その朝、突然思ったんですよね。
「あ、ダナン、いいかも。」
出張先のダナン東屋ホテルのルーフトップカフェでこの景色を眺めながら。
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こんにちは。ホーチミンのオフィスが異世界過ぎて毎日がワーケーション気分の10max(@10max)です。
いつもと違う記事の始まり方なのは、ワーケーションの特別感を醸し出すための演出です(適当)。
さて、ダナンは、タイのチェンマイやバリ島のウブドなどと並んで「ノマドワークやワーケーションに向いている」とよく言われます。
でも、そこでふと思うわけです。
「何でダナンなんだ?(ホーチミンやハノイじゃなくて)」
あまり考えたことがありませんでしたが、ホーチミンで暮らし始めて1年になる駐在員がダナンに行ってみて、思い当たる節があったので綴っておきたいと思います。
いやそれどころか、ダナン移住をちょっと考えたりしちゃった事も備忘としてメモしておきます。
(同時に「『ダナンなんだ』って回文じゃね?!」と3秒くらい思った事も念の為メモしておきます)
ダナンじゃなくてもいい理由は沢山あるのだが
そもそも、ホーチミン在住者である筆者は、
「別にダナンじゃなくても、ホーチミンとかハノイでも良くね?むしろダナンよりホーチミンの方が楽しくね?」
などと思っていたのです。
どうしてそう思うのか。
ここで、ダナンがノマドワークやワーケーションに適している理由としてよく挙げられるものをおさらいしてみます。
ダナンがノマド向けな理由はホーチミンやハノイでも言える
軽くネットで調べた感じだと、よく言われているのはこんなところでしょうか。
- 家賃・宿泊費が安い
- いい感じのカフェが豊富
- 便利なネット環境(WiFi)
- 食事が美味しい
- 割と治安がいい
ここまででお気づきの方も多いと思いますが、これらの理由、ホーチミンやハノイでも大概当てはまります。
家賃・宿泊費については、もちろんホーチミンの方が多少高いです。が、そもそも日本よりは格段に安いのと、場所を選べばダナンと大きくは変わりません(生死を彷徨うレベルで節約する必要がない限り)。
ちなみに東屋ホテルは長期滞在には高過ぎる(5千円/泊〜)のでこの話とは関係ないのですが、朝食の明太子定食、激ウマでした。
でも、ダナンいいかも。と思った理由
頭ではそう思っていたのですが、それでも実際に初めてダナンの街に上陸してみて、ダナン東屋のルーフトップから空と海を眺めながら、
「う〜ん、なんかいいかも」
って思ったのは何故なんだろう?
最初は単なる直感だったのですが、ダナンの町を歩きながら考えをまとめてみました。
色んな意味で「ちょうどいい」=「ベトナみ」が濃すぎない
そう、直感で感じたのは、色々な意味で「丁度いいな」ってことだったんですよね。
物量が少ないってのが大きいのかも知れない。
ハノイやホーチミンに比べると、人やバイク、歩道に展開されている謎の物体、そういったものの量や密度が低く、街全体が穏やかで落ち着いていて、過剰に精神を刺激しない・・・そんな感じ。
ホーチミンなんて歩道を歩くだけでも疲れます(いやむしろカオスすぎて歩道なんてほぼ歩けない)。
逆に筆者のような、桃からならぬバックパックから生まれたようなアジアフェチにとっては、「ベトナみが薄い」と感じてしまうのだけれど、ノマドやワーケーションに来る人の大半はそこまで変人ではないはず。
どこかの記事で、チェンマイかどこかからダナンに移ってきたノマドワーカーが、ダナンのことを「静かなチェンマイより活気があってアジア味があって刺激を受けた」的なことを書いておられたのですが、そりゃあタイから来ればベトナムはどこだってぶっ飛んでます。ホーチミン在住者がバンコクに行ったら、落ち着きすぎてて「こりゃ日本か」と思いますから。
見方を変えれば、元々体内アジア成分がそこまで濃くない大半の人たちにとっては、ダナンは「丁度良いベトナみ」が味わえる町なんだろうな、と。
ここがまた重要で、他の小さなビーチリゾートと違うのは、ダナンは国内第3位の中核都市なので、それなりにカフェやバーが充実していたり、程よいベトナみが味わえる規模がある・・・でも、ホーチミンやハノイほど濃過ぎない、と言う絶妙さなのです。
ノマドやワーケーション目的でホーチミンやハノイに長期滞在したら、ベトナみが濃すぎて、人によってはちょっと疲れてしまいそう。駐在するとなれば肝が座るんでしょうけどね。
いざとなればビーチが待っている
加えて、ホーチミンやハノイに無くてダナンが持っているもの。
それは海であり、ビーチ。
ホーチミンに住んでいると、劇的に気分転換出来る場所ってほぼ無いんですよね。せいぜい川沿いやルーフトップのカフェに行ったりするくらい。それだって街の喧騒からは逃れられない。
でも、ダナンであれば、
「おっし!仕事一段落したし俗世間から解脱しに行こう!」
なんつってビーチに行けるわけです。
ビーチ沿いのカフェやバーでチル出来る訳です。
ノマドやワーケーションの肝は、自分の裁量で時間を決めて集中的に作業を行い、メリハリのある生活を送ること。
この「メリハリ」という意味では、ホーチミンはダナンには敵いません。
先ほど「直感」と言いましたが、おそらく、この東屋ホテルの屋上でブログを書いていたので、そんな妄想が脳内を横切ったのかも知れません。
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東京からの直行便がある
ノマドやワーケーションの場所として意外と大事なのがアクセス。乗り継ぎで日数を費やすようだとスケジューリングのハードルはかなり上がります。
ダナンへの直行便はコロナで中止されていましたが、今年に入って復活・増便され、毎日運行されるようになりました。成田というのが少々惜しいですが、これは大きなアドバンテージです。
そもそも日本から直行便が飛んでいるベトナムの街は、ハノイとホーチミン以外の地方都市では現時点でダナンだけなので、この点もまたベトナムにおいて唯一無二の絶妙なポジショニングなんです。
理想を言えば、今はベトナム航空だけなので、安価なLCCが就航すれば更にハードルが下がるんですけどね。
「住む」となると話は変わるがポテンシャルは高い
ただ、ノマドやワーケーションなどの長期滞在なら良いですが、駐在や移住など「住む」となると少し話は変わって来るかも知れません。
例えば、ダナンには日本人学校はありませんし、インターナショナルスクールも少ないので、子連れでの生活はハードルが高いです。(つい最近ダナンにも日本総領事館が出来たりしたので、数年後には変わっている可能性はありますが)
また、飲食店やスーパーなどもハノイやホーチミンと比べれば少ないので、何年も住むとなるとバリエーションが乏しくなるでしょう。特に筆者のような、ローカルベト飯の開拓を生き甲斐としているような層にとっては、そうした店のディープさが浅い(語彙力)ため、数ヶ月で飽きてしまう可能性が高いです。
そうした点が問題なければ、バケーションの地としての素養は高く、ベトナみが濃すぎて疲れてしまうという事もないので、例えば現在のマレーシアの様に、セカンドライフの移住先の様なポジションでダナンが頭角を表してくるポテンシャルは十分にありそうです。
さいごに:いっそ本帰国後にダナンに住もうか
そんな事を考えているうちに、妙な妄想が頭をもたげてきます。
「日本に本帰国してからダナンに住めばいいんじゃね?」
ちょっと何言ってるのか分からないですよね・・・
まず、現在の勤務先はやはり対面でないと難しい仕事が多いのでオフィスのあるホーチミンに住む以外の選択肢はありません。
しかし、本帰国すれば、基本はリモートワークで出勤は数ヶ月に一度あるか無いか、という感じになり(実際ベトナム赴任前はそれに近かった)、会社側も最近通勤距離・時間の制限を撤廃したので、理論上どこにでも住めます。実際ここ数年で地方移住した同僚が何人かいます。
また、子供達もあと数年で大学に上がって独立するはずなので(頑張れ我が子達)、学校云々の問題も無くなります。
こりゃダナン、住めるぞ・・・
と言うのは2割くらい冗談ですが、でも、例えば「1年のうち数ヶ月をダナンで過ごす」などと言うノマドワーク的な生き方は、かなり具体的なものとして見えてきました。もちろん滞在期間などはその時の立場や仕事内容にもよりますけどね。
数年前は「今日はテレワークです」などと言ってましたが、「今月はダナンに居ます」とか言ってみてぇ。
そんな未来が見えてくると落ち着きが無くなる性格なので、事始めにこの後細君に話してみます。
(そう言えば「デイキャンプでワーケーション」という妄想も、居ても立ってもいられなくなってすぐにやらかしたのを思い出した)
と言うことで、ほんの短期の出張でしたが、ちょっと人生の選択肢の幅が広がった気がした、有意義なダナン滞在でした(本帰国までにVietjet就航してくれ)。
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