こんにちは。間もなくベトナム在住半年が過ぎようという10max(@10max)です。
元々バックパックでアジアを回っていた筆者は、駐在開始当初よりローカルベトナム飯ばかりをバカみたいに食べており、母なる大地により近いプラスチック風呂椅子のローカル飯屋に興奮していたド変態マニアアジア大好き人間でした。
そんな筆者に対して
「10maxは椅子が低ければ低いほど喜ぶ」
と言う輝かしい評価が定着しつつある一方、一部の駐在員仲間は当初、
「まあ最初はみんなベトナム料理食べたいって言うんだよね〜」
「でも3ヶ月もしたらみんな飽きるんだよね〜」
などと苦笑交じりに言ったものです。
しかし蓋を開けてみれば3ヶ月どころか半年経ってもローカル飯熱は収まる気配を見せず、むしろ益々変態度知的探求心は高まるばかり。
そのきっかけは、ベトナムで暮らすうちに、まだまだ全然知らないベトナムローカル飯の世界が存在することに気付き始めたからです。これを「沼」と呼ぶのであればどんどん沈んでいきたいものです。言わば言え、ド変態と。
ローカルベトナム飯屋にも美味い店と「超美味い店」がある
「ベトナム料理は美味い」
その通りです。
辛すぎず、油っこ過ぎず、出汁をよく取るベトナム料理は日本人の舌によく合うため、ハズレが少なく大概美味しいです。実際、出張などでベトナムに来ていた頃や住み始めて間もない頃は、何も考えずに立ち寄ったその辺の店のフォーを食べただけで感動していました。(もちろんそこには「旅」スパイスも働いていた事と思いますが)
しかし、ベトナムに住む様になってから少しずつ気付き始めたのです。
「ローカルベトナム飯屋にも、普通に美味い店と、めちゃくちゃ美味い店の二種類がある」
という当たり前過ぎる真実に。
※なお、不味い店にはあまり出会ったことがないので上記の2種類です。
まあ当たり前っちゃ当たり前なんですが、ここで言っているのはストリートに折り畳み式テーブルとプラスチック風呂椅子を出しているようなローカルベトナム飯屋の話です。そんなのどこだって大して変わらないと思うじゃないですか。
しかしどうもそうじゃないんです。
Apple iPhone 12 Pro (4.2mm, f/1.6, 1/320 sec, ISO32)
美味いローカル飯屋はベトナム人に聞くべし
そんな事を思い始めたきっかけはまだ家族がベトナムにやって来る前、毎週末一人で暇なためベトナム人の知人のバイクに乗せてもらってお薦めのローカル飯屋を開拓した経験でした。
彼/彼女らが教えてくれる店は当然ながらガイドブックにも載っていなければ、日本人のブログなどでも紹介されていません。
でも、どの店もめちゃくちゃ美味い!
それらのベトナム人お薦めの店は、何も考えずにふらりと立ち寄った店よりも確実に美味いのです。
かつて沢木耕太郎先生の「深夜特急」を信奉して旅を始めた筆者は、その影響を多分に受け、「ふらりと立ち寄った店にこそ素晴らしい出会いはある」と考えていました。
しかし、その深夜特急的フィロソフィーは、旅の道中「ガイドブックに載っている店に行ってもろくな事はない」という点においては未だ揺るがないのですが、一方で、その地に在住するローカルの人々が薦める店には敵わない、と言うことを知ったのです。
安くて美味い食事へのこだわりが半端ないベトナム人
ところで、ベトナム人は「ご飯を食べる」という行為を実に大事にしている模様です。
最初にそう思ったのが、ベトナム特有の挨拶の言葉を知った時。
ベトナム語で「こんにちは」の事を「xin chào」などと言いますが、他にこんな言い回しもあるのです。
「ăn cơm chưa?」
これは直訳すると「もうご飯食べた?」という意味で、ニュアンス的には「How are you?」に近いのかな。
つまりベトナム人は「調子はどう?」と尋ねる代わりに「ご飯を食べたかどうか」を気にかける民族なのです。
そして、ベトナム人の食への拘りを感じるもう一つの理由が、風で吹き飛びそうなほどボロボロなめちゃくちゃマニアックなローカル料理屋の事を本当によく知っている、と言うことです。
しかも、自分の職場や地元の周辺エリアだけでなく、色々な地域のそうした店の事を知っているのです。例えばホーチミン市と一言で言っても決して狭くは無いのに、隣の区などのお薦め店を訊いても大概何個かは教えてくれるのには驚きます。
そして実際にそこへ行ってみると、看板の字もハゲハゲでどれがその店なのかもよく分からない、店頭でおばちゃんが地味に調理しているだけにしか見えないマニアックなローカル店なのです。
「なんでこんな店知ってるんだよ!最高かよ!」
とドリアンの角(つの)で突っ込みたくなります。
そして彼らが教えてくれる店は当然ながら「安い」。
彼らの収入水準を考えれば、高級料理店よりも「安くて美味い店」への評価が高くなるのは自然です。
なので当然の帰結として、日本人からすると
「こんなにボロくて(失礼)安いのに、美味い!!」
というギャップ萌えが発生する事になるのです。
それほどに日常的に食を重視するベトナム人がお薦めしてくれるローカルベトナム料理屋が、美味くない筈がありません。
日本語で検索出来る情報はたかが知れている
そしてこれは当たり前のことですが、インターネット上で日本語で得られるベトナムローカル飯屋の情報は非常に限られています。
そもそも日本人は日本語のサイトやブログを参照し、そこで知った店を訪れ、その経験をさらに日本語でブログやSNSなどで発信するため、日本語で検索する限り同じような情報の再生産が繰り返され、Googleはそうした似たような情報を上位に並べる事になります。
例えば、下の写真はベトナム人の同僚に連れて行って貰ったホビロン(孵りかけのアヒルの卵)を出す屋台ですが、これはもはや店と呼べるかどうかすら怪しく、名前すらも分からない(というか、恐らく無い)ため、日本人のみの情報網では中々辿り着く事が出来ません。
もちろんベトナム人からこうした情報を得ている日本人も少なくはないのですが、だったら直接ベトナム人に聞いた方がずっと情報量は多い訳です。
半年くらいで飽きていられないベトナムローカル飯
と言うことで(どういう事だ)、どこも同じ様なもんだろうと思っていた屋台の様なローカルベトナム飯屋にも、知れば知るほど深い世界があるという深淵な事実を知ってしまった今や、飽きただなんて言ってられません。
逆にこんな世界を知らずにベトナム駐在を終えてしまった外国人もきっと少なくないのだろうと思うにつけ、筆者はこれほど早々に沼に入り込む事が出来たのは本当に幸運だったと思います。
きっと筆者は周囲のベトナム人達に
「ローカル飯食べたい、ハァハァ。風呂椅子大好き、ハァハァ」
とヨダレを垂らしながらアピールしていた事が奏功して、教えてくれる素地が出来たのでしょう(安心して下さい、ヨダレはちゃんと拭きましたよ)。
カメラのレンズ沼と違って、沼に沈んでもお財布に優しいですし、どんどん沈んでいきたいものです。言わば言え、ド変(以下自粛)。
「そんな事言われたってベトナム人の友達なんてそんな簡単に出来ないワイ!!」
と言うツッコミが入りそうですよね・・・。
と言うことで本ブログでは、筆者が人柱となり、出来るだけ多くの「ベトナム人に教えて貰ったドローカルベトナム飯屋」に足を運んでご紹介して行きたいと思います。
幸いにして筆者が勤務する会社は日本人社員は3人だけで後の400人近くは皆ベトナム人なので、情報には事欠かない気がしています。
どうぞお楽しみに^^
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