前回インドを訪れたのは、筆者がまだ学生だった2000年。
今回、四半世紀ぶりのインドです。ナマステダンニャワー。

しかし、インドの皆さんごめんなさい。
今回求めていたのは、「インドらしからぬインド」でした。
かつての「シッキム王国」と玄関口のダージリン
シッキム州は、インド亜大陸の最東北端に位置します。東にブータン、西にネパール、そして北側に中国チベット自治区との国境が迫る、盲腸のような(語彙力)突起状のエリアです。
ダージリンは西ベンガル州ダージリン県の中心都市で、シッキム州への玄関口のような場所です。ダージリンからシッキム州都のガントクまで、ジープで約4時間。
シッキム州は、かつて「シッキム王国」というチベット仏教を奉ずる独立王国でした。ちょうど隣のブータン王国に似ています。しかし1975年にインドに併合され、インドの自治州の一つになりました。
そのような歴史的経緯から、シッキム周辺はインドの中でも実に特徴のあるエリアになっており、そうした特徴が、このエリアの印象を「インドらしからぬインド」たらしめているのです。
インドのチベット、ダージリン・シッキム – その特色
実は今回旅先を決めるにあたり、「インドでビールが自由に飲める場所」という不純なキーワードがありました。
元々、ベトナム単身赴任のうちに、インドに行きたいと思っていたのです(細君はインドに行きたく無いので)。
ところがここで一つの問題が。
ご存知の方も多いと思いますが、インドでは宗教上等の理由で酒類の提供に制限のある地域が多いです。インドで2番目に多いムスリムもお酒は飲みません。せっかくの休暇の旅先で、ビールを自由に飲めないのでは、休暇ではなく監禁です(完全に個人的嗜好)。
一方で、仏教。教義上は仏教でも飲酒は煩悩の一つとされ、厳格な場所では禁じられていますが、実際は、まあほぼ飲み放題状態。チベット仏教のエリアも御多分に洩れずで、飲酒習慣はチベット系民族の生活に広く根付いています。
ということで、オアシス(その湖はビール)のように浮上してきたのが、チベット文化圏であるダージリンとシッキムでした。
そんな不純な動機で選定したダージリン・シッキムですが、酒以外にも多くの「インドらしからぬもの」そして「インドが苦手な人にとっても魅力的な特徴」があるのです。
世界第3位の高峰「カンチェンジュンガ」
世界で一番高い山、ご存知ですか?
エベレストですよね。
2番目に高い山はどうでしょう?
まあ、K2ですよね。
では、世界で3番目に高い山は・・・?
もちろんカンチェンジュンガ山ですよ。そんなの常識でしょう。
・・・え?もしかして知らなかった?それはまだまだ勉強が・・・
筆者は今回初めて知りました(爆)
いずれもヒマラヤ山脈の高峰なのですが、このカンチェンジュンガはその中でも東の端っこにあり、まさにシッキム州とネパールの境界を成しているのです。
なので、シッキム州はもちろん、ダージリンからもよく観ることが出来、これらの町の風景の大事な一部となっています。
下の写真はダージリンの宿から望んだダージリンの町とカンチェンジュンガ山。距離的にはガントクなどシッキム州の町の方が近いのですが、ダージリンの方が標高が高いため、意外とダージリンからの方が見えやすかったりします。
この白い峰に見守られて建物が斜面に張り付く光景は、インドと言うよりもチベットやネパールのそれを思い起こさせます。
下の写真はダージリン郊外の「タイガーヒル」というビュースポットからのカンチェンジュンガの夜明け。カンチェンジュンガの峰々と、下の方に見えているダージリンの町との間には実は約6,500mもの標高差があるのです。スケールがデカすぎて脳がバグります。
さらばカレー、激旨チベット・ネパール料理
インド旅行中、カレー以外の食べ物を探すのに苦心しているあなたに朗報です。ダージリン、シッキムでは日本人の口に合うチベット・ネパール料理が堪能できます。それらはどちらかというとインドよりも中華方面がルーツです。
たとえばチベット麺料理のトゥクパ↓。その優しい出汁の効いたスープは、もう毎日食べたくなるほどです。
同じくチベット・ネパール料理で有名な蒸し餃子のモモも楽しめます。インドでこんな料理にありつけるなんて、もう、食べながらニヤけてしまい、意味不明な顔面になるほどです。
こうした激ウマ料理にビールまで自由に飲めるとあらば、もう楽勝で住めるレベルです。
インドなのに日本人顔の人だらけ
人々の顔もインド離れしています。もう見ていただいた方が早いです。
今にも日本語を話し始めそうですよね。特にチベット人は元々日本人とルーツが同じという説もありますから。
例えば、シッキムのチベット仏教寺院で見かけるインド人顔の人々の多くは、インドの他の地域からの観光客だそうです。インドの最奥部までやってきたら日本人みたいな人がたくさんいる・・・何だかとても不思議な気分になります。
チベット仏教寺院でマニ車を回そう
インドといえばヒンドゥ寺院ですが、ダージリン、シッキムにはチベット仏教寺院がたくさんあります。こんな感じ。
ラサかよ!と突っ込みたくなる風景です。
そして、チベット仏教といえば、マニ車。みんな大好きマニ車。回すだけで功徳が得られる便利なマニ車、みんなでコロコロ回しましょう。
ダージリン・シッキム7日間の旅モデルプラン
そんなインドらしからぬインド、ダージリンとシッキムを約1週間で満喫するプランを立てました。カルカッタ入りして1泊、その後ダージリンに3泊、ガントクに2泊するプランです。
今回の旅行期間は2025年1月25日〜31日です。
<1日目:自宅(ホーチミン)→カルカッタ> | ||
2:40
1:25 日中 |
タンソンニャット国際空港(SGN)発
IndiGo航空6E1642便 コルカタ国際空港(CCU)*着 コルカタ市内観光 |
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宿泊 | YMCA SEACOM INN | |
<2日目:カルカッタ→ダージリン> | ||
9:50
11:10 11:30 15:00 |
コルカタ国際空港(CCU)発
AirIndia Express IX1595便 バグドグラ空港(IXB)着 空港→ダージリン移動(タクシー) ダージリン着 |
|
夕方 | ダージリン散策 | |
ダージリン泊 | Dew Drops Guest House | |
<3日目:ダージリン観光> | ||
早朝 | カンチェンジュンガご来光@タイガーヒル | |
日中 | ダージリン観光
ダージリン・ジョイトレイン乗車 |
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ダージリン泊 | 同上 | |
<4日目:ダージリン→シッキム州・ガントク> | ||
午前 | ダージリン→シッキム移動(ジープ) | |
午後 | ガントク市内散策 | |
ガントク泊 | Hotel Pandim | |
<5日目:ガントク観光> | ||
午前 | チャーター車で郊外チベット仏教寺院観光 | |
午後 | ガントク市内観光 | |
ガントク泊 | 同上 | |
<6日目:ガントク→ダージリン> | ||
午前 | シッキム→ダージリン移動(ジープ) | |
午後 | ダージリン散策 | |
ダージリン泊 | Dew Drops Guest House | |
<7日目:ダージリン→帰宅> | ||
午前中 | ダージリン〜バグドグラ空港(タクシー) | |
14:45
13:45 20:40
翌1:40 |
バグドグラ空港(IXB)発
IndiGo航空 6E 292便 コルカタ国際空港(CCU)着 同発 IndiGo航空 6E 1641便 タンソンニャット国際空港(SGN)着 |
*正式名称:ネータージー・スバース・チャンドラ・ボース国際空港
どうでしょう。インドの秘境と言ってもいいような奥地の奥地まで来てみたら、逆に日本なんじゃないかと錯覚しそうな人々や食べ物に出会えるなんて、もうマニアックすぎてワクがムネムネじゃないですか?
この後、引き続き旅の記録を綴って行きますので、お付き合い頂ければ幸いです。
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