いよいよムーカンチャイへ向けて出発する時がやって来た。
そう、もうすっかりお馴染み、ベトナムで最も美しい棚田とモン族の人々にまみれる事ができる、あのムーカンチャイである。
ムーカンチャイが筆者の訪れを今か今かと待っているはずなので申し訳ないのだが、ひとまずはハノイでの前泊から始めていきたいと思う。
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ムーカンチャイと言えばのYukaさんと前夜祭
さて、ハノイで前泊することにした理由だが、「どうせ早起き出来ないんだろう」などとたかを括って貰ってはすこぶる困る。実は、ムーカンチャイの旅をより充実したものにするために、会っておかねばらない方がいたのだ。
それは、JICA青年海外協力隊員としてムーカンチャイでコミュニティ開発をされている(当時)Yukaさんだ。Yukaさんの活動は日越の様々なメディアでも紹介されており、そもそも秘境であるだけに、当世の日本人として最も充実したムーカンチャイ情報の発信者の1人であるに違いない。

Yukaさんには、今回の旅計画にあたり、彼女のNoteやTwitter(X)などを通じてムーカンチャイに関する様々なことを教えて頂いた。そのYukaさんが、建国記念日の休暇で逆にムーカンチャイからハノイにお上りさんをされる予定とのことで、宴席を共にさせて頂いたのだ。
Apple iPhone 15 Pro (6.7649998656528mm, f/1.8, 1/35 sec, ISO800)
ここでも地元の市場やお祭りなど貴重な情報を頂き、さらにムーカンチャイ旅への意気込みを新たにする事ができた。貴重な休日の時間を割いて下さったYukaさんには実に深謝である。
さて、Grabを捕まえ、良い気分でミーディン(My Dinh)近くの安宿へと向かう。ミーディンというのは翌日乗る長距離バスが出発するバスターミナルのあるエリアだが、韓国人街としても有名なようだ。
ハノイの宿は正直シャワーを浴びてベッドに転がり込めれば何でもいいと思っていたので、Booking.comで実に適当な安宿を取っていた。部屋への階段こそ暗く怪しいものであったが、部屋に入ると一見中々快適そうである。
Apple iPhone 15 Pro (2.2200000286119mm, f/2.2, 1/50 sec, ISO500)
パッと目に入ったのは下の謎家具である。これは果たして何であろう。
Apple iPhone 15 Pro (6.7649998663709mm, f/1.8, 1/60 sec, ISO320)
ここがミーディンという「韓国人(的飲み屋)街」に近いという予備知識を前提として、様々な無駄な想像がほろ酔いの脳内シナプスを駆け巡る。
脳内シナプスが足りず焦げ付いてきたため、Googleレンズ先生に画像分析をお願いしたところ、この謎家具は「タントラチェア」という名称であるようだ。基本的にはヨガなどで使われるようだが、一方で先刻の筆者の脳細胞が導き出した無駄な想像に類する用法にも用いられると言うような情報もあった。真相はハノイのPM2.5の霧の中である。
次に気が付いたのがトイレを流すボタンの有様だ。
Apple iPhone 15 Pro (6.7649998663709mm, f/1.8, 1/40 sec, ISO400)
気付くも何も、そもそも普通に水を流せない。しかしここにおいても持てるサバイバル能力をフル動員させ、この穴の奥へと指を突っ込むことで無事に水を流すことに成功したのであった。
さて、爽やかなハノイの朝を迎え、部屋で朝食を摂る。なお、7時間半のバス旅であるため、お腹のご機嫌を損ねないよう細心の注意を払わねばならない。
ということで、事前にスーパーで購入しておいた、傷む可能性の低い菓子パンのみで朝食を済ませる。
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安全な食事に加え、長距離バス乗車の前に怠ってはならない儀式がある。これはハザン旅の時にもお馴染みの
「ビオフェルミンの服用」
である。
お腹のご機嫌を取り尽くした上で、バスの刻限までまだ時間があったため、宿の周囲を散策する。
改めて安宿の全容を拝んでみた。
SONY ILCE-7C (44mm, f/4, 1/160 sec, ISO100)
この宿、「MOTEL」だったのか・・・モーテルって、こういうのだっけ?ショボイという意味ではモーテルっぽいが・・・
昨夜は暗すぎて気付かなかったが、1階のフロント周りは謎の物資で溢れかえっていた。
Apple iPhone 15 Pro (6.7649998663709mm, f/1.8, 1/120 sec, ISO160)
謎の日本推しの天然キノコの看板。いったい何なんだこの宿は・・・
Apple iPhone 15 Pro (6.7649998663709mm, f/1.8, 1/90 sec, ISO200)
ムーカンチャイに着く前からロマンチックが止まらない。
そしてハノイの朝の風景は美しく、どこか懐かしい。いい旅になりそうだ。
SONY ILCE-7C (139mm, f/5, 1/160 sec, ISO200)
SONY ILCE-7C (87mm, f/4.5, 1/100 sec, ISO125)
SONY ILCE-7C (54mm, f/4, 1/80 sec, ISO100)
これ↓はホーチミンでもよく見かける、謎のブース。中のおじさんが裸である点も含めて謎に包まれている。むしろ服に包まれて欲しい。
SONY ILCE-7C (112mm, f/4.5, 1/125 sec, ISO400)
乗車率200%のバスでムーカンチャイへ向かう
さて、ムーカンチャイの宿のアニキが予約してくれたバスは9時半発。ということで、9時頃ミーディンバスターミナルに到着するようにGrabに乗り込んだのであった。
実際はハノイの朝の渋滞に巻き込まれ、9時頃にはGrabの車内からバスターミナルの入口は見えるところまで来ていたものの、中々車が進まない・・・という状況で、宿のアニキからZaloメッセージが。
「急げ!もうみんな乗車してあんたを待ってるぞ!」
え・・・!まだ9時なんだけど、こんな逆べトナみあるんか・・・
ということで、到着前のGrabを下りてバスターミナルに駆け込む。
しかし、バスターミナル、でかい!どこにムーカンチャイ行きのバスがあるのか全く見当もつかず、その辺の人に「ムーカンチャイ!ムーカンチャイ!」と叫ぶしかない。
Apple iPhone 15 Pro (2.2200000286119mm, f/2.2, 1/2500 sec, ISO50)
さすがに少々焦り始めた頃、芋づる式に知っていそうな人に辿り着き、何とかお目当てのバスを見つけることが出来た。想像以上にバスを見つけるのが難しい上に、まさかの30分も前に急かされるようなこともあるので、ミーディンバスターミナルにはかなり余裕を持って登場した方がよいようだ。
Apple iPhone 15 Pro (6.7649998663709mm, f/1.8, 1/125 sec, ISO50)
そして乗り込んでみると、確かに他の人は既に皆乗り込んでいる・・・
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いや乗り込みすぎだろ!床に座ってるのはどういうことよ。
二段ベッドの上段を予約してくれていたようで、皆さんを待たせておいて申し訳ないのだが上段へと失礼する。ベトナムあるあるの、自分の席に他の人が普通に居る、という事が無かったのは逆に意外であった。
Apple iPhone 15 Pro (2.6900000572505mm, f/1.9, 1/30 sec, ISO640)
ちなみに前にハザンに行った時はこのような↓快適なバスであった。月とスッポンである。が、実はムーカンチャイからハノイへ戻る時のバスには更に3段ほどアゴが外れるくらい驚かされることになるのだが、それは後のお楽しみ。

8時間ほどの旅程の中で、2回休憩をとる。軽食を食べる事も可能だが、お腹のゴキゲン最重視で、何も食べずにトイレだけ拝借する。
Apple iPhone 15 Pro (6.7649998663709mm, f/1.8, 1/240 sec, ISO64)
ベトナム北部で良く見かける水たばこがあった。これはレンタルなのだろうか・・・
Apple iPhone 15 Pro (6.7649998663709mm, f/1.8, 1/230 sec, ISO64)
一度目のドライブインを出てしばらく走った後、途中の何もない山道で突然停車したかと思うと、突然の洗車が始まった。何故ここで・・・ドライブインで洗車すればいいのに・・・もしかして山の湧き水とか使ってるの?
Apple iPhone 15 Pro (2.2200000286119mm, f/2.2, 1/1150 sec, ISO50)
2度目の休憩。
Apple iPhone 15 Pro (6.7649998656528mm, f/1.8, 1/2500 sec, ISO80)
そうそう、今回の宿はムーカンチャイの中心部では無く、その手前の郊外の山のホームステイなので、宿のアニキから「この写真の場所で下ろしてもらうように」と言われていたのだ。
ということで、休憩の際にこの画像を見せると、「OK、OK!」という感じで、すぐに分かってくれたようだ。割とよく使う乗降場所なのだろう。
そして18時頃、上の写真にあったVinaphoneの看板の前に到着。やはり割とメジャーな乗降場所のようで、かなり多くの乗客がここで降りた。
そして見上げると・・・おお、棚田だ・・・。これは間違いなく棚田だ。
ついにムーカンチャイの棚田とご対面叶い、写真を撮りたい欲に狩られるが、宿のアニキが待っているかもしれない。
宿のアニキには事前にZaloでもうすぐ着く旨を連絡してあったが、到着後改めてこの風景を入れた自撮り画像を送り、着いた旨を伝えると、ややあってそれらしきバイクニキが登場した。
いよいよこの棚田の間を縫って山道を駆け上がって行くのだが、そこには想像を超える絶景宿が待っていたのだった。
(2024年8月30日〜31日の記録)
つづく
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