旅コラム/旅カメラ

曖昧さと闇の中心で旅を叫んでいたあの頃 – 僕たちはどう旅するか

かつて旅は非常に曖昧で、未知と言う名の闇に包まれていた。

旅人にとって外界との繋がりは実に希薄で、目の前で起きている事がこの世界のほぼ全てだった。

ジャイプル アンベール城 ジャイガール要塞 インド旅行記

例えば物の値段。

かつてそこには正解というものは存在せず、「売る者」と「買う者」との組み合わせによってほぼ無限の宇宙が広がっていた。

先日このような記事を書いていて、思ったものだ。この記事は、Grabというライドシェアサービスにおける、一つの「闇」に灯りを点したものだ。

タンソンニャット・ノイバイ国際空港でGrab・タクシーに乗る際の空港使用料は別途払うべき?
こんにちは。ベトナムの色々な車種に乗りたいが故に Grabで通勤している10max(@10max)です。 ホーチミン・タンソンニャット国際空港やハノイ・ノイバイ国際空港からGrabやタクシーに乗った際によく戸惑いのタネになるのが、「空港使用...

かつてメータータクシーは交渉制タクシーから曖昧さを排除し、今日、Grabは「売り手」と「買い手」との会話すら無用の長物とした。

上の記事に書かれている内容はまた一つ、旅人から「曖昧さ」を遠ざけた。インターネットの誕生に端を発し、この世界の多くの「闇」が明るみに引っ張り出されることになった。

それと同時に、曖昧な都市伝説よりも「正しい情報と思しきもの」が価値を持つ世界が訪れた。

 

少し記憶を掘り起こしてみる。その昔、「移動そのものが旅」だった時代の話だ。

ムガル・サライ駅からバスに乗り、ガンジス川にかかる橋のたもとからボートでバラナシの中心部に入るとしよう。橋のたもとでは二人のインド人がボートの客待ちをしている。

 

果たしてこの男達は信用できるのだろうか。

この価格は適正なのだろうか。

そもそも目的地に辿り着けるのだろうか。

川イルカに喰われるんじゃあなかろうか。

インド バラナシ ガンガー ガンジス川 ボート

価格など、ある程度まっとうなレンジに収まっていれば納得できたし、謎に包まれた場所に放り出されたなら、その辺りの人に身振り手振りで訊いてみるまでだ。

そして、それが正解だったのかどうかなど分からないまま、旅は続くのだ。

 

そうした経験談は、旅の伝説として語り継がれる。

本当かどうかなど、どうでも良い。

正しい情報かどうか、でもない。

それはその旅人にとっての財産となり、その旅人の人生を彩るのだ。

 

僕たちはどう旅するか。

情報が溢れるこの時代、旅の醍醐味とは何だろうか。

一体どのような旅が、私と言う旅人の人生を彩ってくれるのだろうか。

 

おっといけない、ビアサイゴンの氷が解けてしまう。

ビアサイゴンを追加して、もう少し旅に想いを馳せてみたいと思う。

ベトナム料理 揚げ春巻き ブン ビアサイゴンSONY ILCE-7C (50mm, f/5.6, 1/50 sec, ISO4000)

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