ウイグル族が昔ながらの町並みに住むというカシュガルの旧市街を訪れた。結論から言えば、この旅におけるクライマックスと言えるほどの素晴らしい時間を過ごすことが出来た。
タクシーで旧市街へ向かっていると、やがて窓外に土壁の建物が集まった黄土色の一帯が見えてくる。それがウイグル族が集まって暮らすカシュガル旧市街である。新市街とのあまりの景色のギャップに、まるでそこに国境が引かれておりその向こうは異国の地であるかのような、それも遠い昔のおとぎ話の中であるかのような錯覚を覚える。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (9.2mm, f/4.7, 1/640 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/4.5, 1/640 sec, ISO0)
カシュガル旧市街、それはまるで異国の物語の世界
その旧市街に足を踏み入れる。土壁で作られた住居、迷路のように入り組む細い路地、様々な紋様の石畳やタイルが敷き詰められた地面、ロバ車で瓜を売るオッサン、何をするとも無く窓に座って通りを眺めるオッサン、全てが古い異国の映画か物語の中の風景のようで、いやむしろそれが映画やテーマパークなどの為に作られたものではないということに浪漫を感じる。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/160 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/4.5, 1/640 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/4, 1/320 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/5, 1/640 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/250 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/4, 1/500 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (11.3mm, f/3.2, 1/60 sec, ISO0)
ウイグルの子供達と触れ合う
ほぼ土色一色で統一された旧市街の中で、色とりどりの服を着た子供達の姿は余計に鮮やかに映る。笑いかけながらカメラを向けるとおどけた顔をしてくれたりこちらに手を振ってくれたりする。彼ら彼女らは今頃どうしているのだろうか。その事を考えると憂鬱になる。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (19.2mm, f/3.7, 1/100 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (14.2mm, f/4.6, 1/250 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.81mm, f/2.9, 1/80 sec, ISO0)
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/200 sec, ISO0)
なお、旧市街観光の際には町の入り口で入場料を取られ、ガイドを頼むことになる。正直なところ自由にあるき回りたかったが、町並みの保護などの理由があるのだろう。学生だという男性ガイドはとても人が良かったし、ウイグルの人々の慣習などがよく分かったのでこれは良しとしよう。
そして、ウイグル人はこのガイド君に限らず、非常に愛想が良い。それも、ここが中国であることを忘れさせる要因の一つであろう。子供達はとても人懐こく、大人も笑顔が素敵である。そういえば、ウイグル人のタクシードライバーが、こちらが日本人であることを知り、笑顔で自分の車を叩きながら、
「ジャパン・カー、 ベリー・ストロング!」
と言ってくれたこともあった。漢民族の人々にそのような愛想を振りまかれた記憶はあまりない。ただしその車は残念ながら「ジャパン・カー」ではなく旧式のフォルクスワーゲン・サンタナだったのだが・・・。
そういった事もあり、カシュガルに来たのは実に大正解であったと言う思いを新たにした。
イスラム料理店「TURAN」で「シシカバブ」と対面
19時半頃まで宿で休み、デリケートな胃腸をいたわりつつ、その後晩飯にでかける。向かったのは、フロントのウイグル人のお兄さんに「イチオシだ」と教えてもらった、「TURAN」というイスラム料理屋。
地味な外観から想像もつかないような豪華な内装に一瞬腰が引けたが、メニューを見ればとてもリーズナブルである。店員はまたしても英語が通じずに苦労する一面も多々あったが、料理は非常に美味であった。
そして、ここで生まれて初めて「シシカバブ」というものを賞味する。名称だけは何故かずっと以前から聞き知っていたが、実物にお目にかかるのは初めてではないだろうか。
「シシカバブ」は果たして実に美味であった。無駄に長い鉄の串にしゃぶりつく格好もまたワイルドで良い。どうも「シシカバブ」とは「ケバブ」の一種であり、串を意味する「シシ」に刺さったケバブの事であるようだ。
その他、肉と野菜が詰まった「焼包子」などのウイグル料理などをいただく。
ただし、イスラム料理なのでアルコールは置いていないのが残念で仕方がなかった。逆に言えば、いずれもビールが非常に恋しくなる、パンチの効いたとても美味なる品々であった。総じて、本格的なイスラム料理をリーズナブルに楽しむには実にオススメの店である。
CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/8 sec, ISO0)
若干調子に乗って食べ過ぎ、相方は久々の本格的な食事ということもあり、宿でダウン。筆者も満腹超過である。今宵これから、〆の新疆ビアーが飲めるかどうか、胃袋との交渉が難航しそうである。
(2006年9月14日)
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