こんにちは。麺の食べ過ぎで麺疫力の向上著しい(=お腹周りのガードばっちりな)10max(@10max)です。
さて、基本的に日本人みんな大好き、ベトナムのローカル飯。
しかし数あるローカルベト飯の名店達の中でも、特に胃袋を掴んで止まないのが、中国で生まれベトナムで育った「ベトナム中華麺」!!アチョー!!モッハイバーヨー!!
失礼・・・胃袋を掴まれ過ぎて取り乱しました。中華とアジアの麺文化の結節点であるベトナムで、独自かつ多彩な進化を遂げた珠玉のベトナム中華麺の名店達をご紹介したいと思います。
※ホーチミン市内のローカルグルメのまとめはこちらを御覧下さい。
Apple iPhone 15 Pro (6.86mm, f/1.8, 1/100 sec, ISO80)
ベトナム中華麺、それは華麗に深められた食文化の融合
「ベトナムまで来て中華料理?」と思われるかも知れませんが、もうちょっとだけ見ていって下さい。東南アジアの至る所で見られる大陸中華の影響ですが、ベトナムのそれは中々特殊だと感じます。
例えばホーチミン市内の中華街、チョロンに住む華人の多くは、他の東南アジア諸国と同様、かつて中国南部沿岸部の福建省や広東省などからやって来た人々の末裔ですが、そもそも現在のベトナムの領土の大半は遠い昔、「越国」の南という意味の「越南」、つまり中華の版図の一部でした。そして、日本や台湾、朝鮮半島などと同様、漢字由来の言語を持ち、古来から箸を使う文化が根付いていた点も、東南アジアの中では特異です。
つまり、誤解を恐れずに言えば、元々中華をルーツとする土壌に、さらに華人が後世の中華を持ち込んだ、言わば中華の二層式塗装状態が、ベトナム中華だと言えます。
料理についても、元来「炒める」「蒸す」「煮込む」というような基本的な中華料理の技法が根付いていたところに、後から渡ってきた華人が大陸で進化を遂げた中華料理でアップデートを加えた、と言う意味では、非常にレベルが高く、工夫が凝らされて深みがあるのが、ベトナム中華料理であるとも言えるでしょう。
ベトナム料理が他のアジア料理よりも特に日本人の口に合うのは、その辺りに関係があるのでは、と個人的に想像しています。
Apple iPhone 12 Pro (4.2mm, f/1.6, 1/530 sec, ISO32)
お薦め過ぎて薦めたくないホーチミンのベトナム中華麺店まとめ
そのようなベトナム中華料理でも主役を張るのが、麺料理。以下、筆者の知り合いのベトナム人からの口コミなど、割と個人的かつ適当な 独自に取材を重ね厳選された情報源による、ベトナム中華麺の名店達を具体的にご紹介してきましょう。
絶品豚足スープのベトナム中華麺「Phát Ký Mì Gia」
Apple iPhone 15 Pro (6.86mm, f/1.8, 1/120 sec, ISO200)
ホーチミン1区のPhát Ký Mì Gia(発記麺家)の特徴は「豚足スープ」。豚足をぐつぐつ煮込んだスープもさることながら、骨付きの豚足がドーンと椀の中に入って出てくる様は中々豪快です。ホーチミンでもそのような豚足スープを出す店は限られるので、貴重な一軒です。
また、小麦麺や複数の米麺(フーティウ)など豊富なバリエーションの麺を選ぶ事が出来るのも魅力です。ワンタンや牛肉ボールなどのトッピングも選べます。
百年続く街角の麺・お粥食堂「Thành Ký」
Apple iPhone 12 Pro (4.2mm, f/1.6, 1/120 sec, ISO32)
ホーチミン1区にて、フーティウと中華麺、お粥を、なんと親子五代、百年にも渡って提供し続けているドローカル食堂です。
こちら、出汁の沁み渡るスープを一口食べた瞬間に
「これは何杯でも食べられそうだぞ・・・」
と予感したのですが、美味し過ぎて本当に(以下略)。
また、お粥が超ダークホースで、麺類にも勝るとも劣らない絶品だったので、こちらも見逃せません。
ダックヌードル「Hải Ký Mì Gia」
Apple iPhone 12 Pro (4.2mm, f/1.6, 1/230 sec, ISO32)
ホーチミン5区の中華街チョロンの「海記麺家(Hải Ký Mì Gia)」は鬼美味いダック(鴨)ヌードルを提供する名店です。
箸で簡単にほぐせるほどホロホロに煮込まれた鴨と、その鴨肉の味を最高に引き出してくれる深みのある特製スープを、中華麺と共に気軽に堪能出来てしまう夢のような欲張り料理が「ダックヌードル」です
ダックヌードル以外にも、水餃子(麺)やワンタン(麺)、揚げ餃子などのスタンダードな中華料理も激美味です。
鴨・水餃子・叉焼の神コンボ中華麺「Hào Ký – Sủi Cảo & Mì Vịt Tiềm」
Apple iPhone 15 Pro (6.86mm, f/1.8, 1/50 sec, ISO64)
ホーチミン5区の中華街チョロンのベトナム中華麺店「Hào Ký – Sủi Cảo & Mì Vịt Tiềm(豪記麺家)」。こちらも鴨推しではあるのですが、店名に「Sủi Cảo(水餃子) & Mì Vịt(麺鴨)」とある通り、鴨と同時に水餃子をフィーチャーしている点がユニークです。また、個人的にはチャーシューも中々の逸品であると感じました。
それらの具もさることながら、しっかりコシのある玉子麺にほのかに八角の効いた薬膳風の深く優しいスープという基本が非常にハイクオリティなのが素晴らしい。
爆旨水餃子麺「Sủi Cảo 162」
OLYMPUS E-M1MarkII (19mm, f/5.6, 1/60 sec, ISO1600)
ホーチミンの中華街チョロンには「水餃子ストリート」と呼ばれる一角があるのですが、その中でも地元で人気なのが、Sui Cao 162。こちらの水餃子と、麺の入った水餃麺が、絶品です。
こちらのお店は日本語のブログやサイトではあまり紹介されていませんが、店はいつも地元の人達で混雑しています。メニューも料理もシンプルですが、味はピカイチです。ベトナム料理も相当美味しいのですが、中華料理やっぱりすげえ、と思わされた名店です。
なおこのお店、正確な住所は11区ですが、ほぼ5区チョロンとの境界線近くに位置します。
絶品鴨&豚肉のベトナム中華食堂「Lạp Vị Gia Thiên Nhiên」
Apple iPhone 12 Pro (4.2mm, f/1.6, 1/50 sec, ISO250)
天然燒臘家(Lạp Vị Gia Thiên Nhiên)はちょっと変わり種で、汁無し中華麺の名店です。ホーチミン1区の観光の中心部にある、創業1938年の「ドローカルな」ベトナム中華料理店。鴨肉や豚肉を添えた小麦麺や、ご飯との組み合わせも選べます。
こういうシンプルなのでいいんだよ、と思わず膝を打ちたくなる逸品たち。元々食肉の卸販売の店だったようで、店頭にぶら下がった鴨や豚の丸ごと肉が味への自信を物語っています。
味もルーツも規格外!鹿肉濃厚ピリ辛スープ麺「Hủ tiếu Sa tế nai」
Apple iPhone 15 Pro (6.7649998656528mm, f/1.8, 1/50 sec, ISO160)
ホーチミン5区の中華街チョロンにある、ゴロゴロの贅沢鹿肉にピリ辛特濃ピーナッツスープが絡む規格外の美味さの「Hủ tiếu Sa tế nai」の老舗。
規格外なのは味だけでなくルーツ。どうも、南方マレーの串焼き「サテ」がソースに姿を変えて北の中国大陸に渡り、さらに麺の要素も加えて再び南下してサイゴンの地にやって来たと言う、壮大な「旅する麺」。
病みつき覚悟の必食絶品麺です。
HCMC3区の中華麺&点心店「Vi Ky Mi Gia」
Apple iPhone 15 Pro (6.7649998656528mm, f/1.8, 1/60 sec, ISO200)
中華麺店の少ないホーチミン3区で、「Vi Ky Mi Gia(維記麺屋)」は貴重な名店。
テーブル5卓ほどのこぢんまりとした店構えですが、麺も叉焼も水餃子などの点心も丁寧に作られた逸品で、調度品もどことなくお洒落で、この店のあるCư Xá Đô Thànhという歴史ある閑静な住宅街に合う落ち着いた雰囲気。3区周辺で美味い麺が食べたい場合はぜひ候補に入れてみて下さい。
歴史が紡いだ爆旨ベトナム中華麺に胃袋を捧げよう
ベトナム中華麺、少しは興味を持っていただけましたでしょうか。お味の方は、少しはどころか爆旨であり、バカ旨です。
ベトナムならではの特異な進化を遂げた麺料理を、ぜひ堪能されてみて下さい。きっと胃袋を掴まえて離さないはずです。
コメント