ベトナム生活編

【両方住んでみた】サービスアパートとコンドミニアムの違い・こんな人にお薦め | ホーチミン/ベトナムの住居選び

こんにちは。ホーチミンでコンドミニアムからサービスアパートに引っ越してもうすぐ4か月の10max(@10max)です。

この手の記事はベトナム現地の不動産屋さん等から山ほど出ている絶賛イマサラ分野ですが、駐在員として「両方住んでみた素人」の視点からあえてぶっ込んでみたいと思います。

なお、後で詳しく触れますが、本記事で特に肝となるのは、「サービスアパート」と「サービス付きコンドミニアム」の違いです。ここが一番分かりにくいのです。

筆者の場合、ベトナム赴任当初は家族帯同でホーチミン7区のコンドミニアム(サービス付)に住み、途中で家族が本帰国して単身赴任に切り替わったため3区のサービスアパートに引っ越しましたが、実際に両方住んでみると想像以上に違いを感じました。

筆者、独身貴族の称号を得、古き良きホーチミン3区に居を構える - 新たな家族のあり方と共に
家族が日本に本帰国して、ちょうど2週間が経ちました。同時に、単身赴任の拠点となるホーチミン市3区での新生活も、2週間が経過しました。単身生活に移行した直後の心境と、ホーチミン市3区の新居周辺の印象をお伝えしたいと思います。家族の帰国直後はや...

もちろん人によって色々な意見・経験があると思うので、あくまでも一つの参考程度に読んで頂ければ幸いです。

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ベトナムの駐在員向け住居タイプは大きく3種類

ベトナムで住む場合、住居のタイプはざっくりこんな感じです。4番目は駐在員が選ぶケースはほぼありませんが、参考まで。

  1. サービスアパート
  2. コンドミニアム(サービス無し)
  3. コンドミニアム(サービス付き)
  4. ローカルアパート(参考)

それぞれどんなもんなのかを簡単に記してみます。

1.サービスアパート

サービスアパートは、サービスの付いたアパートです(ドヤッ)。

 

・・・すみません、憤慨してスマホを折ってしまうかも知れないのでもう少し補足しますね。

ものすごくざっくり言ってしまうと、サービスアパートは、ホテルに長期間住んでいるのに割と近いです。

実際サービスアパートは、空いている部屋に短期宿泊客を受け入れているホテル兼業の業態が多いです。筆者が今住んでいるサービスアパートもそうです。

週に数回、部屋の清掃や、タオル、リネン、飲料水ボトルなどの交換、シャンプーやトイレットペーパーなどの備品の補充を行ってくれます(=これらも家賃に含まれる。ただし含まれる内容はアパートによって異なる)。

ホテルを兼ねて一棟全体を運営しているところが多いので、24時間スタッフが常駐していたり、フロントやカフェ・レストランが併設されていたりする事も多いです。

2/3.コンドミニアム(サービス無し・有り)

コンドミニアムは基本的には単なる「部屋貸し」。日本の賃貸マンションやアパートに近い感覚。

なので、単にコンドミニアムと言う場合には、基本契約には家事的なサービスや、契約に含まれている大型の家具以外の備品代・交換などは含まれません。これが「2.コンドミニアム(サービス無し)」です。

ただし、オプションで貸主側がそうしたサービスを付けてくれる場合があります。そのパターンが「3.コンドミニアム(サービス付き)」です。

貸主については、サービスアパートがホテル的な法人が建物全体を統一的に運営しているのに対して、コンドミニアムは、大規模な建物群の中の1部屋~数部屋のみを、(投資や賃貸収入目的の)個人オーナーや小規模法人オーナー(=大家)が個別に所有して貸しているケースが多いです。

4.ローカルアパート

ローカルアパートは、運営形態的にはコンドと殆ど同じで、単に外国人駐在員など向けのジムやプールなどの設備がある大型のものを「コンドミニアム」と呼んで緩く区別している感じです。

駐在員(≒本社が家賃負担)の場合にはあえてローカルアパートを選択するケースは少ないでしょう。

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サービスアパートとコンドミニアム(サービス付)の違い

ここで微妙に分かりにくいのが、「『サービス付きコンドミニアム』と『サービスアパート』は同じと思えば良いのか?」という点です。

ざっくり答えると、「細かく比べなければほぼ同じ」だけど、筆者のように「両方住んでみて比べると、結構違う」という感じです。

違いを感じる項目をまとめるとこんな感じです。

  • 家事などのサービス品質安定性
  • サービスのカスタマイズ性
  • 個別交渉の手間
  • 生活備品の管理・負担
  • 水道光熱費の負担
  • トラブル時の立会の手間
  • 設備の充実度
  • プライバシー

色々ありますが、上でも触れた通り以下の原則を覚えておくと分かりやすいです。

  • サービスアパート=「ホテル」に近い
  • コンドミニアム=「賃貸アパート・マンション」に近い

ではそれぞれ詳しく見ていきましょう。

品質安定のサビアパ vs. 大家ガチャのコンド

コンドミニアムは大家によって実にバラバラです。上記の通りコンドミニアムは大規模な建物の1部屋〜数部屋を個人または法人オーナーが個別に投資して貸しており、対応品質や部屋の中の調度品なども完全にオーナー次第です。

7区のコンドの時は、部屋自体はとても良く、普段は非常に快適に住まわせてもらったのですが、大家さんが完全にハズレでした・・・。韓国資本のVina L●naiという管理会社なのですが、これが中々がめつい・・・。シャワーなんかを普通に使ってて壊れた時に修理費請求しようとしたり(何とか逃れたけど)など色々あり、筆者との間に入っていた仲介業者さんも「Vina Lanai●はちょっとおかしいですね・・・」とこぼしていました。

ちなみに大家さんによっては設備の修理の手配などもスムーズに行かないケースもあるようです。特に個人オーナーの場合、旅行に行っているとか何とかで連絡がつかないなど・・・。

またメイドさんもガチャです。いい人も居ましたが、やたら掃除が下手だったり(なんでこの仕事してる)、洗い物しながらYouTube見てたり、ピンキリ。

もちろん、当たりの大家さんも居ます。直接大家とZaloで連絡して何かあったらすぐ来てくれる親切な大家の話も知人から聞いたことがあります。

つまりバラツキが多く、コンドは住んでみるまで分からない、と言うのが実情。仲介業者さんも、こうした個々の物件の大家の情報までは持っていない事が多い模様。可能であれば内見の際などにオーナーさんと一度会っておくことをお勧めします

その点サービスアパートは建物全体が統一的に管理されているので比較的安定しており、ハズレが少なくある程度品質が担保されています。サービス品質そのもののレベルが常にコンドを上回るというよりも、品質にバラツキやリスクが少ないという話で、仲介業者さんもある程度の情報を持っています。

もっとも、だからコンドミニアムはお薦めしない、という訳ではありません。トラブルや交渉は何かあった時だけの話ですし、大家さんが多少想定と違う反応をして来たとしても、派手に騙されたりと言ったような大事はありません。

コンドの場合こうした事もあるんだ、というのを分かったうえで、基本的には立地や部屋の中身で選び、出来れば念のため大家さんとも会っておく、くらいで良いかと。

コンドはカスタマイズと交渉の手間のトレードオフ

一方で家事などのサービス内容については、サービスアパートは建物全体で統一されたサービスを提供しているので、個別のカスタマイズ注文は基本的に受け付けません。

一方コンドミニアムはサービス内容に関するオーナーとの個別交渉が可能なので、「このサービスを付けて欲しい」「メイドさんにはここの掃除もお願いしたい」と言ったようなカスタマイズの余地があります。

ただ、コンドミニアムはそうした個別交渉が可能な反面、交渉事や後で何か有った時の折衝の面倒さというデメリットがあります。上のシャワー故障の一件のように、「そりゃおかしいでしょ」とか「話が違うじゃん」等という面倒な事が起こりえます。

一方のサービスアパートはホテルと同様、契約条件に含まれているサービスや備品などは、管理会社側が責任を持って対応してくれるので、「いやいやそれおかしいでしょ」と言うような事が起こる可能性は低いです。もちろん細かいところではアパートに依って多少の良し悪しはあるようですが、コンドミニアムほどのバラツキはありません。

備品・設備お任せのサビアパ vs. 自己調達のコンド

サービスアパートでは、シャンプーや石鹸、ティッシュ、トイレットペーパーと言った生活備品はアパート側が用意・補充してくれます。ホテルでそうしたものを自分で買う必要がないのと同じです。(ただし対象となる備品は物件によって微妙に異なる)

備品以外のファシリティ面でも、ホテルでクーラーやシャワーが通常使用で故障した際に放置したり宿泊客に費用請求することは無いのと同じで、サビアパではすぐに直してくれます。

しかも常にスタッフが常駐しているので対応が早い事が多く、テレビや洗濯機の調子がおかしかった際に、管理人さんにZaloを送ったら15分ほどで交換してくれました(ここまで早いかどうかはアパート次第ですが)。上のハズレコンドのオーナーだったら「費用払え」などと言われかねない案件・・・。

一方のコンドミニアムはそうした備品類は基本的に含まれていないので、住人が自分で調達することになります。これも、日本の賃貸アパートと同じだと思えば当たり前ですね。もちろんここでも、交渉によって家賃に含めるといったカスタマイズはあり得ます。

逆に言えばサビアパの場合、そうしたコストを含めた家賃になっているという事ですね。

水道・光熱費込のサビアパ vs. 基本自己負担のコンド

これもホテルだと思えば順当ですが、サービスアパートは水道代や光熱費が使い放題という場合が多いです。なお、飲料水のボトルについては月に●●リットルまで、という条件のところが多いかも。

一方コンドミニアムは条件によりけりで、完全に住人負担のケースもあれば、一定額までは家賃に含まれ、超えた分は追加で払う、という場合もあります。

施設充実のコンドミニアム

敷地内の施設全体で見た時の充実度はコンドミニアムの方が充実している事が多いです。プールやジムなどはサービスアパートにもありますがその規模はコンドミニアムには敵わず、その他キッズプレイルームやBBQ場など、非常に充実しています。また、子供部屋の充実した広い間取りの物件もコンドの方が多いです。

恐らくですが、コンドミニアムは大手デベロッパーが建設し、不動産投資対象として投資家(=大家)に販売することを目的としているので、施設全体の訴求力や魅力度を高める必要があるのでしょう。

プライバシー重視ならコンドミニアム

サービスアパートでちょっと戸惑ったのは、突然ルームサービスの人がやって来る点。これもまさにホテルのイメージで、あのリネンとかタオルとかを積んだカートみたいのを引いて、制服を着たスタッフの人がハウスキーピングに回ってきます。時間が読めないので、朝着替えたりしてる時に突然ドアノックされて、「ちょっと待って!」みたいな感じなることがたまーにあります(笑)

基本的に何曜日と何曜日、的なお約束になっているはずなのですが、何故か全然関係ない日にタオル交換だけしに来てくれたり、ありがたいのですがちょっと落ち着かない・・・ということで朝寝坊する土曜日の朝なんかは特にこのプライバシーサインを掲げています。

サービスアパートのプライバシーカードApple iPhone 15 Pro (6.7649998663709mm, f/1.8, 1/35 sec, ISO320)

その点コンドミニアムは決まった曜日の決まった時間にメイドさんがやって来る形式なので、不意にコンコンノックされたり、ということはありません。逆に時間になっても来ない事もあるのですが・・・。

それ以外でも、サービスアパートはホテルを兼ねていることが多いので、旅行者が廊下やロビー、レストランに居ることが多いですね。まあ別に良いのですが、プライベート感はコンドミニアムの方が高いのは確かです。

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サビアパ向きな人・コンド向きな人

これらを踏まえて、「サビアパ・コンドそれぞれに向いているのはきっとこういう人なんだろうな」と言うのを独断と偏見にまみれつつ書いてみます。もちろん例外はアリマクリマクリスティかと思いますが、一例として参考まで。

単身赴任の場合

単身赴任者の場合、どちらかと言うとサビアパの方が便利かもしれません。コンドミニアムでは設備の修理や何かあった時に住人が立ち会う必要がある事が多く、単身赴任者では何かと不便を感じるでしょう。

その点サビアパはホテルの感覚に近いので、そうした事は気にしなくてよいです。管理人さんにチャットを一本送れば仕事に行っている間に対応してくれます。

コンドでそれをやることも可能ではありますが、代わりにオーナーに立ち会って貰わないとセキュリティ上不安ですし、代理立会をお願いすると即日という訳にはいきません。

また敷地や物件の規模が小さい傾向にあるサービスアパートは、ホーチミン1区周辺の都心部にも物件が多いため、通勤の利便性が高いです。家族連れだと子供の通学を考慮する必要がありますが、単身なら不要ですからね。

子連れ家族帯同赴任の場合

一方、家族帯同赴任者、特に子連れの場合は、コンドミニアムの方が選択肢が多いでしょう。プールやキッズプレイルームなどの子供向けの設備が充実した物件や、子供部屋のあるある程度広い間取りの物件になると、コンドミニアムの方が選択肢が多いです。筆者の場合、中学生&小学校高学年の兄弟が集中して勉強出来る子供部屋が2部屋必要だったため、不動産屋さんからの提案は大半がコンドでした。

また、家族帯同であれば、生活備品の調達や何かあった際の立会い問題もさほどハードルにはなりませんし、プライバシーの面でもコンドの方が向いていると言えます。

もちろんサービスアパートにも子連れ帯同向けの物件はあります。ここでのポイントは、家族帯同の場合にはコンドミニアムのデメリットの部分は薄くなるので、コンド含めて条件に合う物件を探されるのが吉かと。

初めてのベトナム駐在の場合

単身や夫婦のみ帯同で、特に初めてベトナム生活をする場合には、大家ガチャに巻き込まれないサビアパだと安心でしょう。ベトナム内で引っ越すならいい大家の物件を紹介して貰う事もあり得ますが、最初は情報も人脈もほぼゼロスタートですからね。

ただし、子連れの場合にはそもそも通学などの立地や住環境、間取りなどが最優先なので、この限りではありません。

知人から物件紹介して貰える場合

例えばベトナム国内で引越しをするような場合、人づてで良い実績のある大家さんのコンドミニアムを紹介してもらうことが出来れば、大家ガチャの問題は解決です。

新規赴任の場合でも、前任者の住まいを引き継ぐ、と言うことは可能かもしれませんが、仕事の引き継ぎで滞在期間が被ったり、前任者と条件(単身、家族構成、学校などなど)が同じとは限らないので、可能性としては低いかも知れません。

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その他住居選びでの留意点

最後に、ついでに住居物件選びの際の留意点を置いておきますね。

自家発電設備の有無

最近のベトナムでは停電はそこまで頻繁には起きませんが、それでも同じエリアで数ヶ月に1度程度あることもあります。アパートやコンドミニアムに自家発電設備があるかどうかはチェックしておきましょう。

関連して、エレベーターを定期的にメンテナンスしているかどうかも聞いてみると良いと思います。

部屋の階数は高すぎず低すぎず

エレベーターと言えば、階数が低すぎると虫が多かったり騒音が気になりがちなので(高層階にも虫はいる時は居るけど)、可能ならばあまり低層階は避けた方がよいのですが、逆にあまり高くても、万が一長期間の停電や災害などでエレベーターが止まってしまった場合に階段で上り下り出来ないので、個人的な感覚としては10階前後がよいバランスな気がします。

ちなみに、戸建てのヴィラで周囲に緑が多いタイプの物件は人気がありますが、虫が多すぎて敷地内で除虫剤をしょっちゅう撒いていると聞きます・・・。

部屋の向きと日当たりは北向きが人気

日本で部屋探しをする際には、「日当たり良好」「南向き」が人気ですが、ベトナム、特にホーチミンでは暑いので北向きが人気です。ホーチミンでは「いい天気」というと曇りの日のことを指す事が多いです。

ちなみに筆者の場合、7区のコンドでは北向きでしたが、窓が大きめだった事もあり思ったよりも部屋は暗くありませんでした。一方今の部屋は南西向きですが、シェードが付いたバルコニーがあって直射日光を避けられるのと、サビアパで電気代がかからずクーラーを常時付けていられるので、その向きを選びました。そうした条件を踏まえて検討されることをお薦めします。

 

以上、あくまでも個人的な体験に基づくお話で、違う経験やご意見もあり得ると思いますが、一つの参考になれば幸いです。よいベトナム生活を^^

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