こんにちは。ホーチミンに家族で赴任して9ヶ月が経った10max(@10max)です。
この3月に、筆者の日本出張と子供達の学校の春休みが上手い塩梅に重なったので、家族で2週間ほど一時帰国しました。
その中で(あくまでもベトナム駐在生活9ヶ月時点で)筆者や妻、子供達が感じた日本とベトナムそれぞれの良いところ、気になるところを、日本で食べた食事の記録と共にオムニバス形式で(何でやねん)書き留めておきたいと思います。
なのでところどころ写真と文章が関係なかったり食欲が刺激され過ぎたりで読みづらいかと思いますがご了承下さいm(_ _)m
日本の良いところ
まずは久々に日本に帰ってみて「あ〜日本やっぱり最高だわ〜」と感じたところから行ってみましょう。
スーパーの特売で豪華晩酌が出来る
日本に帰ったならば、何はさておき日本酒を飲まなければなりません(なりませんよね)。
しかし2日目から細君が微熱を出し、その間は外食をしに行く事が出来なくなり、そうすると家で晩酌をする必要に迫られますよね(ますよね)。
しかし日本には晩酌の強力な味方がいます。それは近所のスーパー!
寿司や刺身、練り物にお惣菜など、多少見栄えの良い皿に盛り付ければそのまま居酒屋に出せそうな豪華なおつまみがズラリと並んでいます(盛り付けてないので豪華に見えませんが)。
OLYMPUS E-M1MarkII (27mm, f/3.6, 1/60 sec, ISO400)
馬刺しだってあります。こういう生物(なまもの)も気軽に買えて即食べられるというのは、ベトナムではそうそう出来る事ではありません。
OLYMPUS E-M1MarkII (29mm, f/3.7, 1/60 sec, ISO1000)
しかも20時を過ぎた頃にはバックヤードから店員さんが現れ、2割引だの5割引だのといった神々しいシールをペタペタ貼っていく姿はまさに神のように尊い。
日本って素晴らしいなあ、と思った瞬間です。
コンビニ飯が神
そして忘れてはならないのがコンビニ飯です。
今の時代、タイにもマレーシアにも、そしてもちろんベトナムにも、コンビニではおにぎりや弁当が販売されていますが、日本のコンビニ飯のレベルには到底及びません。
少なくとも、店で選ぶところから食べるまでこれほどワクワクさせる逸材は日本にしかありません。
Apple iPhone 12 Pro (4.2mm, f/1.6, 1/60 sec, ISO160)
この具材の豊富さとぶっ飛んだバリエーションよ。
ここまでおにぎりに対して創意工夫と情熱が傾けられている国は世界広しと言えども日本だけでしょう。「おむすびころりん」の昔話と共に育てられた国ですからね。
そもそも従来より白米に合うおかずについての創意工夫が盛んであり、そしてそれが消費者の間にも根付いている日本という市場が、こうした発達したおにぎり商品戦略を成功たらしめているのかもしれません。
と言うことで日本滞在最終日の朝食はコンビニ飯で〆ました。どんだけSPAMむすび好きなんだと(笑)
Apple iPhone 12 Pro (6mm, f/2, 1/30 sec, ISO1250)
ラーメンのバリエーションが豊富
ラーメンのバリエーションが無限です。
(なんか食べ物の話ばっかりな気がしますがたぶん気のせいでしょう)
「日本でラーメンが充実してるなんて当たり前だろ!」と思われるかも知れませんが、実は今ではホーチミンでもかなり満足できる味とバリエーションのラーメン屋が揃っています。博多系、家系、北海道味噌系、鶏そば系、背脂ちゃっちゃ系、魚介系などなど・・・どれもレベルはまあまあ高いです。
しかしやはり日本、特に東京に戻って来ると「やはりラベルが違うな」と感じます。
例えば筆者の日本の自宅の最寄駅の徒歩圏内には、家系だけで3店舗、煮干し系だけで3店舗、それ以外にも熊本系、東京とんこつ系、牡蠣ラーメン系、サンマー麺や坦々麺、支那そばなど、ストリート上のトラップが多すぎてブルブル震えながら過ごしています(そして実際何度もトラップに掛かりました)。
ましてや新宿や渋谷など少し遠征すればその数はほぼ無限列車編です(うむ!ラーメン美味い!←誰)。
東京って本当に恐ろしい街だな、と思いましたね。
四季とか寒いのってやっぱりいいな
今年の日本の冬の後半は暖冬と言われいた様ですが、それでもホーチミンから帰ってくると激寒です。羽田空港に降り立った瞬間、冷蔵庫に放り込まれたのかと思いました。
でも、やっぱり四季は美しく、冬は切なく、春は柔らかい。
長男などは、久々に肌寒い夜に布団にくるまる感覚が心地良いと言っていました。
まだ冬の気配が残る早春、晴れた日の空は遠くまで澄んでいて気持ちが良い。
ホーチミンでは中々味わえない感覚です。こうした四季や寒暖のある気候が、日本人ならではの細やかな感性を生み出している麺、じゃない、面もあるのかな、なんて思いました。
OLYMPUS E-M1MarkII (60mm, f/4, 1/4000 sec, ISO200)
(長男)色々なものが買える
これは中2の長男の感想ですが、彼は絵を描くのが好きで、一時帰国を機に日本でしか買えないペンや鉛筆などの文具をここぞとばかりに買い込んだり、友達と秋葉原で色々物色するのが楽しかったようです。
最近はベトナムでも(特にホーチミンは)日常的には殆ど困る事はなく、完全に手に入らないもの、というのはあまり思い付かない程ですが、手に入ににくいのは趣味に使うものや嗜好品。ちょっと拘りのあるものだとまだ選択肢が限られています。
あとは日本は百均が素晴らしい。ベトナムにもDAISOは進出していますが、こちらは「日本」を推しにした高級志向で、輸入コストなどもあってかレート換算「200円ショップ」となっていて、お高い。100円であれほど多くのものが手に入る日本の百均は素晴らしいです。
(次男)友達と色々なところに遊びに行ける
小学校を卒業したばかりの次男は、日本では子供達だけで電車で自由に遊びに行ける場所が多数あることを喜んでいました。
ベトナムだと移動はやはりGrabなどになってしまうので、小学生だけでの移動は難しく、基本親同伴になります。
中学生の長男については我が家の場合、1人でGrabに乗せていますが、それでも、そもそも子供達だけで遊びに行ける(行って楽しい)場所が圧倒的に少ない。
ということで子供達は、日本に帰って子供だけで約束をして電車で池袋だのお台場だの秋葉原だの(風邪引いて行けなかったけど、よみうりランドだの)に行けるというのがとても楽しかったようです。
(個人的趣味①)温泉・スキー最高だな
これは説明など要りますまい。
ぶっちゃけ半分子供達と雪山と温泉に行きたくて帰国したようなもんです。
Apple iPhone 12 Pro (4.2mm, f/1.6, 1/12000 sec, ISO32)
(個人的趣味②)車が運転できるって最高だな
電車のないベトナムでは車には死ぬほど乗りますが、自分で運転する機会ほぼありません。なので日本でレンタカーを借りて雪山に行くのを心待ちにしていました。
しかしこれは車好き以外には説明しても分かりますまい。半分このために帰国(以下自粛)
ただ、ホーチミンでバイクを買う可能性も無いでもありません。
日本の気になるところ
次に日本の気になったところ、行ってみましょう。微妙に良かったところと矛盾したりしますが・・・
寒かったり暑かったり大変
先ほど四季はいいもんだ、と書きましたが、同じ季節の中で寒暖差が激しいのは辛いです。三寒四温的な。細君はこれで体調が思わしくなかったようです。
日々どんな服を着ようか悩むのが面倒なのは、ホーチミンと対照的です。
ちなみにこれは春の帰国だったからの悩みで、夏なら「(ホーチミンより)暑すぎて大変」、冬なら当然「寒すぎて死にそう」となるのでしょう。
いずれにしても全般的に安定した気候の(そして暑いけど朝晩は涼しい)ホーチミンの方が東京より過ごしやすいと感じます。
雨の日はずっと雨
実はこれが一番嫌だったかも。
今回2週間ほど東京に滞在しましたが、印象としては半分くらい雨だったような。それもほぼ一日中。ホーチミンでは1時間ほどザーッと降って終わることが殆どで、半日とか1日ずっと降るなんてことはまずありません。
そんな日本の雨によって予定が立たないのも困りもの。そう言えば頻繁にキャンプをしていた頃は週末の雨予報には何度も悩まされました。
余談ですが今回仕事で、筆者の(ベトナムの)職場のベトナム人やマレーシア、インドのグループ会社の人達がミーティングのために東京に集ったのですが、ちょうど桜が満開の時期だったにも関わらず滞在中ほぼずっと雨で、桜は見てもらえたものの少し残念でした。
電車通勤めんどい
帰国中、基本は在宅勤務だったのですが、何度か電車で出勤しました。本当に疲れました。
何となく「鉄道網が発達しているほど先進国」というイメージがありましたが、メトロが一向に出来なくともバイクで通勤したり配車サービスが非常に便利なベトナムに住んでいると、その価値観も過去のものになりつつあるのかな、なんて思いました。
まあ雨のバイク通勤よりはずっとマシでしょうから一概には言えませんが、ホーチミンでGrabやタクシーで毎日通勤している身からすると、満員電車での通勤はとりあえず疲れました。
あ、だから太っ(以下略)
未だにコロナ禍の世界だった
少し前にマスク着用が自己判断に変わったはずの日本の人たちが外でも皆マスクをしている様子を見て、このうちの何割かは花粉症なのかな、と思いましたが、どうもそうでは無かったようです。
それを最も感じたのはスキー&温泉で泊まった群馬県の宿にて。ビュッフェではマスクとビニール手袋の着用ルールがあり、更に宿泊者も、途中で飲み物を取りに行くだけでもほぼ全員そのルールを守っているのを見て衝撃を受けました。
「あ、ここはまだコロナの世界なんだ」
とか
「自分は今やっぱり日本にいるんだ」
などと妙に実感しました。
政府のリーダーシップにより1年近く前には既に集団免疫を獲得し国境を解放した合理的なベトナムから来ると、やはり生き辛さを感じます。
ベトナムの良いところ
では久々に日本に帰ってみて気付いたベトナムの良いところ。
気候が穏やかで過ごしやすい
以下、ハノイには住んでいないのでホーチミンのお話です。ホーチミンの気候は全般的にとても過ごしやすいと感じます。
一つには、朝晩が涼しいこと。年間を通して、朝晩は窓を開けていればそこそこ快適で、日本の夏のような寝苦しさはありません。
もちろんホーチミンは亜熱帯ですから、昼間はやっぱり暑いです。真っ昼間の屋外でのスポーツはオススメできません。真っ昼間はビールを飲んだ方が身体にいいでしょう。
もう一つには、寒さとも無縁なこと(当たり前ですが)。細君などは特に、冷たい雨が降る3月の東京の寒さがこたえていました。
つまり、極端な暑さや寒さとは無縁という感じです。ホーチミンと言うと暑いというイメージが強いかも知れませんが、日本に帰ってみてホーチミンの気候がいかに過ごしやすいかを実感しました。
日々の服選びが楽
上の日本での気になることの裏返しですが、日々何を着て出かけるかを殆ど考えなくてよいのは楽ちんですね。
もちろん一番大きな理由は気候です。ハノイは少し違うと思いますがホーチミンは安定した常夏なので常に半袖でOKです。
実はもう一つ理由があって、それはビジネスの場においても服装の基準が非常に緩いこと。筆者はほぼベトナム人しか居ない会社に勤めているので、もしネクタイなぞで首を締めて出勤しようものならコスプレだと思われます。
ベトナム人だけでなく、日本人に関してもカジュアルな服装がかなり一般的で、スーツを着ている人はかなり少数派です。筆者はお客さんのところへ行く時もポロシャツですし、初対面の時などちょっとかしこまった時はシャツにするか、くらいです。
この辺りはベトナムに限らず東南アジア共通なんでしょうね。やっぱりアジア最高です。
人目を(比較的)気にしなくても良い
ベトナムではあらゆる事が正解であり、楽しければよい、という思想が一般的なので、多少人と違ったことをしていても殆どの人が気にしません。
先程のコロナの話もうそうですが、東京に戻ると、家族も周りの目が気になると言っていました。
あと、ベトナム人みんな声がデカい。どうも筆者もベトナム基準の音量に感染しているらしく、東京の居酒屋でちょっとテンション高めに話してたら子供達に
「お父さん声大きくて恥ずかしいよ・・・」
と嗜められました。子供達もベトナムならそんな事気にしないんですけどね・・・。
もちろんベトナムでも「こういうのは失礼・行儀が悪い」などは無くはないので、ベトナム流のマナーは知っておくに越した事はありません。
旅行の選択肢が豊富
単純に地理的にベトナム、特にホーチミンはアジアのド真ん中にあるので、魅力的な旅行先へのアクセスが非常に良いです。
日本からだと近いのはせいぜい中国や韓国、台湾あたりですが、ホーチミンからだと東南アジアの殆どの国がご近所さんです。特にシンガポールやバリ島含むインドネシアへは日本からだと遠くかなり高額になってしまいますが、ホーチミンからなら半分以下の距離なので非常に近く安価な料金で行くことができです。
ベトナムは旅行好きにも実に魅力的なのです。
(長男)日本以外の異国であるところ
最後に、これは中2の長男が言っていたことなのですが、どうも「日本以外の異国」の風景や文化・慣習が面白いと感じているようです。
彼はベトナムと日本、どちらが好きという訳ではなくどちらにも良いところがある、と思っているようですが、「それぞれに良いところがある」「違うことが面白い」というのはまさに多様性の原点。子供達はまさに今ベトナムの地で世界に触れ、学んでいるんだな、と思いました。
SONY ILCE-7C (54mm, f/5, 1/60 sec, ISO2500)
ベトナムの気になるところ
ではベトナムの気になるところ・・・正直なところあまり思い付きませんでした。
あるとすれば季節の変化が乏しく単調なところとか?まあ気になると言うほどの事ではありません。
あとは「雪山や温泉が無い・少ない」だとか「好きな車の運転が出来ない」など、個人的趣味丸出しのものしか挙げられなかったんですよね。
そうした個人的嗜好を横に置けば、住むという事に関してはベトナム(ホーチミン)は本当に快適です。
SONY ILCE-7C (50mm, f/1.8, 1/50 sec, ISO320)
最後に:結局どうなのよ
結局どうなんでしょう(笑)
日本に帰った直後のスーパーの豪華晩酌で
「あ〜日本やっぱ最高だわ〜」
と思ったのも、冷たい雨の降り続く東京で
「ホーチミンは快適だわ〜。日本はたまに旅行に来るくらいでいいかもな〜」
と思ったのも、いずれも事実です。
住むだけならホーチミンは何の不自由もないし人々は前向きだし心地よい。仕事も、活気のある成長マーケットでスピード感と裁量を持って動かせるのも楽しい。
でも一方で趣味などプライベートでは日本でしか出来ないことが多いし、変化に富んだ季節や食べ物の質とバリエーションは捨てがたい・・・
まあ、それこそ「どちらにも良いところがある」としか言いようがないですよね。
という事で当面は日本とベトナム両方に関わっていくのがベストなんだろうなーと思った初めての一時帰国でした。
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