶民飯なので(B級米を砕いてるくらいなので)、「高いコムタム」というのは、「半ライス大盛り」くらいには違和感があります。知らんけど。
ということで、ここでは筆者が知る範囲の、百円台から食べられるアンダー50,000ドンスタートのローカル店を2軒ご紹介します。
Fly Chicken | 3区の地元っ子が通う百円台の絶品コムタム店
洗練されつつある1区中心部と比べ、旧サイゴン*の古き良き趣きを残し、ドローカルなのにどこか落ち着いた雰囲気が魅力のホーチミン3区。
Fly Chickenはそんな3区の地元っ子が通う、軽食の名店です。コムタムだけでなく、フライドチキンやポテトなど、安価で美味しい様々な軽食が揃っており、学生から大人まで、多くの地元民が日々訪れます。Googleマップのレビューを見ると、「子供の頃から変わらない美味しさと安さ」といったものが多数見られ、愛されている様子がうかがえます。
そして、フライドチキンで「Fly Chicken」とは、なかなか洒落が効いているではありませんか。
*かつての「サイゴン市」は現在のホーチミン市1区と3区
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旧サイゴンらしい、ローカルなのに日本人にもどこか懐かしい雰囲気の路地の角にあります。上の写真で、右側の角がお店の本体ですが、左側の赤い「COM TAM」の看板の方も同じ店の客席です(ベトナムあるあるの謎の協業形態)。
人気店らしく、デリバリーやテイクアウトのお客さんが朝から晩までひっきりなしにやって来ます。
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こちら↓はコムタムのメニュー。価格は30,000〜35,000ドン(約160〜190円)と、まさに庶民価格。
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それ以外の軽食も充実しており、学生たちがこれらをつまみながらワイワイと駄弁っています。
ドリンクやデザート類もかなりの充実度。
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さて、ではいよいよコムタムを頂いていきましょう。
コムタムと言うのは砕き米のことなので、実際の注文時には「コムタム」とは言わずに、ご飯の上に乗せる具の名前を加えて呼びます。
割とどのコムタム屋にもあるのが、「Sườn」という豚の骨付きリブ肉乗せご飯。筆者は目玉焼きが好きなので「Ốp La」を末尾に付けます。
これらを乗せたコムタムを、「Cơm Tấm Sườn Ốp La(コムタムスウォンオプラ)」またはタムを省略して「Cơm Sườn Ốp La」などと言います。これで35,000ドン(約190円)。
炭火調理の軽食を専門にしているだけあって、肉の焼き加減が絶妙。見た目にも美しいコムタムは、スプーンで切れるくらい柔らかくジューシーな豚肉に、甘辛いタレが死ぬほどマッチして、白飯が異世界転生するかのごとく消えていきます。
お次にちょっと変化球として、骨の付いていない豚バラ肉「Ba Rọi(バロイ)」を乗せた「Cơm Ba Rọi」もあります。例によってOp Laをトッピング。骨から肉を外さなくて良いので、ホーチミンでも5本の指に入るズボラリストの筆者はこっちが好み。
路地をいく人々やバイクを眺めながらのコムタム、最高です。そして、若者にも人気の店なので、若い熱々カップルを眺めながら・・・という事もたまにあります。コムタムより熱そうで困ります(笑)
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Fly Chickenのアクセス
ホーチミン3区の西寄りのエリア、安宿街のブイビエン通り辺りから車で10分ちょっとの場所です。
そうそう、在住日本人にはお馴染みのラーメン&カレー店「かかし」3区店が斜め向かいにありますよ。筆者はいつもこの通りへ来て、ラーメンとコムタムの壮絶な脳内最終決戦を行います。この辺りで3分くらい行ったり来たりしている怪しい日本人が居たら、かかしの店主さんか筆者です。
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Cơm tấm Mai | ディープエリア4区の隠れ有名コムタム店
赴任して間もない頃、ベトナム人の友人が
「美味しいコムタムの有名店に連れて行ってあげる」
と言うので、バイクの後ろに乗せてもらってやって来たのがホーチミン市4区の名店「Cơm tấm Mai」
ホーチミン市の中でも4区は特にディープなローカルエリアとして知られ、かつては「スラム街」と呼ばれていましたが(今は安全)、逆に言えばベトナムのローカル飯屋好きならば外す事が出来ない魅惑のエリアでもあります。
そんなホーチミン4区の下の写真の場所でバイクを停めた友人が
「着いたよ」
と言うので辺りを見回しましたが、有名店の「ゆ」の字も感じられません。
しかし、よく見ると色褪せた緑色の字で「CƠM TẤM」と書かれた地味な看板が・・・
まさか、と思っていると、やはりそのまさか、この店の前の折りたたみテーブルに着席する友人。店頭では「彼女の作る料理なら不味い訳がない」と確信させるパジャマ姿のおばちゃんが腕を振るっています。
やがて出てきたのがこちら。
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パラパラの砕き米の上に骨つきの豚肉や目玉焼き、野菜などが盛られた1枚プレートの乗っけ飯。ジューシーな肉汁と甘辛いタレが砕き米に染み込んで、時を忘れて掻き込んでしまいます。この辺りで、時をかけるおじさんを見かけたら筆者です。
お値段はコムタムとスープ、冷茶の3点で70,000ドン(350円強)。目玉焼きと更に卵焼きとスープが付いたこともあり少々お高くなりましたが、シンプルなSuon(豚リブ肉)だけなら40,000ドン(約220円)と、上のFly Chickenよりはやや高いですが、コスパは十分。
下の写真は後日日本人の同僚と昼に訪れた際のもの。既に店の前は一杯だったので横の路地裏にテーブルを出してくれました。どこでも同じに見えるベトナムのローカル飯屋も、美味い店は常に混んでいるのです。
Cơm tấm Maiのアクセス
ホーチミン1区のすぐお隣の4区。3区のローカルさとはまた少々異なるディープなローカル風情を見物がてら訪れてみては。
サイゴンの風を感じながら庶民飯コムタムを食べよう
といった感じで(どんな感じだ)、庶民飯代表選手のコムタムだけに、その名店たちはローカル感あふれる場所に立地しています。観光の中心である1区などとはまた異なる町の風情を味わいがてら、訪れてみてはいかがでしょうか。
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