ベトナム生活編

奇跡の国☆ベトナム駐在1年で思うこと -「海外赴任は長い海外旅行の様なもの」は実際どうなのか

こんにちは。1年前の6月12日にベトナム赴任生活を開始した10max(@10max)です。

ベトナム生活1周年を迎えるに当たり、思うところをビアサイゴンを燃料にしながら適当に綴ってみたいと思います。

なお、家族がベトナムにやって来たのは昨年の8月なので、今回はあくまでも筆者個人視点でのお話です。家族でのベトナム生活にまつわるお話は2ヶ月後に改めてしたいと思います。

ミエンサオ, ベトナムの春雨炒め

SONY ILCE-7C (28mm, f/4.5, 1/30 sec, ISO2000)
2022年6月12日、ホーチミン生活最初の食事はPho HaのMien Xao(春雨炒め)

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「海外赴任は長い海外旅行の様なもの」は半分当たりで半分ハズレ

さて、本ブログは元来旅行記サイトですので、今回は元アジア中心的バックパッカーとしての視点でお話したいと思います。

「海外赴任はずっと海外旅行をしているようなもの」

などとよく言われますが、この1年振り返ってみて実際どうなのか、旅人視点で考えてみたいな、と。

結論は上の見出しで書いた通り、そうとも言えるしそうでないとも言えるという・・・

無難な回答過ぎて昼寝してしまいそうですが、どの辺が旅の様でありどの辺がそうでは無いのかを、ビアサイゴンを補給して少し気合を入れて述べたいと思いますので、寝るのはその後にして頂けると嬉し死にします。

ところで考えていて思ったのですが、中には海外赴任全般に共通するものもある一方で、奇跡の国☆ベトナムだからこそ言えるものも少なく無さそうです。

※なお、ベトナムと日本の生活の違いについては下記記事を御覧下さい。

一時帰国で気付いた日本とベトナムの良いところ・気になるところ
こんにちは。ホーチミンに家族で赴任して9ヶ月が経った10max(@10max)です。 この3月に、筆者の日本出張と子供達の学校の春休みが上手い塩梅に重なったので、家族で2週間ほど一時帰国しました。 その中で(あくまでもベトナム駐在生活9ヶ月...
ホーチミン フォー 朝食

SONY ILCE-7C (32mm, f/7.1, 1/40 sec, ISO3200)
ホーチミンでの出勤初日の朝に食べたHu Tieu Dai Ca(幅広麺の魚フーティウ)

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海外赴任と海外旅行の共通点(ややベトナム特化)

ではまずは海外旅行に通じる点を、旅ならではの喜びと照らし合わせながらいくつか挙げてみたいと思います。

ただし旅に求めるものとて人それぞれなので、あくまでも元バックパッカーである筆者の観点での考察となります。

日々の食事 – ローカルベト飯屋が海より深い。深すぎる。

旅の楽しみの一つに食事があります。ご当地のローカルな食事をローカルなやり方でローカルな人々と一緒に食べる喜び。これぞ旅冥利です。

この点について、駐在してしまうと最初は楽しくてもすぐに飽きてしまうのではないか、という説があります。飽きてしまう理由は主に2つ程ありそうです。

1つ目は本人自身がベトナム料理に飽きてしまう事。

2つ目は、そもそも赴任先のローカルフードのバリエーションがさほど多くなく、他の料理や日本食に収斂してしまう事。

実は1つ目と2つ目は相関性があって、2つ目のようにローカルフードのバリエーションが少なければどんな人でも1つ目状態に陥りがちです。

一方2つ目の問題がない、つまりローカルフードのバリエーションが豊かであれば、本人の探究心次第でいくらでも開拓し続けることが出来ます。

その点、ベトナムのローカル料理は海のように深く、そして広い。

ベトナム人は食を非常に重視する人々であるようで、とにかく食べる事に見せる喜びと拘りが半端ありません(妙な日本語)。

本ブログに欠かせない、筆者のグルメ師匠である勤務先のベトナム人社長などは

「ベトナムの麺は100種類もあるんだ」

と言っていましたが、感覚としてはもっと有るんじゃないかと思う程です。まさに奇跡の国☆ベトナム。

また、飲食店の絶対数も非常に多い。ベトナムは奇跡の国☆ですので、道を歩いていると数十メートルおきに「Com(飯)」とか「Bun(米麺)」などと書かれた看板を見かけます。これはタイやマレーシア、バリ島など他のアジアの国々と比べても異常な多さです。

と言う事で、ベトナムの場合、例え長く住んだとしても日々旅のごとくローカル飯を探索する心を忘れなければ、新鮮な発見を続けられます(むしろブログネタが溜まりすぎて記事化が追いつかない)。

逆に自ら積極的に探求して行かなければ、飽きてしまうパターンに陥るでしょう(それでいい、って人はそれもありでしょう。筆者のような風呂椅子屋台変態ばかりではありませんからね)。

現地の人とのコミュニケーション

これはベトナムに限らない話だと思いますが、現地の人々とのコミュニケーションに関しては旅と同様、新鮮さを持って楽しむことが出来ます。

職場の同僚はさすがに異邦人とは言え日々顔を合わせる相手なのでそういう感覚にはなりませんが、ちょっとしたカフェや食堂、あるいはタクシーの運転手とのやり取りには、日本とはまた違う異国の感覚を日々味わえます。

筆者が通勤を社用車ではなくGrab・タクシーに変えたのはこれが理由だというのは内緒です(いや、8割くらい冗談ですよ。でも日々色々な車やドライバーに触れられるのが面白いのは確かです)。

特にベトナムの場合は、ベトナム語を母国語とし、かつ店のおじちゃんおばちゃんには英語がほぼ通じないという言語環境も手伝っていることでしょう。

ただしこちらも、自らそういったローカルな環境に身を投じる必要があります(「必要」なんて何も無いんだが・・・)。

Pho Bo Vien Thap Cam ローカルグルメ ヌードル フォー ホーチミン ベトナムSONY ILCE-7C (61mm, f/4, 1/80 sec, ISO1000)

ロマンチックが止まらない奇跡の国☆ベトナム

旅をしていて最も楽しいことの1つが、日本との文化や常識の違いを感じることです。

そうしたカルチャーギャップというのは、例えば多くの国では住んでしまうと慣れてしまいそうなものですが、ベトナムの場合は違います。1年住んでいても未だにドキがムネムネ、ロマンチックが止まらないネタ・オブ・ザ・ワールド、いやむしろ、カントリー・オブ・ザ・ネタ。

例えばベトナムではこの様にバイクの上で昼寝をしている人を非常に頻繁に見かけるのですが、

それだけでは終わらず、この様に更に斜め上を行く極上ネタを提供してくれるのが、奇跡の国☆ベトナムです。

それは職場に居ても同じです。ただデスクに座っているだけで日々様々な予想外の出来事が勃発するのが奇跡の国☆ベトナムです。働いているだけでもロマンチックが止まりません(社内恋愛の話ではありません)。

この辺りのネタはまとめるのが面倒なので放置していますがもう少し溜まってきたら体系的に整理して記事でご紹介したいと思います。

ただ、こちらも国によっては当てはまらないかも知れませんね。

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海外赴任と海外旅行の違う点

では次に、海外赴任生活の特徴の中で、この辺りは旅の感覚とは異なるな、というお話です。

移動しない

個人的には、「移動する」というのは旅の醍醐味の1つであると思います(特定のリゾートなどにずっと居るスタイルもあるとは思いますが)。

次にどの町に行くかを計画し、そこへの移動に飛行機を使うか列車にするか路線バスにするか・・・移動自体はもちろん、移動方法を考えるところから既に旅は始まっています。

一方、駐在生活にはそれはほぼありません。筆者は社用車をGrabタクシーに変えることで少しだけ旅風味を出しましたが(繰り返しますがそれが理由ではありません)、そんなのは焼け石に水ですし、大体これから仕事に行くってのに旅気分もへったくれもありませんw

ホーチミン市内路線バスの車内SONY ILCE-7C (60mm, f/5.6, 1/125 sec, ISO100)

自宅がある

上の「移動しない」件と少し似ていますが、つまりは、「日々帰るところ(自宅)に帰る」というのは、旅の感覚とは大きく異なります。

筆者は、旅を旅たらしめる感覚の1つ「旅愁」には、「家から遠く離れたところにいる」という事実、そしてさらに「帰るべき場所を恋しく思う」という心理が関係していると考えます。

その意味で、駐在生活は「異邦にいる」ことには変わりないのですが、旅に比べれば旅愁を感じる事は少ないような気がします。

もっとも、より広い意味で「帰るべき場所=日本にいつか帰る日が来る」という意味では海外赴任もそれこそ「長い海外旅行の様なもの」ですし、筆者も来年の今頃には単身赴任に変わっている予定なので、そうなると話は変わるかも知れません。

この点については色々と思うところがあるので別途考えを整理して記事にしたいと思います。

SONY ILCE-7C (42mm, f/3.2, 1/60 sec, ISO100)
アパートの管理人から引っ越し祝いで頂いた胡蝶蘭

仕事がある

当たり前ですが、日々仕事に行かなければならないので、「現実を忘れて旅に出る!」とは真逆の状態です。

まあ、ベトナムのマーケットを開拓する仕事は面白いですけどね。それもまた東京ドーム100個Bunくらいの広い意味では旅のひとつなのかも・・・

とは言えやはり無理があります。

そして何より、旅に出たいと思う

極めつけはこれなんですが、海外生活をしていても、旅好きはやっぱり旅に出たくなるんですよ!

ホーチミンという異国の街で暮らしていても、やはりここではないどこかに旅に出たくなる。

違う場所に飛行機や鉄道で行って、窓の外に流れる新しい風景を見てみたくなる。

知らない町の知らない食堂で食べたことのないローカル飯を食べ、安宿で薄汚い天井を眺めながら缶ビールを呷りたくなる(いや最後らへんちょっと言い過ぎました)。

とにかく、「海外に住んでいる」というだけでは旅欲は満たされませんので、旅の代わりにはならなそうです。

 

ところで少し話は逸れますが、海外駐在先からであれば、日本からは遠くて行きづらい国や地域にも行きやすくなるので、その点は旅好きにとってはありがたい話です。

タンソンニャット国際空港 国内線出発ターミナル

SONY ILCE-7C (130mm, f/5, 1/160 sec, ISO160)
家族が渡越して2週間後にフエ・ホイアンに飛んだ。

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海外生活を旅に変えるかどうかは自分次第

海外赴任生活を旅のように過ごしたい、と思うかどうかなんて結局人それぞれですし、筆者の周りにも

「なるべく日本と同じ様に生活したい。ローカルベトナム飯屋に家族を連れて行ったことすら無い。そもそも赴任を希望してなかった」

という人も少なくありません。それはそれで全然ありですし、そもそもそういう方はこの記事には辿り着いてないことでしょう。

一方で、元々旅好きな海外赴任者はこんな駄文を読まなくたって自らの駐在生活を旅色に染めている事でしょう。

あれ?この記事の意味って何なんでしょうか・・・こうなったらもうサイゴン川の風に吹かれてビアサイゴンを飲みに行くしかありませんね(いや冒頭でもう飲んでただろ、というツッコミはサイゴン川のほとりでお願いします)。

ヤケクソでまとめると、こんな感じでしょうか。

  • 海外駐在っつっても旅気分を醸し出すには意外と自ら動かなければならぬ
  • 色々な国の中でも特にベトナムは奇跡の国☆なのでその旅探究心に応えてくれるマリアナ海溝並の深さがある

ではよいビアサイゴンを・・・じゃない、よい旅を♪

ベトナム料理 揚げ春巻き ブン ビアサイゴン

SONY ILCE-7C (50mm, f/5.6, 1/50 sec, ISO4000)
2022年5月、赴任事前出張にて。

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