こんにちは。ベトナム料理は美味しいけれど定期的に中華味も恋しくなる、いけずな10max(@10max)です
ホーチミンの中華街と言えば5区のチョロンですが、それ以外の日常生活圏内にも美味い中華料理屋をラインナップしておきたいものです。
本記事では、ホーチミン1区の観光の中心部にある、創業1938年の「ドローカルな」ベトナム中華料理店をご紹介します。所謂丸い回転テーブルがあるような中〜高級中華料理店ではなく、古くこの辺りに土着した広東系華人が営むこぢんまりとした食堂で、人懐っこいおばちゃんが激旨麺&飯を出してくれる隠れ名店です。
※ホーチミン市内のローカルグルメのまとめはこちらを御覧下さい。
Apple iPhone 12 Pro (4.2mm, f/1.6, 1/50 sec, ISO100)
HCMC1区の鴨&豚乗せご飯・麺が美味いローカル中華「天然燒臘家(Lạp Vị Gia Thiên Nhiên)」
ホーチミンの街には、5区の中華街「チョロン」含め、実は横浜やバンコクの中華街の様に「漢字ばっかり並んでる見るからに中華街」的な場所はあまり無く、ベトナム人の店に混じって地味に中華料理の店があったりします。元々ベトナムの華人達は歴史的経緯や文化的背景から、食文化含めてベトナムとの融合度が高く、ベトナムローカルに違和感なく馴染んでいる感じがあります。
「天然燒臘家(Lạp Vị Gia Thiên Nhiên)」 はそんな中華料理店の一つで、油断していると中華料理店だと気付かないほどにベトナムの町並みに溶け込んだ広東料理店。
筆者の職場のあるホーチミン1区のグエンフエ通りからほど近くにあるのですが、日々この付近のグルメ探索をしている中で偶然通りかかり、味の良さに感動して通っている隠れ名店です。訊いてみれば職場のベトナム人同僚でもここに通う人が少なくないようです。元々食肉の卸販売の店だったようで、店頭にぶら下がった鴨や豚が味への自信を物語っています。
Apple iPhone 12 Pro (4.2mm, f/1.6, 1/100 sec, ISO32)
天然燒臘家の場所
ホーチミンの観光や商業の中心である1区のグエンフエ通りからほど近い、ハムギー通り沿いで、バインミーや軽食で有名なニューランのすぐ隣辺りです。
外観と店内
店の外観はこのような感じで周囲に溶け込んでいますが、看板の漢字表記で辛うじてここが中華料理の店だと分かります。
Apple iPhone 12 Pro (4.2mm, f/1.6, 1/750 sec, ISO32)
店名の横に「Since 1938」の文字が。何と90年近い歴史を誇る超老舗なのです!見た目が地味すぎて、週に何度もこの店の前を通っていたのに、これほど歴史のある老舗だとは全く知りませんでした。
Apple iPhone 12 Pro (4.2mm, f/1.6, 1/240 sec, ISO32)
老舗ですが店内は至って地味でコンパクト。
Apple iPhone 12 Pro (4.2mm, f/1.6, 1/100 sec, ISO100)
老舗なのに地味でコンパクトと言えばこの店を思い出します。華人がベトナムで暮らす知恵なのでしょうか。
店の奥には販売用と思われる麺類や惣菜が並べられていました。今でもGoogleマップ上の店名は「THIÊN NHIÊN SHOP」となっています。
Apple iPhone 12 Pro (4.2mm, f/1.6, 1/50 sec, ISO200)
店内で店員のおばちゃんと他のお客さんが話しているのを聞いていると、ベトナム語に似てるんだけどちょっとシャープな発音成分が多いような・・・もしかして中国語?そう言えば先日香港に行った時に、子供が「何だかベトナム語みたい」と言っていたのですが、広東語とベトナム語はルーツが同じなので油断していると結構似た雰囲気に聞こえるんですよね。
と思っておばちゃんに聞いてみると(これは英語)、やはり広東語とのこと。ベトナム語と広東語との繋がりを改めて感じると共に、長い歴史を経ても母国語を大事にしてるんだな~、と思いました。
あ、そうそう、客席に座っていると、ハムギー通りを挟んでちょうど真向かいに、この辺りでいち推しのカオラウ&ミークアンの名店「Bếp – Món ngon xứ Quảng」が見えるんです。黄色い店です。この辺りの食事の候補としてこちらもご検討下さい。迷わせてしまいますね・・・^^;
Apple iPhone 15 Pro (9mm, f/2.8, 1/100 sec, ISO25)
メニュー
食べ物のメニューは1枚ものの裏表スタイル(そんなスタイルあるんかい)で、こちらがメインメニュー。上半分が米、下半分が麺です。麺は汁なしタイプの、中華風小麦麺です。その上にどの肉を乗せるか、という戦いです。
Apple iPhone 12 Pro (4.2mm, f/1.6, 1/50 sec, ISO160)
肉は1種類~3種類選ぶ事が出来ます。ご飯の場合は、真ん中あたりに赤文字で「2 choices 85,000D」「3 choices 110,000D」とあるように、どの2種類または3種類を選んでも固定料金です。
メニューに記載が無くて分かりにくいのですが、麺でも同じようなコンボを頼むことが出来ます。麺のコンボはご飯よりも1万ドン高い値段(95,000Dか120,000D)になります。
個人的には、焼き鴨(Roast Duck)を軸に、Roast Porkを選ぶかBBQ Pork(チャーシュー)を選ぶのが好みです。
また、中ほど右側に「湯/Soup」があります。筆者は大抵15,000ドンのベジタブルスープを頼みます。
それ以外にもチャーハン的なものや、もち米を使ったものなどもあるので後ほど実食でご紹介します。
裏面には肉類の単品、そしてフランスパンで挟むバインミーが載っています。バインミーは間違いなくめちゃくちゃ美味しいので、いつか試してみたい(けどどうしても米か麺を選んでしまう・・・)。
Apple iPhone 12 Pro (4.2mm, f/1.6, 1/50 sec, ISO125)
こちらはドリンクメニュー。同じく裏表スタイル。フルーツジュースからシェイク、お茶、ビールなど様々です。
しかし、以前一度「Herbal Tea」を頼んだら予想外に甘いお茶が出てきて、以来メニューも見ずに常に「Trà đá」(氷入りのお茶)を頼んでしまっています。。。ベトナム風スムージーの「シントー」もありますね。今度何か試してみます。
Apple iPhone 12 Pro (4.2mm, f/1.6, 1/50 sec, ISO100)
Apple iPhone 12 Pro (4.2mm, f/1.6, 1/50 sec, ISO100)
実食!麺とご飯、鴨肉とポークの組合せを楽しむ
ではいよいよ実食と行きます。
まずはキホンのキ、鴨肉乗っけご飯(勝手に決めた)!鴨肉が良いのは、鶏肉と違って肉厚でかつ小骨が少なくて食べやすいのと、皮がパリッと香ばしいんですよね。小皿で付属してくるタレを付けて食べるともうご飯が止まりません。
Apple iPhone 12 Pro (4.2mm, f/1.6, 1/50 sec, ISO400)
こちらは鴨肉とチャーシューのコンボ!チャーシューはパリっと焼かれた表面と柔らかい部分の歯触りのハーモニーが最高です。
Apple iPhone 12 Pro (4.2mm, f/1.6, 1/50 sec, ISO125)
そして個人的に最高にハマっているのがこちら。右側は鉄板のロースト鴨肉ですが、ポイントは手前のローストポーク!カリッカリの皮が最高なんです!迷ったらこちらのコンボをどうぞ。
Apple iPhone 15 Pro (6.86mm, f/1.8, 1/50 sec, ISO100)
これは何だったかな・・・豚肉だとは思うのですが、そうすると「Marinated Pig」なのかな・・・ちょっと違うような気も・・・すみません。この写真を見せてまた頼んでみよう。
Apple iPhone 12 Pro (4.2mm, f/1.6, 1/100 sec, ISO100)
ピリ辛味が欲しい時には、この魔法の瓶の秘伝のチリをタレの小皿に投入しましょう。おばちゃんに猛烈にお勧めされましたが、実際おすすめです。
Apple iPhone 12 Pro (4.2mm, f/1.6, 1/50 sec, ISO250)
ここからはお待ちかねの麺です。
まずは例によってキホンのキ、鴨肉乗っけ麺。麺はこのように小麦麺です。ベトナムでは歯ごたえの少ない米麺が主流なので、定期的にこうしたコシのある小麦麺が欲しくなるのです。
Apple iPhone 12 Pro (4.2mm, f/1.6, 1/50 sec, ISO100)
肉にタレを付けつつ麺にもタレを馴染ませるようにしていきます。あるいはスプーンでタレを麺にかけたりして味を調整します。もちろん秘伝のチリを投入しつつ。
そしてこれも超絶お薦めなのが、Roast Pork。下の写真の手前のカリカリの皮が付いた豚肉です。この表面カリッカリからの豚肉ジュワッが本当に良い。こちらの写真では鴨肉とコンボにしています。
Apple iPhone 12 Pro (4.2mm, f/1.6, 1/50 sec, ISO250)
こちらはちょっと変わり種。メニューの15番、「鴨肉糯米飯(Duck with sticky rice)」です。もち米を細い繊維状にして編んだもの。もちもちした触感にタレがよく絡む逸品です。これは広東料理なんだろうか?
Apple iPhone 12 Pro (4.2mm, f/1.6, 1/50 sec, ISO125)
こちらはCom Chien、チャーハンです。米のパラパラとジューシーな肉のコンビネーションが最高です。
Apple iPhone 12 Pro (4.2mm, f/1.6, 1/50 sec, ISO125)
こちらが15,000ドンのベジタブルスープ。そぼろも入っています。ベトナム料理に付いてくるスープって何故か美味しくない ものすごく不思議な味なのですが、ここはさすが広東料理、安定の味です。
Apple iPhone 12 Pro (4.2mm, f/1.6, 1/50 sec, ISO125)
「シンプルな美味」を思い出させてくれたベトナム広東料理
白米や小麦麺に、肉を乗せるだけ。
結局のところ日本人って、ご飯によく合うおかずを白米に乗せて食べるのが一番好きなんじゃないか、って思う事があるのですが、そんなシンプルな美味しさを思い出させてくれるシンプルなメニュー。
広東で生まれ、ベトナムで長い時を生きてきた天然燒臘家の料理達は、シンプルだからこそ生き残ってきたのかも知れません。
ベトナム料理は好きだけど、ふとそんなシンプルな美味しさが恋しくなったら、この隠れた名店を訪れてみてはいかがでしょう。
コメント