こんにちは。フーコック島を訪れてからもうすぐ1年・・・「あれからまだ1年弱しか経っていないのか」と、この1年の濃ゆさを思い返してはハゲそうな10max(@10max)です。
そのフーコック島に「Bún Quậy」というご当地麺がありまして、これが滅法美味く、未だに個人的にはベトナムにおけるトップクラスの推し麺の地位を守っているのですが、何とホーチミン1区にその支店が出来ているのを発見しました。
フーコック島で感動したこの味にホーチミンで、しかも好立地の1区で味わえるとは、泣けるじゃあありませんか。
フーコック島のお店はこちら↓
※ホーチミン市内のローカルグルメのまとめはこちらを御覧下さい。
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フーコック島名物ブンクワイの名店「Bún Quậy KIẾN XÂY」のホーチミン1区店
さて、Bun Quayには「Bun」と付いていますが、ただベトナム本土で見られる「Bun」とはちょっとジャンルの違う料理な気がします。「海外で生まれ育ったBunの遠い親戚」みたいな・・・上手く例えようとして余計分かりづらくなった好例みたくなったので、詳しくは実食のところで・・・。
そんなBun Quayは元々この辺りの漁師が地元の海鮮などをいろいろミックスして食べていたワイルド麺を、下でご紹介するいくつかのフーコック島のレストランが洗練された地場料理として作り上げたものだそうです。
フーコック島のBun Quay店の中でも、特に名高いのは下記の2店(支店もあるので、正確には2ブランド?)です。
- Bún quậy Kiến Xây
- Bún quậy Thanh Hùng
Bún quậy Kiến Xâyはこの2つのうちの1つという訳です。
先日細君とランチに行く先を探していて、「そう言えばBun Quayどうだろ?」と思いGoogleマップを検索してみたところ、筆者の職場のある1区に、なんとあの「Kiến Xây」の名が!前調べた時は無かったのにいつの間に・・・と思って調べてみたら、2023年6月オープンらしいです。
以前から10区の方にはあったものの、中々足を伸ばす機会がなかったのですが、1区なら気軽にランチで訪問できるので大変ありがたいですし、とにかく名店の選択肢が増えたのは至福の出来事です。
アクセス
実は1区だけでなく、10区にもお店があります。
ホーチミン1区店
ホーチミン1区店は、サイゴン動植物園やホアルー競技場の近くですね。ドンコイ通り辺りからだと車で10分ほど。
ホーチミン10区店
10区店はDien Bien Phu通り沿いの、「Cư xá đô thành」と呼ばれる古くからの住宅街の近くにあり、実は3区と隣接しているため、3区に引っ越してからはこちらによくお邪魔しています。
外観と店内
外観は中々唐突な出で立ちです。
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フーコック島の本店もそうなんですが、謎にモノトーンでモダンな(死後)外観やインテリアなんですよね。でもちょっと改装跡が見え見えでハリボテっぽいのはベトナみということで(笑)
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2回訪れましたが、いずれも店内はベトナム人客で大賑わいでした。ベトナム人で混み合っている店は「これ絶対うまいやつ」です。
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最初に入口のレジで注文と支払いを済ませるスタイル。メニューは後で詳しくご説明します。
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奥に厨房があります。制服?もちょっとお洒落です。
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2階席もありましたが、まだあまり使われていない感じでした。
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メニュー
メニューはブレのないBun Quayのみ。具の種類によって4種類から選べます。
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上記枠内の4種類なのですが、フーコック島本店とはやや違うラインナップというか組合せ。左上から時計回りに、
- 海老パテ+牛肉+イカ=80,000ドン(400円強)
- 海老パテ+魚パテ+イカ=70,000ドン
- 海老パテ+牛肉+魚パテ=70,000ドン
- 海老パテ+魚パテ=50,000ドン
海老パテ(練り物)だけは絶対外すなよ、と言う布陣ですね。
個人的には漁師由来の料理であり練り物フェチでもあることから、2番目の海鮮フルラインナップが好みですが、肉っ気が欲しい人は8万ドンのを行くのもありかと思います。
全般的にボリュームは控え目なので、5万ドンのを選ぶことは無いかな〜と。
あとぜひ頼んでいただきたいのが、枠の右側のドリンク「Nuoc Mia」、所謂サトウキビジュース。甘さと爽やかさのバランスが非常に良い逸品で、フーコック島本店でもホーチミン店でも、多くの地元客が注文していました。
実食!完飲したくなる海鮮出汁スープと自由付けダレの刺激
さて、いよいよ実食・・・と行く前に、着丼を待つ間に付けダレを作っておくのが、Bun Quay Kien Xai式。こちらの調理台で皆各自好みの味の付けダレを作ります。これを、パテなどの具に付けたり味変に使ったりします。
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調理台には、塩、砂糖、グルタミン酸ナトリウム(味の素?)、ライム、唐辛子が置いてあるので、好みでブレンドします。
なお、左手前のお椀に入っているオレンジ色のは店舗が予め作った推奨ブレンドなので、これをこのまま使うのも良きです。自分で作っても、Kien Xai推奨の方法で作るとこんな色になるのだとか。
そんな事をしているうちに、Nuoc Mia(サトウキビジュース)到着。スッキリした甘さが最高です。
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そしていよいよBun Quay着丼。
ドーン!!
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こちらは牛肉入りのもの(注:別日に2回目来訪時に注文。まあ1回で2杯くらい全然行けるけど)。
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さて、これフーコック島本店の時も思ったのですが、着丼した時の姿が地味なんです。
なぜなら、「具があんまり見えない」んですよね。実は上の写真はイメージしやすいように箸で練り物を麺の上の方に浮上させた状態です。
この理由について、フーコック島でもうっすらと気になっていたのですが、今回2回、3回と訪れてようやく気づきました。Bun Quayって作り方がちょっと面白くて、魚や海老のすり身が出汁と具の両方の役割を担っているみたいなんです。
下の写真はフーコック島のBun Quay Kien Xayの厨房の模様なのですが、おばちゃんが丼の底にパテを貼り付けて、その中にスープを入れています。で、そのパテが出汁を出しつつそのまま具にもなっているので、麺の上にあまり顔を出さない状態で着丼するのだと思われます(終始見てたわけじゃな無いけど)。
そんな出汁と具の両方の役割をこなす大変勤勉な練り物さんがこちらです。
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なので、一瞬「味が薄いな」と言う気がするのですが、杯を重ねるうちに(何か妙だな)ものすごーくナチュラルでお優しい出汁のスープの滋味に満たされ、あれよあれよと完飲してしまう訳です。
さらに麺も「Bun離れ」した独特なものです。ブンと言えば、ややにゅうめんの様な柔らかくコシのない、箸でブツブツ切れる感じのものが一般的だと思っているのですが、このBún Quậy KIẾN XÂYの麺はそこまで柔らかくなく、なんならベトナム南部式のフーティウの様なややしっかりした麺です。個人的にはものすごく好み。
Bún quậy Thanh Hùngなど他店の麺は、(見た目だけですが)普通の柔らかいブンのように見えるので、もしかするとBún Quậy KIẾN XÂYならではの特徴なのかも知れません。同店では「自家製麺」と謳っていますし。
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食後感は実にさっぱりしたもの。個人的には特に少食という訳でもなく(知ってる人はむしろ逆だと知られている)、ガツンとした脂っこいものも普通に好きな方ですが、じゃあこれで不満かと言うとそんな事はありません。スープの海鮮出汁が出しゃばらない程度に非常によく効いているので、物足りない感は無いのです。
そしてやはりポイントは付けダレでしょうね。好みに応じてあれを付加していくことで、徐々に味が輪郭を増していき、食べ終わる頃にはちゃんと一杯Bunの存在感が脳内で形を成している訳です。
実に独特な麺料理であり、推し麺です。
ホーチミンのBun Quay KIEN – XAYでいつでもフーコックの味を
と言うことで(どういう事だ)、麺王国ベトナムの中でも実に独自性の高いフーコック島名物をフーコック島に行かずとも味わいたい方、あるいはフーコック島のあの味を再び味わいたい方、いずれの方面にも大いにご満足頂けるのではないかと思います。
むしろもう1回フーコック島本店の味を確かめに行きたくなってきたな・・・。安心して下さい、行きませんよ!
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