夕暮れが訪れたので、サダルストリートへ繰り出すことにする。
そして、25年の時を経て、新たな事実が発覚する。
SONY ILCE-7C (28mm, f/2.8, 1/40 sec, ISO100)
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四半世紀を経たサダルストリートの風景
25年ぶりのサダルストリートである。
つまり前回訪れたのは2000年、まだこの街が英植民地時代風に「カルカッタ(Calcutta)」と呼ばれていた時分のことだ。
しかしこの町の正式名称はいつの間にか、元来のベンガル風の「コルカタ(Kolkata)」に改称されていた。改称されたのは2001年、つまり最後に訪れたときにはまだギリギリ「カルカッタ」だったために、今回旅行の計画を立てるまで「カルカッタ」のままだと思っていたのだ。
そんな「最後のカルカッタ」に滑り込んだ25年前の筆者は、当時バラナシのオレンジジュースに大当たりして酷い胃痛と腹痛で意識が朦朧としていたため、カルカッタで何をしていたかと言えば、サダルストリートのドミトリーでバンコク行きのチケットの空きが出るのを心待ちにしていながら宿の周りと生死の境を徘徊していた程度である。
しかしそれでも当時の手記を読み返すと、サダルストリートに沈没していた様々なろくでもない旅人達のことを思い出して顔がニヤけてしまう。あれから長い年月を経て、皆どこで何をしているのだろう。

ということで、本来なら当時の写真と今回の写真を見比べられると面白いのだが、25年前はそれどころではなく、残念ながら当時のサダルストリート(もとい、カルカッタ)の写真は2枚しか残っていないのだ。
その中の1枚が下の写真である。
そして下が25年後の今回の写真。こうして見ると、「HILSON」だとか「TIMES」と言った安宿の看板が、(少々化粧直しされいるものの)当時と同じように残っていることが分かる。
SONY ILCE-7C (103mm, f/5, 1/125 sec, ISO6400)
看板の位置関係的に、今回の写真は、25年前の写真の道路の奥側(チョーリンギーロードの方)から撮ったもの、ということになろう。四半世紀の時を経て25年前の自分と相対したような、不思議な感覚である。
チョーリンギーロード近くの紅白のインド博物館は今も昔も変わらないようだ。
それにしてもコルカタの風景は混沌としていてずっと見ていることができる。様々な人々が行き交うが、25年前と比べると全体的に人々の服装などが洗練されているような印象を受ける。
SONY ILCE-7C (65mm, f/5.6, 1/80 sec, ISO4000)
SONY ILCE-7C (81mm, f/5.6, 1/100 sec, ISO5000)
SONY ILCE-7C (123mm, f/5, 1/125 sec, ISO6400)
SONY ILCE-7C (111mm, f/5, 1/125 sec, ISO5000)
SONY ILCE-7C (90mm, f/5, 1/100 sec, ISO3200)
SONY ILCE-7C (119mm, f/5, 1/125 sec, ISO5000)
写真をバシバシ撮っているうちにすっかり日も落ち、闇が支配的になってきた。
SONY ILCE-7C (85mm, f/5, 1/100 sec, ISO800)
SONY ILCE-7C (69mm, f/5, 1/80 sec, ISO4000)
こちらは軽食を出す店のようだ。建物の外壁に棚をしつらえている辺りに、ベトナムと共通する大らかさを感じる。家賃は払っているのだろうか。
SONY ILCE-7C (76mm, f/5, 1/80 sec, ISO4000)
インドの路地といえば色とりどりのお菓子屋さん、という印象を持っている。
SONY ILCE-7C (28mm, f/3.5, 1/40 sec, ISO100)
すっかり打ち捨てられたヒンドゥスタン・アンバサダー。
SONY ILCE-7C (46mm, f/8, 1/50 sec, ISO10000)
伝説の安宿、ホテルマリアとまさかのニアミス・・・
ところで下の写真は、25年前に筆者が撮影したたった2枚のコルカタの写真のうちのもう1枚である。
上の写真はその時泊まったドミトリーの写真で、当時の日記には「マリア・ゲストハウス」と記していたのだが、Googleマップの写真と照らし合わせてみると、「ホテル・マリア」とも呼ばれているようだ。
このホテルマリア、実はバックパッカーの間で語り継がれる「伝説の宿」らしいのだが、当時はとにかくバラナシのオレンジジュースに大当たりして意識が朦朧としていたので、何も知らずに安いと言うだけの理由で(あるいは誰かからきいた情報を元に)適当にこの宿に泊まったのだろう。
ここがそのような伝説のバックパッカー宿だということを知ったのは、今回帰国後にこの旅行記を書き始めて色々調べてからのことなので、ホテルマリアの今の様子を確認することなど思いつきもしなかったのだ。そうと知っていれば見に行ったのに、つくづく惜しいことをした。
Googleマップの口コミを見ると、最新のものは本旅行記執筆現在の半年前(2025年4月)なので、少なくとも筆者が今回コルカタに滞在していた時分には営業していた可能性が高い。実に悔やまれる。
ホテルマリアの場所
もう一つの伝説宿、ホテルパラゴンは今も営業していた
さて、ホテルマリアと並んでコルカタの伝説の宿と呼ばれる「ホテルパラゴン」というバックパッカー宿があるのだが、そちらの方は今回たまたま前を通ったので、軽く様子を見ることができた。今でも営業しているようだった。
SONY ILCE-7C (28mm, f/5, 1/30 sec, ISO3200)
一応フロントに灯りがついている。しかし、今ではバングラデシュ人などしか泊まっていないという情報が大勢なので、本当に「伝説」と化してしまったのだろう。
SONY ILCE-7C (29mm, f/8, 1/30 sec, ISO4000)
ホテルパラゴンの場所
う〜む、しかし、ホテルパラゴンを見ておきながら、ホテルマリアを訪れなかったことが、つくづく悔やまれる。
ともかく、インド初日の夜をぶち上げるべく、ベンガルカレーをつまみにビールを飲みに行くことにする。
つづく
(2025年1月25日の記録)
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