こんにちは。Grabに乗る度にドライバーのシフトさばきに目が行ってしまう10max(@10max)です。
先日ホーチミンで、日本の運転免許のベトナム免許への切替申請をしました。
ベトナムでは、新たに運転免許試験を受けなくても、日本の普通自動車・中型二輪免許を元に、ベトナムで自動車やバイクを運転できる免許を取得する事(=切替)が出来ます。
日常利用というよりは、ベトナム国内旅行先でバイクを運転したいんですよね。で、旅行程度なら国際免許証でも実際はいける※のですが、ベトナムでの切り替えは費用的にも安いし、貴重な一時帰国中の一日を手続きに費やしたくないんです。
※なお、厳密にはベトナムでは日本で取得する国際免許証は無効です。旅行者がレンタルバイク借りて乗るくらいなら実質お咎めはないみたいですが。
という事で、ベトナムで運転出来るようにするための、運転免許切替手続きをご紹介します。結論、手続自体は個人で全然出来るくらい楽勝ですが、頻繁な制度変更には要注意です。
ベトナムの運転免許の種類について
まずベトナムの運転免許の基本的なところを、自分向けのメモも兼ねておさらいします。
ベトナムの運転免許の種類はこうなっています。
種別 | 運転可能な車両 |
A1 | 排気量50cc以上、175cc未満の原動機付二輪車 |
A2 | 排気量175cc以上の原動機付二輪車及びA1の車両 |
A3 | 原動機付三輪車及びA1の車両 |
A4 | 荷重1,000kg以下の原動機付車両 |
B1 | 非営業用の定員数9席以下・荷重3,500kg未満のトラックと原動機付車両 |
B2 | 営業用の定員数9席以下・荷重3,500kg未満のトラックと原動機付車両及びB1の車両 |
C | 荷重3,500kg以上のトラックと原動機付車両、B1及びB2の車両 |
D | 10席以上30席以下の車両、B1、B2、Cの車両 |
E | 31席以上の車両、B1、B2、C、Dの車両 |
※出展:在ベトナム日本国大使館HP
この内、オレンジでハイライトしたA1とB1が、それぞれ日本の中型二輪免許と普通自動車免許に対応し、ベトナムの役所での手続きのみでベトナムの免許への切替ができます(なお日本のAT限定免許はベトナムの免許への切替は不可)。
日本の大型二輪免許を持っていれば、A2への切替もできます。
言い方を変えると、50cc未満の原動機付バイクもしくは電気バイクなら免許無しで運転できますが、ベトナムで50cc以上のバイクを運転するには、日本で取得した中型/大型二輪免許をベトナムで切り替えるか、ベトナムで試験を受けてA1もしくはA2免許を新たに取得する必要があります。
町中でのちょっとした移動なら50cc未満のバイクで十分ですが、遠出をしたり山岳地帯で運転するなら、50cc以上のバイクが望ましいです。ちなみにベトナムでGrabのドライバーなんかが乗ってるバイクの殆どが110cc〜150ccみたいです。
ベトナムでの運転免許切替手続き
以下、2025年2月5日〜2月14日にかけてホーチミン市で行った手続きを元に記載しています。所要時間などは混み具合によって変わります。
また今回の切替対象は、
- 日本の普通自動車と中型二輪の免許→ベトナムのB1とA1免許への切替
です。他のケースでは異なる場合があります。
免許切替手続きの大きな流れ
- 1. 日本の免許の翻訳&公証
- (健康診断←不要だった)
- 2. 免許切替申請
健康診断は再び不要になった??
今回戸惑ったのが、「健康診断の要否」。事前調査で必要だと思い、受診してから運輸局に行ったのですが、「No need. New regulation.」と言われ、結局提出しませんでした。
日本の運転免許のベトナム免許への切替申請だん🛵🇻🇳
去年から必要になったと言われる健康診断、やはり不要だった。俺の30万丼・・・💸
そして、発行見込みはなんと1ヶ月半後!!5営業日じゃないのか・・・その他申請書類の部数や種類含め、大使館の情報は全般的に古いので、近く記事にまとめます👨🏻💻 https://t.co/yPnsETutUH pic.twitter.com/CofbSUbteR
— 10max🇻🇳 | 旅とベトナム (@10max) February 14, 2025
実は2024年6月から、免許の切替には健康診断の受診結果の提出が必要になったとされ、本記事執筆時点でも在ベトナム日本大使館のHPには健康診断が必要と書かれています。
この大使館の情報、掲載日が2025年3月3日と、筆者がホーチミンで手続きをした後に更新された情報で、かつハノイ交通運輸局の情報を元にしているようなので、もしかするとハノイでは必要だけどホーチミンでは不要になった、という可能性もあります。
また、今回は免許の「新規取得」ではなく「切替」だったために不要だったと思われますが、日本の中免を持っておらず、ベトナムで新規に二輪免許(A1)を取得する場合には健康診断は必要と思われるのでご注意下さい。
さて、今回は不要でしたが、せっかく受診したので本記事では健康診断についてもご紹介します。受診料300,000ドン無駄にはすまい・・・
※ちなみに上の大使館情報、健康診断要否以外に「提出部数はすべて1部」というのも、筆者のホーチミンでの手続きとは違いました(各2部必要だった)。
手続1. 日本免許の翻訳・公証
まず、日本の免許証の翻訳と公証を行います。
必要書類と所要時間
必要書類:
- 日本の免許(原本)
- 日本の免許のコピー(3部推奨)
- パスポート(原本)
- TRC(念のため)
- 費用100,000ドン
申請所要時間:20~30分ほど
翻訳・公証済書類の受取:2営業日後
免許のコピーは白黒で大丈夫です。2部提出しましたが、一応3部くらい用意しておくと安心です。
TRCの提出は求められませんでしたが、何を言われるか分からないので「免許、パスポート、TRC」の3種の神器はお守り代わりに毎回持っていくと安心です。
People’s committee of District 1のアクセス
日本の免許の翻訳と公証はPeople’s committee of District 1(Ủy ban nhân dân Quận 1)で行います。区役所的な場所です。
場所はこちら。サイゴン大聖堂のお隣さん。
Apple iPhone 15 Pro (6.7649998656528mm, f/1.8, 1/1000 sec, ISO80)
免許の翻訳・公証の流れ
建物に入ってすぐ左手の機械で整理券を受け取ります。
Apple iPhone 15 Pro (6.7649998656528mm, f/1.8, 1/110 sec, ISO125)
10番の「Translation」をタップすると、下からビロ〜ンと整理券が出てきます。
Apple iPhone 15 Pro (6.7649998656528mm, f/1.8, 1/110 sec, ISO160)
整理券番号の上の1~2桁が窓口番号を表しています(この場合10)。
中に入って10番カウンターを探すと、確かに「TRANSLATION」と書いてあります。
Apple iPhone 15 Pro (9mm, f/2.8, 1/50 sec, ISO200)
本来は「10」と書いてある下の赤っぽい電光掲示板に整理券番号が表示されるはずなのですが、故障中でした。
一応順番が回ってくると番号がアナウンスされるのですが、ベトナム語だし、不安なので一応窓口のおねいさんにこの整理券を見せてアピールしつつ、出来るだけ近くに座って待ちます。
番号を呼ばれたっぽいので窓口に行ってみると「座れ座れ」的に言われたのでやはり自分だったようです。
免許証の原本とコピー2枚、パスポート(原本)を渡します。
しばらくすると、100,000ドンと言われるので支払うと、こんな控えを貰えます。
2営業日後の午後に出来ると言われます。
余裕を持って3営業日後の朝、上の控えを持って同じ窓口を訪れると、免許証の翻訳・公証が出来上がっていました。なお、翻訳・公証は2部ある事を確認してください。交通運輸局での切替申請で2部必要です。
手続1.5. 健康診断(参考)
上で触れた通り、今回のケースでは健康診断は不要でしたが、もし必要だと言われた時の為に参考までに流れをご紹介します。
健康診断には300,000ドンかかるので、時間に十分余裕があるようなら、一度運輸局(下の手続き)へ行って、必要と言われたら受けに来るくらいがいいかも知れません。なお交通運輸局から指定病院までは徒歩5分です。
必要書類と所要時間
必要書類:
- パスポート
- 3×4センチ証明写真:2枚
- TRCと運転免許(念のため)
- 上で翻訳・公証した免許証(念のため)
- 受診費用:300,000ドン
健康診断所要時間:1時間~1時間半
診断結果の受取:その場で
TRCと免許は恒例のお守り代わり。翻訳・公証済の免許証は不要ですが、これを見せると話が早いかも知れないので一応。
ホーチミン市交通病院 – 診療所136のアクセス
ホーチミン市交通病院 136 医院 (Bệnh Viện Giao Thông Vận Tải HCM – Phòng Khám Đa khoa 136)で健康診断を受けることができます。
こちらは運輸局の指定病院らしく、免許申請用の健康診断には慣れているためスムーズで、場所的にも運輸局のすぐ近くです。
Apple iPhone 15 Pro (2.2200000286119mm, f/2.2, 1/350 sec, ISO40)
健康診断の流れ
建物に入って正面右手の「Reception」と書かれた受付で、「ドライバーライセンス」などと無邪気に言うと、「おう分かった分かった」的な感じでパスポートと顔写真写真2枚の提出が求められ、記入様式を2部渡されます。
Apple iPhone 15 Pro (6.7649998656528mm, f/1.8, 1/100 sec, ISO160)
同時に請求書兼領収書を渡され、「Payment」などと言われます。最初に会計を行うスタイルです。
受付の左後方に「Casher’s Office」と言うのがあるので、そこで受診料300,000ドンを支払い、領収書に支払済スタンプを貰います。
Googleレンズを駆使しつつ様式(2部)に記入します。
再び受付に戻り様式と領収書を提出すると、記入様式に診察の順番を書かれた紙をホチキス止めしてくれるので、その順番に回ります。
Apple iPhone 15 Pro (2.2200000286119mm, f/2.2, 1/100 sec, ISO200)
書かれたフロアに行ってその辺の人にこれを見せれば、「あっちだ」的に教えてくれます。
検査は正直どれも適当なので、流れるように進みます。視力検査(眼鏡あり)とかあんまり見えなかったのですが、特に何も言われず。あとなんか手足ブラブラさせるやつとか謎。血液検査はありません。
あ、検尿があるので検査直前にトイレに行かない方がいいかも。
全て終わったら受付に提出し、待っていると名前を呼ばれます。最後に「あっちでスタンプを貰え」と言われるので、会計の窓口で様式(2部)にスタンプを貰い、健康診断は終了です。
Apple iPhone 15 Pro (6.7649998656528mm, f/1.8, 1/50 sec, ISO125)
手続2. 運転免許切替申請
いよいよ最後の手続き(というか健康診断なければ2つだけですが)、交通運輸局での免許切替申請です。
必要書類と所要時間
必要書類・モノ:
- 申請様式(2部):運輸局でゲット
- 日本の免許の翻訳・公証(2部):上でゲット済み
- パスポートの顔写真ページコピー(2部):あらかじめ用意
- TRCのコピー(2部):あらかじめ用意
- パスポートの最後の出入国スタンプ(?)ページのコピー(2部):あらかじめ用意
- パスポート原本(提示のみ)
- 日本の免許原本(提示のみ)
- TRC原本(提示のみ)
- クリアファイル(推奨)
- ボールペン(推奨)
申請手続所要時間:1時間半ほど
免許の受取時期:今回は1か月弱(結構変動が大きそう)
上で触れた通り、健康診断受診様式も提示しましたが、「No need. New regulation.」と言われて突き返されました。
必要書類のうち、5番目の「パスポートの最後の入出国スタンプページのコピー」ですが、受付の人に出せと言われたのは「最後のベトナム『出国』スタンプ」が捺されたページでした(↓)。
こちら、「一番新しい日付スタンプ(『入国』スタンプ)のページじゃなくていいのか?Are you sure?」と詰め寄りましたが、塩対応で有名な運輸局職員には軽く無視されました。
ここはちょっと怪しいので、もし可能なら両方のページのコピーを2部ずつ用意した方が確実です。最悪、すぐ隣にコピー屋があるので、そちらでもコピー可能です。
ホーチミン市交通運輸局の場所
免許切替申請は、3区のホーチミン市交通運輸局で行います。上の指定病院から徒歩5分です。
この細い路地の奥にあります。
左手の青い壁が交通運輸局。ここを訪れたホーチミン市民なら知らない人は居ない、塩対応で有名な役所です。
混み合ってます・・・塩対応になるのも仕方ないか・・・
一番前に、申請様式が置いてあります。左の箱は提出用の箱。
Apple iPhone 15 Pro (6.7649998656528mm, f/1.8, 1/100 sec, ISO125)
「APPLICATION FORM FOR EXCHANGE OF DRIVER’S LICENCE」という様式を2枚取り、記入します。ここで持参したボールペンがうなりを上げます。無ければ借りればいいと思います。塩を撒かれそうになるかも知れませんが堂々と借りましょう。
普通はここで、上で記載した必要書類一式を用意し、塩職員に「これでOK?」と確認するとよいでしょう。すると塩職員がしょっぱい顔で「要るのはこれとこれ。これ(健康診断)は要らない」と教えてくれます。
で、筆者の場合更に「だがもうこんな時間(11時半)だ。13時15分に出直せ。シッシッ」と塩を撒かれたので、一旦出直しです。なお13時ではなく13:15なのは、13時まで昼寝をするため寝袋を片付けたりと言った時間が必要なのでしょう(たぶん)。
ということで出直しつつ気を取り直しつつ、最初に言われた通りのものをクリアファイルに入れて提出箱に入れます。入れる時に「これはここでいいんだよな」と塩職員にアピールし、スマイルではなくガン飛ばしを貰っておきます。
そして待つ事約45分、ようやく名前が呼ばれます。ちなみに呼び出しのアナウンスはめっちゃエコーがかかってます。「ミスタァァ〜ン♪10マァァックスゥゥゥン♪」カラオケかよ。
で、ここで書類の確認が行われ、問題無ければ135,000ドンの費用を支払います。
で、「座ってて」と言われるので、再度待つ事約20分、再びカラオケ用マイクで呼ばれて、写真撮影に進みます。眼鏡を外すように言われます。なお歌唱力の審査とかはありません。
撮影はすぐに終わり、こんな控えを渡されます。
で、ここに受取予定日が書いてあるかと思いGoogleレンズをかましてみたのですが・・・
真ん中くらいに
「2025年3月28日8:00~17:00までに運転免許証を受け取りに来てください」
と書いてあるように見えるんです。この翻訳が正しければこれは「受取予定日」というよりは「受取期限」のように思われるので、塩職員に「最速でいつ受け取れるんだ?」と尋ねますが、やはりこの日付だと言います。
今日が2月14日なので、何と受け取りは1か月半後・・・!?
大使館のHPなどには「5営業日後」と書いてあったので、流石に遅すぎるだろうと思い「いやいや1ヶ月以上もかかるのか」などとブーブー言っていると、
「郵送の方が早く受け取れるからあっちで申し込んで」
と言われたので、仕方なく後方のカウンターに向かいます。
Apple iPhone 15 Pro (6.7649998656528mm, f/1.8, 1/100 sec, ISO160)
こちらでも受取時期を訊いてみますが、やはり同じ答え・・・
とにかく、それなら郵送にして、最速で受け取れるようにしておくのが吉でしょう。
郵送料は30,000ドン。
このEMSの封筒に自宅の住所を記入しておねいさんに渡します。こちらのおねいさんは優しい対応で癒されます( *´ω`* )
郵送の控えを貰います。念のため住所などを確認します。この控えは郵送での受取時に必要なので大切に保管しましょう。
郵送で免許受取
結果的に、免許証が届いたのは3月11日、申請してから1カ月弱後でした。
明日から一時帰国🇯🇵なので休肝日にしようかと思いましたが、ベトナムの運転免許証(A1🛵B1🚗)が届いたので今夜はお祭りです🎉
2/14に切替申請して1ヶ月弱で届きました。管轄は公安ではなく、運輸省のままでした。 pic.twitter.com/VwA2kfCuZn
— 10max🇻🇳 | 旅とベトナム (@10max) March 12, 2025
実際には3/11にアパートのレセプションに配達があったのですが、受け取るには上の控えが必要で、筆者はその時オフィスに居たため、その日の夜帰宅時にレセプションに控えを渡しておいて、翌日再度配達に来てもらい、12日にレセプション経由で受け取りました。
Apple iPhone 15 Pro (6.7649998656528mm, f/1.8, 1/50 sec, ISO125)
配達が終わると、このような配達完了通知のZaloが届きます。
手続きや受取時期はしばらく変動しそう
さて、今回は受取まで1ヶ月弱かかった訳ですが、これは恐らく結構変動があると思います。
これまで通常は1週間程度で受け取れるのが一般的だったようですが、今回は実は政府の省庁再編や免許証の仕様変更、年末の交通取締強化があったりした関係で、色々ゴタついていたようです。健康診断の要否の話もこの辺り行が関係しているのかも。

免許切替5日じゃなくて1ヶ月半かかるっての、本当ぽい。免許の管轄が運輸省から公安に移行真っ最中だってのと、年末の交通規制強化も絡んでる模様🔥
健康診断省略もこれが関係してるのかな🤔▼ ホーチミン市:午前5時から人々が列に並ぶのに苦労、運転免許証交換所は混雑https://t.co/iU9PHsr8PR
— 10max🇻🇳 | 旅とベトナム (@10max) February 28, 2025
総論:手続きは個人でも簡単、ただし余裕をもって
これで日本の運転免許のベトナム免許への切替申請手続きは完了。
手続き自体の印象としては、意外と簡単だったな、と。エージェントを使うと言ったようなケースも聞きますが、これなら個人申請でも全く問題無さそう。
ただし、繰り返しになりますが、制度がコロコロ変わったり、末端まで制度変更が伝達されていない、あるいはハノイとホーチミンなど地域によって手続きが違う可能性は往々にしてあるので、申請のやり直しや手戻りがある前提で、時間的余裕を十分持った上でトライして頂く事を強くお勧めします。
いやいや免許証の手続きなのに「ちょっと何言ってるか分からない」と思われそうですが、この手のベトナムの役所手続きのダークサイドは、労働許可証やTRC取得の時などにさんざん苦渋を舐めさせられてきました。これを経験すると、日本の役所がいかにまともに仕事してくれてるかが分かります^^;

以上、どこかのどなたかのお役に立てば幸いです。
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