麺が好き過ぎて髪の毛の代わりに麺が生えてきそうな10max(@10max)です(生えるなら細麺希望)。
本ブログではすっかりお馴染み、筆者勤務先のベトナム人社長が、またもやベトナムローカル麺の名店に連れて行ってくれたのでご紹介したいと思います。
ホーチミン1区の「Thành Ký」という、フーティウと中華麺、お粥を、なんと百年にも渡って提供し続けているドローカル食堂です。
こちら、出汁の沁み渡るスープを一口食べた瞬間に
「これは何杯でも食べられそうだぞ・・・」
と予感したのですが、美味し過ぎて本当に(以下略)。
(後日追記)また、冒頭の追記のお知らせの通り、お粥が超ダークホースで、麺類にも勝るとも劣らない絶品だったので、こちらも見逃せません。
※ホーチミン市内のローカルベトナム料理店のまとめはこちらをご覧下さい。
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百年続くHCMC1区の魚フーティウと中華麺の老舗「Thành Ký」
百年続いている、というと立派な店構えの有名老舗のように思われるかも知れませんが、全くそんなことはありません(失礼)。
「Thành Ký(タンキー)」は街角の目立たないところに極めて地味に営業しているドローカルなおばちゃん麺屋です。
Thành Kýのアクセス
「Thành Ký」はホーチミン1区の西北の端っこあたりに位置します。観光・ビジネスの中心であるドンコイ通りやグエンフエ通り付近から車で10分ほど。
Thành Kýの店舗はちょうどDien Bien Phu通りとDinh Tien Hoang通りの交わる交差点の北東の角にあります。中々の一等地です。
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この辺り、「どっかで見た景色だなー」と思ったのですが、実は以前ご紹介した蟹料理の名店「Quan 94」のすぐ隣でした。
五世代紡いできた街角の食堂
こんな一等地に百年続く老舗、というと大地主のごとくさぞかし立派な店内と思われるかも知れませんが、店内は鬼狭い超コンパクトです。
入口に厨房(というか屋台)があり、奥は食材や食器置き場になっていて、客席は4人席が2つと2人席が1つのみというミニマルな構成になっています。しかも2人席には大抵お店のおばちゃんが座っています。
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実はこのお店、社長が大学生だった20数年前によく通っていたらしいのです。
「じゃあこの店は一体どのくらい歴史があるんだ?」
と言うと、社長がおばちゃんに訊いてくれました。すると
「百年くらいやっていて、今は五代目らしい」
と教えてくれました。三代目J Soul Brothersもびっくりです(適当)。
そして社長はこう続けました。
「何代にも渡ってやっている店は絶対美味いんだ」
なるほど、これはけだし名言ではありませんか。
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しかし、おばちゃんが多すぎて誰が店の人なのかとか何代目なのかとかはよく分かりません。
とはいえ、三代目J Soul Brothersだって何の三代目なのかよく分からないので、世の中大体そんなものでしょう(適当)。
そんな事を話しているとえらく懐かしい音が店内に鳴り響きます。固定電話の着信音でした。さすが歴史ある名店です(関係ない)。
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メニュー:選べる麺と具の組み合わせ
こちらがThành Kýのメニュー。上の「Sáng」が朝、「Chiều」が昼以降のメニューのようです。
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これを見るに、献立としてはこんな感じのようです。
- 朝は麺類のみ(米麺のHu Tieuまたは中華小麦麺のMi)で、具はチャーシュー、ワンタン、牛肉の煮込み、魚介、豚肉
- 昼以降はHu TieuとMiに加えてお粥(Chao)も選べるんですね。
- 麺類:チャーシュー、豚肉、魚介、ワンタン
- お粥:魚介か魚介ボール
まだ全種類を試していませんが、どうやら複数種の麺と複数種の具をクロスで組み合わせて注文できるシステムのようです。
このシステムは筆者の中で未だに不動の一推しであり記念すべき社長おすすめ第1号案件である、1区の名麺店Pho Bo Vienと同様のシステムですね。
こちらはおばちゃん(5代目J Soul Brothersかな・・・いやSistersか)がワンタンメンのワンタンとチャーシューを茹でたものを丼に入れている至高の風景です。
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実食、幅広フーティウと中華麺を好きな具と組み合せる幸せ
ではいよいよ実食と行きましょう。親子五世代、百年変わらぬ味とはいかに。
Hủ Tiếu Cá(魚フーティウ)
一推しはこちら。柔らかくも弾力のある白身魚のフーティウ(米麺)です。
スープは一口目は控えめな味から入ってきますが、徐々にその出汁の旨みが広がり、何杯でも食べられそうな程に(伏線1)五臓六腑に沁み渡ります。
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フーティウというと細い麺をよく見かけるのですが、この店のフーティウは幅広麺でした。フォーよりもコシのあるモチモチ食感が堪りません。
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Mì Xá Xíu(チャーシュー麺)
さて、魚フーティウを食べ終わると、次にチャーシュー麺が運ばれてきました(伏線2)。
こちらは、ベトナムを始めとするアジアの広東語影響圏で共通して「Mi」と呼ばれる玉子入り小麦粉ベースの中華麺です。
スープの旨味が縮れ麺によく絡んで、こちらも絶の品です。
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チャーシュー麺ですが、サービスでワンタンが一個入っています。ワンタンメインご希望の向きには、ワンタン麺という選択肢もあります。
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ここで、「あれ?」と思われた方、鋭いですね。
「なぜ魚フーティウのすぐ後にチャーシュー麺が運ばれてきたんだ・・・」と。
実は1杯目のスープのあっさり出汁があまりに優しく深い味わいだったため、横で丼を並べていた職場の後輩(日本人)が、
「全然もう一杯食べられそうだ」
と不用意に発言したところ、社長が真に受けて本当に頼んでくれたのです。
しかし筆者も後輩も何の苦も無く2杯とも平らげました。百年受け継がれた味、恐るべし。
Hủ Tiếu Hoành Thánh(ワンタンフーティウ)
さて続いてワンタン麺です。麺は中華麺ではなく幅広フーティウを選んだので、正確にはワンタンフーティウですね。
この組み合わせはチョロン(ホーチミンの中華街)などでもあまり見かけない貴重な組み合わせです。
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あ、安心してください、流石に一度に3杯は食べてませんよ!
これは別の日に食べたものです(笑)
なお、どうしようもない麺野郎なのでお粥はまだ食べたことがありません。必ず再訪するので、またトライして追記したいと思います。
Cháo Cá – 実は台風の目?絶品過ぎる魚のお粥!
(7月12日追記)筆者は麺大好き変人であるため、お粥はまあ機会があればでいいかな、と思って完全に見くびっていたのですが・・・このお粥が完全にダークホース!絶品でした・・・。
お粥には2種類あり、魚の白身がそのまま入っている「Chao Ca」と、魚のすり身団子が入った「Chao Ca Vien」。今回は後者は無いとのことだったので、白身の入った「Chao Ca」を頂きました。
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まずお粥そのもののお味が絶品です。アジア人の味覚を知り尽くしたかのような絶妙な塩加減に、魚の出汁、そこに胡椒がピリッと効いたハーモニーが最の高です。
そして次に訪れるのが極上の食感。プリップリの歯応えの白身が贅沢に沢山入っています。そして魚特有の生臭さなども一切ありません。
魚の白身以外にも、生姜あるいはタケノコの様なコリっとした食感の野菜が入っていて素晴らしいアクセントになっています。
分量も十分で、麺類だと間違えて2杯食べてしまいそうになりますが、お粥は間違える恐れはほぼ無いくらいに満足できる量です。
正直、お粥なんてどれも似たようなものだと思っていましたがとんでもない。お粥にも「極上のお粥」と言うものが存在するのだ、という真実を学ぶことになりました。
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最後に飲み物ですが、この豆乳飲料めっちゃ美味しいです。
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街の姿は変われども百年変わらぬ名店の味
Thành Kýの目の前のディエンビエンフー通りは、今でこそ片側3車線の大きな通りですが、かつては半分の幅しか無かったそうです。
百年の間にどんどん変わりゆく街の姿を、この小さな食堂はこの場所でずっと見守ってきました。そして、親子五代に渡ってこの小さな食堂の変わらぬ味は守られてきました。
そんなサイゴンの街の歴史に思いを馳せながら、最高の一杯を召し上がってみては如何でしょうか。
あ、一杯と言わず二杯でも・・・。
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