ハザンの話は尽きません。
そう、ひと粒で絶景と少数民族を両方同時にこれでもかと満喫できてしまう、アーモンドグリコのようなけしからんベトナム最北秘境、ハザン省の話です。
本記事はその中でも、少数民族の皆さんにスポットライトを当てます。ハザンの少数民族、それは「会いに行けるアイドル」(古語)。観光地化せず自然体の日常生活を営む彼ら彼女らの、素朴で素敵な笑顔に出会えます。
また、ハザンループ上で少数民族の方々に会える、特におすすめの場所もご紹介します。
※ハザン省の記事一覧↓
自然体過ぎる少数民族の方々に出会え過ぎるハザン
これまで「少数民族村」という響きにはあまり良い印象を持っていませんでした。
これまで訪れたそれらは観光色が強く、旅行者と見るとミサンガ売りの子供たちが取り囲んでくるイメージがあり、何ともアンニュイな心持ちになるのです。
ところが、ハザンでの少数民族の方々との触れ合いには、これまで無かった大きな感動と興奮を覚えました。
ハザン(あるいは後に訪れたムーカンチャイ)で出会った少数民族の皆さんについて非常に印象的だったのは、まずその数の多さ。
「数の多さ」とか語彙力気張れよ・・・という感じですが、ハザンを旅していると、本当に多くの少数民族の方々に、至るところで出会えるのです。
その辺の道を普通に民族衣装を着た人々がバイクで走っていたりガソリンスタンドで給油していたり、まして村の市場なんかに赴こうものなら、「俺の方が少数民族じゃね?」と思ってしまうほどに圧倒されます。
次に印象的だったのは、観光収入目当ての「少数民族村」の雰囲気などカケラも感じさせず、皆さん非常に自然体にそこで日常生活を営んでおられる点。
外国人である筆者を見ても、せいぜいはにかんで笑いかけてくるくらい(それがまた可愛らしい)。ミサンガ売りの子供たちに取り囲まれると言った経験は、個人的には、ハザン(やムーカンチャイ)では一度もありませんでした。
と言う感じで、観光客向けにアピールされた「少数民族村」とは異なる、極めて自然体な少数民族の方々と至るところで触れ合える感動的な場所がハザンなのですが、なぜハザンがそんな素敵な事になっているのかについて語り始めると年が明けてしまうので、それは別の記事で考察してみたいと思います。
以下、ハザンの中でも特に多くの少数民族の方々に会える、おすすめの場所をいくつかご紹介します。
ハザンで少数民族の方々に会える場所
ハザン省では、少し郊外に出るとその辺りで少数民族の方を見かけるる事が出来ますが、その中でも特におすすめの場所を3つご紹介します。
Du Già村市場(Chợ trung tâm xã Du Già)
ハザンループの東側中ほどにある小さな村、Du Gia村。
観光地としてはまだまだ知名度が低いですが、様々な種類の民族が数多く集まるコミューンで、特にその市場を訪れたならば、めくるめく素晴らしいスペクタクル体験が待っています。
市場へ続く通りを歩いているだけで、既に様々な民族衣装の人々を目にすることが出来ます。もうこの時点で、期待にドキがムネムネです。
すみません興奮気味につき言葉遣いが少し変かも知れません。
こちらが市場の入口。
SONY ILCE-7C (28mm, f/10, 1/100 sec, ISO100)
「Chợ trung tâm xã Du Già」とは、「Du Giaコミューン市場」という意味です。「コミューン」というのは、様々な少数民族が共同で暮らす集落、というような感じです。別の記事で触れますが、この仕組みがベトナムの少数民族の自立に一定の役割を果たしていそうです。
市場に入ると、様々な少数民族が民族の枠を超えて取引をしています。
SONY ILCE-7C (40mm, f/3.2, 1/1000 sec, ISO100)
上で触れた通り、外国人の筆者が近づいて行っても何かを売りつけられたりという事は皆無です。
非常に当たり前の日常の営みが非常に自然に行われているという事実に、これまで経験した観光収入に依存する少数民族村のイメージを完全に覆され、嬉しさのあまり自然とニヤケ顔になってしまいます(これ結構まじで)。やはり筆者の方が少々変な民族と化していたと思います。
とても綺麗な衣装のおねいさん達が居たので写真を撮らせてもらいました。
餅つきをしていたり。
SONY ILCE-7C (28mm, f/5, 1/320 sec, ISO100)
面白い彩りの餅たち。
SONY ILCE-7C (28mm, f/5.6, 1/60 sec, ISO100)
棒を使った相撲の様な事をしていました。民族の枠を超えてみんなで盛り上がる様子が微笑ましい。この日はそこに終始ニヤケ顔の妙な日本民族も約1名混じらせて貰いました。
Apple iPhone 15 Pro (2.2200000286119mm, f/2.2, 1/1700 sec, ISO50)
Du Giaはまだ外国人観光客にはそれほど知名度の高い村ではありませんが、少しずつゲストハウスなども出来つつあります。筆者の鬼おすすめの神宿もあります。
市場の入口には「Chợ trung tâm xã Du Già」と書いてありますが、Googleマップには「Chợ Phiên Du Già」で登録されています。
Đường Thượng渓谷のモン族の村
こちらはかなりマニアックですが、ここも非常におすすめの場所です。
谷底の県道沿いに点在するモン族の村々で、観光客がわざわざ立ち寄るような場所では無いので、非常に自然に暮らしている姿を目にする事が出来ます。
Apple iPhone 15 Pro (9mm, f/2.8, 1/690 sec, ISO25)
道端の家で出会った家族。とても良い笑顔を見せてくれました。
Apple iPhone 15 Pro (6.7649998663709mm, f/1.8, 1/250 sec, ISO64)
この時はEasy rideというバイクドライバーをチャーターしたのですが、彼が非常に色々な場所を知っていて、県道からちょっと外れたモン族の集落に連れて行ってくれました。
Apple iPhone 15 Pro (6.7649998656528mm, f/1.8, 1/230 sec, ISO64)
おばあちゃんと孫でしょうか。
SONY ILCE-7C (28mm, f/5.6, 1/50 sec, ISO100)
ドライバー氏が「家の中に入ってもいいよ」と言うので、中を見せてもらいました。
SONY ILCE-7C (28mm, f/3.5, 1/30 sec, ISO640)
SONY ILCE-7C (69mm, f/4, 1/80 sec, ISO10000)
SONY ILCE-7C (91mm, f/4.5, 1/100 sec, ISO320)
Đường Thượng渓谷は、絶景ポイントの記事でご紹介した、ハザンループ南小回りルート上にある峠から東の方角を見下ろした、下の写真の谷にある村です。 Googleマップにはあえてポイントを作成していませんので、この絶景ポイントの場所を参考に探してみて下さい。ドライバーさんと一緒なら、訊けば連れて行ってくれると思います。
Lùng Tám麻織物工房
ハザン省のルンタムLùng Tám村はモン族の伝統的な麻織物が継承されている村。その村で麻織物技術を見学できるのが、Lùng Tám麻織物工房(Lung Tam Linen Cooperative)です。
ルンタム村の麻織物技術はベトナムの国家無形遺産にも登録されており、今でも地元のモン族の女性たちが熟練の技を見せてくれます。
SONY ILCE-7C (55mm, f/4, 1/60 sec, ISO250)
SONY ILCE-7C (40mm, f/3.2, 1/60 sec, ISO100)
SONY ILCE-7C (28mm, f/3.5, 1/30 sec, ISO1250)
丈夫で色鮮やかな文様の麻織物のバッグや小物などの工芸品もお土産も買えるので、時間があれば立ち寄ってみて下さい。
ちなみにこちらでも、土産物売りの子供達に取り囲まれるような事はありません。
今回はまずハザンループ南ルートで少数民族の方々に会える場所をご紹介しました。
ハノイから長距離バスで6時間半、そこからバイクで険しい山道を数時間走るだけで気軽に「会いに行けるアイドル」(気軽とは)、ハザンの少数民族たち。とても素朴で素敵な笑顔に癒されること請け合いなので、ぜひ会いに行ってみて下さい。
なお、ここだけの話ですが、北方にもLô Lô Chảiなどの魅力的な村があるので、もう近々行く事を決めています。これは内緒ですよ。
SONY ILCE-7C (107mm, f/4.5, 1/250 sec, ISO100)
※ハザン関連の記事一覧↓
コメント