前回の記事で、ホイアンの最大の魅力は古き良き中華を感じられる町並みである的な事を申し上げたが、そうした町並みを作り出す華僑建築の風情をより満喫するなら、実際に中に入ってみるのが一番だ。
また、かつてホイアンに存在した日本人町を象徴する「来遠橋(日本橋)」も忘れてはならない。
本記事ではそれらホイアンを代表するノスタルジックで美しい建築たち(来遠橋、福建会館、クアンタンの家、フーンフンの家)を文字を打つのが面倒なので読者の想像力を掻き立てるために写真多めでご紹介したい。
なお、それらの建築物への入場は有料の観光チケットが必要となるため、観光チケットの売り場などについては前回の記事を御覧頂きたい。
来遠橋(日本橋)
来遠橋は別名「日本橋」とも呼ばれ、かつてホイアンで栄えた日本人町と中華街を結ぶ位置に架けられた橋で、1593年に日本人によって建築されたと言われる。
「来遠橋」と言う名は、論語の「朋あり遠方より来たる、また楽しからずや」と言う一節が由来と言われているらしいが(by Wikipedia)、祖国から遠く離れたこの町で暮らす日本人達の心境を表している様にも想像されて趣深い。というか、そっちが本当の理由で良くない?
SONY ILCE-7C (28mm, f/8, 1/60 sec, ISO100)
ただ、少なくとも現在の来遠橋の姿からはそれほど鎖国前の日本の橋の風合いが感じられない。
例えば、屋根がある点も日本らしくないし、橋梁が石造であるのもらしくない。オリジナルの橋は日本人の手によるものだったのかも知れないが、その後色々手が加えられて今の形になったという説もあるようだ。
いずれにしても、日本、中華、ベトナムの歴史と文化が融合したものが今に残っていると言うだけでLARUEビールを5本くらい飲めてしまいそうである。
SONY ILCE-7C (37mm, f/3.2, 1/1000 sec, ISO100)
SONY ILCE-7C (20mm, f/2.8, 1/30 sec, ISO125)
SONY ILCE-7C (72mm, f/4, 1/125 sec, ISO100)
橋には犬の木像があった。何かと思い調べてみると、この橋が戌年に完成した事に因んでいるようだ。なお、反対側には猿の像があるが、これは建築開始が申年だったためらしい。割と芸が細かい。
SONY ILCE-7C (20mm, f/2.8, 1/30 sec, ISO800)
来遠橋は通行だけなら無料、中の寺院のみ有料
なお、来遠橋は通行するだけなら無料である。
橋の中に小さな祠のような寺院があり、そこに入る際にのみ観光チケットが必要になる。
祠の中に入ってみたところ、下の写真の様な祭壇に加え、この橋の古い写真などが飾られていた。正直な所、お金を払ってまで見るものがあるかというと微妙である。
ちなみにこの橋にはこの寺院の存在により「Chùa Cầu(=橋寺)」というもう一つの別名がある。
SONY ILCE-7C (20mm, f/3.5, 1/30 sec, ISO1250)
日本橋(来遠橋)のアクセス
福建会館
福建会館は18世紀に福建省出身の華僑によって建造されたと言われる寺院兼集会所だ。
ピンク色のド派手なデザインはどこか沖縄の首里城を彷彿させる。そういえば首里城が赤い色になったのも18世紀の再建の際と言われているので、その頃はこうしたカラーリングが流行っていたのかも知れない(適当)。
SONY ILCE-7C (28mm, f/3.2, 1/2500 sec, ISO100)
SONY ILCE-7C (28mm, f/4, 1/1000 sec, ISO100)
SONY ILCE-7C (53mm, f/4, 1/640 sec, ISO100)
狛犬!?超リアル・・・!!
SONY ILCE-7C (200mm, f/5.6, 1/640 sec, ISO100)
・・・と思ったら歩き出したので本物の犬だったわん。
SONY ILCE-7C (28mm, f/7.1, 1/200 sec, ISO100)
中国寺院で良く見られる螺旋線香。上から煙が降りてくる感じが幻想的かつ心地よい。
SONY ILCE-7C (20mm, f/8, 1/30 sec, ISO160)
ものすごい音量で歌のようなものが流れていたのでお経か何かかと思ったら、このおじさんがYoutubeを見ていた音だった。
SONY ILCE-7C (103mm, f/7.1, 1/125 sec, ISO4000)
道教の最高神、天后聖母。海難事故から守ってくれるとされる。貿易港に相応しい。そしてとても目が寄っている。
SONY ILCE-7C (64mm, f/4, 1/80 sec, ISO1000)
なおこの福建会館は仏教寺院であるが、ベトナムでは仏教と道教が同じ寺院で祀られる事が多いらしい。
下の船の模型には豚が彫られていた。ご利益があるかどうかは分からないが前向きになれそうである。
SONY ILCE-7C (54mm, f/4, 1/60 sec, ISO2500)
境内には盆栽のようなものがあった。
SONY ILCE-7C (28mm, f/2.8, 1/1600 sec, ISO100)
福建会館のアクセス
クアンタンの家(均勝號)
クアンタンの家(均勝號)は約300年前に福建省出身の華僑により建造されたと言われる古民家で、現在もその末裔が住居として使用している。
重厚な柱や彫刻が実に美しい木造建築だ。
SONY ILCE-7C (28mm, f/3.2, 1/30 sec, ISO200)
吹き抜けの中庭は凝った石と木の装飾が見られる。
SONY ILCE-7C (28mm, f/4, 1/80 sec, ISO100)
クワンタンの家の7代目は初代当主とそっくり
下の写真はクワンタンの家の初代当主の肖像画と現当主(7代目:筆者撮影)である。良く見比べて頂きたい。
SONY ILCE-7C (28mm, f/3.2, 1/30 sec, ISO1000)
SONY ILCE-7C (58mm, f/4, 1/60 sec, ISO4000)
耳よ!
この耳よ!!
そのまんまじゃんかよ!!!
実は上の7代目後当主の写真は、あまりにそっくりだったので思わずお願いして撮影させて頂いたものである。300年受け継がれたDNA、恐るべし。
クアンタンの家(均勝號)のアクセス
フーンフンの家(馮興家)
最後にフーンフンの家(馮興家)である。
本記事へのお付き合いにも疲れたであろうから「ふーんふん」と読み流して頂ければ幸いだ。
このフーンフンの家は上の華僑建築とは少し趣が異なり、柱や扉の中国式、壁のベトナム式、そして天井や屋根の日本式の3つの文化が融合していると言われている。ふーん。
SONY ILCE-7C (28mm, f/2.8, 1/30 sec, ISO2500)
確かに見上げてみればどことなく日本の古民家のような趣があるではないか。
SONY ILCE-7C (20mm, f/2.8, 1/30 sec, ISO2000)
こちらの3人は、左から中国人、ベトナム人、日本人がモデルである(大嘘)。
SONY ILCE-7C (20mm, f/2.8, 1/30 sec, ISO500)
このフーンフンの家は丁度来遠橋(日本橋)を中華街から日本人町があったと言われる方へ渡ったところに位置する。つまりここから向こうには日本人町があったとされるのだ。
ふーん、何とも旅情溢れる話しである。
SONY ILCE-7C (53mm, f/3.5, 1/640 sec, ISO100)
フーンフンの家(馮興家)のアクセス
ホイアンの見どころとして次回記事では古民家カフェをご紹介し、旅行記をフエへと戻していきたいと思う。
(2022年9月2日の旅行記)
ホーチミン発フエ・ホイアン4日間の旅 記事一覧
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