まだ明け切らぬ大晦日のホーチミン市街を流し、サイゴン駅へ向かいます。朝の早いこの街では5時前でもすぐにGrabを捕まえる事が出来るので助かります。
もっとも早起きなど旅行の時以外は全くしないので助かるのは年に数回ですが・・・
こうしてベトナム鉄道で行く2泊3日ムイネー年越しの旅が幕を開けます。
OLYMPUS E-M1MarkII (40mm, f/3.9, 1/80 sec, ISO2500)
サイゴン駅
サイゴン駅はホーチミン市の中心部である1区の北西隣の3区にあります。ホーチミンに住んでいても通常は訪れる事のない場所でしょう。
駅舎に掲げられている「Ga Sài Gòn」の「Ga」は駅という意味です(当たり前)。駅前にはそれなりのロータリーなぞもあり、そこそこ賑わっています。マイナーな交通手段ではありますが、近〜中距離移動の庶民の足としてはまだ現役なのでしょう。
OLYMPUS E-M1MarkII (12mm, f/3.2, 1/60 sec, ISO200)
駅舎の中。クリスマスを過ぎてもツリーが飾ってあるのはベトナムでは鉄板です。
正面の「CUA VAO GA」とあるのが改札口です。写真には写っていませんがチケット販売カウンターも駅構内にあります。
OLYMPUS E-M1MarkII (12mm, f/3.2, 1/60 sec, ISO400)
駅舎に併設されたVietcom BankのATMで旅の軍資金を下ろし、改札へ向かいます。
OLYMPUS E-M1MarkII (12mm, f/3.2, 1/60 sec, ISO200)
チケットは筆者の場合、予めベトナム鉄道公式サイトにてオンラインで購入してあったので、その電子チケットをスマホ画面に表示させて駅員に見せます。
チケットの提示方法は購入方法により異なり、予約番号を駅構内の端末で入力する方法などもあります。ベトナム鉄道のチケットの予約購入方法については下記記事でご紹介しています。
OLYMPUS E-M1MarkII (18mm, f/5.6, 1/60 sec, ISO1000)
サイゴン駅の場所
ホームを駆け抜けるバイク、そして列車内のカオス
いよいよベトナム鉄道の列車に乗り込む時が近づいてきました。アジアではこれまでタイ、マレーシア、インド、スリランカで列車に乗りましたが、ベトナムの鉄道は初めての経験です。
アジアの列車には他の交通手段にはない得も言えぬ旅愁があり、また地元の人々の優しさ(やカルチャーギャップ)にも触れることが出来、実に大好物なのです。
ホームへ向かうと、いきなりバイクが駆け抜けて行きました。やはりここはまごう事なきベトナムであると思い知らされます。
OLYMPUS E-M1MarkII (44mm, f/3.9, 1/100 sec, ISO1600)
ちなみに列車編成の中には乗客のバイクを積載する車両もあります。ベトナムは常に期待を裏切りません。
こちらは自転車です。これも恐らく駅員が使用するのでしょう。
OLYMPUS E-M1MarkII (29mm, f/3.7, 1/60 sec, ISO320)
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9号車を目指します。小6の次男と細君の身長がちょうど同じくらいになっていました。
身体だけでなく精神的にも成長著しいこの年頃の少年達の心に、ベトナムという異国での列車の旅がどのような影響を与えるのか、などと考えるだけで楽しいものです。
OLYMPUS E-M1MarkII (40mm, f/3.9, 1/80 sec, ISO1000)
車両の入り口の前で再度駅員にチケットを提示します。
OLYMPUS E-M1MarkII (46mm, f/3.9, 1/80 sec, ISO2000)
ホームには売店が繰り広げられており、軽食などを購入する事が出来ます。このGrabのおじさんはどうしてここで食べ物を物色しているのでしょうか・・・
OLYMPUS E-M1MarkII (32mm, f/3.8, 1/60 sec, ISO400)
座席とトイレと洗面所
いよいよ車内に乗り込みます。ベトナム鉄道で最も一般的なエアコン・ソフトシートです。
左側の電気が切れていますが、思っていたよりも綺麗です。
OLYMPUS E-M1MarkII (15mm, f/4, 1/60 sec, ISO1600)
座席は中心を境に向きが逆になっています。座席は回転しません。
リクライニングも可能で足元もそこそこ広く、普通に快適です。
OLYMPUS E-M1MarkII (12mm, f/4, 1/60 sec, ISO2500)
OLYMPUS E-M1MarkII (12mm, f/3.5, 1/60 sec, ISO1600)
網棚(今どき「網」の棚は見ませんが)は巨大な55Lのバックパックを余裕で置くことが出来ます。
OLYMPUS E-M1MarkII (14mm, f/4, 1/60 sec, ISO1000)
洗面所はまあまあ綺麗です。トイレも、そこまで綺麗とは言えませんが便座がちゃんとついた洋式で、一応水洗です。ベトジェット(シャワー)も付いています。
OLYMPUS E-M1MarkII (12mm, f/4, 1/60 sec, ISO500)
OLYMPUS E-M1MarkII (12mm, f/3.5, 1/1000 sec, ISO200)
ちなみに客室と乗降口&洗面所ゾーンはドアで仕切られており、この丸いボタンを押して開閉するのですが、通る人通る人皆このボタンに気づかずあたふたします。
OLYMPUS E-M1MarkII (25mm, f/3.5, 1/2500 sec, ISO6400)
筆者は窓外の景色を撮影するためにしばしばこの場所に立っているので、その度にボタンを教えてあげるのですが、ベトナム人ってこういう時にお礼を言わない人が多いんですよね(職場ではみんな言うのですが)。富める者が貧しい者に施しをするのが当たり前、という仏教文化が関係しているのでしょうか・・・。
さて、朝食を摂ります。駅でどんなものが買えるのかが分からなかったので予めコンビニで仕入れておきました。
Apple iPhone 12 Pro (4.2mm, f/1.6, 1/60 sec, ISO250)
やがて車掌さんが車内清掃を始めました・・・って、発車してから清掃するのかよ!さすがベトナムです。
Apple iPhone 12 Pro (6mm, f/2, 1/55 sec, ISO800)
カオスとコーヒー、としてトウモロコシ
発車して間もなく車内は喧騒に包まれます。いや、喧騒が列車に包まれて走っている、と言うべきでしょうか。
どこまでが家族あるいは知り合いなのかが不明な子供達がぞくぞくと集結して遊び始め、大人もスピーカーでガンガンYouTubeを観始めます。
子供の母親らしき女性が大声を上げていますが、別に子供達を静かにしようとしている訳ではなく、単に子供達よりも大声で喧騒を盛り上げています。ベトナム人女性の声の大きさは世界でも有数です(適当・在住者の実感)。
OLYMPUS E-M1MarkII (12mm, f/2.8, 1/320 sec, ISO200)
そんな中へ車内販売も現れ、車内はさらに賑わいを増します(車内販売の人は騒ぎませんが)。
コーヒー大好きベトナム人ですから、鉄道の旅でもコーヒーは欠かせません。
OLYMPUS E-M1MarkII (42mm, f/3.9, 1/80 sec, ISO400)
OLYMPUS E-M1MarkII (28mm, f/3.6, 1/160 sec, ISO200)
トウモロコシ大好きベトナム人ですから、もちろんトウモロコシも欠かせません。毛ぇむしっとるなあ。
OLYMPUS E-M1MarkII (42mm, f/3.9, 1/125 sec, ISO200)
騒いでいた子供達もようやく少し疲れを見せてきました。
OLYMPUS E-M1MarkII (60mm, f/4, 1/125 sec, ISO1600)
ベトナム鉄道の車窓から
ではお次は窓の外にも目を向けてみましょう。サイゴン駅を出発して1時間ほどはホーチミンの市内の風景が続きます。
ベトナム鉄道の踏切はなんと手動。列車が来る度に踏切の横に座っているおじさんがこの紅白の柵のような物をずらします。ベトナムには実に様々な職業が存在します。
OLYMPUS E-M1MarkII (12mm, f/2.8, 1/2500 sec, ISO400)
こちらも踏切。そして電線のカオス。列車が通る度に何本か切れていそうです。
OLYMPUS E-M1MarkII (29mm, f/4, 1/2500 sec, ISO1250)
民家のすぐ脇をすり抜けて行きます。とてもいい感じです。
OLYMPUS E-M1MarkII (29mm, f/4, 1/2500 sec, ISO1600)
やがて徐々に高い建物が少なくなり、郊外感が出てきました。
OLYMPUS E-M1MarkII (12mm, f/2.8, 1/2500 sec, ISO250)
そしてドンナイ川を渡ります。サイゴン川が有名ですが、サイゴン川はこのドンナイ川という大河の支流です。
この川を渡ると、いよいよホーチミンの外に出るんだな、という感覚を覚えます。
OLYMPUS E-M1MarkII (12mm, f/3.2, 1/3200 sec, ISO250)
どこかの途中の駅です。ヘルメットを被った子供が下りていきました。この後列車に積まれたバイクに乗るんでしょうか。
OLYMPUS E-M1MarkII (60mm, f/4, 1/250 sec, ISO200)
バナナ、ドラゴンフルーツ畑、そして牛
ドンナイ川を渡って更にしばらく経つと、すっかり景色が変わります。
農場や丘や林が広がるのどかな風景が広がります。
OLYMPUS E-M1MarkII (12mm, f/5, 1/1600 sec, ISO200)
こちらはバナナ畑でしょうか。
OLYMPUS E-M1MarkII (12mm, f/5, 1/1600 sec, ISO200)
こちらはゴム林ですね。
木の幹におわんが括り付けられています。樹液すなわちゴムの液体がここに溜まる仕組みなのでしょう。
OLYMPUS E-M1MarkII (23mm, f/3.5, 1/1000 sec, ISO250)
これは最初何の木なのか分かりませんでしたが、細君が赤い実が付いているのを発見し、ドラゴンフルーツの木だと判明しました。流石日々スーパーでドラゴンフルーツの量り売りを買っては食卓に載せているだけのことはあります。こんな妖怪のような姿なのですね。
OLYMPUS E-M1MarkII (18mm, f/6.3, 1/1000 sec, ISO200)
もちろん牛もたくさんいましたよ。ドラゴンフルーツを食べちゃったりしないんだろうか。
OLYMPUS E-M1MarkII (12mm, f/9, 1/1000 sec, ISO200)
そんなこんなで、線路は続くよどこまでも。
と言いたいところですが、ほぼ正確に4時間の旅を経て、列車はもうすぐムイネーの最寄りであるファンティエット駅に到着します。
OLYMPUS E-M1MarkII (12mm, f/8, 1/1000 sec, ISO200)
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