こんにちは。ローカル飯だけでなくローカル観光地の開拓も進めたい10max(@10max)です。
ホーチミンにも少ないながら観光スポットはあるのですが、整備された「観光名所」的な場所よりも、もっとローカルの生活や信仰、日常がじわ〜っと滲み出てるような場所がいいんですよね。個人的なフェチで恐縮ですが。
と言う事で、目を皿のようにしてGoogleマップを眺め回し、見つけ出したのが今回の「Chùa Bà Châu Đốc 2」というローカル寺院。日本語での情報は一切なく(本記事執筆時点、Google、Twitterでの検索結果による)、過去にここを訪れた日本人は一体何人居るんだろう・・・と言うドローカル感にヨダレが出ます(安心して下さい!ちゃんと拭きましたよ!)。
寺院はもちろんおばちゃんが作ってくれる優しいフーティウ(麺)やベトナムを代表する大河ドンナイ川も満喫出来る素晴らしい場所でした。
そんな「Chùa Bà Châu Đốc 2」に、ホーチミン市内路線バスに揺られて日帰りで行ってきました。これがまた最高の旅情を醸し出します。市民が日常で使っている地味な交通手段ほど萌えますよね!個人的なフェチで恐縮ですが。
そんな半日のぶらり旅、さて行ってみましょう。
なお、ホーチミン市内路線バスの乗り方についてはこちらの記事をご参照下さい。
SONY ILCE-7C (143mm, f/5, 1/200 sec, ISO100)
20番バスでChùa Bà Châu Đốc 2を目指す
まずこの「Chau Doc Mieu Ba 2」という寺院がどの辺りにあるのかを見てみましょう。
単刀直入に申し上げると、この辺です。
ホーチミンの都市部で最南端にある7区の、さらに最南端で、感覚的にはホーチミン市の南の端っこです(実際にはホーチミン市って海岸線まで広がってるのでもっと南があるのですが)。この地図上では見切れて表示されていない、もっと上の方に1区などの市中心部があります。
距離的には7区のフーミーフン地区から8~9kmくらいで、車で片道20〜30分程度。実際に路線バスで行く場合にはバス停までの移動が加わります。
いよいよ路線バスに乗る
ホーチミン市内から「Chau Doc Mieu Ba 2」寺院へは20番、もしくは75番バスを利用します。
ということで筆者の自宅の最寄りバス停にやって来ました。こちらがバス停です。ここまではGoogleマップを頼りに徒歩で来ました。
SONY ILCE-7C (42mm, f/3.2, 1/2000 sec, ISO100)
地味過ぎて通り過ぎそうになりますが、ちゃんと「20」「75」と書いてあります。
SONY ILCE-7C (43mm, f/3.5, 1/2500 sec, ISO100)
BusMapの運行間隔の情報通り、数分待つと20番のバスがやって来ました。通り過ぎられたら困るので大げさに手を振ります。
SONY ILCE-7C (200mm, f/5.6, 1/500 sec, ISO100)
バスの中は存外綺麗で快適です。ただし、道路は悪いのでジェットコースターの様に跳ねます。子供達にはそれも楽しかったようで。
バスに乗り込むとしばらくしてこのおばちゃんが切符を売りにやって来ました。
数分おきに運行するバス1台1台にこんな暇そうな人が乗っていると思うと、機械化すれば良いのに・・・と思わなくもありませんが、アジアの旅情はこちらの方が圧倒的に上です。
※上で貼ったバスの乗り方記事で触れた通り、路線によっては運転手が一人で対応するワンマンバスもあります。
SONY ILCE-7C (79mm, f/4.5, 1/100 sec, ISO100)
20番路線の料金は一律6,000ドン(約30円)。激安です。
SONY ILCE-7C (28mm, f/2.8, 1/50 sec, ISO100)
最寄りバス停から「Chùa Bà Châu Đốc 2」へはクネクネ路地
「Chau Doc Mieu Ba 2」の最寄りバス停は、その名も「Chùa Bà Châu Đốc 2」です。バス停から寺院までは5分ほどクネクネ路地を歩きます。ベトナム南部式に言えば「ヘム(細い路地)」です。
Googleマップとにらめっこになりますが、それでも分かりづらく気づくと行き止まり、てな感じでしたが、分からなくなったらその辺の人にスマホで寺の写真を見せれば教えてくれます。
こちらがバス通りから寺院へ向かう路地の入り口です。
SONY ILCE-7C (28mm, f/2.8, 1/2000 sec, ISO100)
道路の反対側からちょっと引きで。油断していると通り過ぎそうな地味さなので気をつけて下さい。
SONY ILCE-7C (28mm, f/3.2, 1/1600 sec, ISO100)
この路地の時点で既にいい雰囲気満点です。ついついシャッターを切りすぎて家族にどんどん置いていかれます。
SONY ILCE-7C (83mm, f/4.5, 1/125 sec, ISO100)
SONY ILCE-7C (143mm, f/5, 1/200 sec, ISO100)
途中のちょっと広い建物では結婚式的なものが催されていました。ベトナム式で周囲を憚らない大音量でした。
SONY ILCE-7C (52mm, f/3.5, 1/60 sec, ISO125)
いよいよChùa Bà Châu Đốc 2寺院の入り口です。ちょっとした市場になっています。
SONY ILCE-7C (72mm, f/4.5, 1/80 sec, ISO250)
こちらがChùa Bà Châu Đốc 2寺院の入り口です。こちらも地味すぎて通り過ぎてしまいそうです。
ともあれ入っていきます。
SONY ILCE-7C (28mm, f/2.8, 1/30 sec, ISO125)
ドンナイ川の要衝に立つChùa Bà Châu Đốc 2寺院
Chùa Bà Châu Đốc 2寺院に入っていく前に、少しだけこのお寺の予備知識をば。
水死者を祀る祠→金運・幸運をもたらす寺院
Chau Doc Mieu Ba 2の場所に関して特徴的なのは、ドンナイ川の大きな分岐点に位置すること。ドンナイ川はメコン川やハノイのホン川などと並び、ベトナムを代表する大河の一つです。
元々この場所には水死者が流れ着くことが多く、それらの水死者を祀る小さな寺としてChau Doc Mieu Ba 2は始まりました。そこから段々と知名度が上がり、幸運・金運や平和をもたらす寺院として、多くの人々が礼拝に訪れるようになったとのこと。
ところで「Chùa Bà Châu Đốc 2」という寺院名の由来ですが、まず「Chùa」というのはベトナム語で寺とかパゴダという意味。なので「Chùa Bà Châu Đốc 2」というのは「Bà Châu Đốc 2」寺という事になります。
「Bà」はベトナム語でいくつかの意味があり、「おばあさん」という意味の敬称で使われたり、派生して「聖母」的な雰囲気の非常に尊い女性の事を意味する事もあるようです。下の写真にある「娘娘」というのも「聖母」的な意味合いで、水難から守ってくれる女神を祀っているのではないかと推測します。
じゃあ「2」って何よ?と思い調べてみると、「Bà Châu Đốc」という寺院が3つあるみたいですね。「1」はカンボジア国境近くのまさに「Châu Đốc」という名前の町にあり、「2」と「3」がホーチミンにあると。
SONY ILCE-7C (28mm, f/3.2, 1/30 sec, ISO800)
いよいよChùa Bà Châu Đốc 2寺院の中に入ります。
そこにはめくるめくスペクタクルが待っていました。
SONY ILCE-7C (20mm, f/2.8, 1/50 sec, ISO100)
とりあえず、どこからどこまでが寺なのか、建物の構造がどうなっているのか、などカオスすぎて思考が混乱します。
SONY ILCE-7C (20mm, f/3.5, 1/30 sec, ISO160)
しかし地元の方々が熱心にお祈りをしているので、間違いなくここが寺なのだ、と確信し、一安心します。
SONY ILCE-7C (20mm, f/2.8, 1/30 sec, ISO200)
SONY ILCE-7C (28mm, f/3.2, 1/30 sec, ISO500)
SONY ILCE-7C (28mm, f/4, 1/40 sec, ISO100)
SONY ILCE-7C (69mm, f/4, 1/80 sec, ISO320)
こちらの金魚は、恐らく購入し、川に放って徳を積む、という事じゃないかと想像します。小鳥とかもよく売られていますね。
SONY ILCE-7C (42mm, f/4, 1/50 sec, ISO200)
目映い仏像たち
ベトナムでは一般的に仏像(?)達が非常にキラキラしています。小林幸子さんのルーツはここにあったのか、と妙な納得をします(違)。
SONY ILCE-7C (66mm, f/4, 1/80 sec, ISO3200)
金運を急上昇させてくれそうな仏様もおられます。
SONY ILCE-7C (53mm, f/4, 1/60 sec, ISO800)
これは何でしょうね。ガンダムがカタパルトから射出される時のような若干前のめりな姿勢です。
SONY ILCE-7C (68mm, f/4, 1/80 sec, ISO640)
これはもう、めちゃくちゃ強そうです。武神でしょうか。眉毛だけで見るものを圧倒します。
SONY ILCE-7C (37mm, f/4, 1/40 sec, ISO320)
様々な狛犬たち
日本で言う狛犬、獅子あるはシーサー的な守護神たちも様々な出で立ちで迎えてくれます。
いきなりですが、こちらは犬でも獅子でもなく、虎です。ここはベトナムなので何でもありです。
SONY ILCE-7C (73mm, f/4, 1/80 sec, ISO500)
犬もいましたが、随分とハイソな感じです。
SONY ILCE-7C (71mm, f/4, 1/80 sec, ISO400)
ライオンも居ましたよ。こちらも親善大使か何かのような洗練された出で立ちです。
SONY ILCE-7C (50mm, f/3.5, 1/50 sec, ISO1250)
食堂で絶品フーティウを頂く
Chùa Bà Châu Đốc 2には食事が出来る食堂があります。どれもローカル感満点で、見ているだけでお腹が減ります。お値段も完全にローカル価格です。
SONY ILCE-7C (28mm, f/4, 1/30 sec, ISO125)
こちらはBUN XAO(炒めブン)でしょうか?(自信ありません)
SONY ILCE-7C (111mm, f/4.5, 1/125 sec, ISO3200)
こちらは揚げ豆腐か何かを煮込んでいるようでした。仏教寺院だからだと思いますが、全般的にベジタリアンメニューのようです。
SONY ILCE-7C (28mm, f/4, 1/30 sec, ISO800)
筆者家族はフーティウ(ベトナム南部風米麺)を頂きました。
ツルッとコシのある麺に、具は揚げ豆腐と野菜。透き通って出汁の効いた優しいスープが最高です。お値段は25,000ドン(約130円)。
SONY ILCE-7C (44mm, f/5.6, 1/50 sec, ISO1250)
家族もみな美味しい美味しいと絶賛でした。余計なものはいらない、これだけでいい、というのを地で行くベトナムのフーティウ、最高です。
SONY ILCE-7C (28mm, f/9, 1/30 sec, ISO1600)
SONY ILCE-7C (28mm, f/3.2, 1/60 sec, ISO100)
ドンナイ川の雄大な流れを望む
食堂を通り過ぎるとすぐにドンナイ川が流れています。上でも触れましたが、ドンナイ川はベトナムを代表する河川。サイゴン川でさえこのドンナイ川と比べれば細い支流に過ぎません。もっとも、そのドンナイ川もメコン川と比べれば小川に見えてしまうのですが・・・
そんなドンナイ川の海のようなゆったりとした大きな流れを眺めながら、しばし風に身を委ねます。
SONY ILCE-7C (20mm, f/8, 1/640 sec, ISO100)
SONY ILCE-7C (20mm, f/8, 1/800 sec, ISO100)
子供達が川に入って貝や魚などを採っていました。
SONY ILCE-7C (20mm, f/5.6, 1/1250 sec, ISO100)
最後にトイレに寄って帰ります。合言葉は「VE SINH」(ベトナム語でトイレ)。これはぜひ覚えておきましょう。
SONY ILCE-7C (89mm, f/4.5, 1/100 sec, ISO320)
行きに通った路地をクネクネと戻っていきます。
SONY ILCE-7C (189mm, f/5.6, 1/400 sec, ISO100)
行きに通った結婚式海上は既に解散となっており、おじさんが一人でカラオケを歌っていました。バンドメンバーもそれに付き合ってあげていました。優しい。
SONY ILCE-7C (28mm, f/3.2, 1/50 sec, ISO100)
バス通りを反対側に渡ります。バス停はすぐに見つかります。
一度乗ってしまえば勝手知ったるもの。
SONY ILCE-7C (28mm, f/3.2, 1/1600 sec, ISO100)
SONY ILCE-7C (53mm, f/3.5, 1/1000 sec, ISO100)
さいごに:一粒で何度も美味しいChùa Bà Châu Đốc 2路線バス旅
Chùa Bà Châu Đốc 2、これは想像以上の隠れ名所でした。
寺院内のめくるめくスペクタクル、絶品フーティウ麺、そしてドンナイ川の悠久の流れ・・・ベトナムの欲しい物がこれでもかと詰まった、充実の日帰り旅でした。
非常におすすめなのでローカルアジアン好きな方にはぜひ訪れて頂きたい名所ですが、一方でこれからも永遠にガイドブックに掲載されないことを祈ります(笑)
SONY ILCE-7C (70mm, f/4, 1/1000 sec, ISO100)
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