こんにちは。10max(@10max)です。
ベトナムという国家の66%はそれよって構成されていると言っても過言ではない「ヌクマム(Nước mắm)」。発酵魚を原料とした、独特の香りを発する魚醤というジャンルの液体調味料です。
本記事では、このヌクマムをスープのベースとしてしまった(?)香り高き変態麺「ブンマム(Bún Mắm)」とその名店をご紹介します。
想像しただけで鼻と胸が一杯になりそう・・・ですがご安心ください。これが予想の斜め上を行く、中々の美味さなのです。そうでなければ記事にしません。
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※ホーチミンのローカル飯屋↓

※ベトナムの麺料理↓

「Feat. ヌクマム」の変態麺料理、ブンマム
ブンマム。ベトナム南部メコンデルタ地方のご当地麺です。
- Bún=ベトナムの代表的米麺
- Mắm=ヌクマム(魚醤)のマム
ということで、そのまんま「ヌクマム麺」。
ヌクマムといえば、まあ美味いんだけど、クサイ。結構苦手な人も多いし、味変のために少量付けるならともかく、スープにしちゃうなんて・・・もう聞いただけで、食えるのかそんなもん、と(笑)
実際このような寸胴↓で、ヌクマム入りのスープをグツグツと煮込みます。マジかよ、と思いますが、マジです。
ところが、これが中々どうして、驚くべき意外な美味しさなんですよ。いやー、「ベトナム人、すげぇな」と感心させられるほどです。
初めましてBún Mắm🍜
マムベーススープにつき吉と出るか凶と出るか博打でしたが大当たり✨
マム独特の香りはあるものの塩辛が嫌いじゃなければ割と普通に飲めるしむしろ塩味が効いてて美味い😋
教えて貰ったファンビッチャンの方の店も行きたかったけど今日は徒歩圏内のBan Coの人気店🇻🇳 pic.twitter.com/3f6xZJGiLK— 10max🇻🇳 | 旅とベトナム (@10max) December 6, 2025
ブンマムの癖薄い版兄弟麺、ブンヌックレオ
同じくベトナム南部メコンデルタの名物麺に、「ブンヌックレオ(Bún Nước Lèo)」というのがあります。こちら、同じくヌクマムベースのスープ麺なのですが、スープの癖が抑え込まれており、色も澄んだクリアタイプです。
実はこのブンヌックレオはクメール出身の麺料理で、これを元にしてベトナム南部風に発展を遂げたのがブンマム、という兄弟関係にあるようです。ちなみにカンボジアでは「ノムバンチョック(Num Banh Chok)」というそうです。
メコンデルタは地理・歴史的な事情でクメール文化の影響が色濃く、それでこの辺りでブンマムが栄えたのですね。ブンヌックレオからすると、「おま、ベトナムに来てえらい濃ゆくなったな!!」って感じでしょうか。
なお、先日職場の同僚にカマウ方面へのドライブ旅に連れて行って貰った時に、このブンヌックレオの店に立ち寄ってくれたのですが、どうやらブンマムは刺激が強すぎるため配慮してこちらにしてくれたようです(笑)
カマウに向かう一本道の食堂でBun Nuocと言う南部麺で朝飯🍜先日ホーチミンで食べたBun Mamの癖薄い版とのこと。10maxが変態麺ブンマムを食べられる事を知らなかったので安牌を選んでくれたらしい😆 pic.twitter.com/3ZlvKbPSx7
— 10max🇻🇳 | 旅とベトナム (@10max) December 13, 2025
HCMC3区のブンマムの名店 | Bún Mắm Miền Tây
そんなブンマムの美味い店がホーチミンの旧3区にあります。美味い店で食べないと、癖つよ過ぎて痛い目を見る可能性があるので、美味い店に行くことが大事です。
それが、「Bún Mắm Miền Tây」というお店。「Miền Tây」というのは直訳すると「西地方」なのですが、転じてベトナム南部メコンデルタを指すようです。確かにホーチミンから見ると南西方向です。
お店は安宿街のブイビエン辺りから車で10分ほどの場所にあります。
黄色に赤文字デカデカと「BUN MAM」と書いてあるのですぐに分かります。しかも看板から壁面の至る所に何か所も「BUN MAM」「BUN MAM」と書いてあります。そんなに沢山書かなくても分かるよ・・・
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メニューはシンプルにブンマムが2種類のみ。「binh thuong」が通常、「dac ciet」が特別、つまり具が多いバージョンです。特に内臓などの好き嫌いの分かれる具は入っていないので、迷ったら「特別」が鉄板です。
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チャダーを飲みながら着丼を待ちます。
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実食!変態ヌクマムスープのブンマム
やがて満を持して着丼です。
ドーーーン!!
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エビやイカ、魚の練り物など、海の幸が豪華に乗っています。ローストポークのHeo Quayやナスの煮びたしのようなものも載っています。「特別」ですからね。
さあ、何はともあれ、スープです。ドキがムネムネです・・・
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見た感じはやはり濃いい感じですね。ベトナム版ビーフシチューと言われるボーコーとはまた違う、何らかの「醤」が感じられる茶色です。
匂いは・・・あのヌクマムの独特の匂いは意外なほどに抑えられています。やや塩辛に近い何かを感じますが、塩辛が特に嫌いというのでなければ、決して嫌なものではないでしょう。
そして口に含んでみると、うま味と塩味のバランスで、やや塩味が勝っている感じで、これも中々いける!むしろ甘めのスープが多い南部において、パンチが効いていて中々良きです。
麺はやや中太のブンで、やや弾力があってこちらも好感が持てます。
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塩味が効いているので、野菜を大量にぶち込んでスープに浸してやります。空心菜やもやしはよく見ますが、フキのような野菜は他ではあまり見ないような気がしますね。パンチの効いたスープの味でこれらの野菜も美味しく頂けます。むしろ全体的に味がマイルドになって良きです。
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ということでブンマム、変態的先入観を見事に(いい意味で)裏切ってくれました。「もう胸いっぱい、一回でいいや・・・」となってしまう事も少し危惧していましたが、これなら定期的に摂取したくなるレベルです。
4年近く住んでいるのに、ベトナムの麺、まだまだ新しい一面を見せてくれるので、飽きることがありませんね。
さて、次はどんな麺と出会えるだろうか。



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