こんにちは。薄っすい氷入りベトナムビールを一晩で10本くらいリピートするのが趣味の10max(@10max)です。
ホーチミンで暮らし始めて3年半ほどの間に、ありがたいことに何組もの友人・旅人達がこの街を来訪してくれました。そして更に嬉しいことに、そうした人達の多くが、リピーターとなって何度もホーチミンに来てくれるのです。
昨年冬に来てくれた友人達が半年で再度のホーチミン来訪😆
彼らだけでなく多くの友人たちがこの街を気に入って何度も再訪してくれて、ホストとしては本当に嬉しいです。ホーチミン最高!!🇻🇳 pic.twitter.com/AU8nLi7Eos— 10max🇻🇳 | 旅とベトナム (@10max) May 29, 2025
しかし皆が皆リピートする訳では勿論なく、「ホーチミン(含むベトナム)は1回でいいや」勢が存在するのもまた確かです。
ホーチミンリピーターと化した旅人達と、この街で薄い氷入りビールを傾けながら、
「うちら、なんで何回もホーチミンに来たくなるんだろうね?」
「ていうかホーチミンって何も無いし、自分でも何がいいのか分からんし」
などと語っているうちに、
- ホーチミンにハマる人とハマらない人
の違いが、何となく見えてきたような気がするのです。
そして、「ホーチミンにハマる人が求める条件」を備えた街は、アジアにおいては現状、ホーチミンしか存在しないのでは、とも思うのです。
SONY ILCE-7C (50mm, f/1.8, 1/50 sec, ISO250)
ベトナムリピーターは少数派?
この記事を草稿していたある日、何とも奇遇なことに、たまたまTwitter(X)上でこんな投稿が流れてました。
旅行者の再訪率が高い国・低い国
日本に1度行った人の71%がまた来てくれてます。
「2度と行かない」率ワースト1位はベトナム。 pic.twitter.com/SOyuXzFxqv— Spica (@CasseCool) November 1, 2025
ここでは、ベトナムリピートしたい人が「5%」と、ワーストに位置しています(笑)この統計自体は実施時期も不明ですし、ヨーロッパのサイトによる統計なので、参考程度です。
で、大事なのは統計結果ではなく、この投稿に寄せられた様々なコメントです。そこには自然な流れとして、「いやベトナムめっちゃリピートしてるんですが!」と言う意見が多く寄せられる(多数派なのか少数派なのかはともかく)一方で、「1回で十分」という方のコメントも散見されます。
双方の意見を並べて見ることで、ベトナム、特にホーチミンをリピートする人達の特徴がより浮き彫りになってくるように思うのです。そしてそうしたホーチミンリピーターになるタイプというのは、割と変態寄りなのでは、とも思ったりするのです。
SONY ILCE-7C (50mm, f/1.8, 1/50 sec, ISO320)
ホーチミン好きな旅人がリピーター化する理由
どちらかと言うとここではホーチミンにフォーカスします。ハノイなど他の街については、人によっては少々違う感想を持つためです。
また、リピートする理由は十人十色、「なるほどそういう意見もあるかもね」的な生ぬるい感じでお願いします。
SONY ILCE-7C (48mm, f/2.8, 1/160 sec, ISO100)
観光スポットが無い
ホーチミンにはほぼ観光スポットがありません(爆)
いきなり何を言い出すんだ!と思われそうですが、これは非常に大事なポイントです。
実際3年半以上この街に住んでいますが、歴史や戦争関連の博物館、植民地時代の趣を残す建築の類・・・ちょっと遠出してクチトンネルやメコンツアー・・・ろくなもんが思いつかねぇ。
なので、観光スポットを巡ることをお目当てにホーチミンに来てしまうと、「1日でいいや」となる可能性が高いです。
全然良くないジャマイカ!
とビアサイゴンの缶をヘムの地面に叩きつける前に、もう少しだけお付き合い下さい。
観光スポットを求めてホーチミンを訪れる旅行者の場合、「観光スポットを回ったらホーチミンは終わり」となりますが、逆に「そもそもホーチミンに観光スポットなんて求めてない」旅人の場合は、論理上、無限にホーチミンに来続ける事が出来ます(超自論)。
おそらくこの点が、ホーチミンリピーター爆誕の最も肝要なポイントです。では一体、ホーチミン中毒の人々はこの街に何を求めてやって来るのでしょう?
SONY ILCE-7M2 (50mm, f/1.8, 1/60 sec, ISO250)
カフェで街の風情を眺めるだけで楽しい
多くの重症リピーターたちが口を揃えて訴えるホーチミンの魅力は、「街の風情」です。
ホーチミンでは、本当に様々な物や人々が道を行き来しています。謎の行商人、何故こんな馬鹿デカいものを積めると思ったのか理解できない過積載バイク、おもむろに木の根元に近寄っていき、そして予想通り立ち◯ョンをするオジサン・・・いつまででも眺めていられる予想GUYのスペクタクルが展開されます。
ベトナムは50年前の日本、などとよく言われます(Z世代も同居したりとそれほどシンプルではないものの)。確かにこの街の魅力の一つは、今でも昔ながらの古い街並みや人々の暮らし向きが残っていること。それは日本人にとってもどこか懐かしい一方で、別の世界線なんじゃないかと言うくらい、見ていて面白いです。
カフェやローカル飯屋で腰を下ろし、カオスな生活風景を延々と眺め続ける時間こそがホーチミンの最大の価値なのでは、と筆者個人は思います。旅行者向けにお膳立てされた観光スポットよりも、生活感あふれる路地裏ばかりをうろつきたい・・・
そのような変態旅行者にとって、ホーチミンはまさに最高のステージです。かたやバンコクや香港辺りでは、今や昔の風情を探すことが目的になりつつありますからね・・・
そう言えば筆者、「世界一何も無い首都」と呼ばれるラオスのビエンチャンに、3回も行っているという奇特な事実を思い出しました。

ちょっとしたこぼれ話ですが、筆者のホーチミンの飲み友たちが、先日ラオスのメコン河畔でビアラオを飲みながらビエンチャンを絶賛していました。やはり通じるものがあるようです。
一方、残念ながら「見どころあんま無いな。もういいかな」と思ってしまう旅行者も当然います。この点において、やはりホーチミンへのリピート有無が分かれるのでしょう。
無限にあるカフェやローカル飯屋
そして、そのような街の風情を満喫するためには、ある「インフラ」が必要です。それは、街の風情を眺めることが出来る「カフェ」や「ローカル飯屋」です。
アジア各国・各都市の中でも、ベトナムのカフェ・ローカル飯屋の密度は群を抜いており、「おまいらこんなにひしめき合っててよく潰れないな」とツッコミたくなるほどです。
特に暑い時期には「ちょっとカフェで一休み」を求めるものですが、ホーチミンでカフェ探しに苦労することはまずありません。逆にこの感覚で他のアジア各国を旅すると、大抵カフェ難民になります。
あるいは、ホーチミンに星の数ほど存在するローカル飯屋そのものが目的地となり得ます。後で触れますが、ベトナムローカル飯は海のように広く、深いです。

サイゴンの風に吹かれつつコーヒーやビールを飲み、あるいは麺をすすりながら道行く変なバイクや人々を眺める一時は、何物にも代えがたい旅情あふれる体験です。
※そうした酔狂を求める旅人には、下記の記事をおすすめします。

SONY ILCE-7C (50mm, f/1.8, 1/500 sec, ISO100)
南国風情
ホーチミンでは典型的な南国風情を感じることが出来ます。大地がひっくり返るかと思うほどの怒涛のスコールの後に真っ青な夏空が広がる様は、まさに多くの人の脳内イメージどおりの南国の気候です。
これはどちらかというとハノイとの対比で言われることが多く、同じベトナムでも、ホーチミンはリピートするけどハノイはどうかな・・・という方が、この理由を挙げていました。筆者個人的にはハノイのクラシックな雰囲気や食事は大好きですが。
ということで、ホーチミンに定期的にやって来る鬼リピーターの中には、こうした南国の空気に憧れる向きも多いようです。
SONY ILCE-7C (28mm, f/8, 1/320 sec, ISO100)
治安が良い・トラブルが少ない
ベトナムの治安の良さは東南アジアでもトップクラスです。アジア一般の基本的な注意さえ怠らなければ、割と気軽にローカル店でコーヒーやビールを飲みながらゆったりと南国気分を満喫出来るのも、リピートの理由としてよく聞きます。
一方で「ベトナムリピートしなくない」理由として、「ぼったくり」や「タクシートラブル」というワードが散見されるのですが、想像するに、例えば初めてのアジア旅行がベトナムで、その時の悪い体験が尾を引いている、もしくはGrabが普及していなかった10年以上前の経験に基づいた感想なのかも知れません。
そりゃあ今でも空港やベンタイン市場辺りであからさまに外国人に話しかけてくる人の相手をすればボッタクられます。逆に外国人相手のぼったくりが無い国の方が少ないんじゃないですかね。
※ベトナムの治安などについては下記記事で詳しく触れています↓



SONY ILCE-7C (35mm, f/3.5, 1/320 sec, ISO200)
日本人の好みにに合う、広く深い食事
ベトナム料理は日本人の口に超絶合います。中華ほど脂っこくなく、タイやマレー・インドネシア料理ほどクドくなく、辛過ぎもせず、優しい出汁の味や素材を生かした丁寧な料理は、日本以外において間違いなく最も日本人の口に合う食文化の一つです。
そこにフランス料理のエッセンスも注ぎ込まれた幅広いバリエーションの中で、何を食べてもハズレが少なく、飽きが来ないので何度もリピートしたくなりますし、訪れるほどに底が知れない奥深い食の世界にハマる人が多いようです。筆者も実際4年近く住んでいても未だに新しいローカル飯に遭遇し続けており、正直驚いています。
一方、これもまた弱点と表裏一体で、口に合いすぎるためにインパクトとしては弱いという感想もあるのかも知れません。
SONY ILCE-7C (50mm, f/1.8, 1/50 sec, ISO500)
人々が優しく大らか
この点についてはまず、「そうなのか?」と思われる方が一定数居られることを分かった上で、あえて言いますね。
ホーチミン含むベトナムの人々は、本当に親切で底抜けに明るく大らかです。多くのアジアの国々を旅しましたが、特に南部ベトナム人の大らかさは特筆ものです。この「人の良さ」が恋しくてホーチミンをリピートするという人もいます。
もちろん良い面ばかりではなく、周囲への配慮を欠いたりと時にムカつくこともありますが(笑)、「シンプルに助けた方がいい」というケースでは寄ってたかって皆で助け合う、という精神が根付いています。これは「富める者が貧しい者を助ける」という仏教の教えに基づいているとも言われています。
「日本では🇯🇵」「イギリスでは🇬🇧」と言う比較をされてるので、「ベトナムでは🇻🇳」と言う観点を追加させて頂くと、ベトナムでは本当に困っている人に対しておせっかいなほど優しいです。こんな風に卵が産卵しても皆んなで寄ってたかって助けてくれるので素晴らしいです🐣 https://t.co/hecuSJft9g pic.twitter.com/QCQ1Gm1jad
— 10max🇻🇳 | 旅とベトナム (@10max) November 9, 2023
おはホーチミン☁️
通勤路で一番渋滞する道へ救急車がやってきて、こりゃどうすんだ?と思ってたらみんな次々と端に避けて救急車を先に通してました。お節介な程に人を助けたくなる国民性🇻🇳今日でベトナムに来て丁度1ヶ月、少し疲れも出てきたけど、こう言うのを見るといい国に来たなと思います😊 pic.twitter.com/Xw24IHzBOa
— 10max🇻🇳 | 旅とベトナム (@10max) July 12, 2022
明るさだとか人懐っこさという点でも最高で、散歩していて少し目があっただけで、こうして道端の宴会に引きずり込まれることもよくあります(爆)本当に楽しい国民性です。
写真撮りながら近所歩いてたら路上カラオケ宴会に引きずり込まれた🤣🤣いつもうるせえなぁと思ってたやつらの当事者側になる日が来るとは😂#ベトナムは日常が旅🇻🇳 pic.twitter.com/IbQzXPZlcU
— 10max🇻🇳 | 旅とベトナム (@10max) May 25, 2025
ただし、短期旅行の間に出会うベトナム人皆の印象が良いとは限らず、特に日本とは違うコミュニケーションスタイル(ファーストコンタクトでぶっきらぼうな事もある)に、無愛想あるいは失礼だと感じるアンラッキーなことも、ないとは言えません(こればかりはベトナムに限らず、運)。
ホーチミン/ベトナムをリピートしない人の理由
一方で、ベトナムをリピートしたくないという人達の主な理由。上のTwitterのリプなどを元ネタに、ベトナムに対してそう感じている人がいるらしい、という感想の主なものを挙げています。
観光スポットがない
リピート理由と表裏一体です。結局この点をどう思うかですね。「特に見るべきところもないので一回で十分」となるか「そもそもホーチミンに観光スポットを求めておらず街の風情自体に価値があるので延々に見ていられる」となるか。旅のスタイルや求めるものによるところが大きいでしょう。
カオスな交通事情
バイクの洪水で道路を渡るのにも一苦労、といった理由もよく聞きます。筆者もベトナム赴任前は出張でホーチミンに来ていましたが、確かに最初の3日くらいはやや億劫でした。
しかし、一生分のバイクを見られるかのような混沌とした光景は非常に珍妙で、このカオスを旅話のネタくらいに思えるか、面倒だからなるべく避けたいと思うかによって変わるでしょう。
これは、面倒ごとも全て楽しむべきだ、という主旨ではなく、人によって苦痛に感じる面倒ごとが違う、という話です。筆者にとってベトナムの道路横断は面白いと思える範囲ですが、例えばインドや中国のローカルトイレ事情は未だに苦痛です。
食事のインパクトが小さい
これも上のリピート理由と表裏一体です。確かに、出汁の効いた比較的優しい味主体の「日本人の口に合う」ベトナム料理は、他のアジア料理と比べると相対的にインパクトが小さいと感じる人もいるようです。
ローカルを掘れば実に広く深いベトナム料理ですが、典型的な旅行者向け料理に絞ってしまうと、フォーや春巻きなどどこか既視感のある料理が多く、インパクトが小さいと思うのも仕方がありません。
ぼったくり・タクシーなどのトラブル
これは上で書いた通りなので省きます。
入国イミグレーションの大行列
ホーチミンのイミグレは中々酷いもので、最も長い時は1時間前後かかることもあります。早い時は15分くらいで抜けますが、そういう時は祝杯を上げた方がいいです。
ただ、年に何回も来ない旅行でイミグレがその国に来ない理由になるとは個人的にはあまり思えず、とちらかと言うと在住者や出張者に多い意見かも。例えば、筆者の経験上、過去いち長くかかったイミグレはホーチミンではなくバリ島ですが、だからと言って「バリ島には二度と行きたくない」とは思いませんからね。

SONY ILCE-7C (95mm, f/4.5, 1/100 sec, ISO250)
ホーチミン以外にこんな街ないかも
で、実はこれもホーチミンフリークが何度もホーチミンを訪れる理由の一つなのでは、と思っているのですが、上で挙げたようなリピート理由を全て備えた街というのは、現状アジアの中でも他に存在しないのでは、と思うのです。
- 観光地がない
- 未だに50年前の風情を残す街と人
- メトロすら(ほぼ)ない
- 人口とバイクが洪水するカオス
- 飯もビールも激安
- 何日いても飽きない食事
- 仏教的人助け精神と良好な治安
- 典型的な南国気候
・・・ホーチミン以外にありますかね?
東南アジア〜南アジアで筆者が行ったことがないのはフィリピンとバングラデシュくらいですが、無いんじゃないですかね・・・(ちょっと自信ないけど)
となると、
「ホーチミンみたいな街が好き!でも他にない!」
となれば、リピーター化するしかない訳です(笑)
※そういえば以前、タイ(バンコク)とベトナムの違いをまとめました↓

SONY ILCE-7M2 (50mm, f/1.8, 1/160 sec, ISO100)
結論:ホーチミンリピーターは変態
まあ色々書き殴りましたが、結論としては、ホーチミンリピーターは変態ってことでいいですかね(爆)
- 観光地なんか求めてない
- カフェや路地で街行くベトナム人眺めてるだけで楽しい
- 一見地味なベトナム料理を広く深く掘りたい
- 行く手をふさぐバイクの洪水すら愛しい
まあ旅行者の中では割とこじらせてる領域ですよね。
こうした変態旅行趣味を持つそこの貴女や貴方、一緒にサイゴンの風を感じながら路上で薄っすいビールを飲みましょう。いつでもお待ちしてますよ^^
Apple iPhone 15 Pro (6.7649998656528mm, f/1.8, 1/50 sec, ISO800)




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