こんにちは。たまに出張でホーチミンからハノイに来るものの、まだまだ開拓が進んでいない10max(@10max)です。
先日のハノイ出張の際に、筆者のローカルグルメ師匠兼職場のベトナム人社長が、ハノイの名物魚料理「Chả cá Lã Vọng(チャーカーラボン)」発祥の店「14 P. Chả Cá」に連れて行ってくれました。
ハノイでチャーカーラボンを食べる店に迷ったら、まずは何も考えずにこちらに足を運んで頂いても良いかと思いますので(何せ150年以上前にこの料理を考案した店ですから)、ご参考になれば幸いです。
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150年超の歴史を持つチャーカーラボン発祥の名店「14 P. Chả Cá」
先日ホーチミン1区のベトナム中華麺店に、筆者のBOSSでもありローカルグルメ師匠である勤務先のベトナム人社長をお連れしてお褒めの言葉を頂いたばかりですが・・・
その直後のハノイ出張で、
社長:「(ハノイ名物の)Chả Cáを食べたことはあるか」
と問われ、
筆者:「いや、ない」
と返答したところ
社長:「Chả Cáをまだ食べてないなんてアンビリバボーだ!」
と、上の麺屋での高評価も返上となり、まだまだ修行が足りないとのことで連れて行ってもらったのが、この「14 P. Chả Cá」です。
グルメ師匠がそれほど推すほどに、このチャーカーラボンという料理はハノイの伝統的料理だということです。
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チャーカーラボン -「太公望」の名を持つハノイ伝統の魚料理
「Chả cá Lã Vọng(チャーカーラボン)」を一言で言い表すのは難しいですが、「揚げた魚をハーブなどと一緒に炒めたもの」という感じでしょうか。
この料理のことを簡易的に「Chả cá」と呼ぶことがありますが、恐らく「Chả cá Lã Vọng(チャーカーラボン)」とするのが正しいというか、誤解がないのでしょう。
一般に「チャーカー(Chả cá)」と言うと所謂「魚の練り物」や「グリルした魚の切り身」の事を指し、麺類や揚げ物など色々なベトナム料理に使われます。
「Chả cá Lã Vọng(チャーカーラボン)」は、ラン魚という淡水魚で作った「Chả cá」にターメリックで下味をつけて揚げ、ハーブ等と共に炒めて頂くという料理です。
で、この料理を19世紀後半に考案し、「Chả cá Lã Vọng(チャーカーラボン)」という名前を付けて提供し始めたのが、今回訪れた「14 P. Chả Cá」という店のご先祖様らしいのです。創業は1871年!
で、この料理名の後ろに付いてる「Lã Vọng」って何よ、と思い、社長に訊いてみたところ、「昔の中国の偉人で、釣りの神様的な感じだ」という訳です。その時は、「へ~、そんなオッサンが居たんだ」くらいにしか思わなかったのですが、後で調べてみたら、あの有名な「太公望」のことでした。太公望は本名を「呂望」と言うらしく、ベトナム語では「Lã Vọng」となるようです。
「14 P. Chả Cá」のアクセス
「14 P. Chả Cá」は、ハノイの観光の中心であるホアンキエム湖から徒歩で7~8分ほどの、旧市街の一部に位置します。実は店名の「14 P. Chả Cá」というのは住所そのまんまなのですが(ベトナムあるある)、Googleマップ上の住所では何故か「17 P. Chả Cá」となっています。
この住所を見て、鋭い方は「あれ?Chả Cá屋のある通りの名前のChả Cáとは何ぞや?」と思われるかも知れません。実はこのチャーカー屋があまりに有名になったので、通り名の方を合わせたんだそうです。ほんまかいな。
外見・店内
店舗はハノイの旧市街らしい年季の入った建物の多いゴチャゴチャした通り沿いにあります。パッと見有名店だとは全く思えないところがベトナみです。
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扉の建付けが悪いのか、潔く外して横に置かれています。と言うか、どういう角度で撮ってもどこかの水平が必ず崩れるんですよね。軒に水平を合わせると階段が斜めに写るし、一体どうなってんだこの建物。だまし絵を具現化しているようです。そりゃ扉閉まらんわ。
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店内に足を踏み入れてもまだ有名店の気配は一切ありません。左手の超絶急な階段を上ります。
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ひいこら階段を上がってみると・・・
おお!地元民で大賑わい!!これは名店の予感しかしません。
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実食、チャーカーラボン – ヌクマムが決め手!
さて、我々も着席します。社長がチャッチャカ店員さんとやり取りしているので注文にはタッチしていませんが、どのみちメニューはチャーカーラボン一本でしょう。じゃないと嫌です(笑)
まずはチャーカーラボンの基本卓上セットが運ばれます。一緒に炒める草・ハーブ類に、米麺のブン、ピーナッツ、唐辛子、そして味の決め手となるマムトム(発酵エビ醤)。
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草類の中で、特にチャーカーラボンでたっぷり入れるこの左手の水草のようなのは、ベトナム語で「Thì là」、日本人的には一般的に「ディル」と呼ばれるハーブの一種のようです。それに、ネギとパクチー。
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ベトナムの料理ってピーナッツもよく出てきますよね。社長が「沢山入れろ」的な感じで煽って来るのでバンバン入れました。歯ごたえのアクセントと香ばしさに貢献してくれます。
そして欠かせないのがこの「マムトム」。エビを発酵させて作ったソースで、ベトナムの食材の中でもクセのあるソースの代表選手です。
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しかしこちら、社長をして「これを入れるか入れないかでチャーカーラボンの味は決定的に異なる」と言わしめるほどのVIP。苦手な人もいるかも知れませんが、日本の塩辛が食べられる人は好きなはず。筆者はもちろんドボドボ入れました。
やがて、満を持して店員さんが主役の揚げCha Caを運んできました。これは何とも香ばしい・・・食欲が掻き立てられます。
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こちらに、先ほどの草・ハーブ類をドッカと投入します。
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草類がしなっとなったら出来上がり。元々草類はそのままでも食べられるので心配いりません。
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小椀にブンを取り、揚げCha Caと炒めた草類、ピーナッツ、そしてマムトムをぶっかけて頂きます。
マムトムのクセが、ターメリックの香りとハーブ類で爽やかに中和されてかなりいいお味に変化します。そして、小骨が少ないのが特徴のラン魚は実際に小骨が皆無で、食べやすくプリプリしていて食感も最高。
これは進む進む・・・ビールも進む進む・・・。
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2鍋お代わりしましたが、あっという間に平らげてしまい、気付いたらもう完全に満腹になっていました。
ハノイの旧市街で何軒かハシゴしよう、などと目論んでいる場合には、美味しさのために我慢出来ず食べ過ぎないよう注意して下さい(笑)
太公望に思いを馳せつつハノイ名物に舌鼓を打とう
いやー、正直ハノイにこんな名物料理があるなんて、これまで何度もハノイに足を運んでいたのに、恥ずかしながら全然知りませんでした。やはりローカル飯を深めるにはベトナム人と来るのが一番ですね。
そう言えばメモ書きしておくと、この日は筆者の誕生日の前夜で、社長はそのお祝いも兼ねて連れて来てくれたのでした。誠に感謝です。
ついでにもう一点メモ書きをしておくと、実はこのハノイ出張の少し前に細君が、ベトナム人のママ共に連れられてホーチミンのチャーカーラボン屋に行ったと言っていたのをこの時思い出して、「前に言っていたのはこれか!」と写真をLINEしたら、ものすごいドヤ顔のスタンプが返って来たのでしたw
ということで(どう言う事だ)、ハノイに行かれた際にはぜひこのチャーカーラボンの名店を候補に入れてみて下さい。太公望のご利益もあるかも知れません。
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