こんにちは。主に飲食店で使うベトナム語しか覚えていない10max(@10max)です。
ベトナム、特にホーチミンのような南部に居ると、現地の人達のちょっと変わった発音に戸惑うことがよくあります。ベトナム語と言うより、英語などの外来語の発音の話です。ベトナム語なら分からなくて仕方ないか、と思うのですが、英語など外来語由来の言葉の発音も結構違うのでキョドります。
まあここは奇跡の国★ベトナムでありますから、聴き取ってちゃんと会話したところで全然期待と違う結果になる事もしばしばなので半ばどっちでもいいのですが、それでも聴き取れた方が便利な事も多いです。
ということで、ベトナム南部の発音の特徴のうちで筆者が知っているものをまとめておきますね。ソースは日々職場で筆者を囲む400人のベトナム人同僚達やタクシー・Grabの運転手などです。もし「こんなのもありまっせ!」と言うのがあれば教えて下さい。
なお、ベトナム語の発音の特徴については下記記事も御覧下さい。
SONY ILCE-7C (60mm, f/5.6, 1/125 sec, ISO100)
ベトナム南部(ホーチミン)の独特な発音まとめ
では具体例とともに見ていきましょう。大きく2つの分類をしました。
- 法則①:ZQGDがどっか行きがち(たぶん南部の特徴)
- 法則②:語尾の子音どっか行きがち(たぶん南北共通)
法則①について、ベトナムでは「北部(ハノイ)と南部(ホーチミン)で発音が違う」というのが有名です。法則①の特徴は「北部と南部の違い」に当てはまるものも多いかと思います。が、筆者はハノイには住んだことが無いので、もしかすると北部のベトナム人と共通の特徴もあるかも知れません。
法則②は恐らく南北関係なく、ベトナム全般的な特徴かと。
なお、全ての南部ベトナム人が以下の様な発音をする訳ではありません。例えば英語教育をちゃんと受けている人などは正しい英語発音を使う人が多いです。
法則①:ZQGDどっか行きがち
「Z」を発音しない
これ、ベトナムに来て最初にぶち当たって実際に会話が噛み合わなくて戸惑ったのを覚えています。
「Zalo」と言えばベトナムで最も普及しているメッセージング(チャット)アプリ。電話番号で簡単に相手を検索・登録できるので様々なの人との連絡やお店・宿の予約・コミュニケーションに非常に重宝します。で、来越して間もない頃、ホーチミンのアパートのレセプションの人と事務連絡用の連絡先を登録することになったのですが、彼女が
「Do you have “ヤロ”?」
などと言うのでちょっと何言ってるのか分からなかったのです。で、彼女のスマホの画面を見てようやく分かりました。
そう、南部ベトナム人は「Z」を発音しない事が多いので、「Zalo」=「ヤロ」となるなのでした。
お店や職場などでもZaloの交換は頻出なので、ぜひ覚えておきましょう。
「Do you have “ヤロ”?!」
「Q」を発音しない
これはタクシーに乗った時に遭遇したケースですね。
「Saigon Square」という市場に行きたくてGoogle Mapで行き先を見せつつ「サイゴン・スクウェア、サイゴン・スクウェア」と言ったのですが、何度聞き返してもドライバー氏、
「OK!サイゴン・スウェア!サイゴン・スウェア!」
と言うわけです。
なるほど、「Q」を発音しないのでそうなる訳ですね。
そうそう、ビーチリゾートで有名な「Quy Nhơn」だとか、ベトナム人によくある人名の「Quy」のQも結構発音されないことがあり、「ウイさん、ウイさん」とか言うので誰かと思ったら「クイさん」(と勝手に呼んでた人)の事だったりします。
「Saigon Square」=「サイゴン・スウェア」
「Quy Nhơn」=「ウイニョン」
「G」を発音しない
「G」も南部では発音しません。特に「G」が「ザジズ」的な音になる時(読売ジャイアンツ的なやつ)は発音しません。
例えば地名の「Hà Giang省」や「An Giang省」、人名でもよく使われる「Giang」の「G」はベトナム南部人は発音しないので、「ィヤン」となります(北部発音では「ジャン」「ザン」)。
ハノイ出張に行った際にハノイオフィスの人が「Do you know “カィンジャン” in Ho Chi Minh? You can ask “カィンジャン”.」などと言われて、「え〜そんな人知らんなあ」と思ったのですが、よくよく聞いてみると、筆者のホーチミンオフィスの同僚の「Khánh Giang」という人の事だと分かりました。ホーチミンでは皆「カィンィヤン」と呼んでいるのです。
同じ様に、ベトナムのクロネコヤマト的な宅配業者で有名な「GIAO HÀNG NHANH」も、南部では「ィヤオハンニャン」と発音しますね。
「Giang」=「ィヤン」
「Gian」=「ィヤオ」
ただし、上で触れたと通り、発音されないのは「G」が「ザジズ」的な読まれ方をする時だけだと思います。「Saigon」は「サイゴン」ですからね。
「Du」は「Yu」(たぶん)
これもGrabのドライバーと話してて遭遇したケースですね。
ある日出張でホーチミンの少し北にある「Bình Dương」=北部発音で「ビンズン」という町に行くことになり、Grabに乗ったのですが、ドライバー氏曰く「OK!ビンユン!ビンユン!」と言う訳です。
同じ様に、ホーチミン市内の統一会堂前の目抜き通りで有名な「レユアン通り」と言うのがありますが、あれも綴りは「Lê Duẩn」です。
つまり「D」を「やゆよ」的に読む感じがします。
ただ、「D」を何でもかんでも発音しないかと言うとそんな事はなく、避暑地で有名な「Đà Lạt」は「ダラット」、「đá(氷)」は「ダァー」ですし、通貨単位の「Việt Nam Đồng」ももちろん「ドン」です。
なので、「Du」を「ユ」と発音する事が多いんだと思います。
「Bình Dương」=「ビンユン」
「Lê Duẩn」Street=「レユアン」通り
法則②:語尾の子音と「R」どっか行きがち(多分北部も)
語尾の子音は軽く無きものとされますね。これは南部と言うよりベトナム人共通な気がします。
「Vietcombank」は「ヴェッコンバンッ」。
「AEON Citimart」は「イオン シティマッ」。
あと似た様な感じで、単語の途中の「R」も発音されません。上の語尾の子音抜きと合せ技の例で行くと、
「Short trip」は「ショッ トゥイッ」
ここまで複合技になるとちょっと何言ってるか分からないので、3往復くらいしてやっと通じるか、理解するのを諦めるという有様です。
これってベトナム語でも似たような感じで、例えばベトナム人の姓で、中国人の姓「陳」由来の「チャン」さんという人が結構居ますが、綴りは「Trần」です。文字だけ見ると「Transport」的に「トゥラン」と言ってしまいそうですが、ベトナム人は「R」成分はほぼほぼ発音せず「チャン」と言います。あと、お茶のことは「trà」と綴り、「チャ」と発音します。
「Trần」=「チャン」
「trà」=「チャ(茶)」
ただ何となくですが、英語教育を受けている人同士を比べると、日本人的に語尾の子音や途中の「R」をはっきり言う発音よりも、ベトナム人の英語発音の方がネイティブに近い気がします。ベトナム語には声調があるだけあり、耳と発音が発達しているのかも知れません。
それで思い出しましたが、以前メコンデルタの宿のオーナーさんと「ヤロ」でチャットしていた際のこと。一応英語でやり取りしていたのですが、綴りが自己流過ぎて最初読み解くのに時間がかかりましたが、これ見てるとベトナムの人の英語発音をそのまま綴りに起こしてる感じなんですよね。彼らは「音」で英語を独学してるのかな〜、なんて思いました。
まとめ
言語の伝播とか多様性とか方言とかって面白いですね。
ベトナムはもちろん、日本でも中国でも、同じ国の中でも方言が沢山あるというのは、何より味があります。地域によって少しずつ違っていたり、あるいは違う国の言語の間でも共通する語彙や発音が残っていたりと言うのを知るにつけ、言葉って生き物なんだな、人から人へ伝わってきたんだな、という事を実感します。
かと言って今のところベトナム語を本格的に学ぶ気概はまだ湧いてこないのですが・・・^^;
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