CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/125 sec, ISO0)
8時起床。快晴である。もっとも、雨の多い季節なのでいつ降り出すか分かったものではない。
さて、何を隠そうアヌラーダプラは聖地である。しかも世界遺産に登録されているというから筋金入りの聖地である。ということで本日は遺跡群を中心にアヌラーダプラ取材を敢行する。非常に広い範囲に点在する遺跡を回る間に、筆者の体脂肪は劇的に燃焼するに違いない。間違いない。
また聖地であると同時に、アヌラーダプラは古都でもある。なんと2500年以上前に、スリランカ最古の都として栄えていたと言うから卒倒しそうである。
もちろん、アヌラーダプラの魅力は遺跡だけではない。途中で出会った人々の笑顔、そしてサファリであるかのような野生生物達の事も忘れてはならない。しかしとても紙幅が足りないのでそれらについては記事を分けてご紹介したい。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/100 sec, ISO0)
ルワンウェリ・サーヤ大塔(Ruwanwelisaya Dagoba)
アヌラーダプラの象徴であるかのような白亜の仏塔である。レンガで作った上から漆喰で塗り固めたもののようだ。高さは55mm。世界の三大煉瓦建築のひとつとされるらしい。いつも不思議に思うのだが、「世界三大●●」などというのは果たして誰が決めるのであろうか。いずれにしても美しく荘厳であるのだからそれだけでよい。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/4.5, 1/640 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (9.2mm, f/4.7, 1/640 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (14.2mm, f/3.4, 1/640 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/640 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (23.4mm, f/3.9, 1/30 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/4, 1/500 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/640 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.81mm, f/2.9, 1/400 sec, ISO0)
ところで「仏塔」の事を、インドではサンスクリット語を語源とする「ストゥーパ」と呼ぶが、スリランカでは「ダーガバ」と呼ぶらしい。日本では「卒塔婆」という様にストゥーパが伝わって来ているが、ダーガバはどちらかというとミャンマーの呼称である「パゴダ」に通じるようだ。アルファベットで「Pagoda」「Dagaba」と書いてみるとどことなく風合いが似ている。どうやら、インド系統のものが「ストゥーパ」、東南アジア系統のものが「パゴダ」「ダーガバ」であるようだ。後でも触れるが、この辺りにも東南アジアの仏教がスリランカ経由で伝来した証跡が見て取れる。
アバヤギリ大塔(Abhayagiri Dagoba)
こちらは一転して素朴な雰囲気のダーガバ。しかし侮るなかれ、高さ75mを誇り、アヌラーダプラで最大の仏塔と言われているようだ(少なくとも現存の中では最大)。紀元前1世紀当時は110mもあったと言う。誰がどうやって測ったのだろう。
このアバヤギリ大塔、小乗仏教が主流のスリランカにおいては珍しく大乗仏教などの他宗派を受け入れていたことで知られる。アヌラーダプラ最大を誇るダーガバのサイズはそうした包容力の表れなのか。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/4, 1/500 sec, ISO0)
イスルムニヤ精舎
紀元前3世紀頃、仏教保護を目的に当時の王によって建立された寺院だと言われている。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/4.5, 1/640 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/250 sec, ISO0)
このような切り通し、というか巨岩を積み上げた構造物があることから、別名「ロック・テンプル」とも呼ばれる。その巨岩を登っていくと、見晴らしの良い眺望を望むことが出来る。
この視界に映る緑豊かな南国の植生と田園風景が、この国の人々の笑顔の源なのかも知れない。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/125 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/5, 1/640 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/4.5, 1/800 sec, ISO0)
本堂には涅槃仏が目を開けたまま寝ている。涅槃仏というのは大概目を開けたまま寝ていることが多い。筆者の次男もそうである。
ところでこの鮮やかな色彩だが、日本の浅草寺による援助で塗替えが行われたとのことだ。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/8 sec, ISO0)
発掘されたレリーフが展示されていた。完全にアンコール・ワットあたりのクメール風情を感じさせる。東南アジア仏教との共通点をビシバシ感じる。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/25 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/8 sec, ISO0)
ムーンストーン(クイーンズパビリオン)
クイーンズパビリオンにはアヌラーダプラでも最も美しいとされるムーンストーンが残っていると言うので行ってみた。人だかりが出来ていたのでひと目でそれと分かった。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (21.3mm, f/3.8, 1/125 sec, ISO0)
このムーンストーンは、物欲や四大苦と言われる生・老・病・死などといった人間の煩悩や苦悩を表しているという。悟りを開くために克服しなければならない課題のオンパレードという訳だ。
神聖な場所へ入るためには、このムーンストーンで履物を脱ぐ。ここは煩悩と悟りの境界線だ。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/3.2, 1/250 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/3.2, 1/250 sec, ISO0)
ランカラマ大塔(Lankarama Dagoba)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/4, 1/500 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/4.5, 1/640 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (25.6mm, f/5.5, 1/200 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/250 sec, ISO0)
ここは確かに東南アジア仏教の故郷であった
こうして遺跡を見て回ると、カンボジアのクメール様式など東南アジアの仏教建築や彫刻等に実に通じるものがあると感じる。以前、東南アジアの仏教はインドからスリランカに伝わり、そこで発展したものが運ばれたのだ、と最初に聞いたときには意外に感じたものである。地理的な位置関係で言えばミャンマー経由の陸路で伝わるのが自然ではないか。いや仮にスリランカ経由だったとしてもかなり手の加えられた形で伝わったのだろう、と。
しかしこうして実際にスリランカの仏教遺跡を目にすると、ここが東南アジア仏教のルーツであるという史実への違和感がすっきりと消えて無くなるのである。 疑って申し訳ない。
その他よく分からない遺跡など
最後に、ちょっとどこで撮ったのか分からない遺跡などの写真を載せておきます(汗)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/4, 1/250 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/4, 1/200 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/4, 1/200 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/3.2, 1/250 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/100 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/80 sec, ISO0)
チベットなどでも見かけるこの色とりどりの布。人々がこうして願いを込めながら括り付ける様子を見ていると、日本の寺社で絵馬やおみくじを結びつける風習を思い出す。
一人遠い異国の地で祖国を思い出させる光景にふと出会うと、何かに守られている様な気持ちになる。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/125 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (28.4mm, f/4, 1/500 sec, ISO0)
[2004.9.25]
コメント
10max様
先日善光寺に行って、やはり宗教は面白いなって感じました。信じる信じないは別として、文化を感じたり芸術を楽しんだり。世界の歴史はどうしても宗教が絡みますが、それも納得。全力で宗教してるんだなって感じます。
10さんの寺院巡りも、見る人を楽しませてくれるでしょう(^^)
まこまちさん、コメントありがとうございます。
おっしゃる通り、宗教って面白いですよね。
宗教は様々な文化や芸術の基礎になっているので、実は彫刻や建築物のデザインの由来なんかも、宗教を理解する事でより深く理解出来たりしますね。
アジアの仏教建築や仏教芸術なんかに目を向けると、日本の仏教の由来がちょいちょい垣間見られたりして、ああ、こうしてアジアと繋がってるんだなあ、と思ったりします^^