夕暮れのダージリンを歩き、インドであってインドでない不思議な落ち着きに惚れ込んだ後、さらに幸福感を増幅させに行くこととする。
そう、ついに憧れの、「インドで食べるチベット・ネパール料理」を堪能するのだ。ワクがムネムネである。
SONY ILCE-7C (28mm, f/2.8, 1/80 sec, ISO320)
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ダージリン在住ネパール人おすすめのネパール料理店 | カトマンズキッチン
その名店は「カトマンズ・キッチン」という。宿のご主人に教えてもらったネパール料理レストランである。
ネパール料理は、中華の影響を色濃く伝えつつ南下してきたチベット料理と、インド料理との両方の特徴を持つ、非常に興味深い料理だ。しかもインドなのにネパール料理が日常的に食べられているというダージリンのカオスっぷりに、旅人の血が騒ぐ。
ビールを頼むと、ネパールの軽食であるサモサのようなチップスが供される。ビールは何故かベトナムでもお馴染み、コペンハーゲン発のTUBORGだ。店員さんが皆ネパールの民族衣装を着ているのも非常に良い。
SONY ILCE-7C (28mm, f/11, 1/10 sec, ISO12800)
ネパール版コムビンザン「タリー」
最初にやって来たのはネパールの国民的ワンプレート飯、タリーである。白飯の周りに、豆などをベースに香辛料などで味をつけた汁や肉、野菜などのおかずが盛りつけてある。
SONY ILCE-7C (28mm, f/5.6, 1/30 sec, ISO2500)
現在ベトナム在住につき例えが妙で申し訳ないが、様々なおかずを盛って白飯をパクつく様は、まさにベトナムの大衆飯、コムビンザンである。インドほどカレー味が強烈ではない程よい味付けで、白飯を永遠に食べ続けられそうな秀逸なおかず、という意味でもコムビンザンを彷彿させる(例えが本当に分かりづらくて申し訳ない)。
ネパール風焼きそば「チョウミン」
そしてタリーよりもさらに楽しみで「ダージリン・シッキムで食べたい料理」リストに入れていたのが、ネパール・チベット風焼きそばの「チョウミン/Chowmein」である。語源は想像に難くなく、中華の「炒麺」だ。
コシのある中太平麺に程よく香辛料が効いた醤油ベースの味がよく絡んでおり、まさに日本人の口に合いまくりの絶品である。
SONY ILCE-7C (34mm, f/4, 1/40 sec, ISO5000)
なお、皿の隅っこに添えられていたこの物体は非常に辛い↓。中華起源のチョウミンだが、このペーストにはインド由来の香りを感じる。ビールをジャンジャン進ませてくれるアクセントとしては最高のエキストラである。
SONY ILCE-7C (46mm, f/3.5, 1/50 sec, ISO3200)
インド旅ではカレー以外の飯屋の確保が生命線となるが、この手の中華系統の料理が、例外ではなく日常的に食べられるチベット・ネパール文化圏はやはりインドのオアシスに違いない。
今宵、筆者はこの旅の食が非常に最幸なものになることを確信したのであった。
宿のご主人が教えてくれたKathmandu Kitchen🇳🇵で勢いあまってネパール名物タリーThaliとチョウミンChew Mienと言う二大主食を食べてしまい、胃が風船状態😂
でもこれで今旅中幸せな食生活が送れることを確信😋✨ダージリン🇮🇳は現在10度。白い息で歩いてたら焚き火をしている人達がそこら中に🥶 pic.twitter.com/YZzHCPp2mP
— 10max🇻🇳 | 旅とベトナム (@10max) January 26, 2025
カトマンズキッチンの場所
カトマンズキッチンはダージリンの市中心部に位置するが、非常に細い路地裏にあるので少し見つけるのに難儀するかもしれない。
ダージリンの震える寒さをウイスキーのお湯割りで温める
さて、タリーとチョウミンという主食2点セットにビール数本というコンボに身も心も満たされ店を出ると、屋外では焚き火が行われていた。標高2000メートルを超える高地の1月なのだから、本格的に冷え込むのは当然だ。気温は10度を下回る。
SONY ILCE-7C (35mm, f/3.2, 1/40 sec, ISO640)
ユニクロのヒートテックにウルトラライトダウンを重ね、白い息を吐きながら宿への道を歩く。途中、予め見つけておいた酒屋に寄ってウイスキーを仕入れる。
Apple iPhone 15 Pro (6.7649998663709mm, f/1.8, 1/50 sec, ISO400)
ダージリンの酒屋「MADANS WINE STORES」の場所
ダージリンの路地は暗いが、治安の面で不安は感じない。とはいえ本当に暗いため、女性の夜間の一人歩きはあまり推奨しない。
SONY ILCE-7C (41mm, f/3.2, 1/50 sec, ISO3200)
SONY ILCE-7C (35mm, f/3.2, 1/40 sec, ISO2000)
宿の部屋には電気マットレスとフカフカのスリッパが用意されていた。大変ありがたい。しかし暖房は無いので上半身は中々に冷え込む。
Apple iPhone 15 Pro (6.7649998663709mm, f/1.8, 1/50 sec, ISO640)
そこでウイスキーのお湯割りである。体の芯から温まる最高の暖房ソリューションである。
Apple iPhone 15 Pro (6.7649998656528mm, f/1.8, 1/35 sec, ISO400)
ダージリンの夜が更けていく。素晴らしい町に、幸せな飯、そして温かいウイスキー。実によい夜だ。
SONY ILCE-7C (33mm, f/3.2, 1/20 sec, ISO12800)
明日は早朝より朝日に燃えるカンチェンジュンガ山を見にいく予定だ。見られるかどうかは運次第。ダージリン到着早々カンチェンジュンガを拝めるという僥倖に恵まれた事で、運を使い果たしてしまったのでは無いかとの一抹の不安に駆られつつ、布団に潜り込む。

(2025年1月26日の記録)
つづく
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