こんにちは。電波中年の10max(@10max)です。
ベトナム最北の秘境、ハザン省に旅行した際にMobifoneの電波が全然入らなくて、調べてみたら、さもありなん。
「秘境で電波が入らないようでは日常生活に支障を来すではないか!」(←)と思い、Mobifoneから秘境にも強いViettelにキャリアを乗り換える事にしました。
今や様々なサービスのSMS認証などで電話番号を登録しているので、やはり番号そのままキャリア乗り換え(=MNP:モバイルナンバーポータビリティ)をしたいところ。
このMNP手続き、日本とは異なり、数々のトラップが襲いかかるダンジョンなので、注意点も含めて筆者の体験に基づいてご紹介したいと思います。
ベトナムの携帯MNP事情
まず、そもそもベトナムのMNPって普及してるの?というお話。
日本ではすっかり一般的になったモバイルナンバーポータビリティ(MNP)ですが、ベトナムで開始されたのは2018年末のこと(日本はなんと2006年開始。その頃は筆者はまだ生まれてなk)。
現在ベトナムでMNPに対応しているのは、3大キャリアと言われるViettel、Vinaphone、Mobifoneと、Vietnamobileの4社。
開始当初から、不当な引き留めなんかで結構ゴタゴタしたみたいですね。まあお約束でしょう。そしてこの傾向は今でも大きくは変わっていないのかも・・・(この話は後で)
さて、日本でもMNP開始当時は各キャリアごとの転入・転出超過の数字が毎月メディアで取り沙汰されましたが、ベトナムにおいても、5年超が経過した現在までに、キャリアごとに明暗が出ています。
転入 | 転出 | 転入・転出超過 | |
Viettel | 1,857,505 | 623,405 | +1,234,100 |
Vinaphone | 992,218 | 636,908 | +355,310 |
Mobifone | 374,105 | 382,147 | -8,042 |
Vietnamobile | 1,582,887 | ??? |
やはり着実にエリア拡大を進めてきた軍事企業、Viettel強し、ですね。
ということで、山奥でも軍事作戦を行えるカバレッジを持つViettelへのMNP転入は、方針としては間違ってなさそうです。
鬼に金棒、秘境にミリタリーー!
実録、ベトナムのMNP手続き
さて、いよいよMobifoneからViettelへのMNP手続きにチャレンジです。
ベトナムのMNP手続きの基本的な流れ
ベトナムの基本的なMNPの流れは以下の通りです(本記事執筆時点・筆者経験に基づく)。
- 新キャリアのショップでMNP申請(元キャリアへリクエスト送信)
- 新しいSIMカードを受領し一度退店
- 元キャリアからMNP承認のSMS受領
- 新キャリアにて新プラン申込み、利用開始
日本だと、元キャリアで予約番号払い出してもらって、新キャリアのサイトで入力して、SIM受領して終わり!
ところがベトナムでは、上記をよくお読み頂くと分かる通り、2回ショップに行く必要がありそうな気がしますよね・・・
しかしこの時点で面倒だと思われるのは早いです。この後を読んで頂くと、これで済むならどんだけ楽かと思い直されるでしょう。
まあ筆者の場合は特に厄介なケースだったので、比較的楽に済むパターンもあると思います。
実際のグダグダな手続き
実際は色々トラップがあったため、こんな感じでした↓
※今回のケースでは、元キャリア:Mobifone、新キャリア:Viettel
- 新キャリアのショップでMNP申請(元キャリアへリクエスト送信)
- 新しいSIMカードを受領し一度退店(ここで店員とZalo交換)
- 2日後、元キャリアからMNP申請「却下」SMS受領
- 元キャリアに電話で「却下の理由」を問合せ(理由:ポストペイドプランだから云々(謎))→「いいからMNPしたい」とリクエスト
- 翌日、元キャリアより「一度プリペイドプランに変更してから再度MNP申請した方が早い」と提案受領
- 元キャリアのショップでプラン変更実施
- 新キャリアに連絡、再度元キャリアにMNPリクエスト申請
- 翌日、元キャリアよりMNP申請「承認」SMS受領(即停波)
- 新キャリアにて新プラン申込み、晴れて新キャリア利用開始!
まあ要は、元キャリアが中々別れを受け入れてくれない「痴情のもつれ」というやつですね(違)。
では今回のMNP完了までの手続きや経緯を詳しく見ていきます。
Zaloで新キャリア(Viettel)に手続きを確認
まずは乗り換え先のキャリア(今回はViettel)の方に、最新のMNPの手続きを確認します。
Viettelの公式HPにZaloアカウントが載っていたので、そちらにメッセージを送ります。
すると、まず乗り換え先であるViettelショップに行くべし、とのこと。
日本の場合はまず元のキャリアでMNP予約番号を払い出すところから始まるので、この時点で斬新です。
元キャリアがMNPに対応出来ない状態だったらどうなるんだろう・・・という一抹の不安に駆られますが、実際は一抹どころか五抹くらい面倒な事になります。
新キャリアショップでMNPリクエスト
ともかくViettelショップに向かいます。ショップは下記のサイトで検索できます。
ここで「MobifoneからViettelへMNPしたい」旨を伝えると、Mobifoneに対してMNP申請の手続きをしてくれます。
そして筆者のスマホから、1441という番号へ「yccm」という呪文を送信するとすぐに、Mobifone側から「申請を受信した」旨の自動応答が返って来ます。
その後、Mobifoneから申請承認の返事が来てから、Viettelのプランの手続きが可能となります。
問題はこの返事。
「一体いつ返ってくるの?」って思うじゃないですか。
「薄々気付いてるけど、すぐ返って来なさそうだよね」って思うじゃないですか。
はいその通り。ベトナムでは「これやばいんじゃないの?」と思ったことは大抵現実になります。
なんと申請結果が返ってくるまで通常24時間程度かかるそうで・・・その後また来て下さい、的な感じなのです。めんどくせぇ。
しかし筆者の場合、まだ続きがありました。
これで、言わばMobifoneに対して別れ話を切り出した格好ですが、ここから痴情がもつれて行くのです。
Viettel嬢:「あなたの現プランはポストペイド(後払い)だ。ポストペイドの場合はMobifoneは通常MNP申請を拒否してくる。その場合はMobifoneに電話して理由を確認すべし」
とのこと。先が思いやられます。
・・・いやいや、て言うか拒否って概念があるのかよ!
どちらにしても一度Viettelショップを後にしなければならないので、後々の為に以下が大事です。
ちょっと裏技的ですが、これが後々吉と出ました。
上の基本の流れで、旧キャリアでMNP申請が承認された後で再度新キャリアのショップへ行くと書きましたが、ここでSIMカードを受け取ってZaloを交換しておけば、もう一度ショップへ行く必要が無くなる可能性が高いです。
ViettelのSIMカードは50,000ドンでした。eSIMも選べますが、この後のゴタゴタを今振り返ると、恐ろしくてとてもお薦め出来ません。
元キャリア(Mobifone)からの承認SMSを待つ→却下
通常24時間以内と言われていたMNP申請結果ですが、結局まる2日以上経って返って来ました。
内容は案の定、「却下」。
だから何だよMNP「却下」って。
元キャリアに申請却下理由を確認
Viettelの店員さんに言われた通り、Mobifoneのカスタマサポートに電話で理由を問い合わせてみました(英語のサポート電話番号は「9393」)。
Mobiニキ:「現在ポストペイドプランなので、ロイヤリティポイントの扱いなどが難しくMNPは難しいと判断された」
10max:「ポイントとかもう良いんでとにかくMNPしたい」
Mobiニキ:「了解。もしよければ今回Viettelに乗り換える理由を聞かせて欲しい」
10max:「ハザン省で電波が悪かったから。どうしても定期的に秘境に行かないといけないのだ」
Mobiニキ:「それは申し訳なかった。ハザンはいいところだ。担当に伝えて手続きを進めさせます」
ちなみにこのMobifoneの英語担当のお兄さんは、最後まで親切でいいアニキでした。
しかしこの翌日、Mobifoneニキから電話が。
Mobiニキ:「やはりポストペイドでは審査の手続きに時間がかかってしまうようだ。ご提案だが、一度ポストペイドプランからプリペイドプランに変更してから、再度MNPリクエストした方が早いです」
とことん別れを受け入れてくれないMobifone(このサポートのアニキは良い人なんだが、その向こうの中の偉い人達が必死なんだな)。
元キャリアショップでポストペイドプランをプリペイドに変更
仕方ねえなと思いつつMobifoneショップへ向かいます。
プラン変更自体はさほど問題なく終わりました。50,000ドンのベースのプリペイドプランに、データパッケージなどは何も付けない素の状態になりました。
Apple iPhone 15 Pro (2.2200000286119mm, f/2.2, 1/120 sec, ISO80)
新キャリアにて再度MNP申請
Mobifone側のプリペイドへの変更が終わったところで、すぐさま乗換え先のViettel嬢に連絡します。
Viettel嬢の方で手続きをしてくれ、再び例の「yccm」の呪文を送る様に言われたので送りします。
後は返答が来るのを待つべし、とのこと。
元キャリアから申請承認受領、新キャリアで新プラン申込み
翌日、今度は24時間以内に返信SMSが来ました。
無事「承認」されました!!
なんで合格発表みたいなドキドキ気分で待たないといけないんでしょうね・・・。
ここでまたトラップ。この直後にいきなりMobifoneの電波は途絶えるため、以下、WiFi環境が必要。
なんでこんな綱渡りなんだ。てか綱切れたし。新キャリアに引き継いでから電波止めるとかないのかよ・・・。
ここですぐに新キャリアのSIMカードを挿します。この時点ではデータ通信は出来ませんが、電波自体は入るため、この後の手続きが終わり次第使えるようになります。
その旨をViettel嬢にZaloで連絡すると、プラン表と共に「この中からプランを選んでくれ」とのことなので、一番上の、「DATA:4GB/Day(通話オプション付)」の月額160,000VNDのプランが良いと伝えます。
ちなみに月額160kドンなのに「Total:210,000VND」となっているのは、最初だけ50,000ドンのSIMカード込みだから。
今回は12ヶ月分の1,970,000ドン一括払いを希望。そこから最初に支払済みの50,000ドンを引いた「1,920,000ドンをトップアップしてくれ」とViettel嬢から依頼が。
銀行アプリの「Mobile topup」機能を使ってトップアップします。既にViettelに筆者の電話番号が登録されているので、ここで電話番号を指定して送金すれば、筆者のViettelアカウントにトップアップされます(ベトナムの銀行アプリは日本より進んでいるのです)。
ただし端数は指定できないので、2milVNDをトップアップします(余りは後で使える)。
※なお、ここで銀行アプリが使えない場合は、コンビニなどでも現金でトップアップが出来るはずですが、未確認です。もし現金しか支払い手段がない場合には、やはり再度店舗へ行く必要があります。
さて、これで無事データプランもアクティブになり、めでたく全て手続き完了!
Viettel嬢も「Welcome to Viettel」と言ってくれました。
以上、長い道のりでしたが何とかMobifoneからViettelにMNPする事が出来ました。
データ残量の確認などができるMy Viettelアプリをインストール・登録しておきます。
おさらい:ベトナムのMNP手続き時の注意点
ではいくつかポイントをおさらいです。
- MNP手続きには最低数日かかるぞ
- 元プランがポストペイドだと面倒かも(→プリペイドにプラン変で回避可能)
- 転入先キャリアのショップで最初にSIMカードを受け取ると吉
- さらにその時に店員さんとZaloを交換すると吉
- 注意!元キャリアでMNP承認された直後は無電波状態
ポストペイドプランというのは珍しいケースのような気もするので、もしかしたら多くの場合、ここまで手間取らないかも知れませんが、参考になれば幸いです。
男女問題はいつも困難ですが、MNPはもっとサクっと行って欲しいものですね(なんの話だ)。
(後日追記)ホーチミン市内で圧倒的に5Gが入る!
ViettelにMNPで乗り換えて1週間ほど経ちましたが、スマホの表示を見ていると、ホーチミン市内の自宅やオフィスなど今まで4Gだったエリアが5Gになり、明らかに良くなっている事が体感できています!
郊外や秘境に行くのが楽しみになりました^^
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