こんにちは。元々車好きですが、最近は「バス」という車種にも興味が出てきた10max(@10max)です。
正確には、筆者よりも細君が最近ホーチミンの路線バスにハマってまして、近くの市場や病院などに出かけるのにバスが実に安く便利である、と言うんですよね。
実際、市内の移動には非常に安くて便利で心地よいのに加え、ベトナムの地元の人々の生活感にも触れられる旅情この上ないお薦めの移動手段です
ということで、本記事ではホーチミン市内路線バスの乗り方や便利なアプリの使い方を詳しくご紹介します。
ホーチミン市内路線バスは圧倒的に安く、意外と便利で安全
その前にまず、ホーチミン市内で利用可能な交通手段を比較しつつ、路線バスの特徴をご紹介します。
ホーチミン市には地下鉄などの鉄道がありませんので(ハノイまで伸びる長距離線を除く)、自家用車/バイク/自転車を除く移動手段としては、Grab含むタクシー、バイクタクシー、そして路線バスになります。
それらをざっくり比較すると以下のようになります。
早さ・便利さ | 料金 | 安全性 | |
タクシー/Grab | ◎ | X | ◯ |
バイタク/Grabバイク | ◯ | △ | X |
路線バス | △ | ◎ | ◎ |
早さ・便利さについては言うまでもなくGrab含むタクシーやバイクタクシーが優勢です(ただしバイクは長距離には向かない)。特にGrabならドアtoドアで乗せてくれて支払いもアプリ内で済みますが、バスの場合は何よりバス停までの移動が必要となります。ただ便利さの面で意外とバスが隅に置けないのは、5分〜10分間隔と割と運行間隔が短い点です(路線による)。
一方料金についてはバスの圧勝です。路線バスの料金はどこまで乗っても一律6,000ドン(≒約30円。路線によって異なる場合もあるが大体こんなもん)。
対するGrab含むタクシーやバイクタクシーは当然従量料金で、30分程度の移動の場合数百円台後半から1,000円前後になります(Grabバイクは概ねその半分〜2/3程度)。日本のタクシーよりは安いですが、往復だと馬鹿になりません。
細君などは日々買い物や病院などで移動する必要があり、ズボラな筆者は「Grabを使えばいいじゃないか」と言っているのですが、コスト意識の高い細君はこの路線バスの安さに目を輝かせています。見上げたものです。
安全性についてもバスが優位と言えます。Grab含むタクシーやバイクタクシーはドライバーに左右されますし、タクシーは運営会社を間違えるとボッタクリだったりします。バイクの危険性については言うまでもありません。筆者は元々バイク乗りなので慣れておりよく利用していますが、妻子を乗せる気にはなれません。
その点バスは超安全です。公共交通機関なので犯罪に巻き込まれるリスクはかなり低いですし、料金トラブルもなく、それにベトナムの車社会では「大きい者(車両)が強い」という原則があります(笑)。
と言う事でまとめると、バスは圧倒的に安く、そして意外と便利で安全、と言えます。バス停までの移動が可能で、かつ時間に余裕があるならば、バスの利用は超お薦めです。
SONY ILCE-7C (60mm, f/5.6, 1/125 sec, ISO100)
バスルートや時刻表などが分かる「BusMap」アプリの使い方
さて、とは言え異国の地、それも英語も通じない混沌としたアジアの街で路線バスを利用するというのは結構ハードルが高そうに思えるでしょう。
そのハードルを圧倒的に下げてくれるが「BusMap」という、ルート検索や時刻表、バスの到着予想時刻などが分かるアプリです。
「市バスのアプリなんてゴ◯ミのような使い勝手なんじゃないの?」と思われるかも知れませんがご安心下さい。BusMapはベトナム人が立ち上げたスタートアップが運営しているアプリで、かなりインテリジェントかつ日本語にも対応していてめちゃくちゃ便利です。
まずはこのBusMapアプリの使い方をご紹介します。
なお、ルートやバス路線の検索だけならGoogleマップでも8割方同じ事が出来ます。逆に言うと、このBusMapはGoogleマップと同等のルート検索機能に加え、バスの時刻表や次のバスの到着時刻の予想など、よりバスの利用に特化した機能や情報が使えるアプリです。
なので、ルート検索だけ出来れば十分、という場合は次の項目まで飛んで下さい。
ルート・バス路線検索方法
まず目的地までのバスルート・路線を検索してみましょう。BusMapのアプリ/サイトで出発地と目的地を入力すると、Googleマップのような感じで最寄りのバス停とお薦めのバス路線を提示してくれます。
例として、筆者の住んでいるホーチミン市7区の日本人学校から、先日日帰りで行ってきたホーチミン市郊外のローカル寺院「Chau Doc Mieu Ba 2」に行く場合を想定して検索します。
スマホでBusMapアプリを開き、右下の「目的地までのルートを探す」をタップします。
Googleマップ的な感じで出発地と目的地を入力する欄が出てくるので、入力します。「Japanese Shool」的なあいまい検索語句でもちゃんと候補を示してくれる優秀さです。もちろん現在地を指定する事も可能です。
こんな風に語順が多少違ってもちゃんと拾ってくれる優秀さです。
するとこんな感じで出発地点とゴールが表示されるので、問題なければ「検索」します。
検索の結果、こんな感じでお薦めのルートやバス路線番号を提案してくれます。
ここで素晴らしいのは、なんとGrabやGrabバイクとの所要時間、概算料金比較まで表示してくれます。Googleマップでは車での所要時間は示してくれますが、ここまではやってくれません。
(この距離では、バスの6kに対してGrabバイクで7〜10倍、Grabタクシーは20倍以上高い事が分かります)
さて、これでバスの場合には20番と75番が乗り換え無しで行けそうだと分かります。一番推しの20番を選んでタップすると、最寄りバス停までの移動含めたルートマップが表示されます。
ここで再びGoogleマップにない便利な機能が、到着予想時刻の表示。オレンジの枠内に「バスは4, 16,22分に到着します」とある通り、あと何分でこのバス停にバスが到着するかが分かるのです。これは便利!
また「バス停を通過」タブでは、出発バス停から到着バス停までに通るバス停を見ることが出来ます。多分「通過するバス停」が正しい日本語訳でしょうね^^;
到着予想時刻や運行間隔、時刻表、路線詳細情報も分かる
さて、ここから更にGoogleマップには無い機能が続きます。上のマップでバス停をタップします。
すると、このバス停に到着予定のバス一覧を見ることが出来ます。複数路線が止まるバスであればそれらも表示されます。
さらに上の画面でオレンジで囲んだ「ルート20」をタップすると、20番路線の詳細情報に移ります。
「バス停」タブでは路線上の全バス停一覧を見ることが出来ます。
こうして見ると、20番線はホーチミン市1区のブイビエン通り近くのバスターミナルを出発し、今回の目的地である「Chau Doc Mieu Ba 2」寺辺りを終点とする路線のようですね。
ちなみに20番と75番はホーチミン市中心では同じルートで、違いは上のマップの右下でドンナイ川を渡船で渡って更にその先に行くか否か(20番は行かない)という違いのようです。75番にもいつか乗って海まで行ってみたい・・・(おっとヨダレが)。
「バス時刻表」タブでは始発駅の発車時刻表を見ることが出来ます。
また「バス情報」タブでは20番路線の概要も詳細に記載されています。
これによると、20番線は料金一律6,000ドン(約30円)、ルートの始発点から終着点までの所要時間は50分程度。始バスは朝4:20で終バスは21:00(おそらく始発のバスターミナルの出発時間)、運行間隔は6-10分程度とのこと。
こんな整理された情報、日本の路線バスでは公開されてなさそう・・・。
と言う事で、個人的には日本ではあまりバスを使わないのでこう言ったアプリがあるのかどうか分かりませんが、少なくともこれがあればかなりバス利用のハードルは低くなりそうです。
ホーチミン市内路線バスの乗り方
さて、では実際にバスに乗ってみましょう。
バス停はこんな青いやつです。ここまではGoogleマップを頼りに徒歩で来ましょう(そこはBusMapよりもGoogleマップの方が良さそう)。
SONY ILCE-7C (42mm, f/3.2, 1/2000 sec, ISO100)
地味過ぎて通り過ぎそうになりますが、ちゃんと路線番号の「20」「75」が書いてあります。
SONY ILCE-7C (43mm, f/3.5, 1/2500 sec, ISO100)
20番のバスはこんな青いバス。冒頭の139番は緑だったので路線ごとに色が違うのかも知れません(全部の路線を乗っていないので分かりません・・・)。
SONY ILCE-7C (200mm, f/5.6, 1/500 sec, ISO100)
チケット購入は車内で「係員式」と「ワンマン式」
バスが通り過ぎないよう、念の為バスが近づいてきたら手を挙げるなどして存在をアピールした方がよいでしょう。
バスに乗り込むと車内はこんな感じで割と綺麗です。
SONY ILCE-7C (28mm, f/2.8, 1/80 sec, ISO100)
チケットは基本的にバスに乗り込んでから購入します。
買い方は2パターンあって、一つはこんな風にチケット販売係の人が乗っていて、バスに乗り込むと集金にくるパターン。
もう一つは運転手しか乗っていないワンマン式で、運転席の後ろにこんな感じでお札を入れる箱が備わっているパターン。運転手にお札を見せて透明の箱に入れると、運転手がお釣りをくれます。
SONY ILCE-7C (42mm, f/5.6, 1/125 sec, ISO100)
いずれも乗り込むとすぐに購入することになるので、バスが来る前に小銭(丁度がベストだけど、ない場合でもせめて1万ドンとか2万ドン)を手元に用意しておくと良いでしょう。
こちらが購入したチケットです。
SONY ILCE-7C (28mm, f/2.8, 1/50 sec, ISO100)
なお、最近は第三の支払い方法が有るようです。この青い端末に「ZaloPay UniPass」とあります。恐らくベトナムのQRコード決済の一つであるZaloPayを使ってチケット購入が出来るのでしょう。ただし筆者はZaloPaを使っていないのでこれも使ったことはありません・・・。
SONY ILCE-7C (60mm, f/5.6, 1/60 sec, ISO250)
降りる場所はGoogleマップでチェック
これで一安心ですが、次に止まるバス停などのアナウンスはないため、降りるバス停を通過したりしないように気を付けましょう。
一番簡単なのでGoogleマップで常に現在地と降りるバス停の位置をチェックしておくことですね。
運転手や周りの乗客に降りる場所や目的地を伝えておくとベターですが、運転手やチケット売りの人は殆ど英語が通じません。学生さんなど英語が通じそうな場合の予備手段としては有りですね。
降りるバス停が近づいてきたらブザーを押しましょう。これは日本と同じです。
さいごに:路線バスは自由な旅の翼
ということで、圧倒的な安さで、かつ思ったよりも便利な路線バス、とてもお薦めです。
もちろんホーチミンに全く土地勘がない場合や時間がない場合の移動手段としては、Grabなどが最有力候補になりますが、もしもゆったりと地元の人達の様子を眺めながらベトナムの風情を感じたいのであれば、これほど魅力的な移動手段はありません。
路線バスに乗っただけでとても充実した旅をした気分になれます。しかもどこまで行っても費用を気にする必要がありません。
ホーチミン市内で、Googleマップでの目的地へのルート検索で路線バスが提案された場合には、ぜひ検討に加えてみて下さい。そしてBusMapアプリをダウンロードしましょう(アフィリエイトとかじゃないですw)。
路線バスを活用して良いベトナム旅&ベトナム生活を^^
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