こんにちは。基本的に卵が大好きな10max(@10max)です。
少し前のことになりますが、ホーチミンに赴任して間もない昨年8月、何と世界一を誇るベトナム料理を食べていました。それは、「ホビロン(hột vịt lộn)」という、孵化しかけのアヒルの卵です。
何が世界一かと言うと、ホビロンは「アジアの最低評価卵料理トップ」に選出された筋金入りのゲテモノ料理なのです^^;
いやいやしかし、お味の方は確実に美味しかったですし、ベトナムの最もローカルな味と雰囲気を感じたいなら間違いなくお薦めの逸品です!
(とは言え以下の写真を見て肌に合わないと思ったら引き返して下さい(笑))
本記事ではそんなホビロンと道端の屋台でご対面した際のインプレッションを、食べ方の動画と合わせてご紹介したいと思います。
アジアを股にかけるホビロン
「ホビロン(hột vịt lộn、ホッビッロン転じてホビロンと聞こえる)」はベトナム南部の言い方ですが、ベトナム北部では「チュンビッロン(trứng vịt lộn)」と呼ばれます。
「trứng」はズバリ「卵」という意味で、スーパーなどでもよく見かけます。「hột」は「種」というような意味のようです。「vịt」はアヒル。「lộn」は「混乱した」というニュアンスの様。
つまり、直訳すると「混乱したアヒルの卵」という感じなのでしょうか。食べ物に対する表現としては言い方がよろしくないですが、「グチャッとしたアヒルの卵」という感じでしょうか^^;
このホビロン、ベトナムだけでなく、フィリピンでも「バロット(Balut)」として有名で、他にもアジア諸国で食卓に載るようです。上の記事にはこうあります。
フィリピン料理のひとつとして有名なバロットだが、ベトナム、ラオス、カンボジア、中国など、アジア諸国で親しまれており、屋台から高級レストランまで、いたるところで食せる。産卵から17~21日経過し、殻の中で羽や血管などがほとんど形成される頃が食べ頃。孵化直前のものともなれば、鳥を丸ごと食べているようにも見えることから世界的に有名だ。
出典:VIETEXPERT
「鳥を丸ごと食べているようにも見える」とは中々勇ましい光景ですね。
ホビロンはホーチミンの名も無き屋台にて
さて、職場のベトナム人の同僚が連れて来てくれたのはこちらのお店。ホーチミン市11区のとある一角です(後で地図を掲載してます)。
Apple iPhone 12 Pro (4.2mm, f/1.6, 1/25 sec, ISO800)
お店・・・というか、道ですね(笑)
ベトナムではこうして路上で営業している屋台を山ほど見ますが、こう言うのは公安の袖の下で営業許可を貰っているという伝説は本当なのでしょうか。
しかし素晴らしい屋台です。ランボルギーニ並みの風呂椅子の最低地上高が旅愁を誘います。この景色だけでサイゴンビアを3本ほど飲めそうです。
近づくと店名やメニューのようなものが貼ってありますが、「hột vịt lộn」とは書いてありません。
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しかし、明確に卵が鎮座まします。これが「孵りかけの奴ら」なのでしょうか・・・・。
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いきなり本丸のホビロンなどと焦らずに、まずは鍋で乾杯します。
ベトナム人はほんと鍋が大好き。こういう風呂椅子の店に来ると大概鍋を頼みます。
もちろん、べちゃくちゃ美味しい!
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こういう鍋物は頼み方や食べ方がよく分からないので日本人だけでは注文しづらいのですが、ベトナム人と一緒に来るとこういうローカル料理が食べられるのが有り難いですね。
やがてただならぬ気配が近づいてきます。
シャ◯アじゃないのか!?
ま…間違いない。奴だ…奴が来たんだ!
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えっと、赤いモビルスーツならむしろ分かりやすいのですが、この「奴」は見た感じ旧ザクかよと言いたくなるほどに地味です。
世界一のゲテモノ卵料理と称されたホビロンと言えども、殻を割らなければただの茹で卵と変わりません。
しかし周りには「ラクサ」というハーブの葉が大量に添えられています。このラクサには解毒作用があるらしく、ホビロンと一緒に食べるのが良いそうです。
つまり、この卵はやはり只者ではないということです。間違いない、あれはシ◯ャアだ!
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ホビロンの食べ方動画、そしてお味
では早速ホビロンを食していきます。
このホビロン、見た目に騙されて間違えて茹で卵のように殻を剥き始めてしまうと、殻の中のあつあつの液体がぶちまけられて大変な事になります。
小さなお猪口のようなものが付いてくるので、そこに卵を載せててっぺんをスプーンでペチペチ叩いて、てっぺんだけ殻を割って剥いていきます。
その模様を動画にしたのでよろしければ御覧下さい。
この様にしててっぺんを割ったホビロンがこちら。ほわ〜っと香ばしい香りと共に湯気が立ち上り、食欲をかき立てます。この状態ではまだ薄皮が張っています。
Apple iPhone 12 Pro (4.2mm, f/1.6, 1/35 sec, ISO640)
動画にもありましたが、外の殻と中身の間には「スープ」が溜まっていますので、この状態で一度中の「スープ」をすすりましょう。そうしないと熱っつい液体が外に飛び出して大変です。
この「スープ」、塩味が効いていて大変美味です。この「スープ」が何なのかは詳しくは分かりませんが、「殻の中」なので・・・想像し過ぎないほどに想像にお任せしますw
「スープ」をある程度飲み干したら薄皮を破り、外の殻もさらに剥き下げて行きます。
えっと、筆者はこれ見ても何ら問題ないですが、一応【閲覧注意】って書いておきますね。
アヒルさんとご対面!!
Apple iPhone 12 Pro (4.2mm, f/1.6, 1/35 sec, ISO640)
まあとにかく、味は美味しいですよ!(笑)
本当に孵化直前のものだと分かりませんが、これくらい程よい時期のものなら、特に想像を巡らせ過ぎてしまうような珍しい食感は感じません。
茹で卵よりもややしっかりした食感で、ものすごく柔らかい鶏肉のような感じもします。
ストリート屋台飯を堪能
ホビロンばかりに注目してしまいますが、ここで楽しめるのはホビロンだけではありません。
ここは天下のベトナムストリート。美味しいローカルベトナム飯に沢山出会えます。
何が何やら分からないので、ベトナム人同僚のお薦めに任せたり、指差しで適当に注文します。美味しくないものには滅多に出会わないのがベトナムの良いところ。
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以下、繰り返しますが正直何が何だか分からないので写真だけ載せます。美味しそうな雰囲気だけ感じ取って下さい(笑)
串焼きのソーセージのようなもの(串から外した)。
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カワハギの干物のようなもの。
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かた焼きそばのようなもの。
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何かよく分からないけど美味しいもの。
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よく分からないけど美味しい麺。
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この生春巻き、屋台には売ってなかったんだけど、屋台の周りに売り歩きに来たおばちゃんから買いました。日本なら完全に営業妨害って言われそうな案件ですがこっちでは誰も気にしませんw
Apple iPhone 12 Pro (6mm, f/2, 1/35 sec, ISO1000)
ベトナム屋台の救世主、移動式トイレ
ところでホビロンやローカル飯に舌鼓を打ち、Tigerビアを呷りながら、何となく気になっていたのが道路の反対側にある銀の箱。
「あれは何?」
とベトナム人同僚に訊いてみたところ・・・
Apple iPhone 12 Pro (4.2mm, f/1.6, 1/25 sec, ISO800)
さて、ところでベトナムでは立ちションは犯罪です。1000円前後の罰金ものです。
そんな中、こんな路上の屋台で大量のTigerビアを飲んでいたら、屋台に払うのより高額な罰金を払う羽目になりそうです。
そこで救世主となるのが、実は上の銀色の箱だったのです。
そう、これは「移動式トイレ」。
近づいてみると、身長178センチの筆者でも頭がつかえずに入れるほどの大きさで、中々綺麗に保たれています。洗剤が置いてあるのもGood!
ベトナム人の生活の知恵ですね〜!!
Apple iPhone 12 Pro (4.2mm, f/1.6, 1/13 sec, ISO500)
まとめ:ベトナム・ドローカルの味と雰囲気を味わうならホビロンを!
ということで(どういう事だ)、孵りかけの卵「ホビロン」、興味が湧きましたでしょうか。
ホビロンの味自体は、感動するほど美味しいかと言うとそこまででもなく、「世界一ゲテモノ卵料理と言われる割には全然普通に美味しいな」という感じです。
それよりも、ベトナム(や一部のアジア)でしか味わえない、いえ、もっと言えばベトナム料理の中でもかなりディープな食べ物であるということに加え、ホビロンを出す店はそもそもローカル感満点なお店(屋台)が多いので、ベトナムローカルに浸かりたい方にはお薦めです。
参考:ホビロンを食べた屋台の場所と、ホビロンの店の見つけ方
今回ホビロンを食べたのは、たまたまホーチミン10区に用事があり、同僚がその近くの屋台に連れて行ってくれました。その場所がこちらです。「Nhà Nhiều Hoa」というお店自体は屋台の事ではなく、その店の前の辺りの路上に屋台が展開されていたという訳です。
もちろんホーチミンにはここ以外にもホビロンを食べられる場所は多数あります。
探し方としては、一番良いのは、もし現地の知り合いが居ればその人に訊いてみること。
もし知り合いが居なければ、Googleマップで「hột vịt lộn」と検索してみることですね。
なお、筆者は今のところ上の場所しか知りませんが、ここは都心からやや遠いので、より都心でホビロンを食べられる場所を開拓していきたいと思います。もし他に見つかったらこちらでご紹介しますね。
ではよい旅&よいベトナム生活を♪
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