カシュガル/敦煌

北京・胡同・后海 | 敦煌・カシュガル旅行記【国境のカオスが好きだ。】

「中国南方航空」という聞き慣れない航空会社名に出発前は戦慄を覚えていたが、機体は何事もなく正午過ぎの北京国際空港に降り立った。前年ビエンチャンにて結婚を申し込み、正式に夫婦となって初めてのバックパック旅はこうして幕を開けた。なお、単なる海外旅行という意味では入籍後にハワイ挙式を行ったため二度目となる。

初日の今日は北京に宿をとり、明日以降、中国西域に踏み入る算段である。細君も筆者も、西域は初めてであるが、北京は身に覚えがあるためさほど緊張感はない。緊張感がないどころか細君などは、機内の8割ほどの時間(3時間ほど)を寝倒したにも関わらず、中国大陸の大首都の喧騒の中で「眠い、眠い」を繰り返すという大物ぶりである。

北京駅 旅行記

CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/4, 1/500 sec, ISO0)
北京駅。大陸的なスケールの大きさを感じる。

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エアポートバスで中華の息吹を浴びる

空港から市内まではエアポートバス(16元、1元=約15円(当時))を利用したのであるが、これがなかなか中国の特徴を端的に表していて秀逸な乗り物であった。

まず、座席の間隔が異常に狭い。従って乗客は皆、約50分間に渡り座禅の如く背筋を直立させた好姿勢で臨むことになる。これは約13億といわれる中国人民の膨大な人口を象徴するものであろう(適当)。

次に衝撃を受けたのは、車内アナウンスに施された驚くほどのエコーである。車内アナウンスといっても美声の小姉(シャオジエ)がガイドをしているわけでも無く、運転手の枯れ気味のオッサンが時折停留所の名称を簡潔に述べるだけにも関わらずである。しかもそのエコー量が尋常ではない。停留所名そのものの長さよりも、エコーで共鳴している時間の方が長いといっても過言ではない。

これは中国の人々の派手好きな嗜好を反映しているに違いない。かつて筆者が聞いた話では、中国の消費者が携帯電話を選ぶ際には、本質的な機能が高度であることよりも外見が豪華絢爛であることを重視する傾向があるという。その性向からすれば、停留所名よりもエコーの共鳴時間の方を長くする事に得心が行く(適当)。

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王府井の中国語表記を愛でる

そのように到着早々中華四千年の息吹を浴びた我々は最繁華街である王府井の宿でチェックインを済ませ、ブラブラと市内見聞をして歩く。王府井の目抜き通りをサッと見渡しただけで、面白そうなものが怒涛のように視界に入ってくる。

北京 王府井 敦煌 カシュガル 新疆ウイグル自治区 旅行記CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/4.5, 1/640 sec, ISO0)

何しろ、漢字表記が面白い。北京語の読み方は分からないが、日本人でも何となく想像が出来る。

「スーパーマーケット」がそのまま「超市」だとは思わなかった。

北京 超市 旅行記CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/3.2, 1/250 sec, ISO0)

こちらはロレックス。ろうりきし・・・ろうりっきし・・・ろうれっくす・・・ロレックス・・・

北京 王府井 ロレックス 旅行記CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/200 sec, ISO0)

マクドナルドはバクトウロウ。

北京 王府井 マクドナルド 旅行記CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (9.2mm, f/4.7, 1/500 sec, ISO0)

キヤノンはカノウ。ケンタッキーはコウトッキ。

北京 王府井 キヤノン KFC 旅行記CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/4, 1/640 sec, ISO0)

コカ・コーラはカコ・カーラク(可口可楽)!

北京 コカ・コーラ 旅行記CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/125 sec, ISO0)

タグ・ホイヤーは・・・ゴウガヒョウ??やや難易度が高い。

北京 王府井 タグホイヤー 旅行記CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (11.3mm, f/4.9, 1/640 sec, ISO0)

この様な建造物もあった。途中で「やっぱや〜めた」と放置されてしまった残念な歩道橋の階段である。

北京 歩道橋 旅行記CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/3.5, 1/250 sec, ISO0)

北京にもトゥクトゥクの様な三輪バイクタクシーがあったが、デザインはかなり渋めである。

北京 三輪タクシー 旅行記CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/125 sec, ISO0)

「成人保健」という看板の店舗をしばしば見かけるが、これは何となく想像できる通り「大人のオ○チャ」屋さんであるという。大変地味な見た目なので間違えて出張で女子社員などを伴って入ってしまわないよう注意が必要である。

北京 成人保健 旅行記CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/160 sec, ISO0)

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后海エリアの胡同

さて、北京観光の目玉として考えていた后海(ホウハイ)エリアの胡同(フートン)見物に出かける。后海エリアは旧い町並みの保存地区になっており、胡同と呼ばれる北京の昔ながらの風情ある町並みが残っている。胡同ならではの風情は四合院とよばれる木造の建物に見られ、屋根や門などの造詣に情趣が感じられる。

そもそも「胡同」とは固有の地名ではなく、所謂「路地」というような意味の一般名詞で、実は北京の町じゅうに胡同はあるのだが(北京最大の繁華街である王府井の宿も「甘雨胡同」という名前の路地にある)、多くの胡同は開発が進んでしまい、后海地区など一部のエリアを除いては古き良き北京の面影は見られないのである。

北京 胡同 旅行記CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/125 sec, ISO0)

北京 胡同 旅行記CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/15 sec, ISO0)

北京 胡同 旅行記CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/25 sec, ISO0)

北京 胡同 旅行記CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/10 sec, ISO0)

北京 胡同 旅行記CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (14.2mm, f/3.4, 1/40 sec, ISO0)

北京 胡同 旅行記CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/125 sec, ISO0)

北京 胡同 旅行記CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (28.4mm, f/4, 1/8 sec, ISO0)

北京 胡同 旅行記CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (23.4mm, f/3.9, 1/80 sec, ISO0)

北京 胡同 旅行記CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (28.4mm, f/4, 1/60 sec, ISO0)

北京 胡同 旅行記CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/125 sec, ISO0)

北京 胡同 旅行記CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (28.4mm, f/4, 1/40 sec, ISO0)

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夕暮れの后海と名店・四川飯店

胡同の渋み溢れる町並みに夕暮れが訪れる頃、后海(湖である)沿いのバー・ストリートに明りが灯り、賑やかになってくる。

北京 后海 旅行記CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (9.2mm, f/4.2, 1/320 sec, ISO0)

北京 后海 旅行記CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/40 sec, ISO0)

我々の食欲も盛り上がってきたところで、后海から程近い「四川飯店」というありがちな店名の名店で腹を満たすことにする。ありがちな店名の名店であるが、雑誌「るるぶ」にも掲載されているほどの名店の店名である(ちょっと自分でも何を言っているのか分からなくなってきた)。

取るものも取り敢えず、「北京啤酒(Beijing Beer)」で乾杯する。

北京 后海 四川飯店 北京ビール 旅行記CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/8 sec, ISO0)

嗚呼、真実の麻婆豆腐とはこのような味なのか。

北京 后海 四川飯店 麻婆豆腐 旅行記CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/8 sec, ISO0)

嗚呼、真実の餃子とはこのような味なのか。

北京 后海 四川飯店 蒸し餃子 旅行記CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/8 sec, ISO0)

嗚呼・・・この料理の名前を忘れてしまった・・・

北京 后海 四川飯店 旅行記CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/8 sec, ISO0)

「燕京啤酒(Yanjing Beer)」という銘柄のビールも頂いた。「燕京」というのは北京の旧い別名であるという。

北京 后海 四川飯店 北京ビール 純生 旅行記CASIO COMPUTER CO.,LTD EX-P600 (7.1mm, f/2.8, 1/8 sec, ISO0)

それにしても、嗚呼、本当に美味い物を食うとビアーはこのようにスムーズに五臓に流るるものなのか。もっとも、ビアーがスムーズに五臓に流れなかった事の方が少ない気がするが。

そういえば「四川飯店」には日本語を話せるオッサンがいて、いろいろ親切にしてくれた。謝謝である。

他にも多様な美酒を堪能し軽く酔拳を繰り出せるほどの状態となったため、宿で酔い醒ましの北京啤酒を2本購入して部屋に持ち込むことにした。明日は4時起きである。待っておれよ、遥かなるシルクロード。

(2006年9月9日)

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