雨のロカ岬を後にし、再びシントラの町に戻ってきた。美しいシントラの街並みや、ムーアの城跡、レガレイラ宮殿などの見どころを満喫しようという目論見である。
幸いにも午後から天候は回復してきた。
シントラ市街 – 緑と宮殿に囲まれた「エデンの園」
かつてイギリスの詩人バイロンが「エデンの園」と称えたシントラは、小ぢんまりとした可愛らしい町で、細君も今回訪れたポルトガルの町の中で最も好きな町だと後に評していた。町全体が森の中にあるようで、その緑の山中に城や宮殿が点在している様も、まるで宝箱のような風情である。
そのシントラの町の中心部でひと際存在感を放つように王宮がある。14世紀に建てられた王家の夏の別荘であるという。
しかし、その他の邸宅も王宮に負けず劣らず色鮮やかで美しい佇まいである。
昼食を摂るべくシントラの繁華街に迷い込んでみる。まるで古い映画の世界のような美しく入り組んだ路地である。
ムーアの城跡 – 天空の廃墟からの絶景
シントラの見どころの中でも特に良かったのは「ムーアの城跡」である。
ムーアの城跡は、7~8世紀頃に「ムーア人」と呼ばれる人々により、シントラの町を見下ろす小高い山の上に築かれた城の跡だ。山肌を縫う堅固な城壁はさながら万里の長城を髣髴させ、その上からの展望のなんと美しいことか。
また、城を守るように囲む森林の中で大樹の根に浸食されながら佇む廃墟は「天空の城ラピュタ」を想起させる。かつての栄華から1400年余りを経て、緑の木々と共生するに至った時の流れを思うと圧倒される。
森林を抜けると息を吞むような絶景が眼前に広がる。
万里の長城を彷彿させる城壁を、さらに上に向かって登っていく。
ムーア人と呼ばれた人々は、かつてここに立ち何を思ったのだろうか。
隣の山頂に建つペーナ宮殿。
レガレイラ宮殿 – ゴシック様式の王族の別邸
レガレイラ宮殿は重厚なゴシック様式建築が特徴的なかつての王族の別邸である。
建物だけでなく、その周りの庭園や内部のアズレージョの装飾も美しい見どころである。
夕刻、美しいシントラの町を後にしてリスボンへ戻る。
ロカ岬で出会った料理人Nさんが教えてくれた名店で、ポルトガルの民謡と言われる「ファド」のライブを聴きながらの夕食と洒落込む目論見である。
(2007.7.15)
ポルトガル旅行記【陽の当たる坂道に憧れて】記事一覧



























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