こんにちは。家族でホーチミンに住み始めて1年半あまりが過ぎた10max(@10max)です。
駐在などで家族帯同、特に子連れでホーチミン市に住む場合、住居の場所として必ず候補に上がるのが以下の3エリア。筆者もご多聞に漏れず7区に住んでいます。
- 7区フーミーフン地区
- ビンタン区
- トゥドゥック市(旧2区)タオディエン地区
本記事では、「家族帯同・子連れ」でホーチミン駐在する場合に候補となる事が多い各エリアの特徴や違いを独断と偏見にまみれつつ忖度抜きで書き殴ります。
もちろん、ここに書いてあることが全て正しいと言うわけでは全くありません。
「いやいや実際住んでる俺に言わせればカクカクシカジカだぜ」
というご意見もあるはずです。なので、部屋探しをされる際に「こんな話も聞いたことあるんだけど実際どうなのよ?」などと不動産屋さんに聞いてみるネタくらいに思って頂ければ幸いです。
なお、筆者が今実際に住んでいる7区フーミーフンの住み心地に全集中した記事はこちらです。
※ちなみに、単身赴任や子連れでない場合は上のエリア以外にも候補は多数あります。実際筆者も、もうすぐ家族が本帰国して単身赴任になるのですが、その後は3区とかいいな~なんて思っています。
ホーチミン子連れ駐在に人気の3大エリアとその理由
家族帯同(特に子連れ)でホーチミン市に駐在する場合、そもそもみんなどこに住んでるの?と思った時に、一つの目安となるのがホーチミン日本人学校の送迎バスの停留所ごとの利用者数。こちら、日本人学校のホームページ上で公開されています。
こちらによると、2023年8月時点での各区ごとの利用生徒数は、上から多い順に以下の通り。
7区 | 157名 |
ビンタン区 | 153名 |
トゥドゥック市(ほぼタオディエン) | 80名 |
1区 | 57名 |
3区 | 44名 |
フーニャン区 | 5名 |
4区 | 2名 |
ただし書きをしておくと、こちらは「日本人学校」の「送迎バス利用生徒」の数なので、インター校やローカル校に通うご家庭は含まれていないのと、7区の日本人学校近く在住故にバスを利用していない場合も含まれないので、ある程度の傾向しか分かりません。
が、仮にそれらを加味したとしても、この上位3区の中での順位変動はあったとしても、4位以下との入れ替わりは恐らくないでしょう。
※なお、上のバス停利用者数リストには各区のレジデンス毎の利用者数が記されていますので、物件を探す際の参考にもなります。
では何故家族帯同(特に子連れ)でのホーチミン駐在で、これら3エリアが筆頭に上がるのかというと、シンプルに以下が理由です。
- 外国人向けの学校(日本人学校/インターナショナルスクール)がある/豊富
- 外国人向けのサービスアパートやコンドミニアム物件が豊富
はい、フォーの麺くらい何のひねりも無くてすみません。
上で少し触れた通り外国人駐在員向けのレジデンス自体はこれらの3エリア以外にもありますが、子連れの場合に特に重要なのは1番目の学校事情です。子供が通う学校が遠ければ日々のオペレーションがやべぇ事になります。故に駐在員向けの物件もこれらの3エリアが最も選択肢が豊富、という感じです。
ビンタン区、旧2区タオディエン、7区の位置関係
これらの3エリアをホーチミン市の地図にプロットするとこんな感じです。
中心に近い黒い丸が、ビジネスや観光の中心である1区です。日本人を始めとする外国人駐在員はこの近辺に通勤するケースが割と多いです。筆者の勤務地も1区です。もっとも、勤務地は必ずしも左記の限りではありませんが、生活においては1区が近い方が何かと便利です。
そこから北東方面に隣接するのがビンタン区(ファンビッチャンなど)、さらにその向こう隣にトゥドゥック市(旧2区)のタオディエン地区があります。
一方7区は逆方面、南へ7~8kmほど下ったところにあります。距離的にはタオディエンよりやや遠いといった感じですが、実際の所要時間的には、1区〜7区間の道は朝夕中心に特に渋滞が酷いため、通勤時間は1.5~2倍ほどかかります。
ビンタン区、旧2区タオディエン、7区の特徴
ではビンタン区、旧2区タオディエン地区、7区フーミーフン地区のそれぞれの特徴と、「こんな人が住むと吉なり」を、独断と偏見にまみれながら書き殴ってみます。独断と偏見ゴリ押しで各エリアの特徴を雑にまとめるとこんな感じです。
ではそれぞれのエリアの特徴を詳しく見ていきます。
ビンタン区:とにかく神立地 – ただし周辺環境要チェック
ビンタン区の外国人ファミリー向けアパートでいうと、Sunwah Pearlや Vinhomes Landmark、City Garden、あとは厳密には1区になりますが、Golden Riverなどが有名です。そんなビンタン区の特徴を雑に要約するとこんな感じ。
- 1区至近の立地で通勤、生活に便利
- 第2の日本人街「ファンビッチャン」を擁する
- タオディエンにも隣接するためインター校の通学も割と便利
- 濃厚ローカルエリアと新興住宅地の両極端が混在
ビンタン区はとにかく立地の便利さが神々しいエリアです。1区に隣接しているため通勤にも生活にも便利な場合が多いです。またタオディエンにも隣接しているので子供がインター校に通う場合も比較的便利です。
買物や食事にも困ることはないでしょう。1区やタオディエンへのアクセスの良さに加え、ビンタン区は第2の日本人街と呼ばれるファンビッチャン通りを擁しているので、日本食も充実しています。
ただしビンタン区の場合、実際にレジデンスを選ぶ際にはそれぞれの周辺環境のチェックが欠かせません。ファンビッチャン通りを含むビンタン区の中心部は、本記事の3エリアの中では最もローカル色が濃く雑然としています。かつては1区の周縁部として低所得者層が多く住むスラム街でした(4区的な感じ。今は治安よし)。従ってアパートも、そうした濃厚ローカルエリアに立地する物件と、そうしたエリアから少し離れた新興住宅エリアに立地する物件に大別されている感じなのです。
ローカルエリアの真ん中に位置する物件(例えばCity Garden)の場合、目抜き通りの朝夕の渋滞も相まって日常的に周辺を歩くのはやや疲れるかも知れません。その代わり、レジデンス内はまるでリゾートのようなので、週末はレジデンス内で過ごすか、外に出る時は車、という感じなら問題ないでしょう。また、そうした町並みを気にしなれば、ローカル飯屋・日本食屋共に豊富でアクセスが良いです。
一方、例えば先程の日本人学校バス利用者が最も多いVinhomes LandmarkやSunwah Pearl、Saigon Pearlなどは、ビンタン区の中心から幹線道路を挟んだサイゴン川沿いの新興高層住宅エリアに位置します。なので周囲の環境は綺麗ですが、飲食店などに行く場合、レジデンスの敷地内の店舗を利用するか、Nguyễn Hữu Cảnh通りという片側3車線の幹線道路を渡ってファンビッチャンへ行くか、あるいは車で移動するか、という感じになるため、周辺の利便性は物件により割と異なります。また幹線道路が近い物件の場合は、向きや階数による騒音などの環境も要チェックでしょう。
つまりビンタン区は、マクロなエリアとして見ると便利極まりない一方で、ミクロな周辺環境は結構極端なので、好みや生活スタイルに合うかどうか、内見の際に周囲の環境を要チェック、と言えそうです。
旧2区タオディエン:インター校推しの洋風プチリゾート
お次にトゥドゥック市(旧2区)のタオディエン地区。駐在員の居住エリアの文脈で「2区」と言う場合、ほぼこのタオディエンを指します(旧2区はもっと広大)。外国人ファミリー向けアパートとしては、EsteraやMasteri、Vista、などが有名で、子供がインターナショナルスクールに通う場合はまず最初に候補となるエリアです。
タオディエンの特徴を雑にサマるとこんな感じ。
- インターナショナルスクールが豊富
- 緑も多く欧米人向けレストラン、カフェ、雑貨屋なども豊富でプチリゾート感あり
- ローカル感も適度にあり住環境のバランスが良い
- 町並み古く歩道の整備状況良くないため子供だけで徒歩/チャリで遊びに行くのはやや不安
- 日本人学校は遠い
居住者も欧米系の駐在員などが多く、町並みもどことなく西洋風のヴィラやレストラン、バーなどが多い感じです。緑も多く、お洒落な雑貨屋やカフェも多いため、バリ島あたりに通じるプチリゾート感があります。
「欧米か!」というギャグを久々に思い出させてくれたのもタオディエンでした。
一方でローカルな飲食店などもそれなりにあるため、住環境的には割りとバランスが良い感じです。
このように住環境としてはローカル感とリゾート感のバランスが良いため、家族帯同から単身赴任まで人気のエリアではありますが、いくつか気をつけなければならない点もあります。
一つは、子供が日本人学校に通う場合は要注意です。通学に毎日往復2時間程度かかるため、部活や習い事などを考えると時間の使い方が非常に難しくなります。もっとも、兄弟姉妹の誰かが日本人学校、誰かがタオディエンのインター、と言う様な場合は仕方がないのですが・・・
もう一点は、町並みとしてはやや古く、雑然感は7区とビンタン区の中間、といった感じ(だからこそバランスが良いのですが)。7区の様に歩道の整備などが行き届いていないないため、街歩きや自転車の利用は若干疲れるのと、子供だけで遊びに行かせるのにはやや不安があります。
なお、そもそも通学させるインター校がタオディエンでない場合には話が違ってきますので、インター校希望の場合にはまず学校から選ぶというのも手かと思います。
7区(フーミーフン地区):日本人学校と住環境全振り
7区フーミーフン地区もタオディエンと並び、ホーチミンを代表する外国人駐在員多数生息エリアですが、歴史がかなり浅く、ほんの20年くらい前にただの沼地とジャングルの上に新都市が計画・建設されたという経緯から、タオディエンやビンタン区はもちろんホーチミン市の他のエリアと比べても圧倒的に町並みが新しいです。
アパートとしては、日本人学校の隣りにあるMidtownや、ショッピングセンターに近いOakwood、Scenic Valley、Crescentレジデンス、戸建てヴィラのWater Frontなど、外国人ファミリー向け物件の選択肢はホーチミン市内でも一番多いんじゃないでしょうか。
7区フーミーフンの特徴を一言で言うとこんな感じです。
- 日本人学校がある。でもインター校は(タイディエンより)少ない
- 街が新しく住環境最強、緑が多く道路・歩道が綺麗、歩きやすい
- 交通量比較的少なく安全、小学校高学年以上なら徒歩/チャリで遊びに行ける
- ローカル飯屋も適度にあり、かつ綺麗めの店が多い
- 韓国人街がある。日本食の飲食店は(ビンタン区より)少ないがそこそこある
- 都心遠い、まじで遠い
「全然一言じゃないじゃないか!」というツッコミが世界各地からベトナムまで飛んできそうですね・・・自分が住んでいるのでどうしても沢山書いてしまいます。なので更に要約しましょう。
日本人学校近い。
住環境最高。
でも、都心遠い。まじで遠い。
これに尽きるかと。
子供が日本人学校に通うのであれば、真っ先に選択肢に上がるのが7区フーミーフンです。7区は郊外ですが、何しろ日本人学校自体がこの郊外にあるので、通学時間的に7区とそれ以外とでは往復合わせて1時間以上違います。特に学年が上がるほどに部活や習い事などで時間的制約が増えるので、7区の優位性は大きくなります。
そして、住環境はホーチミン市内では飛び抜けて良いです。上で触れた通り、町の成り立ち自体が新しいので当然といえば当然です。街区は綺麗に整い、信号や歩道などもきちんとしています(今でも月に数箇所くらいのペースで信号増えてる)。そのため中学生にもなれば子供たちだけで遊びに行かせるのもさほど不安はありません。
そして、少し前まで沼地だったのが関係あるのか否か、緑も豊富で景観も美しく、単に町を歩いていて気持ちが良いです。
飲食店などの店舗についても、1区ほどではありませんが大きな不便は感じません。Highlands Coffeeなどのローカルチェーンはもちろん、ユニクロもありますし、MUJIもつい数ヶ月前にオープンしました。一風堂ラーメンのベトナム1号店は1区ではなく7区です。フーミーフン自体が一大新興マーケットなので、日系含む有名チェーン店は割と7区を重視しているんでしょうね。
またローカル飲食店などもそこそこあります。フーミーフンエリア自体が新しいので、どちらかというと綺麗めの飲食店が多いため、あまりに椅子が低すぎるド・ローカルは苦手、という方でも安心でしょう。
なお、実はここ1年半ほどで急激に便利になったというのが実感です。筆者がここに引っ越してきた2022年前半はコロナ明け直後で、ゴーストタウンの様な状況でした。その後コロナ明けで小売や飲食が積極的に出店展開してきたんでしょうね。
さて、これだけ読むと「7区マンセー!」という感じがしますが、やはり弱点は、都心から遠いこと。
チェーン店がいくら多いとて、住んでみると物足りないものです。朝夕の通勤時間も(筆者の場合)片道40分程度ですが、気になる方は気になるでしょう(筆者は実はプライベート時間として重宝してるけど)。とりわけ空港は遠く、渋滞時間に重なると1時間半程度かかることもあるので、月1ペースのハノイ出張などの際には若干ウンザリします。
あと、麺ズノンノ掲載を目指す筆者としては、やはりローカル飯の探索がしづらいのが弱点・・・(なので3区へ・・・)。
と言うことで、子供が日本人学校に通う場合には筆頭候補になりますが、そうでない場合にはあえて選ぶケースは少ないのでは、と感じているのが7区フーミーフンです。
再掲ですが、ホーチミン市7区について詳しくはこちらをご覧下さい。
それ以外のエリアはどうなのか?
もちろん上記の3エリアが全てではありません。上記以外のエリアに住んでいる子連れ駐在のご家庭も少なくありません。
1区:ビジネスと観光の中心で利便性を叫ぶ
上のバス停利用者数で4位に付けている1区はどうかというと、Somerset Chancellor CourtやSedonaなどは帯同赴任者は確かに多いですし、何しろ都心オブ都心なので通勤や生活には極めて便利です。
ただ子連れの場合、若干上位3エリアより世帯が少ない理由として考えられるのは、通学に焦点を当てると位置的にやや中途半端なのと、あとはパターンとして、幼稚園までインター校に通わせるためにタイディエンやビンタン区に住んだ後、日本人学校に上がったタイミングで1区を通り過ぎて一気に7区に引っ越すパターンがちらほら見られるんですよね。そのためボリュームゾーンにはならないのかも知れません。
3区:利便性と古き良き町並み
5位の3区も魅力あふれるエリアです。近い将来単身赴任に切り替わった暁の住居として自分の中で最有力なのも3区。都心の1区にも隣接しており、かつホーチミンの中心地なので空港や中華街のある5区、最近フードストリードなどで注目のフーニャン地区などへのアクセスもよい立地の良さがひとつ。麺ズノンノ掲載への道も捗るというものです。
加えて、ローカルの飲食店などが非常に充実している割に町並みがそこまで雑然としておらず、非常にバランスが良い環境なのも魅力です。というのも、実はかつての「サイゴン」という都市は現在の1区と3区に該当するらしく、そのためこの辺りは街区整理が行き届き、比較的ベトナム人の中の高所得者層が住む街、という位置づけだったようです。逆に周囲の旧2区や4区、ビンタン区などは低所得者層が多く住む周辺地域で、その一部が開発されて外国人居住エリアになったという経緯のよう。
ただ、街区自体は整っているものの古いため、エリアによっては一方通行の多さなどによる渋滞はやや気になります。
という、若干ダークホース的な3区ですが、ここはおそらく、子連れというよりも夫婦や単身向けの物件が多いんですね。日本人学校やインター校への通学という点でも少し微妙なので、子連れ赴任で最初に検討するエリアにはなりにくいです。
さいごに
正直こういう記事を書くのは少々気が引けるんですよね。「ホーチミンの全部を分かったつもりかこの唐変木!」などと言われかねませんから。
しかし、全地域に住んだことのある超人などそう居ないので(東京だって分からんし)、それを言い始めたら誰も書けません。そしてせっかくの個人ブログなので、不動産屋さんの美しい情報だけでなく忖度無しで諸々綴ってみました。
色々勝手なことを書き殴りましたが、結局部屋選びなんて内見した瞬間の直感で全てが決まったりしますので、細かいことは忘れてください(爆)実際、筆者も学生時代から数えて部屋探し歴はそれなりですが、どんなに立地や間取り図とにらめっこしても、部屋を見た瞬間に全然眼中に無かった部屋に惚れ込んで決めたりしたことがあります。
なので、本記事の内容は、ネガティブチェック的に
「そう言えばこの観点はどうなんだっけ?」
「この辺も念のためチェックしておこうかな」
という感じで思い出して頂ければと思います。
良いホーチミン生活のお役に立てれば幸いです^^
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