CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (28.4mm, f/4, 1/60 sec, ISO0)
歴史の証人
スリランカの列車は実にゆっくりと進む。コロンボからアヌラーダプラまでの約200kmの距離を6時間近くも使って「駆け抜ける」。
しかしそれはとても快適で豊かな旅だ。かつて大英帝国が島内の紅茶やコーヒーを運ぶために敷設したこの鉄道は今では物静かに旅人を載せ、旧い客車の多少の傷みも歴史の証人として重ねた年月を物語る。そして何より、この国の人々は行きずりの旅行者に対して皆満面の笑みを向けてくれる。これ以上何を望むであろうか。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (25.6mm, f/4, 1/160 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/60 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (16.33mm, f/3.5, 1/30 sec, ISO0)
スコールと青空に南インドを夢想する
時折激しいスコールが天地を湿らせる。窓は建付けが悪く閉まらないので車内まで天の恵みを施される羽目になるが、それすら楽しいイベントのように感じられる。既にビアーを呷りたい気分だ。
刹那、さっと雲が晴れ、青空が広がる。
その風景は東南アジアのそれに極めて近い。植生が似ているのは緯度と気候が近いせいだろうが、民家などの建物も含めた風合いが、インドと言うよりは非常に東南アジア的だ。
しかしそこで筆者は、インドと言っても北インドの景色しか知らない事に思い至った。スリランカと共通のタミル語を公用語として用いる南インドの景色をいつか見てみたいと思った。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/4, 1/640 sec, ISO0)
列車はアヌラーダプラ駅に到着する。駅前はスリランカの世界遺産遺跡群の一角を担う町のそれにしては落ち着いた佇まいである。トゥクトゥクを拾い、予め目星を付けてあった「ホテル・シャリニ」へ向かう。
[2004.9.24]
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