こんにちは。ベトナム赴任生活も4ヶ月目に入った10max(@10max)です。
10月ですね。日本はもう秋ですか・・・ホーチミンは今日も真夏の雷雨です(笑)
さて、今日は最近ようやく慣れてきたベトナムのお金の使い方のお話です。ベトナムドンについて知っておくと便利な円換算方法や数え方、旅行者が戸惑いがちなポイントなどをご紹介したいと思います。
アジア各国の通貨の中でも特にとっつき難い変態的通貨「ベトナムドン」。最初の頃は鬼のように多いゼロの数やバラバラな表記方法など全てが意味不明過ぎておよそ人の世の通貨とは思えず、日々騙され続けているのではないかと恐れていましたが、実はそうでは無いことが分かってきました(当たり前)。
なお、ここ数年でキャッシュレ決済も一気に普及しています。その辺りについては下記記事を御覧下さい。
ベトナムの通貨の基本知識
まずはベトナムの通貨と紙幣の基本を押さえておきましょう。
ベトナムの通貨単位:「ドン」
ベトナムの通貨といえば「ドン」です。「ドンドコドン」の「ドン」、あるいは「ドンタコス」の「ドン」と覚えても良いと思います(決して強制はしません)。
ドンは漢字の「銅」から来ており、ベトナム語では「đồng」と書きます。ご存知の方も多いと思いますが、ベトナム語の多くは中国語を起源としていますからね(という様な話をベトナム人にする時は気を使いますが)。
実際にはベトナムでは「Đ」「đ」「VND」などと表記されます。ちなみにベトナム語では「D」/「d」と、ヒゲの生えた「Đ」/「đ」は違う文字です(発音も違う)。
大体200ドン≒1円
ベトナムドンの円換算やドル換算について、まずは細かいことを抜きにして概ね以下のイメージで覚えておきましょう。
- 200ドン≒1円
- 2万ドン≒1ドル
上記は1VND≒0.005JPYという長年続いてきた相場を前提にしていますが、例えば本記事執筆時点の激烈円安基調のドン円レートは概ね1VDN≒0.006JPYなので、上記をベースで計算した後で2割ほど増しておけばより正確な円換算となります。
とは言えこれではまだパッと計算しにくいので、後で筆者のような数字に弱い人向けの計算方法もご紹介します。
ベトナムの紙幣の種類とデザイン
2022年現在ベトナムで実質的に流通している紙幣は以下の9種類です。
- 千の単位:1,000VND / 2,000VND / 5,000VND
- 万の単位:10,000VND / 20,000VND / 50,000VND
- 10万の単位:100,000VND / 200,000VND / 500,000VND
千、万、10万のそれぞれの頭に1,2,5が付いた紙幣が発行されている形です。
実は百、2百、5百ドン紙幣や硬貨も存在はするのですが、4ヶ月近くホーチミンで生活していてほぼ見たことがないので、実質的に流通しているのはこの9種類と思って頂いて良いと思います。
ではそれぞれの紙幣のデザインを見ていきましょう。まず最初にお伝えするのは、
「全ての札において表面にはホーチミンおじさんの顔が描かれている」
ということです(笑)
そしてこのホーチミンおじさん、カメラを向けるとばっちり顔認識どころか瞳認識までする程の精巧さでしたw(いやここはソニーを褒めるべきか^^;)
Apple iPhone 12 Pro (4.2mm, f/1.6, 1/45 sec, ISO100)
千の単位:千〜5千ドン紙幣
ではそれぞれの紙幣を見ていきます。まずは1,000ドン、2,000ドン、5,000ドン紙幣。
表面は皆ホーチミンおじさんですが、裏面はそれぞれ絵柄が異なります。Wikipediaで調べたところ、それぞれ下記がモデルだそうです。
- 1,000ドン紙幣:タイグエン省の象による木材運搬
- 2,000ドン紙幣:紡績工場
- 5,000ドン紙幣:ドンナイ省のチアンダム(水力発電)
どういう理由でこれらの絵柄を選んだのかは気になるところです。
万の単位:1万〜5万ドン紙幣
次に1万ドン、2万ドン、5万ドン紙幣。上の千単位の紙幣は紙製ですが、これより上はポリマー紙幣と呼ばれる樹脂系のツルツルした素材で製造されています。
同じくWikipediaによると、それぞれ下記の絵柄だそうです。
- 10,000ドン紙幣:バクホー油田
- 20,000ドン紙幣:ホイアンの来遠橋(日本橋)
- 50,000ドン紙幣:フエの皇宮のフーバン(敷文)楼とグエンルオン殿
日本にも縁深いホイアンの遠来橋が採用されているのは嬉しいですね。
10万の単位:10万〜50万ドン紙幣
次に10万ドン、20万ドン、50万ドン紙幣。これが現時点の最高額紙幣です。というかこれ以上ゼロの数が増えたら泡を噴いて卒倒してしまいそうです。
裏面はそれぞれ下記の絵柄だそうです。
- 100,000ドン紙幣:ハノイの文廟のクエヴァン(奎文)閣
- 200,000ドン紙幣:ハロン湾の香炉岩
- 500,000ドン紙幣:ゲアン省ナムダン県キムリエン村にあるホー・チ・ミン生家
やはり最高額紙幣には来ましたね、ホーチミンおじさん縁の地が(笑)
参考:200ドン紙幣と500ドン硬貨
なお、現在では硬貨や100ドン単位の紙幣は実質的に流通していないようだ、と先程申し上げましたが、職場の前任者の引き出しを片付けていたら200ドン紙幣と500ドン硬貨を発掘しました。今でも地方に行くとたまに見かけることがあるようですが、貴重な存在です。
100ドン単位のお金は見つけたら取っておくと良いことがあるかも知れません(笑)
ベトナムドンの円換算方法
まず覚えておきたいのは頭の中でパッと円換算する方法。市場や乗り物の料金交渉をする場合やレストランで食事や飲み物を注文する際にこれが出来ると非常に便利です。
①ゼロを2つ取って2で割ると大体日本円
一番簡単な円換算の計算方法としてはこれを覚えておきましょう。
「後ろのゼロを2つ取り除いて2で割るとだいたい日本円」
例えば、
60,000ドン→(ゼロを2つ取って)→600→(2で割って)→約300円!!
てな具合です。覚えてしまえば実に便利!
②(応用編)ゼロを3つ取って5倍すると大体日本円
参考までにもう一つご紹介するのが、「ゼロを3つ取って5倍」という円換算方法。
「いやいや5倍なんて面倒な・・・」
と思われると思いますが、実はこの後申し上げる通りベトナムでは1000の単位を省略して、
60,000ドン→「60k」などと表記したり言ったりする事が多いのです。
その場合、「k」は「000」を意味するので、そのまま60kの「60」に5を掛けて約300円、という計算が出来ます。
ただ、数字に激弱な筆者は例えば「27k」とか言われても「どっちの換算方法の方が簡単かな・・・」なんて考えているうちに日が暮れてしまいそうなので結局上の方法しか使ったことはありません^^;
SONY ILCE-7C (28mm, f/2.8, 1/30 sec, ISO125)
ベトナムドンの「千の単位以下」は省略される
ベトナムに来てお金を払う時などに最初に戸惑うのが、「千の単位(お尻の000)が省略されてるっぽい」事によるものです。
例えばタクシーに乗ると、下の写真のようにダッシュボードのメーターに大きな3桁の数字(下で言うと「128」)が表示されており、その右の方にも小さな数字(000)が表示されていて、「128ドン」なのか「128000ドン」なのかよく分からない、という場面に出くわします。
実はベトナムでは一般的に千の単位を省略して表記したり言ったりする事が多く、この場合は「128千ドン」という意味になります。上のタクシーの場合、よく見ると左下のタクシードライバー用のスマホには「128.000」と表示されていますね。
例えば実際にカフェでコーヒーを注文したりすると
「60(シックスティ)」
などと言われる事が多いですが、これは「60kVND=60,000ドン」のことです。
一瞬「えっ?60ドン!?安過ぎあざす!!」などと額をストリートに激突させるほどお礼のお辞儀をしてしまいそうになります。
もちろん冷静に計算すると「60ドン」だとしたら1円未満なので、流石に物価の安いベトナムでもそれはあり得ない事に気付きますが、咄嗟の場合や相場の分からない買い物だと戸惑ってしまいますよね^^;
様々な「千の単位以下」の省略の仕方
しかも更にややこしいのが、千以下の省略の仕方が様々だということ。
例えば上のタクシーのスマホ画面を見て頂くと、「128.000」という風に「128」と「000」の間が「,」(カンマ)ではなく「.」(ピリオド)で区切られています。
下のレストランのメニューでも、やはり「68.000」などとピリオドで区切られています。
Apple iPhone 12 Pro (4.2mm, f/1.6, 1/110 sec, ISO32)
日本人の感覚だと千の単位を区切る時には「128,000」だとか「68,000」という風にカンマで区切るのが一般的ですが、ベトナムでは区切りという感覚というより文字通り「000」は省略(小数点以下扱い)として考えているフシがあります。
「ピリオド」以外にも「k」で省略されるケースもあります。「k」が「キロ=1000」を意味する事は日本人でも知っているので、むしろこれは馴染みやすいですね。
Apple iPhone 12 Pro (6mm, f/2, 1/100 sec, ISO64)
最もハードコアなやり口は、千以下を完全に何も表記しないというやつ。下はベトナムで最もポピュラーなカフェ、HIGHLANDS COFFEEのメニューです。潔すぎて鼻血も出ません。
Apple iPhone 12 Pro (6mm, f/2, 1/50 sec, ISO250)
ではグローバルなカフェの代表選手、世界のスターバックス様ではどうでしょう・・・まさかスタバ様までベトナム式に・・・?
安心して下さい!スタバ様はちゃんとグローバルスタンダード「カンマ区切り」方式でした(笑)やはりドヤりたい時は安心のスタバです!しっかしスタバはベトナムでも高えなあ。
Apple iPhone 12 Pro (6mm, f/2, 1/100 sec, ISO160)
千の単位は割とよく切上げ・切捨てられる
さて、ここまでは千の単位以下の「000」が表記されない事が多いというお話でした。
しかしそれだけではなく、現金払いの場合、1万ドンよりも小さい額については結構適当に切り捨てたり切り上げたりされる事がよくあります。
特に現金払いのタクシーやフードデリバリーのバイクのお兄ちゃんに現金で支払う際などはそういう事がしばしばあります。
例えば料金が「8万4千ドン」で「10万ドン」を渡すと、お釣りが1万ドンしか返ってこない事も有れば、逆に2万ドン渡してくれる事もあります。
つまり、数千ドンのお釣りをぼったくられるとかそういう話ではなく、単に千単位の紙幣を丁度持ち合わせていないためか適当な性格のためか(あるいはその両方の理由で)、結構適当に切り上げ・切り捨てられる事が多い様です。
ベトナムドンは「●万」ではなく「●●k」で数えよう
ここまでのお話を鑑みると、ベトナムでは日本式に「●万ドン」と数えるよりも「●●k(千)」という単位でお金を数えた方が何かと便利そうです。
というのも、上で触れた通りベトナムでは千の単位を省略して「●●k」などと表すことが多いのと、やたらゼロの多い紙幣の金額を読み取るためには「000」の区切りのピリオドを目印にすると識別しやすいという事もあるためです。
例えば下の500,000ドン紙幣であれば、「えっと、ゼロがひい、ふう、みい、5個あるから・・・」とかやるよりも、ピリオドの前だけを切り取って「500k」と認識してしまえば請求額ともすぐに比較出来ます。
SONY ILCE-7C (50mm, f/8, 1/50 sec, ISO2500)
まあ日本人同士だとどうしても「昨日の飲み代、何万ドンだっけ?」などと言ってしまいがちなんですけどね^^;
ベトナムでのクレジットカード・キャッシュレス決済の普及状況と注意点
ここまでベトナムドンの現金の使い方の話をして来ましたが、最後に少しだけベトナムにおけるクレジットカードなどのキャッシュレス決済の普及状況に触れておきますね。
一言でいうと、ベトナムでもキャッシュレス決済はかなり普及しています。
クレジットカードは勿論、日本のPayPayやLINE Payの様なQRコード決済もどんどん普及しており、例えばファミリーマートのようなメジャーなコンビニ、AEON等のモールやスーパー、それ以外のベトナム国内資本のチェーン店舗やレストランでも大体クレジットカードを始めとするキャッシュレス決済が利用可能です。
実はコロナ前の2018年頃にはコンビニに決済端末が置いてあっても実際には店員が使い方を知らない、なんて状況があったのですが、ここ数年で急激に使えるようになりました。
その辺りについて詳しくは下記を御覧下さい。
現金はやはり必要&VISA・Masterが無難
ただし、いくつか注意点があります。
まず、ある程度ベトナムを満喫するには今でも現金は必要です。
クレジットカードなどが利用可能なのはあくまでもホーチミンなどの都市部のモダントレードと呼ばれる近代的なチェーン店などが中心であり、地方や、都市部でもローカルの食堂や商店では現金オンリーの場合が多いです。
またクレジットカードを利用する場合でも、VISAかMasterカードが無難です。ホテルでも、中級ホテル以下ではAMEXやダイナースなどは使えないことが多いので気をつけて下さい。もっと言うとレストランなどではMasterカードすら使えないところがしばしばあるので、最強なのはVISAです。
さいごに
ということでベトナムのお金事情についてご紹介しました。
アジア諸国の中でも特にとっつきにくい「ベトナムドン」という通貨に対する抵抗感を少しでも減らして、ベトナムの魅力を満喫して頂ければ幸いです。
などと言いつつ筆者も未だに桁を間違えて支払ったりしてますけどね・・・でもベトナム人は優しい人が多く、一桁多い紙幣を渡してもそのままボッタクったりせずにちゃんと教えてくれるので、ついつい油断してしまいます(笑)
ではでは良きベトナム時間を過ごして下さい。
SONY ILCE-7C (28mm, f/5, 1/30 sec, ISO400)
コメント
ベトナムの電子決済は、クレカ対応と言いながら現地発行のカードじゃないと使えないケースがほとんどですが、こちらで口座を作ったのでようやく使えるようになりましたが、面倒なので結局口座開設した時に発行されるデビットカードを使うのが一番楽ですね。
電子決済アプリを英語に変えても、割引情報全てベトナム語ですし。
そうですね、銀行発行のカードと、あとはアプリのQRコード決済が一番使いやすいですね。
今ではMomoなどよりそちらの方が普及して、ジュースの屋台やパパママショップでも使えるようになって来ましたし。