ホーチミン市内観光

ホーチミン市歴史博物館の見応えが地味に凄い。| 民族の変遷あり、ミイラの実物ありで好奇心が止まらない

こんにちは。麺の歴史だけでなく民族や言語の歴史にも興味津々の10max(@10max)です。

先日家族で1区の方に用事があったので、ついでにホーチミン市歴史博物館へ行ってきました。

今まで行ってなかったから、というだけの理由で訪れただけで完全に見くびっていたのですが、思いのほか興味深い展示内容だったのでご紹介しておきたいと思います。

※本記事の情報は2023年8月時点のものです。最新情報は公式HPなどでご確認ください。

ホーチミン市歴史博物館の建物

SONY ILCE-7C (28mm, f/4, 1/160 sec, ISO100)
ホーチミン歴史博物館の建物自体が国家級遺跡に指定されている

スポンサーリンク

ホーチミン市歴史博物館とは何ぞや

ホーチミン市には、ベトナム戦争をメインに扱う「戦争証跡博物館」や、美術品メインの「ホーチミン市美術博物館」など、いくつかの博物館がありますが、今回ご紹介する「ホーチミン市歴史博物館」は、石器・鉄器時代から阮朝時代に至るまでの、ベトナム各地に存在した民族や文化の歴史・変遷を紐解く展示がメインとなります。

ベトナムの歴史とか民族って、今でこそ9割以上がキン族と呼ばれる民族で占められていますが、そこに至るまでの経緯は結構複雑なんですよね。中国の影響を多大に受けつつ、加えてカンボジア方面のクメール系やヒンドゥ教のチャンパなんかも勢力を伸ばしていたり、山岳民族も居たり、割と波乱万丈な変遷を経て来ていて、それがどういう流れで今の状態に落ち着いているのか、その辺に興味があったのです。

また、ホーチミン市内で発掘されたミイラの実物の展示などもあり、地味に貴重な歴史的展示が山盛りです。

ホーチミン市歴史博物館の入り口

Apple iPhone 12 Pro (1.54mm, f/2.4, 1/250 sec, ISO25)
ホーチミン市歴史博物館の入り口

スポンサーリンク

建物自体が国家級遺跡

まずは入口入ってすぐ右のチケット売り場で入場料を払います。ベトナム人・外国人問わず基本30,000ドン(150円強)ですが、子供料金なんかもあるので詳細は最後の基本情報をご覧下さい。以前は写真撮影をする場合は追加料金を取られたようですが、今回は特にありませんでした。

ホーチミン市歴史博物館のチケット売り場SONY ILCE-7C (28mm, f/4, 1/100 sec, ISO100)

博物館の建物の中に入る前に、最初に見ておきたいのが「建物自体」。1920年代にフランス人建築家の設計によって建てられたもので、この建物自体が国家級遺産に指定されています。中庭も含め、東洋と西洋が折衷した何とも味わい深い佇まいです。

ホーチミン市歴史博物館の建物と中庭Apple iPhone 12 Pro (1.54mm, f/2.4, 1/100 sec, ISO100)

スポンサーリンク

ベトナムの地に盛衰した民族の歴史・文化を辿る

ではここから、現在のベトナムの領土に存在してきた様々な民族の文化を辿っていきます。詳しい解説は面倒くさいので省略 ぜひ現地でご覧頂きたいので、ここでは写真で雰囲気をお伝えします。

仏教の歴史

最初は仏教の歴史です。今のベトナムではパチンコ屋か小林幸子かと言うくらいのピカピカ輝く色とりどりの仏像が主流ですが、かつては日本人にもなじみの深い感じの渋みある仏像だったのだな、と思います。

ホーチミン市歴史博物館の展示(仏教)SONY ILCE-7C (38mm, f/8, 1/40 sec, ISO1250)

それでも、右手前のようなちょっと堅気とは思えない感じのおじさんの像があったりします。

ホーチミン市歴史博物館の展示(仏像)SONY ILCE-7C (28mm, f/4, 1/30 sec, ISO2000)

各語族の文化・風俗

この部屋では、オーストロネシア語族、オーストロアジア語族、シナ・チベット語族の文化や風俗を紹介しています。下のパネルは、現在のベトナム領土における各語族の分布を表しています。現在ベトナムには54もの民族が存在するとされていますが、それぞれがどれかの語族に属しています。

ホーチミン市歴史博物館の展示SONY ILCE-7C (29mm, f/4.5, 1/30 sec, ISO100)

オーストロネシア語族

こちらはオーストロネシア語族コーナー。雑に言えばマレー語を中心とする語族で、北は台湾から南はオセアニアまで分布した民族集団。現在のインドネシアやマレーシアに一番多く残っています。ベトナムで言うと、チャンパ王国のチャム族がこの語族に属します。

ホーチミン市歴史博物館の展示(オーストロネシア語族)SONY ILCE-7C (28mm, f/5.6, 1/30 sec, ISO2500)

ホーチミン市歴史博物館の展示(オーストロネシア語族)SONY ILCE-7C (28mm, f/5, 1/30 sec, ISO2000)

ホーチミン市歴史博物館の展示(オーストロネシア語族)SONY ILCE-7C (28mm, f/5, 1/30 sec, ISO800)

ホーチミン市歴史博物館の展示(オーストロネシア語族)SONY ILCE-7C (34mm, f/4.5, 1/40 sec, ISO1600)

オーストロアジア語族

オーストロアジア語族は、東南アジアからインド東部、バングラデシュ方面に分布する民族集団。インドシナ半島ではクメール語系がこれに当たります。

意外なのですが、ベトナム語はこのオーストロアジア語族に属するとされます。ベトナム語は広東語との共通点が多い印象がありますが、クメール系の言語を起源としつつ、中国語の影響を受けた言語、という解釈なのだとか。

その意味では実は、オーストロアジア語族で最大の話者を持つ言語はベトナム語、と言う事が出来ます。

ホーチミン市歴史博物館の展示(オーストロアジア語族)SONY ILCE-7C (29mm, f/4, 1/30 sec, ISO400)

シナ・チベット語族

こちらはシナ・チベット語族の展示。中国語、チベット語などの仲間です。ベトナムでは、中国との国境に近い北部山岳地帯の一部の少数民族や、広東省辺りからの移民が多い南部の一部地域がこの語族に属しています。

ホーチミン市歴史博物館の展示(シナチベット語族)SONY ILCE-7C (38mm, f/5, 1/40 sec, ISO2500)

南部の主要民族の民族衣装を紹介するパネルがありました。これだけでビアサイゴン1本くらい飲めそうです。

ホーチミン市歴史博物館の展示SONY ILCE-7C (40mm, f/5, 1/40 sec, ISO1600)

土器・金属器時代

ドンソン文化

ドンソン文化(東山文化)は、ベトナム北部のホン川(紅川)流域の金属器文化。

ホーチミン市歴史博物館の展示(ドンソン文化)SONY ILCE-7C (28mm, f/4, 1/30 sec, ISO1000)

ドンナイ文化

南部ドンナイ川流域にあった土器文化の展示もありました。

ホーチミン市歴史博物館の展示(ドンナイ文化)SONY ILCE-7C (28mm, f/4, 1/30 sec, ISO1000)

オケオ文化

オケオ(Oc Eo)文化は、南部メコンデルタ地域で発達したヒンドゥ文化の影響を強く受けた文化。サンスクリット語の碑文などが多く見つかっています。

ホーチミン市歴史博物館の展示(オケオ文化)SONY ILCE-7C (28mm, f/5.6, 1/30 sec, ISO3200)

ヒンドゥでお馴染みのリンガの展示がありました。オケオ文化の展示は他にも沢山あったのですが、何故かこの写真しか撮ってませんでした・・・(わざとじゃありませんよ)。

ホーチミン市歴史博物館の展示(オケオ文化)SONY ILCE-7C (34mm, f/5.6, 1/40 sec, ISO4000)

各王朝時代

李朝

李朝はベトナム北部に1009年~1225年まで存在した王朝。

ホーチミン市歴史博物館の展示(李朝時代)SONY ILCE-7C (29mm, f/5.6, 1/30 sec, ISO1250)

チャンパ王国

こちらは中南部に192年~1832年の間に栄えたクメール系の王朝。チャンパというとヒンドゥ文化というイメージが強いですが、実際にヒンドゥ文化の影響を強く受け始めたのは7世紀くらいからのようです。

展示物も、アンコール・ワットの彫像などに通じるクメール系の意匠を強く感じます。

ホーチミン市歴史博物館の展示(チャンパ王国時代)SONY ILCE-7C (31mm, f/5, 1/40 sec, ISO320)

ホーチミン市歴史博物館の展示(チャンパ王国時代)SONY ILCE-7C (34mm, f/5, 1/40 sec, ISO640)

ホーチミン市歴史博物館の展示(チャンパ王国時代)SONY ILCE-7C (35mm, f/8, 1/40 sec, ISO800)

ホーチミン市歴史博物館の展示(チャンパ王国時代)SONY ILCE-7C (60mm, f/5.6, 1/60 sec, ISO1250)

阮(グエン)朝

いよいよ現代史に突入、阮朝です。

ホーチミン市歴史博物館の展示(阮朝時代)SONY ILCE-7C (28mm, f/5.6, 1/30 sec, ISO2000)

フエの王宮など、馴染みの深い展示物があります。

ホーチミン市歴史博物館の展示(阮朝時代)SONY ILCE-7C (32mm, f/8, 1/40 sec, ISO4000)

フエの陵墓などでも聞いたことのある阮朝の歴代皇帝の肖像なんかもあります。

ホーチミン市歴史博物館の展示(阮朝時代)SONY ILCE-7C (28mm, f/8, 1/30 sec, ISO3200)

ホーチミン市歴史博物館の展示(阮朝時代)SONY ILCE-7C (28mm, f/8, 1/30 sec, ISO2500)

スポンサーリンク

ミイラの実物展示!

この歴史博物館で忘れてはならないのが、本物のミイラの展示です。ミイラさんは古代の墓の展示の部屋に眠っています。

ホーチミン市歴史博物館の展示(ミイラ)SONY ILCE-7C (36mm, f/5.6, 1/40 sec, ISO6400)

こちらがミイラの実物展示。ホーチミン5区で発掘されたもので、18世紀の女性のものだそうです。本当に綺麗な姿で残っているので驚かされます。

ホーチミン市歴史博物館の展示(ミイラ)SONY ILCE-7C (28mm, f/5.6, 1/30 sec, ISO4000)

スポンサーリンク

水上人形劇は上演時間に注意

そして最後に・・・これは何時代の展示・・・?

ホーチミン市歴史博物館の展示SONY ILCE-7C (28mm, f/8, 1/13 sec, ISO12800)

これは展示ではなく、ベトナムの伝統的エンターテイメントとして有名な水上人形劇の案内でした。そんなのも見られるんですね。ただし、上演時間は午前10時30分と午後14時30分の2回だけになります。

今回は、博物館に来るまで存在を知らず事前調査をしていなかったので、残念ながら見られませんでした。

スポンサーリンク

カフェと土産物屋

敷地内にはカフェや土産物屋もあります。休憩がてら記念品を探してみても良いかも。

ホーチミン市歴史博物館のカフェSONY ILCE-7C (28mm, f/8, 1/30 sec, ISO6400)

ホーチミン市歴史博物館の土産物屋とカフェApple iPhone 12 Pro (4.2mm, f/1.6, 1/120 sec, ISO125)

スポンサーリンク

さいごに:歴史博物館でベトナムの理解を深めよう

ということで(どういうことだ)、ホーチミン歴史博物館、地味ですが非常におすすめです。

今のベトナムが出来上がるまでの歴史、今も残る少数民族のことなど、知っているようで知らなかったベトナムの民族・文化の理解がグッと深まったような気がします。

館内も程よくコンパクトで、しかも全ての展示が1階にあるので階段移動なども無く、さほど疲れも感じず気軽に見られます。

ぜひ一度訪れてみて下さい。

ホーチミン市歴史博物館の基本情報

以下、2023年8月時点の情報です。最新情報は公式HPなどでご確認下さい。

開館時間 8:00~11:30, 13:30~17:00(昼休みに注意)
定休日 月曜日
入館料 30,000ドン

※6歳未満無料、6-15歳/60歳以上は半額

※その他諸条件は公式HP参照

公式HP www.baotanglichsutphcm.com.vn

アクセス

にほんブログ村 海外生活ブログ ベトナム情報へ
にほんブログ村 旅行ブログ ベトナム旅行へ
にほんブログ村 海外生活ブログ ホーチミン情報へ

コメント

タイトルとURLをコピーしました