ホイアンを後にする。
フエからホイアンへの往路はハイヴァン峠のワインディングを越えたが、復路は峠を貫くハイヴァントンネルを行く。
ベトナムの南北の多様性と雄大なインドシナ半島の旅情に想いを馳せるハイヴァン峠越えに比べて、一気に山の中を通り抜けてしまうハイヴァントンネルルートは味気ないようにも思えるが、実はこちらはこちらで中々感慨深いものがあった。
ハイヴァントンネルは日越協力の証
ハイヴァントンネルのダナン側の入り口が見えてくる。
入り口の脇には荷台に大量のバイクを載せたトラックが停まっていた。安全上の理由で二輪車は通行不可のため、バイク移送サービスが提供されているようだ。
トンネルの中に入った瞬間、妙な既視感に襲われた。
その形状やちょっとした標識、そして換気装置が、まさに見慣れた日本の高速道路のトンネルそのものなのだ。
まるでトンネルに入った刹那に日本に瞬間移動したかの様な不思議な感覚である。
SONY ILCE-7C (75mm, f/4, 1/200 sec, ISO10000)
その話をドライバー氏にしてみると、当を得たかのように
「そうだ、これは日本のサポートで出来たトンネルなのだ」
やはり調べてみると、日本のODA並びに技術協力で2005年に完成したトンネルのようだ。
ハイヴァントンネルは東南アジア最長
ドライバー氏は続ける。
「しかもハイヴァントンネルはめちゃくちゃ長いんだ。ベトナムで一番長いんだ」
いやいや、調べてみたところベトナムで一番長いところか、ハイヴァントンネルは東南アジア最長の6,280mを誇るようだ。
このハイヴァン峠はメコンエリア南北経済回廊の一部を担うベトナム国道1号線上にあるため、これまでメコンエリアの経済発展のボトルネックとされてきたが、ハイヴァントンネルはその解消に重要な役割を果たしている。
ところで日本一長いトンネルは?
日本の協力で出来た東南アジア最長のトンネルについて誇らしげに語るドライバー氏の様子は日本人としては嬉しいものである。
ではこのハイヴァントンネルを作った本場日本で一番長いトンネルの長さをドライバー氏に教えてあげようと思い、「きっと関越トンネルだよな、関越って何mあるんだろう」と思いつつスマホで調べてみたところ・・・
えっ?
日本一長い道路トンネル:山手トンネル(東京都)18.2km
出展:大林組HP
まあ言われてみれば確かにそうなのだが・・・何だろうこの「コレジャナイ感」は・・・(笑)
ちなみに2位は予想していた関越トンネルの11.055km。
ということで、若干複雑な気分ではあるものの、トンネルの本場日本で一番長いトンネルの話をドライバーしに伝授したのであった。
車は予定通り21時前にはフエ市街に到着した。明日はフエ郊外の皇帝陵を訪れる。
SONY ILCE-7C (55mm, f/6.3, 1/60 sec, ISO3200)
(2022年9月2日の旅行記)
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