これから夜行列車に乗り、ラオスとの国境の町、ノーンカーイへ向かいます。バンコクでの前哨戦を終え、家族のルーツを辿る旅はいよいよ佳境に入ります。
SONY ILCE-7C (20mm, f/6.3, 1/30 sec, ISO2000)
バンコク発ノーンカーイ行き夜行列車に乗る
昨日の日帰りアユタヤ行きに続き、再びバンコクの新玄関口、クルンテープ・アピワット中央駅にやって来ました。
夜のクルンテープ・アピワット中央駅
昼間に見るクルンテープ・アピワット中央駅も、超大型巨人用かと思うほどに巨大でしたが、夜に見るこの駅もまた、闇夜に浮き出る巨大な戦艦の様で圧倒されます。
正面口に描かれているのは王様かな・・・王様交代する度に描き替えるんでしょうね。
SONY ILCE-7C (20mm, f/6.3, 1/30 sec, ISO640)
そういえばフアランポーン駅では毎日8時と18時に国歌が流れて起立礼をしていましたが、ここでもやってるんでしょうか。
クルンテープ・アピワット中央駅は日本の協力で建設されたらしいのですが、もう少しデザインに面白みがあってもよかったような。何かこう、無機質でのっぺりしてて味気ないような。単にまだ利用者が少なくて閑散としているから、と言うのもあるんでしょうけど。
Apple iPhone 12 Pro (1.54mm, f/2.4, 1/50 sec, ISO400)
チケット購入はオンラインがお薦め
チケット売り場。中々綺麗ですが、自動券売機みたいのは無いのかな。
SONY ILCE-7C (48mm, f/3.5, 1/50 sec, ISO640)
なお、筆者たちは予めオンラインでチケット購入済みです。時期によっては満席の事もあるので、日程が決まっている場合はオンラインでの予約購入がお薦めです。
「Long Distance Train」という案内がありました。ノーンカーイはラオス国境であるため間違いなくロングディスタンスでありますから、そちらの方に向かいます。
SONY ILCE-7C (122mm, f/5, 1/125 sec, ISO1250)
駅構内の売店は割と充実
時間があったので駅構内をブラブラします。売店が点在しています。
自動販売機も充実しています。さすがタイ、すでに「ほぼセン」(ほぼ先進国。命名適当)です。
SONY ILCE-7C (28mm, f/2.8, 1/30 sec, ISO160)
ベンチコーナーでは沢山の人が列車を待っていました。ノーンカーイ行きの20分ほど前にチェンマイ行きの夜行列車が発車するようです。
SONY ILCE-7C (28mm, f/2.8, 1/30 sec, ISO640)
このチェンマイ行き列車の出発案内が中々アナウンスされず、駅員に聞いてもいまいち要領が掴めなかったようで、周りの白人のバックパッカー達が色めき立っていました。
本来は確か発車時刻の15分だか20分前にアナウンスが流れてホームに上がれる感じだったと思うのですが(ちょっとうろ覚え)、発車時刻が近づいても案内が無いのでザワザワしていたようです。
SONY ILCE-7C (71mm, f/4, 1/80 sec, ISO1250)
筆者たちのノーンカーイ行きの列車も定刻より少し遅れ、発車時刻直前にアナウンスが流れ、改札が始まりました。自動改札と言った様なものはなく、ホームへ上る階段の前で駅員にスマホでチケットのQRコードをスキャンしてもらってホームへ上ります。
乗車するのは20時25分発の列車番号25、SPECIAL EXPRESS CNRのノーンカーイ行き夜行列車。クラスは2等寝台。終点ノーンカーイには翌朝6時25分着の予定です。「6時半」ではなく「25分」という辺りに正確性への自負が現れています(出発の時点で既に15分以上遅れていましたが)。
さて、出発駅こそ当時のフアランポーン駅とは違うものの、ついに夫婦の思い出のラオス国境行きの列車に子供たちを乗せることが出来、感慨がちょちょ切れます。
一方の子供たちも、夜行列車自体が初めての経験ということもあり、非常に楽しみにしていました。
筆者も子供の頃、北海道の親戚を訪ねるのに父母に連れられて乗った寝台特急「北斗」に胸躍らせたものです。寝台列車には夢がある。
SONY ILCE-7C (48mm, f/3.5, 1/50 sec, ISO1000)
牽引するディーゼル機関車もかなり新しい車両が使われていました。これは中国中車という中国の車両メーカー製だと思われます。
1995年に導入されたGE社製の機関車以降新型は導入されておらず老朽化が進んでいた様ですが、2020年頃、久々にこれらの中国製の新型が導入され始めたようです。
SONY ILCE-7C (28mm, f/2.8, 1/30 sec, ISO800)
綺麗すぎて拍子抜けの2等寝台列車内
いよいよ寝台列車に乗り込みます。機関車だけでなく客車もかなり新しく綺麗なのに驚かされます。
1等寝台は個室ですが、2等寝台はカーテンで通路と仕切られています。
SONY ILCE-7C (113mm, f/5, 1/40 sec, ISO1000)
乗車した時点で既に座席モードから2段ベッドモードに組み替えられていました。本当に綺麗でむしろ拍子抜けです。
今回は向かい合わせの4席を予約しており、下段の2席(ベッド)に長男と次男、上段に細君と筆者が寝ます。
タイ国鉄のオンラインチケット予約・購入については下記記事を御覧下さい。
SONY ILCE-7C (28mm, f/2.8, 1/30 sec, ISO800)
2段ベッド下段
まずはベッドの下段の模様。クリーニングされた掛け布団とミネラルウォーターが置いてあります。
SONY ILCE-7C (28mm, f/4, 1/30 sec, ISO1000)
ベッドの下に荷物を置くことが出来ます。
SONY ILCE-7C (28mm, f/4, 1/30 sec, ISO4000)
2段ベッド上段
2段ベッドの上段へはこうして梯子を引き出して上がります。
SONY ILCE-7C (28mm, f/4, 1/30 sec, ISO1000)
窓はなく頭上も流石に少々閉塞感がありますが、寝るだけなら十分な広さ。
SONY ILCE-7C (28mm, f/4, 1/30 sec, ISO320)
枕元の設備は上下段共通で、スマホやメガネなどを入れられるネットのポケット、常夜灯があります。
SONY ILCE-7C (28mm, f/4, 1/30 sec, ISO400)
天井にも荷物置き場があります。
SONY ILCE-7C (28mm, f/2.8, 1/50 sec, ISO1000)
横になるとこんな感じ↓。身長178センチの筆者だと、ギリギリ足の裏が壁に付かないくらいです(つま先立ちみたいにすると付く)。185センチとかだと伸ばし切れないかも。
カーテンの遮光も割りとちゃんと機能しています。
SONY ILCE-7C (28mm, f/2.8, 1/60 sec, ISO4000)
そう言えば旅行の事前に、特に上段はエアコンの吹き出し口が近いこともあり「かなり寒い」という口コミを目にしてそれなりの予備の服装を用意して来ましたが、今回は、暑がりの筆者は半袖に掛け布団を被れば問題なく、寒がりの細君は薄手のフリースで十分でした。尤も、どの車両に当たるかは分かりませんし車両内の位置によっても変わるでしょうから、ある程度の備え(上着)があるに越したことはないでしょうね。
洗面所とトイレで先進具合を測る
次に列車旅恒例のトイレチェックです。トイレの綺麗さで列車の先進度を測るのが趣味です(嘘)。
洗面所エリアへの扉は自動ドアになっており、早速先進具合を見せつけられます。
SONY ILCE-7C (62mm, f/4, 1/80 sec, ISO1000)
洗面所。ちゃんと綺麗です。
SONY ILCE-7C (28mm, f/4, 1/30 sec, ISO500)
男子小用トイレが別個にある時点で先進度合いを推し量ることが出来ます。
SONY ILCE-7C (28mm, f/4, 1/30 sec, ISO640)洋式トイレも十分に綺麗です。ベトジェット(ハンドシャワー。勝手に命名)が装備されているところも好感度高めです。
SONY ILCE-7C (28mm, f/4, 1/30 sec, ISO800)流石に18年前と比べると格段の進歩を確認できました。トイレチェックは以上です。
客席の前方のモニターに各駅への到着予定時刻が表示されていました。
SONY ILCE-7C (47mm, f/3.5, 1/100 sec, ISO1000)
え?目的地朝4時54分到着・・・??
とビビっていたら、しばらくすると6時51分に変わっていました。驚かせるなよ・・・いやそれより元々の「6時25分着」はどこ行った(←これ、結果は次の記事を乞うご期待)。
SONY ILCE-7C (200mm, f/5.6, 1/250 sec, ISO4000)
長男と一緒に下段でテーブルを出して、しばし窓の外を過ぎていく町の灯りを眺めます。長男は相変わらずメモ帳に絵を描いています。次男と細君は先ほどまでしりとりか何かをしていましたが、今は本を読んでいるようです。
筆者は習慣で、持ち込んだチャーンビールのプルトップを開けますが、そう言えばタイの列車内では禁酒だとかって話がなかったか?と思いスマホで調べたところ、数年前に解禁されたというような話もあって情報が錯綜していましたが、何となく堂々と飲むというモードにもなれず、こっそりと1本だけ飲み終えて水にスイッチします。
車内は皆すでに就寝の準備に入っており、時折ヒソヒソ声が聴こえるだけ。寝台列車特有の空気が流れます。そして線路の継ぎ目を越える断続的な音だけが着実に北に向かっている事実を伝えます。
明日の朝、筆者たち家族はいよいよラオスに入国します。
SONY ILCE-7C (28mm, f/2.8, 1/40 sec, ISO4000)
(2023年1月23日の記録)
つづき
コメント