ベトナム生活編

次男、サイゴンの桜舞う中、小学校を卒業する。

ホーチミンの桜とも言われるモモイロノウゼンの花が咲き誇る中、次男がホーチミン日本人学校の卒業式を迎えました。

次男の卒業式を終えて、今見えているぼんやりとした余韻と景色を、少しだけ書き連ねておきたいと思います。

ホーチミン日本人学校 卒業式SONY ILCE-7C (59mm, f/4, 1/400 sec, ISO100)

ところで(今思えば)僕は小学校が大好きだったようで、今までで一番心に残っている卒業式は小学校のものです。

小学校の校歌は今でも3番までそらで歌えるし、卒業式のために何度も練習した「仰げば尊し」を聴くと今でも甘酸っぱい気持ちになります。

もしかするとそれは僕個人の特有の理由のためかも知れないな、と思っています。それは、同級生達が卒業後ほぼ皆地元の公立中学校に進む中、事情があって僕だけが違う私立の中学校に進学する事になったこと。

つまり、子供ながらに漠然とした「別れ」という感情があったんじゃないかと思うのです。

ちなみに大学の卒業式もそれなりに感慨深かったはずだけど式の後新宿で激飲みして記憶を飛ばしたのでよく覚えてません。

 

時は流れて我が次男。

次男がこのホーチミン日本人学校の学び舎に通い始めてから、たったの半年あまり。それでも、とてもよい友人たちに恵まれ、深い繋がりを持つことが出来たようです。

大人であっても、異邦で苦楽を共にした同邦人との絆には、何か特別なものがあります。

このホーチミンの町もずいぶんと暮らしやすくなりました。それでも、異国の地というのは無意識のうちに心の奥底で常に緊張を強いるものです。その中で、心の拠り所となるのはやはり故国を同じくする人たち。

日本中の様々な町から、それまで全くお互いを知らなかった子供達が、縁あってこの遠く離れた異国の小さな学び舎に集い来て、同じ屋根の下で同じ時間を過ごし、そして今再び袂を分かちそれぞれの場所へと進んでいく。

筆者の場合は卒業後引っ越したわけではなかったため中学に進んでからも交流は続きましたが、次男の場合にはそういう訳は行きません。

次男は、当時の筆者以上に「別れ」を感じているのではないでしょうか。

 

思えばいと疾し この年月

今こそ別れめ いざさらば

 

ホーチミン日本人学校の卒業式では「仰げば尊し」も「蛍の光」も歌いませんでしたが、僕は個人的にこの歌詞を再び思い出し、勝手に甘酸っぱくなっています。どうでもいいですが(笑)

 


 

そんな卒業式を迎え、改めて思うのは、

「子供というのは逞しい生き物だな」

ということ。

 

ベトナム赴任前、そして家族が来越するまでの間、僕の心中のほとんどを占めていたのは、

「思春期真っ只中の子供達が新しい環境に馴染めるだろうか」

「不登校、あるいは日本に帰りたいなどと泣き出したらどうしよう」

でした。

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それでも

「やらずに後悔するよりやって後悔したい」

などと大仰な決心をして新しい世界線に踏み出した訳です。

ところがどっこい(死語)、蓋を開けてみれば、親の心配どこ吹く風、長男も次男も新しい環境にひょうひょうと馴染み、あるいはベトナムの風呂椅子のローカル飯屋という国に一種の愛着すら持ちつつあるようです。

無論これはラッキーな事例なのかも知れません。

ただ、一つラッキー以外の要素として思うのは、下の記事でも触れたように、日本人学校では新しい転入生を迎える事に関してとても前向きな空気を感じる事です。それも少なからず助けになったようです。

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次男は4月からホーチミン日本人学校の中学部に進みます。

一方、仲良くなった友達の多くは日本に帰国してしまい、物理的にはしばしの別れとなります。

しかし、今は何しろ令和の時代、その絆はオンラインで続いていくことでしょう。

そしてオフラインでは、今度は次男が新しい友達を迎える立場になるのかも知れません。

 

別れと門出、そしてまた一つ逞しくなったサイゴンの春。

次男、そして同じベトナムの空の下で学んだ子供達、小学校卒業おめでとう。

 

モモイロノウゼン, ホーチミンの桜

Apple iPhone 12 Pro (6mm, f/2, 1/1050 sec, ISO25)
ホーチミン日本人学校の近くで咲いていたモモイロノウゼン

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