こんにちは。ホーチミンで3回目のクリスマスをボッチで過ごしている10max(@10max)です。
そんな淋しい筆者に、ホーチミン市のサンタクロースが素晴らしいクリスマスプレゼントをくれました。
これです!!!
なんか本番前にやつれ果ててる・・・🥺 pic.twitter.com/MYLU2A3b0j
— 10max🇻🇳 | 旅とベトナム (@10max) December 23, 2024
間違えたコレジャナイ
そう、去る12月22日、ホーチミン市のメトロ1号線がついに爆誕しました!!
正直、ちょっと前までは
「そんなん関係ないし」
「みんな話題に踊らされとるだけだし」
などと135度くらい斜に構えておりましたが、ジワジワと心の殻にひびが入り、感慨が押し寄せています。やはり、一つの国で初めての地下鉄が開業する瞬間になんて、そうそう立ち会えるものではないですから。
そして何より感慨深いのは、この歴史的瞬間に同じ街で過ごす人達と、SNSで感動を分かち合える事。様々な場所からやって来て同じ時にこの異邦の街に居合わせる奇跡を思うと、「感動をシェアできる」という陳腐な言葉以上にグッと来るものがあります。
ということで本記事では、ホーチミンメトロ開業を記念して、Twitter(X)でのベトナム在住の仲間たちの声を集めてみました。さすがプロのベトナムウォッチャーの皆さん、魅力とベトナみ溢れるホーチ民の方々の様子も盛りだくさんです。
※なお、ツイートの引用は事前に了承頂いてます。ご快諾下さった皆様ありがとうございます!
ホーチミンメトロ建設の歴史と他国のメトロ
では感動を煽るためにちょっとだけ、ホーチミンメトロが開業するまでの焦らされ具体や、アジアの他の国でのメトロ開業の模様をおさらいしておきましょう。
焦らしに焦らされた6年
今回開業したホーチミンメトロ1号線は、2012年に着工しました。当時の計画では2018年に運行開始となっていました。
その後2014年に、ホーチミン市は、運行開始を2020年に延期すると発表、さらに2020年には2021年に延期とどんどん後ろ倒しにし、2021年には、「2023年以降」などと、さじを10本くらい投げた発表を行いました。
つまり、最初のオオカミ少年計画にあった2018年から6年越し、着工から数えると12年を経ての開業だった訳です。
あまりのグダグダ感に、2022年にはユニクロから下のようなベトナム限定のアーティストコラボUTが発売されました(知らんけど)。
なお、ハノイではメトロ2A号線が2021年に開業(2011年着工)していますが、こちらは地下鉄ではありません。
最近の各国メトロ開業時期
「ある国で初めての地下鉄開業の瞬間」に立ち会えるなんて貴重だ、と書きましたが、ではこの10年くらいで、アジアで初めての地下鉄が開業した国はどのくらいあるのか調べてみました。
- インドネシア(ジャカルタ・2019年)
- パキスタン(ラホール・2020年)
- バングラデシュ(ダッカ・2022年)
- ベトナム(ホーチミン・2024年)
何とアジア全体の50近い国と地域でも、ここ10年で4か国しかありません。途上国でも意外と前に開業している国が多いようです。ちなみに日本は1927年(東京地下鉄)。
僕達は見た!ホーチミンメトロ1号線開業の歴史的瞬間
ベトナムと日本の架け橋
今回のホーチミンメトロ開業がとりわけ日本人の筆者たちにとって感慨深いのは、下のそーさんのツイートの通り、日本のODAによる協力の元に建設された事が大きいと思います。
今日は、日本のODAで作ったホーチミン市のメトロがついに開通✨
ハノイにもメトロはありますが、ホーチミンメトロはベトナム初の「地下」鉄です😃(ハノイにはメトロはありますが、地下部分は工事延期で通ってません。)
皆んなが嬉しそうな写真をアップしてて、私も嬉しい一日でした😆 pic.twitter.com/PiVetGNHgN
— そーさん!ベトナム・ハノイ🇻🇳情報発信中 (@sodesu123) December 22, 2024
下は、2022年に筆者がベトナムに赴任して間もない時期に撮った写真ですが、日越の国旗が掲げられている事を嬉しく思ったものでした。
おはチミン🇻🇳
ホーチミンで(ずっと)建設中のメトロの駅、ベトナムと日本の国旗が並んで掲げられてるのは嬉しい😄(開通したらもっと嬉しいw)今週も折り返し、適度に頑張りましょ〜٩( ‘ω’ )و pic.twitter.com/dBxJ359zZy
— 10max🇻🇳 | 旅とベトナム (@10max) October 4, 2022
ちなみにこの時期に「おはチミン」などと言う世にも恥ずかしい挨拶をしていたのは、ベトナムに来て間もないため、「ホーチミンから発信してるよ」というブランディングを確立するためだった、と言う秘話は墓場まで持って行くつもりです。
なので、下のコージさんの投稿の通り、駅の内装などの感じが東京メトロそっくりなんです!
本日開業のSaigon🇻🇳メトロⓂ️
BA SON駅の構内をパノラマ撮影⤵️ベトナムに引っ越す前によく利用していたTokyo🇯🇵メトロⓂ️を彷彿とさせる雰囲気で、昔にタイムスリップした感じ💦 pic.twitter.com/5LFUb7pmix
— コージ@ Saigon (@Koji07282) December 22, 2024
地下通路も改札周りも東京の地下鉄そっくり。
Apple iPhone 15 Pro (6.7649998663709mm, f/1.8, 1/100 sec, ISO125)
もうトイレなんかそっくり過ぎて、トイレに入って出たら日本に魔法転移してそう(たぶんトイレの前に置いてある諸々は魔法具)。
Apple iPhone 15 Pro (6.7649998656528mm, f/1.8, 1/100 sec, ISO160)
ちなみにハノイメトロ2A号線は中国によるものなので、当然日本感はありません。
開業の熱狂と感動
12月22日の開業当日はものすごい混雑だったようです。初日の利用者数は、10時~16時の6時間の運行中に、なんと15万人!始発のベンタイン駅の入口には8時頃から列ができ始め、並んでから乗るまで2時間以上かかったという話も聞きました。
マジで潰されるかと思いました。。。>圧死寸前ホーチミン地下鉄一号線の開業の瞬間!! https://t.co/egmfmZteIi pic.twitter.com/EgSBWOhYvi
— 清水一行🇻🇳HCM (@shimizuHCM) December 22, 2024
しかし乗った時の感動はやはりひとしおの様。バイクの洪水と排気ガスにまみれた交通事情にすっかり慣れた在住者的には、この静かでクリーンな乗り物が本当に現実のホーチミンなのか・・・とすら思います。
HCMC METROⓂ️🚇️
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!思ったより速くて静か!🤭
いやなんか、言葉にならない感動!!😭 pic.twitter.com/L21Qdo4gc3— ごはんだるま🍚⛄ (@gohandaruma) December 23, 2024
筆者も24日に乗りましたが、ベトナムの人達もワイワイガヤガヤ、「万博会場か!」てな感じの盛り上がりでした。
今週帰国しちゃう前に、チミンメトロ🇻🇳、Ben ThanhからOpera Houseまで一駅だけ乗ってみた。
発車時、ホーチ民達のガヤガヤが止まらない🤣🤣なおベンタイン駅は入場制限あったけどオペラハウス駅はガラガラでした。 pic.twitter.com/sf2ScdcGoG
— 10max🇻🇳 | 旅とベトナム (@10max) December 24, 2024
あふれ出るベトナみ
しかし、いかにホーチミンらしからぬ洗練された乗り物が登場したと言えども、ここは奇跡の国☆ベトナム。あふれ出るベトナみを抑えることなど到底不可能です。
結局昨日の夜メトロ乗って来たんだけど、移動手段じゃなくて、電車に乗る為に電車に乗るのって小2以来約30年振り
初日で皆、電車の揺れと混雑具合に慣れてない
満員の電車が到着して皆が「乗れないよー!」って言った時と、帰りの乗り方がもし分からなければタクシーで帰ろうって言ってる人いて萌えた pic.twitter.com/8mhEKlZwAN— はっせー (@haseysaigon) December 23, 2024
初めて見る満員電車を目の前にして「乗れないよー!」と色めきたち、
メトロに乗ってるだけなのに「帰りの乗り方がもし分からなければタクシーで帰ろう」と、謎に周到なプランBを検討する珠玉のホーチ民たち。
何とも初々しく、微笑ましいではありませんか。
更にベトナみはあふれ続けます。
開通おめでとうございます㊗️
めちゃくちゃ綺麗でした!バンコクや台北のMetroに近いですね。黄色い線を超えると駅員さんにめっちゃ注意されますw
ベンタイン駅はカオスってたので、そのまま折り返してきましたね🤣ドヨドヨ歓声が上がり、みんな進行方向見ているのが微笑ましかったです(笑) pic.twitter.com/aOMtGA1xQo— ひまわり🌻@ホーチミン🇻🇳 (@yo_kohimawari) December 22, 2024
さて、いいですか?
「みんな進行方向見ている」
これほどジワるパワーワードが2024年を通して他にあったでしょうか。
念のためですが、通勤電車式の、窓を背にして座るロングシートですよ。それなのに首を曲げて、
「みんな進行方向見ている」
「FUTURE」からやって来た乗り物というのは、人にこれほどまでのインパクトをもたらすのです。
そして極めつけはこちら。
ホーチミン地下鉄より
ベトナム🇻🇳あるあるですね😆#ホーチミン #地下鉄 #ヘルメット脱いだら? pic.twitter.com/fG9MBFaLRB— Japanese 🇯🇵 brothers in Vietnam 🇻🇳ベトナム生まれの日本人 (@q0aby) December 23, 2024
地下鉄の中でヘルメット被ってる・・・
なんでやねん。
何から頭を守ってんねん。
彼はおそらく、ベトナムと言うバイク大国に生まれ落ちた時から、
SEKAI NO HONDAはナンバーワン
移動の時はヘルメット
4人乗りでもヘルメット
という刷り込みを受けているのでしょう。
なお、ベトナみと言えば、筆者は開業の5日前にたまたまメトロの入口を通ったら中に普通に入れまして、普通に中を探索することが出来ました。まじでユルいです。
開業直前の東京メトロです🚃
って言っても信じちゃいそうですよね🇻🇳
レロイ通りの地下駅に何故か入れたので探検してきました。この風景、ほんと既視感しかない🇯🇵 pic.twitter.com/55VAieYBTj— 10max🇻🇳 | 旅とベトナム (@10max) December 17, 2024
変化の兆し
メトロの開業によって、ベトナムでも少しずつ何かが変わっていくのかも知れません。
メトロのホームの電光掲示板には驚愕のメッセージが表示されます。
ホーチミンメトロ🚇
1分遅れます
なんていうアナウンスいる!?!? pic.twitter.com/ZWnUHL5DOa
— Umeume (@Umepo1) December 23, 2024
これは革命です。ホーチミンおじさんもびっくりの革命です。
日本とベトナムでは時の流れ方が異なるため、日本的な1分の遅延というのは、ベトナムにおいては0.5秒ほどの遅延としか見なされません。
1分単位で遅延が電光掲示板にアナウンスされるという事は、ベトナム人にとっては0.5秒ごとにめまぐるしく変わるパラパラ漫画のように映る事でしょう。
しかしこれにより、ベトナム人の時間感覚が変わってくるかも知れません。
さらに市内の交通事情にも変化が起こりそうです。
ホーチミン市メトロの開業に合わせて、メトロ接続の電気バスの運行が始まっています。サイゴンバスターミナルにも見慣れない色の電気バスが登場していました。 pic.twitter.com/Y5o6p2AQ2o
— Yoshiki Kuraki (@yokuraki) December 22, 2024
メトロに乗りに行かずに旧Metro(現MMmega)に買い物行って来たんだけど、車の駐車場は今度から無料じゃなくて有料になるみたい。ここから歩道橋で駅まで行けるから置きっぱ対策かな(多分買い物したら無料?)
帰りはバスが走ってるの見れた🚌 Trần Nãoのとこにバス何台か停めてあったから駐車場かな? pic.twitter.com/uWL9CuEFtT— はっせー (@haseysaigon) December 22, 2024
メトロ開通以前から、駅へのアクセスや周辺の駐輪場などの課題は取り沙汰されて来ました。
先ほどのヘルメット氏のように、既にバイク移動がDNAレベルで染みついている人々が、メトロと電気バスを乗り継ぐ、という行動を選ぶかどうかは見ものです。
ただ、筆者の職場の社員に話を聞くと、大渋滞の中、あるいは雨の中を長時間バイクを運転するのはしんどく、メトロでスマホや本を読みながら通勤できるのは嬉しい、という声もあったので、案外行動パターンも変わってくるのかも知れません。
ベトナムと言うのは元来そうした価値観の変化において非常に俊敏な国です。
その急激な変化の過程において、「ヘルメットを被ったままメトロに乗る」というストロングハイブリッドスタイルが生まれるのも必然なのかも知れません。
都市発展を追体験出来る国、ベトナム
今回のベトナムの高揚感と言うのは、まさに昭和の日本のそれに通じるものなのかも知れません。
右肩上がりで経済が成長し、頑張っただけ給与は増え、道路や信号が整備され、割賦でスマホ(昭和ならテレビとか)をゲットし、初めての地下鉄が開通する。
歴史の中でしか知らない「あの頃の日本」の相似形を、ホーチミンで追体験している、と言えるのかも知れません。
ホーチミン市のメトロ1号線開通について、「地下鉄一本でそんなに騒がなくても」というのはとても理解はできるのですが、ベトナムに10年住んでずっと待っていた身からすると本当に大きい変化。あと、日本に住んでいても大都市1本目のメトロ開通に立ち会える瞬間はないけど、その変化を眼の前で体感でき…
— Takuto Kudo | Luatsu🇻🇳 (@tacton) December 24, 2024
だからこそ、どこか懐かしく、そして熱を帯び続けるベトナムに惹かれる人が絶えないのかも知れません。
ベトナムのこれからが益々楽しみです。
Apple iPhone 15 Pro (6.7649998656528mm, f/1.8, 1/10000 sec, ISO80)
追伸
冒頭のサンタさんは25日には元気になってました。
元気になってた!メリークリスマス🎅 pic.twitter.com/dZ8dmoX6oW
— 10max🇻🇳 | 旅とベトナム (@10max) December 25, 2024
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