こんにちは。買い物はさほど好きではないのに市場は大好物な10max(@10max)です。
ホーチミンの3区に、古き良きサイゴンの雰囲気を色濃く醸し出す伝統的な市場があります。その名は、「バンコー市場（Chợ Bàn Cờ）」。
路地の迷宮のようなその市場は、歩いているだけでアミューズメントです。
SONY ILCE-7C (34mm, f/5, 1/80 sec, ISO200)
陽気なホーチミンの人々はカメラを向けると大抵ピースしてくれる
古き良きサイゴンの路地が織りなす伝統的市場「バンコー市場」
バンコー市場の特徴は2つあります。1つはこのエリアの、碁盤の目のように規則正しく敷き詰められた路地群。そしてもう1つは、ベンタイン市場などのような建物がなく、路地そのものが市場になっていることです。これらの特徴によりバンコー市場は、他の市場とは異なる、独特のカオス感とローカル感をともなう雰囲気を醸し出しています。
碁盤の目状の路地そのものが市場
ホーチミン市中心部のマップを眺めていると、3区の西寄り、10区との境界近くに、路地が碁盤の目のように妙に整然と並ぶ謎の領域が展開されています。
この辺りは「バンコー（Bàn Cờ）」地区と呼ばれています。Bàn Cờとは、ベトナム語でまさに「碁盤」という意味です。
バンコー地区は現在のかつてのサイゴン市の西の外れに当たります（旧サイゴン市は現在のホーチミン市の1区と3区あたりに該当）。このエリアは20世紀初頭にはサイゴン市の外縁部の下町でしたが、1920年代頃からフランス統治政府がサイゴン市街区をチョロン方面に拡大していく際に、このバンコーエリアを居住区として整備しました。そのため、このようなチェス盤のような規則正しい路地が敷き詰められたと言われています。
このバンコー地区の、南北をNguyen Dinh Chieu通りとDien Bien Phu通り、東西をCao Thang通りとNguyen Thiet Thuat通りに囲まれた下の丸印の辺りに広がっている市場が、バンコー市場です。
バンコー市場には一応入口？シンボル？的なものが建てられていますが、これはほぼハリボテで、単なる物置のような小屋にすぎません。先ほど申し上げた通り、「市場の建物」が存在しないのです。
SONY ILCE-7C (28mm, f/5, 1/1000 sec, ISO200)
バンコー市場のシンボル的ハリボテ
一応、このハリボテのようなバンコー市場のシンボル的ハリボテは、下のマップのポイントにあります。強いて言えばここが市場の入口、に当たるのでしょう。
ところで、上のバンコー市場（Chợ Bàn Cờ）のシンボルは、Nguyễn Đình Chiểu通りに面する路地、Hẻm 664 Nguyễn Đình Chiểu上にあるのですが、実は上のGoogleマップの「Chợ Bàn Cờ」のポイントは元々全然違う市場の外れの方に登録されていました。それを筆者が先日Googleに修正依頼したことで、上のHem 664上に変更されました。
おそらく市場の建物がなく迷路の様な路地全体が市場なので、どこが市場なのかが分かりにくいために、妙な場所にポイントが登録されていたのでしょう。なお、「Hẻm」はベトナム南部で路地を意味します。
なので、一応入口的シンボルがあるとは言え、どこからが市場だとか、どこから入るだとか言った明確なものはありません。この辺りの路地を歩いているとだんだん屋台が増えて来るので、「そろそろ市場かな」というアンニュイな感じで迷い込んでいきます。
SONY ILCE-7C (94mm, f/5, 1/500 sec, ISO200)
少しずつ屋台的なものが増えてくると、多分それはバンコー市場
かつて革命軍兵士の隠れ家でもあった路地の迷路
バンコー地区の路地は、まさに迷路のよう。洞窟のように露天がひしめく細い路地があるかと思えば、突然民家が並ぶ路地が現れたり、自分が一体どこにいるのか分からなります。この辺りはかつてサイゴンで密かに活動していた北ベトナムの革命軍兵士の隠れ家だったとも言われていますが、確かに格好の潜伏場所と言えるでしょう。
SONY ILCE-7C (66mm, f/4, 1/80 sec, ISO250)
SONY ILCE-7C (96mm, f/5, 1/100 sec, ISO320)
SONY ILCE-7C (37mm, f/3.2, 1/60 sec, ISO200)
SONY ILCE-7C (58mm, f/4, 1/400 sec, ISO200)
庶民の生活のための市場
バンコー市場はベンタイン市場などのように観光客向けのものは売っていません。地元庶民が日用品などを安く購入するのための市場です。
SONY ILCE-7C (28mm, f/5, 1/400 sec, ISO200)
女性たちがお手頃価格のアクセサリーを物色しています。
SONY ILCE-7C (40mm, f/5, 1/40 sec, ISO400)
この辺りは衣料品の店が多いようです。
SONY ILCE-7C (75mm, f/5, 1/160 sec, ISO200)
SONY ILCE-7C (61mm, f/5, 1/200 sec, ISO200)
もちろんルイヴィトンやディオールもお手軽価格で販売しています。
SONY ILCE-7C (52mm, f/3.5, 1/60 sec, ISO200)
SONY ILCE-7C (93mm, f/4.5, 1/100 sec, ISO500)
衣料品店が集まる辺りには仕立て屋もたくさん出ています。ここではありませんが、以前細君も近所の仕立て屋をたまに利用していました。
SONY ILCE-7C (82mm, f/5.6, 1/100 sec, ISO500)
食料品もたくさん売られています。
SONY ILCE-7C (66mm, f/4, 1/125 sec, ISO200)
野菜や魚介類も見られますが、バンコー市場はウエットマーケットというよりは、どちらかというと日用品の割合が多いように感じます。
SONY ILCE-7C (45mm, f/3.5, 1/100 sec, ISO200)
SONY ILCE-7C (28mm, f/2.8, 1/500 sec, ISO200)
SONY ILCE-7C (56mm, f/5, 1/250 sec, ISO200)
食事が出来る屋台も並んでいます。
SONY ILCE-7C (44mm, f/5, 1/100 sec, ISO200)
SONY ILCE-7C (39mm, f/5, 1/100 sec, ISO200)
ドラえもんのような何かも買うことが出来ます。
SONY ILCE-7C (53mm, f/3.5, 1/3200 sec, ISO200)
一仕事終えて昼寝をしているおばちゃんが居ました。サイゴンは平和です。
SONY ILCE-7C (35mm, f/3.5, 1/320 sec, ISO200)
バンコー市場を散策して古き良きサイゴンを感じよう
どうでしょう。バンコー市場、中々よさそうな雰囲気ではないでしょうか。
元々かつてのサイゴン市内だったことからも、ローカル感がありながらもどこか落ち着いた、時間が止まったかのような風情が特徴のこのエリア、散策にもピッタリです。
また、市場の周りにもおすすめのローカル飯屋が多いので、これらで食事がてらぶらぶらしてみてみるのもよいでしょう。
バンコー市場周辺のおすすめレストラン
SONY ILCE-7C (82mm, f/5.6, 1/100 sec, ISO800)
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