こんにちは。最近皮膚がフォーの生地で出来つつある10max(@10max)です。
先日、日本での暖簾分けも果たしているハノイのフォーの名店フォー・ティン(Phở Thìn 13 Lò Đúc)のレポート記事をお届けしました。
多分日本人の間で有名なのは上記のフォー・ティンだと思うのですが、しかしハノイには同じ屋号を持つもう一つの有名なフォー・ティン、「Phở Thìn Bờ Hồ(フォー・ティン・ボー・ホー)」があります。
同じような店名なのですが、実はお互いに全く関係がなく、味もかなり異なります。筆者の職場のベトナム人の中には、
「Phở Thìn 13 Lò Đúcよりも「Phở Thìn Bờ Hồ」の方が美味い!」
という人も多いほど、どちらも譲らぬ名だたる老舗です。
本記事では「Phở Thìn Bờ Hồ」について、「Phở Thìn 13 Lò Đúc」との比較も交えながらご紹介します。
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1955年生まれの本場ハノイフォーの老舗「Phở Thìn Bờ Hồ」
「Phở Thìn Bờ Hồ」は1955年にThinおじさんによって創業されたフォーの本場ハノイの老舗です。なんと70年近くも前!
もう一つのフォー・ティン「Pho Thin 13 Lo Duc」は1979年創業なので、さらに四半世紀近くも歴史があるという事になります。
さて、店名についてですが、実のところ、「Phở Thìn Bờ Hồ(フォー・ティン・ボー・ホー)」と言うのが正式な名称なのかは定かではありません。公式ホームページらしきサイトには
「PHỞ THÌN 1955」
と言う記述もありますし、他のサイトでは住所を取って
「PHỞ THÌN 61 Đinh Tiên Hoàng」
などと紹介しているところもあります。
が、店のロゴはこんな風になっているので、本記事では取り敢えず「Phở Thìn Bờ Hồ」としています(適当)。
ホアンキエム湖畔の素晴らしい立地
「Bờ Hồ」は「湖のほとりの」と言う意味で、その名の通りハノイの観光名所としても有名なホアンキエム湖の湖畔の素晴らしいロケーションに位置します。
ちなみに、もう一つのフォー・ティン(Phở Thìn 13 Lò Đúc)はホアンキエム湖の少し南に位置しており、両店の間は車で10分ほどの距離なので、食べ比べも可能です。
むしろ近すぎて、どっちがどっちのPho Thinなのか間違える人もかなり多いみたい(笑)
Pho Thin Bo Hoの前のホアンキエム湖沿いの道は歩行者天国になっており、人々がジョギングや散歩を楽しむ実に気持ちの良い通りです。
その通りに掲げられているこの「PHO THIN」の看板が目印。
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入り口はこちら。この店構えだけで既に味が約束されたようなもんです。
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こちらは夜の様子。実は夜と翌朝2回連続で行きました(笑)
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この辺りは涼しい朝晩はこんな感じでズラッと青空カフェが展開されます(ハノイは常にがす青空も星空も見えませんが・・・)。
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店舗は風情満点の路地の中
Pho Thin Bo Hoの店内に入ると、いきなりおじいちゃんと大量の揚げパンが出迎えてくれます。このおじいちゃんは揚げパン作り係なのでしょうか。
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その奥が厨房。
驚いたのは、結構若いお兄ちゃんたちが調理をしていたこと。もしかしたら10代かも知れない。
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Pho Thin Bo Hoは70年近く前に創業したお店なので、既に2回くらい世代交代が行われていたとしても全く不思議ではありません。むしろ、ちゃんと受け継いでくれる若者が居てくれるおかげで伝統の味が絶やされずに伝えられるというのは有り難い話です。
ただ、ここで気付いたことが一つ。先日訪れたもう一つのフォー・ティン「Pho Thin 13 Lo Duc」で入店の瞬間にガツンと襲ってきた牛出汁の匂いは殆ど感じませんでした。味付けもあっさりめの予感です。
その奥が客席。これはもう店舗というより、路地沿いにテーブルを並べて勝手に店にしちゃった的な風情ですね。ハノイあるあるです。
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夜はこんな感じ。バイクや自転車も普通にここを通り抜けていきます。
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実は更に奥に「本拠地席」があった!(2023年10月22日追記)
その後ハノイの同僚にこのお店に連れて行って貰った際に、さらにこの奥にも客席があることが分かりました。
一見もうお店はここでおしまい、という感じになっていますが(そもそも店じゃなくて路地だろ、という話がありますが)、実はそうではありませんでした。手前の路地沿いの席が満席だったので諦めるのかと思いきや、同僚はズンズンと奥へ進んでいったのです。
Apple iPhone 15 Pro (6.86mm, f/1.8, 1/250 sec, ISO64)なんとこの奥のこの建物もPhở Thìn Bờ Hồのものだったのです!
Apple iPhone 15 Pro (6.86mm, f/1.8, 1/950 sec, ISO80)入口には確かにPHO THINと書いてあります。
Apple iPhone 15 Pro (6.86mm, f/1.8, 1/450 sec, ISO64)いやむしろ、この「61 Đinh Tiên Hoàng」という住所、店名としてよく使われる「PHỞ THÌN 61 Đinh Tiên Hoàng」そのものじゃないですか。すると実はここが本拠地で、ここから店先をあれよあれよと拡大していった末に大通り沿いまで伸びてしまった、という経緯なのかも知れません。
いや伸び過ぎだろ!と思うのですが、ハノイってこう言うケース多そう(笑)
入るとこんな感じで、おばあちゃん家の居間みたいな風情になっています。さらに2階にも席があります。今回は1階も満席だったので2階に上がりました。
Apple iPhone 15 Pro (2.22mm, f/2.2, 1/90 sec, ISO320)こちらが2階席。なかなか広く、こちらの方が路地席より涼しいです。
Apple iPhone 15 Pro (2.22mm, f/2.2, 1/60 sec, ISO800)と言うことで、人気店のため路地席が満席になっている事が多いPhở Thìn Bờ Hồですが、更に奥にも席があることを覚えておくと良いでしょう。
Apple iPhone 15 Pro (6.86mm, f/1.8, 1/120 sec, ISO80)さて、路地席の方に戻ります。
こちらは牛肉を洗う少年。ワイルドだぜぇ。
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左のチラシには「飲み物と揚げパンの会計は別」とあります。フォーとは別の人にお金を渡すという方式ですね。これもハノイ(あるいはベトナム)あるあるです。
右には賞状のようなものが。Googleレンズで翻訳したら「よく頑張りました」的な事が書いてありました。
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実食!あっさりナチュラル系のお味
いよいよ運ばれてきました!
ベトナム人の同僚達の一部が「Pho Thin 13 Lo Duc」より美味い、という超老舗Pho Thin Bo Hoのフォー、どんなお味なのでしょうか。
着丼の瞬間に思ったのは、先程入店時の感想と似ていて、牛出汁の香りは控えめだということ。実際にスープを一口啜ってみると、やはりあっさりめなお味です。素材のナチュラルな風味を殺さずに活かしていると言ったところでしょうか。
Apple iPhone 12 Pro (4.2mm, f/1.6, 1/50 sec, ISO80)
見た目のインパクト的にも、丼の表面全体がシャキシャキネギで覆われていたPho Thin 13 Lo Ducのフォーと比べると大人しめ。全般的にあっさりとした印象です。
もしかするとベトナム人はあっさりナチュラル系の味の方が好みなのかな?
ということで、正直なところ、Pho Thin 13 Lo Ducに比べると印象は薄く、中毒性もあちらの方が高いかな〜、と感じる一方で、あちらは結構濃厚なので、日々食べるならPho Thin Bo Hoの方が良いのかも知れないな、と思いました。
まとめ:ハノイのフォーの雄は奥深い!
ということで、鬼のように歴史の長いハノイのフォーの人気店、「Phở Thìn Bờ Hồ」のレポートをお届けしました。
もう一つのPho Thin 13 Lo Ducとどちらも引けを取らぬ人気の老舗ですが、これほどに味の方向性が大きく異なるとは思いませんでした。ホーチミンの「Pho Thin by SOL」なども絡めると、「Pho Thin戦国相関図」を作らないと行けないかも知れません。「〇〇インスパイア系」とか・・・何だか二郎系ラーメンみたいな感じになってきました。
いやいやフォーの世界は想像を超えて奥深いようです。ハノイに立ち寄られた際はぜひ食べ比べて、もしよければ感想を教えてください^^
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